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料理サロン:講座ご報告(2016年6月17日)

7月 15th, 2016
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P6172391 table

バカンス前の最後の料理レッスンです。今日のメニューにふさわしい暑い一日、日差しはすでに真夏のような強さです。まずはリビングでベランジェールと参加者の皆さまで記念写真をパチリ。今日のテーブルをご覧ください。深いブルーのランチョンマットにオレンジのナプキンが並んでいます。その奥のリビングのソファーの赤とオレンジ色の椅子やサイドテーブルも見事に調和しています。なかなか思いつかない色の組み合わせですが、オレンジ色の絶妙な配合がおしゃれです。フランス人のリビングのこうした色使いは本当に勉強になります。

chaise et coussin (2)

また、アンティクなデザインの椅子にこんなかわいいクッション。キチント感の中にこんな遊びをいれることでインテリアはぐっとポップな感じになります。上品さも失っていないところが素晴らしいですね。さて本日のメニューです。

P6172427 gaspacho yaourt concombre

Gaspacho Yaourt-Concombre à la Menthe, garniture croquante

(きゅうりとヨーグルトのガスパチョ、ミント風味、歯ごたえのあるガルニチュール添え)

P6172425 mixer les ingredients de gaspacho

きゅうりとアボカドをベースにニンニクとしょうがも加え、ミント、ヨーグルト、ミルクを混ぜ入れて一気にミキサーにかけます。塩こしょうで味を調えて、最後にレモン汁とオリーブオイルを加えてよく混ぜ合わせて冷たく冷やしておきます。

 

 

P6172426 garniture au fond du bol de soupe容器の底にりんごときゅうりの小さな角切り(5mmくらい)を敷き、ガスパチョを流しいれて、最後に同じくりんごときゅうりの角切りをトッピングしてオリーブオイルを一筋流して出来上がり。ミントの香りがさわやかな、さっぱりとした冷製スープです。きゅうりがたくさん手に入ったとき、是非お試しください。食欲がないときでもスルッといただけます。

 

 

P6172437 carre d'agneau et tian (2)

Carré d’Agneau, Crème d’ail

(子羊肉とガーリックソース)

 

P6172420 carre d'agneauラムの骨付き肉Côteletteの塊肉をフランス語でcarréと言います。確かに四角形ですね。この塊肉の骨の各部分の上部に少し切り目を入れてから(こうすると後でさばきやすくなります。)フライパンにオリーブオイルとバターを入れ、肉を加えて両面をこんがり焼きます。これをオーブンバッドにのせて、オイルとバターを混ぜたものを上からまわしかけ、180℃~200℃のオーブンで15分、次に温度を150℃に下げて更に20分焼きます。アルミホイルで全体を覆って、オーブンの中で10~20分ほどねかせておきます。

P6172421 creme d'ailいただくときに各骨の部分でカットし、ガーリックソースを添えます。このガーリックソースがまた仔羊肉にとてもよく合います。鍋に生クリームとにんにく10片、塩コショウをいれて沸騰させます。そのあと火を弱火にして10~15分ほど煮て、ミキサーにかければ出来上がりです。とても簡単で、美味!!

 

 

P6172433 tian cuit

Tian Provençal

(プロヴァンス風ティアン)

P6172402 monter tian肉料理の付け合わせというには余りに存在感のある一品です。玉ねぎとにんにく(2~3片)のみじん切りをオリーブオイルでよく炒めます。これを耐熱容器の底にしき、その上に5mm幅の輪切りにしたトマト、ズッキーニ、なすを並べていきます。コツはこれでもかというくらいギュウギュウに詰めること。焼くと水分が出て野菜が小さくなるからです。

 

P6172410 tian avant de mettre au fourその上からオリーブオイルを回しかけ、塩こしょうを振り、パルメザンチーズ、タイム、刻んだパセリも散らします。180℃のオーブンでゆっくり1時間半から2時間焼きます。仔羊に限らず、いろいろな肉料理の付け合わせに使えそうです。しかもこのティアンのお皿をドーンと食卓においてそこから各自のお皿に取り分けたら、なかなかのパフォーマンスになります。夏野菜がたっぷりいただけて花丸のお料理!!

 

P6172444 tarte au citron meringuee

Tarte au Citron méringuée

(メレンゲレモンタルト)

P6172394 pate de sableレモンのクリームに軽やかなメレンゲの初夏にぴったりのタルトです。ただし、生地はサブレ生地。材料はたっぷりの砂糖、バター、小麦粉、アーモンドパウダー、卵と超高カロリーです。でもサブレ生地のサクサク感は捨てがたい魅力。

 

 

 

L1190938 thermometreそして今回はイタリアンメレンゲを添えます。普通のメレンゲと違うのは、卵白を泡立てる際、シロップを加えるところ。砂糖と水を鍋に入れて118℃(ここがポイント!そのための温度計を使います。)になるまで加熱します。それを少しずつ卵白を泡立てながら加えていきます。確かに普通のメレンゲに比べて艶があります。

 

 

P6172422 pate sable demoule小さなセルクルで焼いたサブレ生地の台にレモンクリームを塗り付け、その上からメレンゲを絞り出します。バーナーで表面に焦げ色を付ければ完成です。ちょっと手間がかかりますが、それだけの価値のある素敵なデザートです。

 

 

 

P6172440 creme citron sur la pate sable

 

 

 

 

 

 

6月はフランス人を初め、東京に駐在している外国人家族には忙しい時期です。新学期が9月からの国では人事異動も多くは夏休み前になりますので、この月は離日する友人たちとの「さよならパーティー」が目白押しになります。特に金曜日の晩や週末に集中。ベランジェールもレッスンのあと、晩に呼ばれているパーテイー用にケーキを焼く準備を始めました。3時間近く立ちっぱなしでレッスンをこなした後、またもやケーキを作るとは…本当に料理が好きでなければとてもとても…。Chapeau bas (脱帽)!P6172404 dans le cours

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

Sortie amicale 交流会(9)深川散策 2016年6月14日

7月 1st, 2016
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P6142368 Etang et pavillon

谷中や浅草は下町情緒あふれた町として日本人だけでなく外国人にも人気のスポット。ところが隅田川を挟んで東側に位置する深川はというと、みなさんあまりピンと来ない様子。近年はアーティストが住みついたり、ギャラリーが増えたり、アメリカ発祥のBlue Bottleという日本にまだ2店舗しかないコーヒーショップがこのエリアにあるということで少し知名度があがっていますが「や~、そこは行ったことがないですねェ。」という人がまだまだ多いのが現実。そこで今回はこの深川の魅力を探る散策を計画。6人のフランス人と5人の日本人が集まってくれました。
まず、「清澄白河」駅に集合。ここは、半蔵門線、都営大江戸線の2線が入っている上に、少し北側には都営新宿線「森下」駅、南には大江戸線と東西線の入った「門前仲町」駅があります。東側には東西線「木場」駅も徒歩圏内にあります。深川がこんなに交通の便のいい所だというのも今回知った次第です。「木場」という名前の通り、江戸時代には町を縦横に流れる運河に隅田川から木材ばかりでなくいろいろな生活必需品が入ってきて、相当な賑わいを見せていたようです。今はそんな面影はなく、日中は人通りも少なく、運河沿いのコンクリートのアパートのベランダに布団がのどかに干されている風景ばかりが目につきます。
まず清澄庭園の裏側(道路に面した通り沿い)に建つ清澄長屋を見学。清澄庭園の森を背負って建つこの古い建物は、関東大震災の後建てられ、戦時中はこの深川一体が空襲で焼かれたときも、生き残ったというツワモノ。表参道の同潤会のアパートは取り壊されてしまったけれど、こちらはまだ住人もいて何とか頑張っている様子。古いものがどんどん取り壊されてガラスやコンクリートの冷たいビルに変わっていく東京の街で、是非生き残っていてほしい建物です。

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池の松の上で私たちを迎えるアオサギ

清澄庭園ではガイドの方が待っていてくれました。(平日は要予約)やはりガイドの方の説明があるのとないのとでは全然面白さが違います。庭園の意匠など詳しく聞けて脳細胞がピチピチ騒ぐのを感じます。大きな池を中心に水辺を散策しながら、様々に変わる景観を楽しむように造園されています。庭園入口にある巨大な「つくばい」の石は黒色ですが、もともとはごま塩色の石だったとか。戦争中の空襲で焼けて黒くなってしまったそうです。火の勢いが目に浮かびます。恐ろし!!
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圧巻は「磯渡り」。池のほとりに飛び石のように並べられた巨大な石の上を渡るときです。(この清澄庭園の所有者だった三菱財閥の岩崎弥太郎はとにかく岩が大好きだったそうで、全国から珍しい岩を運ばせ、庭園のそこかしこに使用しています。中にはその岩ひとつで家が一軒たつほどの高価なものもあるそうです。)池のほとりの岩を歩いていると、すぐ足元まで巨大な鯉が口をパクパクさせて近づいてきます。亀の数も半端ではなく、二段三段に重なって甲羅干しをしているのやら、見るのもうんざりというくらいたくさんいます。中にはなんとスッポンまで岸辺に上がってきてガーッと口を開けています。

P6142381 iris

池を半周すると、菖蒲園があります。菖蒲祭り開催中でしたが、今年はすでに見ごろを過ぎ、花もまばらでちょ残念でした。ただ、広々とした広場になっていて、桜の木もあり、春には格好のお花見スポットになりそうです。戦時中の大空襲でこの一帯は焼け野原になったそうですが、この庭園に逃げ込んだ人たちは奇跡的に戦火から逃れることができ、1万人もの人が救われたそうです。この大きな池のお陰で火の手を食い止めることができたのでしょうか。清澄庭園のボランティアガイドは土日と祝日、午前と午後に一回ずつ行われています。私たちは人数が多かったので特別平日でしたがガイドをお願いすることができました。目の前の黒く焦げたツクバイとガイドさんの説明が戦争の恐ろしさを教えてくれます。これは後世にまで伝えていかなければいけませんね。ボランティアガイドの竹内様、すばらしいガイドをありがとうございました。

P6142384 tableau de lutteurs de sumo

さて、そのあとは相撲部屋の集まっている深川稲荷神社周辺を少し歩きました。昼時で部屋はどこも稽古も終わり静かでしたが、時折湯あみをしたのか上半身裸のお相撲さんが外で涼んでいたり、ジャージ姿で自転車に乗ってどこかへ出かけていく姿がありました。ちゃんこを食べて全員お昼寝というわけでもないのですね。そのあと、深川江戸資料館へ回ると、なんと閉館!!月曜日が休館だとうことは調べてあったのですが、火曜日というのにしまっています。「メンテナンスのため休館」と張り紙があり大ショック。でも皆さん、「また深川にくる理由ができたから大丈夫。」「お腹がすいたからごはんにしましょ。」と優しいこと。そこで資料館近くの「釜匠」へ。

あさりと出汁がたっぷりの深川どん

あさりと出汁がたっぷりの深川どん

ここは3階まで席があり、2階と3階は畳でちょっと座り辛いながら、予約をしなくても11人が同じ部屋に入れました。もちろん、「深川めし」か「深川どん」。深川どんはあさりの出汁がきいたスープがかかっていて、生卵をかきいれながらいただきます。生卵の苦手なフランス人は皆さん、深川めしを注文。あさりの量がすごい。あさりの間からごはんがのぞいているといってもいいくらい、どっさりあさりがはいっています。しかもふっくらと炊き上がっていておいしい。ただ、ごはんの量も半端ではなく多いです。テーブルにはお漬物やラッキョウの容器が置いてあって、好きなだけいただけます。とても良心的な店です。申し訳ないことにご飯を残してしまいました。お腹一杯になりました。ごちそうさまです。店を出て、次の散策の道を相談。日本人の方々はアメリカから上陸した「Blue Bottle」へ是非行ってみたいということで、食後のコーヒーが大好きなフランス人もそろってブラブラと散歩を続行。ほとんど人が歩いていない通りを行くと、先の方にそこだけいやに人が集まっている一角が出現。細長い倉庫のような建物の奥に巨大な銀色に光る機械が鎮座しているお目当てのBlue Bottle。どこからこれほどの人が湧いてきたのかと思うほど、次から次へと人がやってきます。その割には着席できる席が少ないという印象。テイクアウトするお客さんも結構います。壁の高いところに縦長にメニューボードがありますが、表記はアルファベットだけ。冷たい飲み物…と探すとLimonadeとありますが、なんとすべてコーヒーでフレーバーのことでした。店内の巨大マシーンで焙煎をやっているのがまるで工場のようでちょっと面白い。店員さんもカウンターにずらりと並んでコーヒーを淹れています。味もおいしい。いかにもアメリカらしく、店構えからコーヒーの提供の仕方までThat is a show !という感じです。欲を言えばもう少し座ってゆっくりコーヒーを楽しめる席を増やしてほしい。バックヤードにもまだスペースがありそうでしたし…。リンクを貼っておきますので詳細はそちらからご覧になってみてください。

 

https://bluebottlecoffee.jp/cafes/kiyosumi

Blue Bottleを出て運河沿いにプラプラ歩いていくと、清澄庭園の南側に出てしまいました。つまり清澄庭園から深川江戸資料館、Blue Bottleをぐるっと回って、振出に戻ったわけです。案外コンパクトにまとまった町です。もう少し時間があれば隅田川にでて遊歩道を歩き、松尾芭蕉の史跡記念公園まで行き、芭蕉が奥の細道へと旅立ったとされる所を訪れるのも一興でしたが、そろそろフランス人マダムたちはお子様たちのスクールバス到着時間が近づいてきたので、本日はここまでとなりました。小さなエリアをじっくり4時間以上かけて散策しましたが、考えてみればいろいろな店の前で立ち止まり、歩き出してはまたハタと歩みを止めておしゃべりが始り、「牛歩」の散策でしたが、深川をディープに味わえた一日となりました。(完)

P6142385 balade dans le quartier Fukagawa

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