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アートサロン「フランス地方アート散策(2)」ご報告 2015年1月22日

1月 24th, 2015
アートサロン「フランス地方アート散策(2)」ご報告 2015年1月22日 はコメントを受け付けていません。

P1220934 conference昨年11月に開かれるはずだったアートサロン「フランス地方アート散策・後編」は、ロランスの急病で延期となり、今年1月にやっと実現する運びとなりました。
前回の参加者の方の他新しい方も加わり、フランスの南半分の9つの地方から10点のアートを見ていきます。

日本のガイドブックにはあまり紹介されていないイベント、美術館など興味はつきません。フランス人でも知らないという人が結構いたくらい、「穴場」的なところばかりです。
詳細は前回(2014年2回開催)のスタッフブログでの報告と重複する箇所もあるかと思いますが、簡単にご紹介いたします。リンクも貼っておきますので、どうぞそちらもご覧になってみてください。ちなみに2014年11月にフランス議会で2016年を目処に現在の22地方を13に統合することが決まったそうです。これには特にアルザス地方の議員から猛反発があったそうですし、他の地方でも統合されることでその地方独自の文化が失われるのではないかと危惧している人たちもいるようです。とはいえ今後のフランスの地図が様変わりすることは必至のようです。

P1220936  galette des rois

プレゼンのあとはいつものようにテイータイム。今日はGalette des Rois(ガレット・デ・ロワ=王様のケーキ)をいただきます。パイ生地からすべてお手製。料理は好きじゃないというのに立派です。このお菓子、1月初めにいただく伝統的なもの。ケーキの中に陶器の小さな人形が仕込まれていて(昔はソラマメを使っていたそうですが)、この人形が入っているケーキを食べた人はその日の王様/女王様になれるということです。金の冠といっしょに菓子店でもこの時期店頭で売られています。ロランスの家では、子供の誰かがテーブルの下に入り、ママが切り分けたケーキを「それはパパに、それは弟に…」というように人形が入ったケーキが偶然誰かのお皿に配られるようにします。それで王様や女王様になった人にはどんないいことがあるのかと聞いたところ、「次の年はその人がガレットを作るのよ。」思ったより「イイこと」は起きないらしいです。ま、ケーキがおいしいからいいことにしましょうか。

 

P1220939  tasse de hermes(1)

P1220938  tasse de Hermes (2)

 

 

 

 

 

 

P1220940  tasse de Hermes(3)

 

 

テーブルの上のカップはすべてエルメス。いかにもエルメスらしい絵柄。

 

 

 

1)  Rhône-Alpes :ローヌアルプ地方
Palais idéal du Facteur Cheval : 郵便配達夫シュバル氏の「理想宮」

田舎の郵便配達夫だったシュバル氏が郵便配達中にたまたま躓いた石から、宮殿建設を思いつくという奇想天外な、しかし本当にあったお話。33年間、毎日郵便配達をしながら拾い集めた石でついには自宅の菜園に宮殿をたった一人で作り上げてしまいます。当時彼が配達していた異国の絵ハガキや雑誌からインスピレーションをえて建てられたこの国籍不明の宮殿、1969年には「素朴アート」の歴史的建造物と認定されることになりました。現在では毎年アーティストたちがここでシュバル氏のインスピレーションと粘り強い挑戦に敬意を表して作品発表を行っているそうです。

http://www.facteurcheval.com/

2)  Aubergne : オベルニュ地方
Horizons Arts Nature en Sancy : サンシーの自然ホライゾンアート

2007年から始まったプロジェクト。この地方の豊かな自然の中で現代アートを楽しめます。毎年世界中からアーティストの作品を公募して、彼らの作品を自然と融合させて設置しています。アートを見ながら自然の中を歩き回るという心にも体にもよさそうな場所です。

http://horizons-sancy.com/

3)  Limousin : リムザン地方
Centre d’art contemporain –Abbaye Saint André de Meynac :
現代アートセンター メナック サンタンドレ修道院

文化は田園にあっても日々の生活と密接にかかわっていなくてはいけない -というコンセプトから、僧院の一部を現代アートの展示場として開放しています。2014年には日本人の現代アート作家53人の作品展が開かれていました。

http://www.tourismelimousin.com/diffusio/en/what-to-see/museums-art-thematic-areas/meymac/abbaye-saint-andre-centre-d-art-contemporain_TFO155001830.php

4)  Poitou-Charentes :ポワトゥ・シャラント地方
Festival international de la bande dessinée d’Angoulême:アングレム漫画フェスティバル

毎年1月に開かれているフランスのみならず世界中の漫画が一同に集まる欧州最大規模の祭典。このフェスティバル、昨年は韓国の「慰安婦問題」に触れた漫画が展示され、日本がフランスに抗議するというニュースで、知名度がアップした感もありますが。
町の建物の壁面に漫画のキャラクターなどが描かれていて、町全体が常設漫画展のような趣きです。

http://www.bdangouleme.com/

5)  Aquitaine : アキテーヌ地方
Courrèges : クレージュ

この地方はブドウ栽培やエアバスなどの重工業でも有名ですが、デザイナーのクレージュもこの地方の出身者。もともとエンジニアの教育を受け、大戦中は空軍でパイロットの任務についていた彼はファッションとは全く無縁でした。しかし、戦後バレンシアガのアシスタントとなったことから彼の成功への道が始まりました。彼の発表した作品は何もかもが時代の最先端を走るものでした。幾何学的なデザインで有名ですが、ミニスカートも彼が最初に発表しました。パンタロンはイヴサンローランの作品というイメージがありますが、実はクレージュが最初に発表しています。彼のファッションへのこだわりは「女性の体を自由に解放すること」。体にフィットしたラインや真逆のゆったりとしたAラインなどは、「生活の動きに快適なライン」を追求した結果です。
彼の残した言葉です。「スタイルとモードは分けて考えなければならない。モードは変化する。しかしスタイルは時代の流れに影響されることがない。スタイルこそがそのパーソナリティーを表現しているからだ。」

http://www.vam.ac.uk/content/articles/a/andre-courreges/

6)  Midi-Pyrénées: ミディ・ピレネ地方
Viaduc de Millau : ミヨーの高架橋

深い谷に高速道路を作ろうという超人的な計画から建設された高架橋。美しい自然の中に鉄の大橋を建設するという計画に当初、地元の住民たちは大反対したそうですが、現在はこの高架橋のおかげでたくさんの観光客がやってくるようになったこともあり、この美しい橋の景観を誇りにしているようです。確かに雲海に浮かぶ橋は神秘的ですらあります。
http://www.bing.com/images/search?q=+viaduc+de+Millau&qpvt=+viaduc+de+Millau&FORM=IGRE

7)  Languedoc-Roussillon : ラングドック・ルシヨン地方
Art dans l’espace public : 1% artisitique : 公共スペースの1%アート

公共施設建設の場合、その費用の1%を現代アート作品に充て、その作品をその施設内に設置しなければならないという法律があるそうです。これは現代アートの振興をはかるとともに生活のなかにアートを取り入れるというのが目的です。さすが芸術の国、フランス。

http://www.laregion.fr/

8)  PACA-Corse : プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方コルシカ島
Château La Coste : シャトー・ラ・コスト

不動産で巨万の富を手にしたアイルランド人Patrick Mckillenがこのシャトーを買い取り、もともとあったブドウ園にアートと建築を結びつけたセンターを創設。建築にはPritzker賞(建築界のノーベル賞ともいわれる権威ある賞)に輝く5人の建築家、安藤忠雄、レンゾ・ピアノ、フランク・ゲリー、ジャン・ヌベル、ノーマン・フォスターに依頼。何とも豪華な顔ぶれですが、そこへアーティストも数多く招聘し、彼らに好きなように作品を作らせています。お大尽のやることはケタ違いです。緑の自然の中に現代建築とアートが散在する美しい場所。宣伝をほとんどしていないので観光客が押し寄せることもないというまさに「穴場」です。

http://www.via-selection.com/fr/galerie/galerie-photos/id-271-chateau-la-coste

9)  PACA: Fondation Maeght : マーグ財団美術館

マーグ夫妻が政府からの補助金を一切受けず、独立して自分たちだけで作り上げた美術館です。もともとコレクターであったマーグ氏ですが、最愛の息子の死に悲嘆にくれていた時に友人の画家ブラックに「その悲しみを乗り越えるために何か大きなことをやりましょう。あなたがやるなら、自分は絵筆をもってきて岩にだって絵を描きますよ。」と励まされたのが始まりだとか。収蔵作品は、1万点。ジャコメッティの彫刻が62点。ミロの彫刻が150点。シャガールの世界最大の作品も所蔵。何しろマーグ夫妻の友人というのがボナール、ブラック、シャガール、ジャコメッティ、レジェ、ミロ…と美術史の本をひっくり返したような豪華絢爛たる顔ぶれなのです。ヨーロッパ屈指の所蔵作品数というのも納得です。

http://www.bing.com/images/search?q=fondation+maeght&qpvt=fondation+maeght&FORM=IGRE

10)  Ile-de-France:イル・ド・フランス地方
Fondation de Louis-Vitton: ルイ・ヴィトン財団美術館

パリのブーローニュに2014年9月に開かれたばかりの新しい美術館。アメリカ人の建築家フランク・ゲリーの設計です。ちょっとルーブル美術館の中庭のピラミッドを思わせる全面ガラス張りの建物が、ブーローニュの森の中で異彩を放ちます。

http://www.lvmh.com/lvmh-patron-of-the-arts-and-social-solidarity/fondation-louis-vuitton

P1220946  gouter la galette des rois

アートサロン, フランス語

Bon Appétit  (ボンナペティ)! 

1月 13th, 2015
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P9290486  serviette

フランス語に「Bon appétit 」という表現があります。直訳すれは「良い食欲を」という意味で、食事を始める前に使われます。日本語の「いただきます」にあたるでしょうか。小学校で給食のときクラス全員で手を合わせて「いただきます」と唱和していた日本人は、大人になっても食事の前にはそんな呪文を唱えないと落ち着かない人も多いことでしょう。私もこの「Bon appétit 」を知るや、フォークとナイフをしっかと握り、皿の中に鎮座まします料理と格闘する前に、嬉々として同席者たちに言っておりました。「Bon appétit  !」と。

でもこれは日本語の「いただきます」とは微妙にニュアンスが異なり、むしろ「召し上がれ」に近いように思います。というのも「Bon appétit !」と言うと、相手のフランス人はかならず「Merci !」(ありがとう)とか、「Bon appétit !」と返してくるからです。日本人が食前に言う「いただきます」は、そのごはんを作ってくれた人に対して、または米を作ってくれる農家の人たちに対して、ひいては自然の恵みを与えてくれる神に表す感謝の言葉だと私は小学校で教わりました。会食者がそろって唱和することで、「同じ釜のめしを分け合う」仲間感情、ちょっぴり敬虔な連帯感のようなものが食卓に漂います。それに比べ、フランス語の「Bon appétit 」には、「よく味わってエンジョイしなさいよ」という、食卓の上の料理に対する強いエネルギーとパッションを感じます。

更に驚いたことに、フランス人はあまり食卓で「Bon appétit 」と言わないそうなのです。ましてフォーマルな席では決して言わないそうです。じゃあどうやって食事をスタートさせるのかと尋ねれば、「別に何も言わない。フオークとナイフを手にとってなんとなく始める。」「家の女主人が食べ始めたらそれがスタートの合図」等々。そう言われてみれば、日本でも天皇陛下の晩餐会でまさか「いただきます」とは言わないでしょう。ビジネスランチの席でもきっと言いませんね。結婚式の披露宴テーブルでも聞いたことがありません。ということは「いただきます」も「Bon appétit 」もかなり親密な内輪での表現ということでしょうか。

フォークとナイフを手に取るや毎回「Bon appétit !」と嬉しそうに叫んでいた自分の姿が走馬灯のように駆け巡ります。その相手にはとんでもない方のお顔まで浮かんできて……(汗)

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