料理サロン:講座ご報告(2015年12月11日)
今年最後のベランジェールの料理サロンは、クリスマス料理。11時に始まり、2時まで合計5品を作りあげました。それからシャンパンをあけて、Joyeux Noël (=MerryChristmas )! アミューズブーシュのあとの前菜、ホタテ貝とハーブのテリーヌはこちらも冷やした白ワイン, Côte du Rhôneといっしょにいただきました。Côte du Rhône の白は初めてでしたが、さわやかな飲み口でシーフードとよく合います。トリュフ風味のカヌレやフォワグラといったいかにもクリスマスに相応しい豪華な料理が並びました。そしてデザートのチョコレートヌガーが本日のテーブルのフィナーレを飾ります。これだけの料理を3時間で仕上げるベランジェールの手際のよさに脱帽です。一足早くクリスマスのごちそうをいただいて、至福の時間となりました。視覚を喜ばせる美術、聴覚に訴える音楽、そして味覚を刺激する料理、これらアートの持つ力は偉大。中でも料理は会話というツールを通してその魅力効果を何層にも増幅できる優れもの。そしてカロリーという後々まで体に残る恐ろしいお土産つきでもありますが。本日の料理でもバターと生クリームがたくさん使われていました。ベランジェールいわく、「これはレッスンだからね。家族の料理ではバターは使わないわ。」う~ん、やっぱりクリスマス本番までサラダの日々を過ごすしかない??
Amuses bouche : アミューズブーシュ(おつまみ)
Cannelés parfumés à la Truffe / Velouté de Châtaignes
トリュフ風味のカヌレ / 栗のヴルーテ
カヌレはボルド―地方発祥の菓子。ワイン作りの過程でぶどうの葉や種などを取り除くのに卵白を使うと大量の卵黄が残ります。この卵黄のために考案されたのがこのカヌレ。本日はトリュフの香りをまとったおつまみに変身しました。まわりはサクサク、中はフワフワでとても軽い仕上がりです。栗のヴルーテはむき栗をどっさり使います。市販のピューレを使用してもOK。ただし、表示に気を付けてください。Crème de Marronsは砂糖入りの製菓用です。Purée de Marrons(英語表記ではChestnuts Puree )を使ってください。細かく刻んだ栗をバターで煎り焼きしてパセリのみじん切りとあえたものを上から散らします。その名のとおりビロードのような滑らかな舌触りのヴルーテと散らした栗のプツプツとした食感がおもしろい。
Terrine de Saint-Jacques aux herbes fraiches et son mesclun
ホタテ貝とハーブのテリーヌ、メスクランサラダ添え
築地で買ってきたというホタテ貝はそのままいただきたくなるような大粒でつやつやの新鮮なもの。これを細く千切りにしてライム汁をまわしかけ、卵と生クリーム、細かくカットしたパン(生パン粉でもOK)、細かく刻んだチャイブとイタリアンパセリとよく混ぜ合わせて180℃のオーブンで湯煎にして約1時間15分じっくり焼き上げます。これを冷蔵庫で一晩寝かせてからいただきます。つなぎになるのは卵と少々のパンだけ。ホタテ貝のうま味を存分に楽しめる一品です。キリッと冷えた白ワインがよく合います。
Risotto aux Noisettes, Cèpes et Foie gras poêlé
ヘーゼルナッツとポルチーニのリゾット、フォワグラのポワレ
オリーブオイルとバタ―少々で玉ねぎのみじん切りを炒め、米(イタリア産のリゾット用)を投入。白ワインとブイヨンを加えて煮ます。水でもどしたポルチーニは千切りにしてバターで炒めておきます。米の仕上げにポルチーニとバター、パルメザンチーズを加えます。食卓へ出す直前にフォワグラをフライパンでソテーします。冷凍のものなら片面3分ずつ、室温にもどしてあれば2分ずつ)焼きます。焼きあがったらフォワグラはキッチンペーパーの上で油分をとっておきます。フライパンの油分を拭き取ったら。粗く砕いたヘーゼルナッツを少し色がつくまで煎ります。お皿にリゾットを盛り付け、フォワグラも添え、上からローストしたヘーゼルナッツを散らし、パセリをのせて出来上がり。フォワグラの濃厚な味とリゾットの淡白なフワッとした味が、口の中で混ざり合い、パンに載せていただくのとはまた違ったおいしさです。そしてナッツの香ばしいカリカリとした食感がアクセントになって重層的な味わいになります。クリスマスのメインはダーキーかローストビーフとばかり思っていましたが、こんな取り合わせもお洒落ですね。
チョコレートのヌガーグラス
溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜて、卵白のメレンゲを加えるとチョコレートムースになりますが、ここにさらに固く泡立てた生クリームと砂糖、蜂蜜、ローストしたスライスアーモンドを加え混ぜます。ケーキ型に流し込んで冷凍庫で12時間以上冷やし固めます。これはヌガーのアイスクリーム。いただく少し前に冷凍庫から出しておき、切り分けやすい固さにしておきます。今回は金柑を四つ割にしたものを添えましたが、オレンジの果肉など甘酸っぱいフルーツがあいそうです。冷たいヌガーアイスが口の中で溶けだすと、パリパリとしたアーモンドの歯ごたえとチョコレートの豊かな香りが相まって、忘我の境地です。最後に素敵なウエッジウッドのカップでエスプレッソをいただいて、テーブルを囲んだ皆さまのお顔は幸せそのもの。次はご家族の皆さまを同じように「幸せ顔」にして差し上げてくださいね。Joyeux Noël ! Merry Christmas !!
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