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料理サロン:講座ご報告(2014年9月19日)

9月 21st, 2014
料理サロン:講座ご報告(2014年9月19日) はコメントを受け付けていません

夏休み明けの久々のマリオンのレッスンです。一気に秋が近づいてきたという感じの爽やかな一日。でもマリオンのマンションのロビーにはやたらと蚊がいて、デング熱騒ぎのただ中ですから、皆さん大騒ぎ。何とマリオンもたくさん蚊よけスプレーとか、虫刺されの薬など用意していました。情報をいち早くキャッチして、それに対応していく順応力はさすがです。

「蚊の大騒動」が静まったところでリビングに入ると、カラフルな、そこだけパッと花が咲いたようなテーブルが目に飛び込んできました。

P9190438  table

最近購入したというライヨールのナイフに合わせて、カラフルなドットのテーブルクロスがかけられています。このライヨールナイフ、フランス語ではLaguioleと書き、ラギオールと読みます。ラギオール村で造られる高級ナイフをラギオール、ライオール(この地方のオック語でラヨール)などと呼びますが、商標登録がないため、いろいろなところで同じ名前で生産されたナイフが出回っています。ブランド名として認められていないので、本物、ニセ物という区別にはならないそうですが、安物から高価なものまであり、品質もそれなりのようです。マリオンの新しいライヨールの柄は美しい色合いのアクリルガラス製で、しかも軽いです。切れ味も抜群。1本、15000円くらいはする代物です。赤、青、緑、紫、黄色、ピンクの6色が揃っています。テーブルの中央両サイドには、ナイフと同じ6色の羽がお皿に飾られています。今日のテーブルの主役はやはりライヨールのナイフのようですね。

さて今日のお料理は、魚と野菜のマリアージュ。アルザスワインの白、リースリングのCuvé Anne-Laure 2012がお供です。

P9190460  brochette (2) -

Brochettes de Thon et Concombre(マグロときゅうりのブロシェット)

ごま油、しょうゆ、しょうがのマリネ液に15分ほど漬けたまぐろを、ピーラーで薄切りにしたきゅうりで巻きます。まぐろの切り口に黒ゴマをまぶして出来上がbrochettes de Thon et de concombreり。とても簡単。フランス料理でも最近はごま油、しょうゆ、しょうがなどのアジアティックな調味料が使われるようになってきたのですね。まぐろのソフトな食感ときゅうりのパリパリとした食感がおもしろい。お酒のおつまみにも合いそうです。もっと刺激的な風味をお好みの方にはきゅうりで巻く時わさびを少々つけても、巻いた上から唐辛子を振りかけてもよさそうです。

 

Mousse de Saumon

Croustillant de Sésame, Mousse de Saumon et Carpaccio d’Aubergines Grillées

(サーモンのムース、焼きナスのカルパッチョ、ゴマ風味のカリカリパイサンド)

折り込みパイ生地にゴマをのせてこんがり焼きあげた台の上に焼きナスのマリネをのせ、その上にサーモンのムースをのせ、もう一枚のパイをのせます。最後にミニアスパラの穂先を飾ります。グリーンサラダとバルサミコクリームを添えていただきます。こちらも様々な食感が楽しめます。パイはサクサクパリパリ、ナスはほどよい歯ごたえを残し、サーモンのムースはなめらか。小さなサイズに仕立てればアントレやアペリティフにもOKだそうです。見た目もおしゃれですが、結構ボリュームがあります。本日はメインの大役を果たしていました。

aubergines coupees

mousse de saumoncroustillant de sesameP9190473  creme balsamique                                                                                

 

panna-cota

Panna-cota coulis de Pêche blanche et Vin mousseux Café de Paris Pêche

(パンナコッタ、白桃のクリソース、カフェ・ド・パリ・ ピーチ)

Cafe de Paris Pecheこのパンナコッタの特徴は、クリームにもクリソースにもピーチのスパークリングワインが風味づけに入っていること。ピーチの香り高い、しかし思いのほか甘味を抑えた大人のワインです。缶詰の白桃をフードプロセッサーにかけてピューレ仕立てにしたクリソースのあとから、パンナコッタのツルッとしたクリームが追いかけてきます。どんなに濃厚な料理のあとでもこれならペロリといただけてしまいます。

今年の夏にバカンスでフランスへ帰ったマリオンは、友人たちに桜モチを作ってふるまったとか。すごくおいしいと言って食べた人とC’est  bizarre (妙な味ね!)と言った人と半分半分だったとか。道明寺粉やあんこ、桜の葉、桜の塩漬けまで買い込んで帰ったマリオンは、さながら日本食の伝道師!!南フランスの人口わずか100人の村でもついに日本の桜モチがデビューを果たしました。

 

cours de cuisine

 

 

 

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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年6月10日)

6月 17th, 2013
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バカンスまであと3週間という今日のレッスンのテーマは、「Légumes du Soleil 太陽の野菜たち」。フランス人のウキウキ感が伝わってくるようなタイトルです。6月という月は、子供がいるフランス人家庭なら、学年末でもあり、学校の行事がいろいろあってマダムたちはにわかに忙しくなります。1年間の子供の成績、素行などについて、日本と同じように「保護者面談」があり、進級できるかどうかという深刻な問題を抱える家庭もでてきます。また、「学芸会」のようなものもあり、子供たちが舞台の上で歌ったり、ダンスをしたり、劇をしたりするのを、両親が招待されて見に行きます。更に夏を前に日本を離れ、フランスへ帰国したり、他の地へ赴任することが決まった家族の子供たちのために「さよならパーティー」も開かれます。マダムたちのプライベートでも離日する友人たちのためにあちこちでパーティーを開くので、いささか皆様お疲れ気味。ヴァレリも前日遅くまで集まりがあったようでちょっと寝不足のご様子です。
まずレッスンの前にお茶をいただきながら、おしゃべりをひとしきり。「間もなくバカンスですね。」と水を向けると、「ウイ~!ソウソウソッ!!」ととても嬉しそうなお返事。日本人だってバカンスは欲しいですが、仕方がありません。せめて太陽をいっぱい浴びて育った野菜の料理に挑戦いたしましょう。

今回はオーブンがフル回転するため、手順よく段取りを決めて行かないととても2時間では終わりそうにありません。ヴァレリのお手並み拝見!
まずポレンタ用に輪切りにしたトマトを150℃のオーブンで30分ほどじっくり焼いて水分をとばします。その間にデザートのspritz(スプリッツ:サブレの一種)の生地を作って絞り袋にいれて、クッキングシートを敷いたバッドの上にS字を描きながら形を絞り出していきます。オーブンからトマトを取り出し、温度を180℃に上げて、スプリッツを入れて15分ほど焼きます。うっすらと焼き色がつく程度がベストなので時々チェックを入れます。その間に、ズッキーニとフェタチーズのタルトにとりかかります。半月切りにしたズッキーニとみじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルでじっくりと全体がしっとりするまで炒めます。タルト型に冷凍のパイシートをのばして敷き込み、ここにズッキーニを加え、卵、生クリーム、フェタチーズをよく混ぜ溶かしたものを流し込みます。オーブンからスプリッツを取り出し、そこへ今度はタルトを入れてやはり180℃で35分ほど焼きます。その間にチキンロールを準備します。鶏胸肉を観音開きにして、コップの底で叩いて全体を平らにします。コッパ(生ハムの一種)、リコッタとマスカルポーネを合わせたチーズ、トマト、バジルの葉を重ねてしっかり巻いて、タコ糸をかけます。オリーブオイルでじっくりと焼き色をつけて焼きます。最後にポレンタを作ります。ミルクと水を沸騰させてポレンタの粉(とうもろこし粉)を振り入れ、弱火にかけて6~8分静かにかき混ぜ、最後にチーズを加えます。耐熱皿に移して輪切りのトマトを並べ、チーズを散らします。ズッキーニのタルトにおいしそうな焦げ色がついてきたので、オーブンから取り出し、続いてポレンタを入れて10~15分焼きます。最後のこの工程までオーブンには2時間の間に5回も料理の出し入れがありました。(スプリッツは2回に分けて焼きました!!)大変緻密な計算で、温度管理から調理順番まで完璧に流れが組み立てられていました。お見事!!

いよいよ試食タイムです。ズッキーニとフェタのタルトは、ズッキーニの甘味とフェタチーズの酸味がほどよくマッチしていて、思いのほか軽く、夏の疲れた胃袋にもやさしい料理です。メインはチキンロールとポレンタ。チキンロールは、さっぱりとした胸肉にコッパハムの塩気とトマトの酸味が融合し、バジルの香りが全体をひきしめています。ポレンタはチーズがはいり、なかなかのボリュームです。ポレンタは、かつて貧しい人たちの主食に用いられていたので、余りいいイメージではありませんでしたが、近年また料理の付け合せとして見直されているとか。今日の料理に合わせたのは、Rosé d’Anjou(ロゼダンジュ)。ロワール川のアンジュ地方の軽やかなロゼを冷たく冷やしていただきました。夏、友人や家族との食事によく登場するそうです。デザートには、ヴァレリが作っておいてくれたりんごの冷たく冷やしたコンポートにスプリッツを合わせていただきます。甘さをおさえたサクサクのサブレとりんごの優しい甘さがあとをひきます。

また、食卓では料理についての質問のほか、フランス語についてもいろいろな質問が飛び交いました。ヴァレリはそのひとつひとつに丁寧に答え、それを熱心にメモ書きしている方もいらっしゃいました。料理の豆知識だけでなく、いつも疑問に思っていたフランス語の言い回し、でも誰に聞いたらいいのかわからなかったことが聞けるのも、ヴァレリの気取らない人柄とこじんまりとした人数での会食のおかげです。お腹は満たされ、頭の引き出しにも新しい知識が加わり、幸福度120%の異文化体験の3時間は瞬く間に幕切れとなりました。

◆マダムの料理アドバイス:

絞り袋にクリームなどを入れるときは、背の高いコップに袋をいれて作業すると一人でも楽に注入できるのよ。

◆食卓で使えるフランス語表現:
日本語の「ごちそうさま」にあたるフランス語は?

  1. C’était délicieux. (おいしかったです。)
  2. J’ai bien mangé. (たくさんいただきました。)
  3. Je suis calé(e). (お腹がいっぱいです。)

1)はどんな場面でも使えます。一番無難な表現かもしれません。3)のcaléは動詞calerが語源で、「固定する」という意味ですから、「もう動けない」という感じも含んでいて、くだけた表現のようですから、あらたまった場面では使わないほうがいいかもしれません。

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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年5月25日/28日)

6月 4th, 2013
フランス料理サロン:講座のご報告(2013年5月25日/28日) はコメントを受け付けていません

今回は、「男子厨房に入る」というテーマで、パテとデザート一品をヤスミナに習う予定でしたが…
25日(英語)は女性7人、28日(フランス語)は女性5人と男性1人という結果で、男性陣に送ったラブコールは見事惨敗となりました。そのうちまた懲りずに企画いたしますので、そのときは是非男性の皆様ご参加ください。この報告をご覧になったらその気になっていただけるのでは…。

ダイエット中のヤスミナ:
「どうしてダイエットを?」という参加者の方の質問に、「夏になるから」とのお答え。「ビキニを着たいから??」「薄着になるから??」という参加者の方々の憶測は裏切られました。「夏休みにフランスへ帰ると、おいしいものがたくさんあるから、つい食べてしまうのね。だから今のうちに体重を落としておくの。」彼女のダイエットは「サラダと豚肉以外の肉だけを食べる」というもの。炭水化物も甘いものも、ワインもご法度。ですから、食卓で彼女が食べたのはサラダ菜とチーズ少々のみ。ちょっぴりワインを飲んでいましたが。お手製のマカロンなんてとんでもない。すでに1週間続けているそうですが、よく不機嫌にならないものだと、感心してしまいます。しかも、毎日1時間くらい軽くジョギングしたりしているとか。以前より少しスマートになったかどうかは微妙です。わずか1週間のダイエットでは何とも…。にわかに自分のかつてウエストがあったあたりに手をやってしまいました。
とにかく今回は「ダイエット」には最悪のメニューです。そうとわかっていてもついつい両目を閉じて口へと運んでしまう「太らばもろとも!」の世界です。

― 田舎風パテ。(豚肉と鶏レバーがギューギューに詰め込まれた肉塊です!)
― りんごのカラメリゼ、スペキュロスクリームのヴェリーヌ
(マスカルポーネがたっぷり入ったデザート。シナモンの利いたりんごと絶妙なハーモニー!)
その他、4〜5種類のチーズにカイザーのパン。レッスンで習ったパテ以外に、ヤスミナが事前に作っておいた「鴨肉のパテ」(ピスタッチオとヘーゼルナッツが入っていて美味!)と「スパイシーパテ」(レッスンで作ったパテより香草がふんだんに入っています。これも美味!)さらにお手製のリエットまで並びました。デザートも毎度のことながらヤスミナ特製「マカロン」。(毎回、季節に合わせた色とフレーバーで登場します。)

25日は快晴。広々としたテラスに食卓が準備されていました。都心とは思えない静かな昼下がり。吹き渡る風が心地いいパラソルの下で、ピクニックのような楽しいランチが始まります。ワインの1本目はBourgogne Pinot Noir (ブルゴーニュ ピノノワール)。くせのない爽やかな後味ですが、決してパテに負けてはいません。次にチーズといっしょに出されたのはCôte du Rhôhe Mélodie du Rhône
(コートデュローヌ メロディ デュローヌ)。濃厚なチーズたちに負けないパンチを持ったワインです。フランス料理では、ワインは弱いものから強いものへと変えていくのがよしとされています。確かに軽やかな前菜から相当ヘビーなメインまでいきつくと、舌もちょっとやそっとの香りでは驚かなくなっています。
28日は薄曇りで風もちょっと強めに吹いていました。そこで食事は初夏らしく向日葵が飾られた室内のテーブルでいただくことに。デザートとコーヒーはテラスに移動。小さな竹林に囲まれたコーナーのソファで、おしゃべりが弾みます。「一刻千金」[素晴らしい時間をありがとう! ヤスミナ!

こぼれ話:
今回のパテ用には、豚の肩ロース肉と鶏レバーをミンチしましたが、そのRobot(フードプロセッサー)が優れものでした。[ Kitchen Aid ]のスタンドミキサー、アメリカ製です。色が何とも素敵な紫色なんですが、その機能がまたすごい。メレンゲなどのクリーム撹拌、肉などのミンチ、アイスクリーム、パスタ、パンなど、部品をちょこちょこと変えればいろんなことができてしまう!!本体だけでも5万円弱はするので、年に1回か2回しか使わないのでは、器械が泣きますね。ちなみにミンサーがなくても、肉屋で肩ロースを挽いてもらえば大丈夫だそうです。(ホッ…)

●ある参加者のお言葉:
「例えただの紙ナプキンでも、こんな風に2色の大小を組み合わせるだけでおしゃれになるのね。」

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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年4月22日)

5月 11th, 2013
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本日は市ヶ谷のヤスミナ宅にて夏野菜と果物をテーマにした料理を習います。いつも素敵なテーブルセッテイングをするヤスミナの今日の食卓は春の花畑。背の高いガラスの花瓶に、やさしい春色のガーベラがすくっと投げ入れられています。そして花瓶の周囲にガーベラの花が点々と並べられ、よく見ると、花瓶の水中にも花が浮かんでいます。花に合わせて、テーブルクロスは濃い藤色。ガラス製のキャンドルホルダーも涼しげです。ヤスミナの食器はいつもシンプルな白の陶器。ただ形にはこだわりがあって、正方形とか、テリーヌ型や和食にも使えそうな深鉢などヴァリエーションに富んでいます。この白の陶器は、どんなテーブルコーディネートにも、どんな料理にも、フレンチでも和食でも中華でもきれいに収まる優れものです。日本人の食器棚には、和食器、洋食器、中華用などすごい数の皿や鉢がひしめいていますが、このシンプルな白の和モダンともいえる陶器にしたら、そんなにたくさんの数は必要なさそうです。

本日のメニュー:
前菜:Mille-feuilles(*) de Poivrons et Chèvre
(パプリカと山羊のチーズのミルフイユ)
メイン:Terrine de Caviar d’aubergine(*) et sa poêlée(*) de champignons
(ナスのキャビア風テリーヌ、きのこのポワレ)
デザート:Tarte aux deux citrons
(レモンとライムのタルト)
本日のワイン:Mouton Cadet Bordeaux 2010
(ムトンカデ ボルドー 2010年)

このワインは他のサロンでもでてきました。値段も手ごろで飲みやすいボルドーの赤です。フランスワインの近年ものでは、2009年と2010年は当たり年。お勧めのワインです。

レッスンのはじめに、冷たいお手製のドリンクをいただきました。レモン汁としょうがをすりおろしたもの、水、そして蜂蜜で作るのだそうです。しょうがの香がかすかにする口当たりの爽やかな飲み物です。夏には冷たく冷やして炭酸やジンなどで割ってアペリティフにしてもいいそうです。
さてレッスン開始です。まず、前菜のミルフイユ。パプリカの皮をきれいにむいてセルクルのサイズに丸くカットしてありました。オーブンで丸ごと40分ぐらい焼いたら、ZIPの中に入れて少し蒸らし、それから皮をむくと簡単にきれいにむけるそうです。山羊チーズとパプリカのミルフイユ、どんなお味かと思ったら、チーズも主張しすぎず、パプリカの甘味とトマトのクリーの酸味と相まって、さっぱりとしたお上品な味でした。メインのナスのキャビア風テリーヌ、お肉をまったく使っていませんが、立派にメインの役割を果たしています。ナスをバカにしてはいけませんね。すごい存在感です。たくさん食べてもあまり罪悪感を覚えないのが野菜料理の素晴らしいところ。むしろ体の中がきれいになっていくような気さえしてきます。デザートのタルトには、レモンとライムを使います。レモン3個は皮ごとざく切りにしてフードプロセッサーにかけます。ライムは皮をすりおろして使います。砂糖と卵、レモン、溶かしバター、オレンジエッセンスも加えてフィリングを作り、市販の冷凍パイシートを敷きこんだ型に注ぎいれて、オーブンで焼きます。レモンの皮が相当量入りましたので、クリームは軽い苦みがありました。甘いのが苦手な方にはちょうどよかったかもしれません。私はあとからコーヒーと一緒にだされたマカロンが嬉しかったですけれど。
食事のテーブルでは、なかなか話せない、マダムの話を聞くばかり…というジレンマに陥っている方も少なくありません。ひとり浮き立って話を独占することを好まない、慎み深い日本人ならではのことですが、ここはやはりせっかくですから、どんどん話していただきたい。そこで、今回はヤスミナと相談して、一人一人に何か質問をして話すチャンスを作ってもらうことにしました。今回はゴールデンウイークの過ごし方についての質問です。
みなさん、はたとフォークの手を止めて、料理ではなくフランス語の単語を舌の上で転がし始めます。フランス語を習い始めたばかりで話せないという方にも均等に質問がまわってきます。日本語で答えると、ヤスミナは困った顔に。日本語を習い始めたばかりの彼女にはこの日本語が全くわからない。
ですから立場はまったく同じです。聞かれたことが分からない、言いたいことが伝えられないというジレンマをヤスミナも共有してくれます。
でもみなさん、本当によく話されました。自己評価がとても高い…高すぎるフランス人によく出会いますが、日本人はその真逆だとつくづく感じます。次回は更におしゃべりに花を咲かせたいですね。お料理そっちのけになってしまったらお許しを!

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カルチャーサロン(麻雀):講座ご報告 2013年4月12日(金)

5月 1st, 2013
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今回は初めての試みとして「麻雀」のサロンを開催いたしました。全くの初心者の方もいらっしゃいましたので、まずは牌の種類から始まり、東西南北の風、上がり方などについて、マリが資料をみせながら説明いたしました。みなさんフランス語で何て言うんだろう?と興味津々。今まで一度もやったことがないという方が、牌の名称からゲームのルールまでフランス語で理解するというのは、ちょっと大変だったことでしょう。牌の名前を覚えるために、自分の牌を捨てるときに、例えば「萬子の1」なら(un de perle)、「北」なら(vent du nord)というように声に出すことになりました。
他の人が捨てた牌にも注意しつつ、何を捨てるか悩ましい上に、フランス語で牌の種類を言わなければならないので、頭の中は超高速回転。それでも牌をオープンにして2回練習したあと、通常通り牌を隠してゲームを開始。マリが初体験の方の間に座ってそれぞれに時々アドバイスをしたとはいえ、十分に4人で遊べていました。いい牌が回ってくるとどうしてもニヤニヤ嬉しそうになってしまう人、牌を捨てるまでに独り言を言いながら延々と悩む人、捨てた牌で役がいくつも作れてしまって嘆く人、牌をキチンとグループ分けしないと気のすまない人…確かにそれぞれの性格が色濃く出るゲームに違いありません。最後のゲームでは役の種類を写真付で解説しているアンチョコを片手に役作りに挑戦。初挑戦の方々もなかなか堂に入った様子でゲームの流れにのっていました。フランス人のマダムたちもいくつかグループがあるそうで、ルールはグループごとに違うので、混成チームで遊ぶときは、かならずゲーム前にルールを確認してから始めるのだそうです。一切お金はかけないので問題になりませんが、賭け麻雀などをされるアンダーグラウンドの方々の場合、これをしっかりやっておかないと指の一本も切り落とさなければ収拾がつかないなんていうこともあるのでしょうね。
マダムたちの麻雀は、卓を囲むメンバーとの会話、揶揄や応酬を楽しむのが目的で、どうやって上がるかを考えるその時間は、ただただ遊びに専心する非日常の時間です。とかくルーティンな家事や用事に追われる主婦には、たまにはあって当然の気晴らし・憂さ晴らしの大切なひととき。おまけにマリの手作りレモン風味のマドレーヌがいただけるとなれば、幸福度は間違いなく2倍に跳ね上がります。「楽しかった!!」とマリと再会を約束して会はお開きとなりました。

麻雀フランス語用語(牌の名称は講座詳細を参照なさってください。)
自分自身でつもって上がる:caché
ポンやチーで上がる:exposé
役:objectif
牌を捨てる:jeter une tuile

参加者の方の声:

・久しぶりの麻雀 楽しみました(^^)インテリアは流石でしたね。あの統一感を作り出すセンスは凄い!重みが有りました。(マダムS)

・今日の麻雀は楽しかったです。Marie先生が隣にしっかりついていてくださり、教えてくださったのでとても助かりました。(マダムM)

・とても楽しかったです。久しぶりの麻雀で、殆ど忘れておりましたが、やはり、ワクワク致しました。麻雀でフランス語を使うことと、勝利を目指すこととで、頭を何時もよりあちこあち使いましたようで、今夜は食欲が倍増致しました!(マダムK)

・初めての麻雀を、しかもフランス語で学ぶのにやや不安を感じていたのですが、
そんな不安などどこへやら、すっかりはまってしまいました。(マダムO)

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フランス料理サロン:講座ご報告(2013年4月11日)

4月 17th, 2013
フランス料理サロン:講座ご報告(2013年4月11日) はコメントを受け付けていません

マリオン初登場
本日の料理サロン、初登場のマリオンのお宅で開かれました。13歳から4歳まで4人の子供を抱えて、フランス人コミュニティでは新宿区の地域責任者も引き受け、日本料理を習い、菓子の学校にも行き、
日本語も勉強し、ご主人の仕事関係から友達まで頻繁にホームパーティーを開き、体がいくつあっても足りないという忙しさにもかかわらず、ネイルサロンに通ったり、おしゃれにも気を付けるスーパーレディです。好奇心旺盛で陽気でバイタリティーに溢れて…と思っていると時として空気の抜けた風船のようにダウンします。当然です。聞いているだけでも眩暈がしそうなハードスケジュールをこなしているのですから。彼女に限らず、フランス人全体に言えることですが、手帳をスケジュールで真っ黒に埋めるのがお好きな国民性とでもいいましょうか。「忙しい」は日本人の感覚ではネガティブなイメージなので、「仕事は忙しいですが、おもしろいです。」となりますが、フランス人にこの二つの形容詞を使わせると「仕事は忙しくておもしろいです。」とかならず言います。
そんな典型的なフランス人のマリオンのレッスンは、賑やかなおしゃべりとともに始まります。キッチンへ移動する途中で、家族の写真が並んでいるリビングの棚の前でにわかに大渋滞。すでに陽気なマリオンを中心にみなさん、おしゃべりに花が咲いています。

本日のメニュー
前菜:Terrine de Saumon(サーモンのテリーヌ)
メイン:Gratin de coquilles St-Jacques avec des champignons
  (マッシュルームと帆立貝のグラタン)
デザート:Profiteroles au chocolat(プロフィトロール チョコレートソース)
本日のワイン:Bourgogne Chardonnay(ブルゴーニュ シャルドネ)白 2010年


サーモンのテリーヌは、蒸してほぐした鮭の身を、自家製のマヨネーズと生クリーム、ハーブとあえてゼラチンで固め、スモークサーモンで包んだなかなか手の込んだ料理です。一人分ずつ型に入れて作りましたが、蛇の目型に入れて作って、食卓で切り分けてもいいそうです。でも一人ずつにしたほうが断然見た目がおしゃれです。
メインのグラタンは、日本人におなじみのホワイトソースのかかったものを想像すると裏切られます。
バター、玉ねぎ、白ワイン、小麦粉を加え混ぜてホワイトルー作り、そこにブイヨン(fumet de poisson魚介のスープストック)を加えて全体がもったりするまで煮詰めたら、帆立貝とマッシュルームを加えてチーズを散らしオーブンで焼きます。白ワインの風味と帆立の甘味がやさしく溶け合ってとてもさっぱりした味に仕上がりました。ちなみにホワイトルーにミルクをいれたものをベシャメルソースと呼びます。
デザートは、プロフィトロール。シュークリームのシューの中にアイスを入れてチョコレートソースをかけていただきます。シューは、カスタードクリームを入れたり、油で揚げてsucre en grains という粗塩ならぬ粗砂糖とでもいいましょうか、金平糖を細かく砕いたような砂糖をかけて子供のおやつにするほか、サーモンと生クリームを和えたものを詰めればアペリティフのおつまみにもなります。アイデア次第でいろいろに形を変えられるというわけですね。
メニューにはなかったのですが、食事の初めにVelouté de Poivron jaune(黄パプリカのヴルーテ)の冷製が出されました。パプリカの甘味が存分に引き出されていて、のど越しも爽やかで、暑いシーズンにはぴったりのポタージュです。また、マリオンはバゲットも自分で焼いていました。パン生地には市販のベーキングパウアダーを使わず、自分で作るのだそうです。小麦粉に水を混ぜて置いておくだけだそうです。イースト菌は入れないのかという質問に、暑い時期に作っておくと中でバクテリアが繁殖して、菌ができるという説明。「そんな菌を食べてお腹は大丈夫かしら?」という参加者の方の不安にマリオンいわく、「納豆と同じで~す。大丈夫で~す。」(マリオンは結構日本語が話せるのです!)自家製のバゲットは外側がカリッとしていて、中はしっとりふわふわ。市販のバゲットより長い間しっとりしているそうです。
茶箱また、彼女は焼いたケーキなどを茶箱に保存するそうです。そうするととてもいい状態で長く持つのだとか。湿気対策、虫よけというように、茶箱の機能は日本の風土から作り出された知恵の箱。美しい色の和紙を貼って、収納と同時にリビングのインテリアとして使っている外国人が増えています。
日本人の家では押入れに仕舞い込まれているか、全く見かけなくなった茶箱ですが、外国人の目にはこれもクールジャパンのひとつ。マルコポーロではありませんが、ジパングはやっぱりお宝の山ですね。

★フランス料理の豆知識:
ブイヨンには4種類あるそうです。
1) Bouillon de viande (肉のブイヨン)
2) Bouillon de légumes (野菜のブイヨン)
3) Bouillon de Volaille (チキンブイヨン)
4) Bouillon de poisson(魚のブイヨン= fumet フュメともいう)

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アートサロン(Pochoir/型染め):講座ご報告(2013年4月4日)

4月 8th, 2013
アートサロン(Pochoir/型染め):講座ご報告(2013年4月4日) はコメントを受け付けていません

前回のコラージュに引き続き、ソフィのアトリエで今回は「型染め」に挑戦いたしました。健気に咲いていた桜の花を無残に散らした春の嵐から二日後、コートもいらないくらいのポカポカ陽気の一日となりました。ソフィはリビングにつながる大きなバルコニーにもアトリエを広げ、大木を通り抜ける風の音と小鳥のさえずりをバックグラウンドに、染め仕事を楽しむという趣向です。まずは、冷たいドリンクとソフィお手製の「ロシェ」というお菓子をいただきます。(ヴァレリのレッスンで習ったロシェとはちょっと違ってこちらはアーモンドパウダーを使っていますが、形はやっぱりロシェ(岩山)です。)お茶をいただきながら、本日の型染めのいくつかの手法を見せてもらいます。バッグに染め出すモチーフの背景には、次のような方法があります。
1)直接染料を生地にぬりつける。
2)ジュースなどの空き缶に何重にも輪ゴムを巻きつけて、その上から染料を塗り付けて、バッグの生地の上をゴロゴロと転がすと縦縞や横縞の出来上がり。ゴムの間隔を不規則にあけたり、ゆがませたりしてもおもしろいデザインになる。
3)菓子や食品の袋に入っているプラスチックトレーの底部分に色をつけて、生地に押し付けて染める。何気なく捨てていたトレーにも、いろいろな模様があるのを知ってビックリ!!

皆さん、ご自分でデザインを持っていらしてました。愛犬の写真、ペガサスの絵、エッフェル塔等々…
写真や絵の上に薄いプラスチック板(A4のプラスチックファイルの片側を使用)にマーカーで丁寧にモチーフを写していきます。染め出したい部分をカッターで切り出しますが、このとき注意しなければならないのが、輪郭を全部カットしてしまうと内側の絵まですべて切り落としてしまうということ。ラインの一部を残しつつ、全体の絵の構成に響かないように残す部分を決めて行かなければなりません。この型染めのプロセスの中でも天王山の箇所です。古いシャンソンの流れる中、出来上がりをイメージしながら、皆さんカットに没頭。職人の工房のような厳粛な空気が漂っています。
染色はワクワクドキドキの時間です。ローラーか小さなスポンジに染料をつけて切り抜いた型の上から色を押しつけていきます。思った色を作るのはちょっと難しいですが、生地に染めてみる瞬間はスリリングです。少しにじんだりするのは、ご愛嬌!!最後はどれもとても個性的な作品が完成しました。
今回は、無印良品のバッグに型染めをしましたが、「古いTシャツに型染めをするとガラリとイメージが変わるでしょ。古いものに新たに命を吹き込んで生まれ変わらせるのがこの型染めのすばらしいところよ。」とソフィは言います。そう言われてよく見れば、ソフィのジーンズの膝にもお尻にも芸者の顔がプリントされてます。ソフィが動くたびに芸者の顔も動く…確かにこれは新しい命の誕生に違いないですね。

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フランス現代映画サロン:講座のご報告(2013年3月28日)

3月 31st, 2013
フランス現代映画サロン:講座のご報告(2013年3月28日) はコメントを受け付けていません

今回は昨年に引き続きフランス現代映画を5作品紹介していただきました。
年間おびただしい本数が製作されているフランス映画の中からミシェルが選んだ作品はどれも映画ファンなら垂涎の的になるものばかりです。

紹介された映画は以下の通りです。(*)日本で発売されているDVDあり
各映画のストーリー詳細は、イベントご案内のページに載せてありますので、そちらをご参照ください。作品が一つ変更になっています。Angèle et Tonyの代わりにL’arbreを取り上げています。

―(*) Ma femme est une actirce(邦題:ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール)
ジャンル:コメディー/ロマンス(2001年/ 日本では2003年に公開)
監督:Yvan Attal
主演:Charlotte Gainsbourg, Yvan Attal他

―Holy Lola(邦題なし)
ジャンル:コメディードラマティック(2004年)
監督:Bertrand Tavernier
主演:Isabelle Carré, Jacques Gamblin他

―(*) Fauteuils d’Orchestre(邦題:モンテーニュ通りのカフェ)
ジャンル:コメディー/ロマンス(2006年/日本では2008年4月に公開)
監督:Danièle Thompson
出演:Cécile De France, Valérie Lemercier, Albert Dupontel他

―(*) L’Arbre:(邦題:パパの木)
ジャンル:ドラマ (2010年8月/日本公開予定2013年6月)
監督:ulie Bertucelli
出演:Charlotte Gainsbourg, Marton Csokas, Aden Young, Penne Hackforth-Jones他

―Le prénom(邦題:なし)(2012年)
ジャンル:コメディー
監督:Alexandre de Lapatelière , Matthieu Delaporte
主演:Patrick Bruel, Valérie Benguigui, Charles Berling, Guillaume de Tonquédec

※「コメディー」は、日本の「お笑い」とはちょっとニュアンスが違っていて、基本的には最後がハッピーエンドに終わる筋書をこう呼ぶのだそうです。それに男女の愛がからむと「コメディーロマンス」。最後がハッピーエンドでない、どちらかというと悲劇的な終わり方をするものは「ドラマ」となるそうです。

どれも捨てがたいのですが、今回は今年6月に日本公開が決まったL’Arbre(邦題:パパの木)を取り上げてご報告いたします。監督のJulie Bertucelliは、オーストラリア人の作家Judy Pascoeの小説(Our Father Who Art in the Tree : 仏語版 L’Arbre du Père パパの木)を読んですぐさまこの映画を撮ることを決めたそうです。舞台はオーストラリア。仏豪共同制作の映画です。母親役には英仏バイリンガルのCharlotte Gainsbourgが抜擢されています。フランス語版では、彼女自身が自分のセリフをフランス語に吹き替えています。しかし、この映画の一番の主役は巨大なイチジクの木です。どうしてかというと「パパの木」だからです。監督のJulie Bertucelliは、イチジクが多く生息していることで有名なクイーンズランドで1000本近くもの木を見て回ったほどの入れ込みようです。どんな話なのかは何となくご想像がつくかと思いますので、これ以上申し上げるのはやめておきましょう。映画をご覧ください。どうしてもストーリーが気になって眠れないという方はリンクをはりましたので、そちらからのぞいてみてください。差しさわりのない程度にストーリーに触れるとしたら、これはオーストラリアの大自然の中で、家族が悲しみを乗り越えて強く成長していく物語です。オーストラリアならではの美しい自然の映像は圧巻です。そして自然が美しいだけでなく、時としていかに過酷であるかということは、日本が一昨年に経験した多くの人の悲しみとも重なり、またそれでも人間は勇気をもって生きていけるのだというメッセージには感動を覚えます。日本上映に先駆けて、4月4日19:00から東京日仏学院で、上映会が行われ、その後には監督のトークショーも用意されているそうです。上映会の詳細と映画の内容は以下のサイトでご確認ください。
http://www.institutfrancais.jp/

今回は、映画のダイジェストを見た後で、ミシェルお手製のお菓子をいただいて楽しいひと時を過ごすことができました。Gâteau aux Pommes et Noix(りんごとくるみのケーキ)はクラフティのようなやさしい甘さのお菓子で、ついつい勧められるままに二切れ目へと突入…。本当にフランス人マダムのお宅でのティータイムは危険です。

このサロンについては、参加者のおひとりの方のブログにもアップされています。きれいな写真が並んでいますのでそちらも合わせてご覧ください。
http://tuesgenial.exblog.jp/

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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年3月19日)

3月 26th, 2013
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3月とは思えない初夏のような一日でした。関東では軒並み25度以上の気温になって、コートを脱いでも汗ばむ陽気。ヴァレリーのリビングの窓も大きく開け放たれています。「みなさん、暑いから喉が渇いたでしょう?」といってヴァレリーがお茶をいれてくれました。でも熱いお茶。フランス人は暑い夏でも氷など入れてキンキンに飲み物を冷やすということはあまりしないですね。あるとき日本に出張でやってきたフランス人男性が嘆いていました。「どこへ行っても、水を頼むと氷が入っていて、おかげで僕はお腹の調子が悪いよ!」と、何度目かのトイレダッシュ。

さてさて、本日はクレープとガレットのレッスンです。最大のポイントは「ダマをつくらないこと」です。ヴァレリー曰く、「ダマはダメ、ダメ!」こんなダジャレが言えるヴァレリーの日本語は相当なものです。まずは、ガレットの生地とクレープの生地を作りました。そば粉で作る生地を「ガレット」と言います。小麦粉で作る生地を「クレープ」といいます。クレープには、「クレープサレ crêpe salée」といって料理に使われるものと、「クレープシュクレ crêpe sucrée」というデザートに使う生地がありますが、ガレットの生地ではデザートは作りません。ガレットは日本のそば粉を使いました。ブルターニュのそば粉とはやはりちょっと違うようで、今回は小麦粉を少々入れて作りました。小麦粉のクレープとは違って、かなり粘りのある生地になりました。

Nos ennemis d’aujourd’hui, ce sont des grumeaux !「今日の敵はダマです。」
ヴァレリーがレッスンの初めに宣告したように、ガレットとクレープの生地、ベシャメルソースではダマとの戦いになりました。「まだちょっとダマがチョロチョロしているのよね。」と言いながら、ヴァレリーは必死に泡だて器で格闘。「今日は右腕のトレーニングだわ!」

ダマをつくらないためのコツは、「まずかたいものを混ぜること。それから液体を混ぜて最後に卵を混ぜること」だそうです。是非お試しください。

本日のメニューは、

  • Galette roulée aux rillettes de saumon(サーモンリエットのガレット)
  • Salade bretonne(サラダ ブルターニュ風)
  • Galette aux champignons(きのこのガレット ベシャメルソース)
  • Cidre(シードル)
  • Crêpes sucrées(デザートのクレープ)キャラメルブールサレ caramel au beurre salé )


以前に習ったサーモンのリエットをガレットでクルクルと巻いて、3cmほどの筒状に切り分けて、Amuse gueule(一口サイズのおつまみ)に。炒めたマッシュルームをベシャメルソースで和えたものを包んでグルイエールチーズを散らして、さっと5分ほどオーブンで焼いたガレット。サラダブルトンヌは、一見サラダニソワーズ風ですが、ブルターニュの代表的な野菜、カリフラワーとアーテイチョーク、そして漁業の盛んな地方だけに海の幸が入るのが特徴だとか。
デザートのクレープは、モチモチしていて、美味!ジャムのほか、ヴァレリーお手製のキャラメル・オ・ブールサレ(caramel au beurre salé )も用意されていました。キャラメルソースは、砂糖を焦がさないように気を付けてバターといっしょに飴色になるまで煮詰めて、生クリームを加えて作りますが、そのとき生クリームを少し温めてから加えるのがコツだそうです。ヴァレリーは色がちょっと薄かったと不満そうでしたが、お味は上々!
ブルターニュ地方はその大半が海に面していることから、古くから漁業が盛んで、海に乗り出たブルトン(Bretons)の子孫は世界各地に分散しているそうです。また彼らの結束は固く、独特のケルト文化に誇りをもっていて、フランス国内にあってもフランス人である前にブルターニュ人であると自負しているそうです。気候は穏やかで、南仏の海岸が今やリゾート地として観光化されつくしているのに対して、今だに自然を残し、鄙びた風情があることから、フランス人が別荘を持ちたいと思う最後の桃源郷の観があるようです。「でもね、ブルトンはtêtu(頑固)よ。」「料理にバターも使いすぎるしね!」とヴァレリー。でも誇り高いフランス人が「誇り高い民族」と呼ぶブルトンの住むブルターニュ、是非行ってみたいものです。

※本日の飲み物は、クレープには欠かせないシードル(cidre).    BOLÉE D’ARMORIQUE
よく冷やしていただくと爽やかなりんごの風味が際立ちます。

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アートサロン(アクセサリー):講座のご報告(2013年3月15日)

3月 18th, 2013
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今日のアクセサリーサロンはフレデリックのリビングが会場です。最上階の大きなテラスから暖かい日差しが差し込む素敵なリビングで、総勢6人の全くのビギナーの私達が、ペンダントトップ製作に取り組みました。なにもかも「ド素人」の6人が、四六時中「ヘルプ!!」の声をあげるのですから、フレデリックは大忙し。「おかしいと思ったら、かならずそこでストップしてすぐ聞いてね。」と言われてますますヘルプコールがかしましくなりました。でもとても丁寧に指導していただいたので、最後は皆様、そのペンダントを身に着けてニッコリ写真に無事納まることができました。98%純銀のワイヤーとスワロフスキーのビーズ、ムラノガラスという上質な素材を使っているだけあって、とても上品な出来上がりになりました。
本日、教えていただいたテクニックは3点。
1)6本のワイヤーを使って「レース」状の編み込み部分を作る。先の丸いペンチを使ってリングを作る。パーツをつなげていくときの基本的なテクニック。
2)ビーズをつなげるときのサイドの処理方法:スパイラル(螺旋状にワイヤーを巻きつける手法)
3)パーツをつなげるときのリングの開閉の仕方。
アクセサリーサロン
今回習ったテクニックを使えば、シルバーワイヤーとビーズをシンプルにつなげたり、レース状に編み込んで、ネックレスやブレスレットを作ることができます。是非また自分で何か挑戦してみたいものです。パリではビーズばかり売っている店がたくさんあって、パリジェンヌに大人気だそうです。日本にも専門店がいくつかありますが、最近は少し下火になったのでしょうか?「オンリーワン」のアクセサリーをして、春風の中を颯爽と歩くのカッコイイと思いますけどね?

素敵な作品に仕上がって全員ヤレヤレと安堵したとき、フレデリックの一声。「みなさん、コーヒー?紅茶?」フカフカのソファーのコーナーへ移ります。でもなぜか全員ソファーではなく床に座り込んじゃいました。「あ~ら、やっぱりみなさんそこに座ったのね?」とフレデリック。きっと来るお客様の日本人はどなたも同じなんですね。実を言って、ソファーからテーブルまでが遠かったのです。狭いリビングしか経験のない日本人にとって、この距離は「安心できないゾーン」なんですね、きっと。そうこうしているうちにフレデリックお手製のチョコレートケーキが登場。「おいしそう!!」の大合唱です。コーヒーは、コーヒ―マシンで挽きたての「アワアワ」のホット。紅茶は何のフレーバーかわかりませんが、マンゴーのようなフルーツの香りがほんのりしています。ケーキも勧められるままにお代わりまでして、気が付けばすでに5時。「オールドシンデレラ」たちは、大慌てで家路へと急ぐことになりました。優雅な午後でした。Meci, Frédérique !!

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