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Archive for 12月, 2015

料理サロン:講座ご報告(2015年12月11日)

12月 20th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年12月11日) はコメントを受け付けていません
PC111997 salon et table

フランスの国旗を思わせるトリコロールのインテリア

PC111974  ingredients du cours

本日の食材がズラリ

今年最後のベランジェールの料理サロンは、クリスマス料理。11時に始まり、2時まで合計5品を作りあげました。それからシャンパンをあけて、Joyeux Noël (=MerryChristmas )! アミューズブーシュのあとの前菜、ホタテ貝とハーブのテリーヌはこちらも冷やした白ワイン, Côte du Rhôneといっしょにいただきました。Côte du Rhône の白は初めてでしたが、さわやかな飲み口でシーフードとよく合います。トリュフ風味のカヌレやフォワグラといったいかにもクリスマスに相応しい豪華な料理が並びました。そしてデザートのチョコレートヌガーが本日のテーブルのフィナーレを飾ります。これだけの料理を3時間で仕上げるベランジェールの手際のよさに脱帽です。一足早くクリスマスのごちそうをいただいて、至福の時間となりました。視覚を喜ばせる美術、聴覚に訴える音楽、そして味覚を刺激する料理、これらアートの持つ力は偉大。中でも料理は会話というツールを通してその魅力効果を何層にも増幅できる優れもの。そしてカロリーという後々まで体に残る恐ろしいお土産つきでもありますが。本日の料理でもバターと生クリームがたくさん使われていました。ベランジェールいわく、「これはレッスンだからね。家族の料理ではバターは使わないわ。」う~ん、やっぱりクリスマス本番までサラダの日々を過ごすしかない??

 Amuses bouche : アミューズブーシュ(おつまみ)

PC112000 veloute et canneles

Cannelés parfumés à la Truffe  / Velouté de Châtaignes

トリュフ風味のカヌレ / 栗のヴルーテ

PC111967  puree de chataignes カヌレはボルド―地方発祥の菓子。ワイン作りの過程でぶどうの葉や種などを取り除くのに卵白を使うと大量の卵黄が残ります。この卵黄のために考案されたのがこのカヌレ。本日はトリュフの香りをまとったおつまみに変身しました。まわりはサクサク、中はフワフワでとても軽い仕上がりです。栗のヴルーテはむき栗をどっさり使います。市販のピューレを使用してもOK。ただし、表示に気を付けてください。Crème de Marronsは砂糖入りの製菓用です。Purée de Marrons(英語PC111982  jus de truffe表記ではChestnuts Puree )を使ってください。細かく刻んだ栗をバターで煎り焼きしてパセリのみじん切りとあえたものを上から散らします。その名のとおりビロードのような滑らかな舌触りのヴルーテと散らした栗のプツプツとした食感がおもしろい。

 

 

 

PC112003  morceau de terrine

Terrine de Saint-Jacques aux herbes fraiches et son mesclun

ホタテ貝とハーブのテリーヌ、メスクランサラダ添え

 PC111980 preparation de terrine de coquilles St-Jacques築地で買ってきたというホタテ貝はそのままいただきたくなるような大粒でつやつやの新鮮なもの。これを細く千切りにしてライム汁をまわしかけ、卵と生クリーム、細かくカットしたパン(生パン粉でもOK)、細かく刻んだチャイブとイタリアンパセリとよく混ぜ合わせて180℃のオーブンで湯煎にして約1時間15分じっくり焼き上げます。これを冷蔵庫で一晩寝かせてからいただきます。つなぎになるのは卵と少々のパンだけ。ホタテ貝のうま味を存分に楽しめる一品です。キリッと冷えた白ワインがよく合います。

 

PC112015  risotto et foie grasRisotto aux Noisettes, Cèpes et Foie gras poêlé

ヘーゼルナッツとポルチーニのリゾット、フォワグラのポワレ

 PC111994  riz pour risottoオリーブオイルとバタ―少々で玉ねぎのみじん切りを炒め、米(イタリア産のリゾット用)を投入。白ワインとブイヨンを加えて煮ます。水でもどしたポルチーニは千切りにしてバターで炒めておきます。米の仕上げにポルチーニとバター、パルメザンチーズを加えます。食卓へ出す直前にフォワグラをフライパンでソテーします。冷凍のものなら片面3分ずつ、室温にもどしてあれば2分ずつ)焼きます。焼きあがったらフォワグラはキッチンペーパーの上で油分をとっておきます。フライパンの油分を拭き取ったら。粗く砕いたヘーゼルナッツを少し色がつくまで煎ります。お皿にリゾットを盛り付け、フォワグラも添え、上からローストしたヘーゼルナッツを散らし、パセリをのせて出来上がり。フォワグラの濃厚な味とリゾットの淡白なフワッとした味が、口の中で混ざり合い、パンに載せていただくのとはまた違ったおいしさです。そしてナッツの香ばしいカリカリとした食感がアクセントになって重層的な味わいになります。クリスマスのメインはダーキーかローストビーフとばかり思っていましたが、こんな取り合わせもお洒落ですね。

 PC112018  Nougat glace au chocolat (2)Nougat glace au Chocolat

チョコレートのヌガーグラス

 溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜて、卵白のメレンゲを加えるとチョコレートムースになりますが、ここにさらに固く泡立てた生PC111993  nougat dans les moulesクリームと砂糖、蜂蜜、ローストしたスライスアーモンドを加え混ぜます。ケーキ型に流し込んで冷凍庫で12時間以上冷やし固めます。これはヌガーのアイスクリーム。いただく少し前に冷凍庫から出しておき、切り分けやすい固さにしておきます。今回は金柑を四つ割にしたものを添えましたが、オレンジの果肉など甘酸っぱいフルーツがあいそうです。冷たいヌガーアイスが口の中で溶けだすと、パリパリとしたアーモンドの歯ごたえとチョコレートの豊かな香りが相まって、忘我の境PC112020  espresso et tasse de wedgwood地です。最後に素敵なウエッジウッドのカップでエスプレッソをいただいて、テーブルを囲んだ皆さまのお顔は幸せそのもの。次はご家族の皆さまを同じように「幸せ顔」にして差し上げてくださいね。Joyeux Noël !  Merry Christmas !!

 

PC111986  cours

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日)

12月 9th, 2015
カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日) はコメントを受け付けていません

PB281908 objet de pierreここは閑静な住宅街。代々木八幡神社の緑の木立が見えたらソフィの家はもうすぐです。「ボンジュール!」初冬というのに薄手のコットンの白いシャツ姿でソフィが扉を開けてくれます。広い玄関は2階までの吹き抜けになっていて、ふっと見上げると黒い岩がまさに頭上めがけて落ちてくる…かと思うような細いワイヤーで吊り下げられたオブジェを発見。リビングにはアンティックの仔馬の乗り物、どっしりとした戸棚やカップボードはすべてフランスの自宅から運ばれてきたもの。まさに東京にポッカリと現れたフレンチワールド。しかも今日は土曜日とあって、5歳の坊やもご主人も家の中をウロウロしていらっしゃる。フランス人の家庭に闖入したような感じです。 食堂の長いテーブルの上には見ただけで胸躍る色とりどりのリボンや、オーナメントがところ狭しと並んでいます。本日作るリースの材料です。アルザスのクリスマスマーケットはとみに有名ですが、この地方のリースの特徴は、小さな人形を飾ることだそう。それで松かさのかわいいLutins(リュタン:小妖精)も作ることに。Lutinsはサンタクロース(フランス語ではPère de No ël =ペールドノエル)の手伝いをすると言われているそうです。赤や緑、白、グレーのフェルト地をハートや星形PB281905  premieres matieres PB281902  rubans PB281916  lutinsにカットして、これも飾ります。アルザス地方のリースの起源は、Couronne d’Avent(待降節のリース)。クリスマスの4週間前から毎週日曜日に1本ずつろうそくを灯して、その日を待つのだとか。かつては20本の白くて細いろうそくと4本の太いろうそくが並べられ、毎日一本ずつ火を灯していったものだそうです。日曜日に太いろうそくに点火するところは現在も同じですが、人々のクリスマスを待ちわびる感じが伝わる伝統行事ですね。ろうそく用のリースはテーブルの上に置く形になりますが、近年では壁や扉に吊るすものも多いそうです。30㎝ほどの直径のリースを手に、参加者の皆さま、すっかりクリスマスの世界に浸りきって、2時間はアッという間に。10個の個性豊かなリースの完成です。

PB281917 couronne 1 PB281918  couronne 2 PB281919  couronne 3 PB281921 couronne 4

 

 

 

 

 

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最後にティータイム。アルザス地方といえばクグロフ(Kouglof)。どの家庭にもかならずひとつはあるクグロフの型で焼き上げたお菓子です。ブリオッシュ生地を発酵させて干しブドウやナッツなどを入れて焼き上げるこのお菓子、アルザスでは朝食に食べたりするのだそうです。軽くてほんのり甘い、ケーキというよりパンの食感に近い味わいです。マンネレ(Maenele)という人型のお菓子も出てきました。こちらは12月6日のサン・ニコラのお祭りに作られるケーキだそうですが、やはりパンに近い食感です。「ごめんなさ~い。このBonhomme(おじさん)の手がなくなっているのは、今朝、息子が触ってとれちゃったの!!」ソフィはそう言うと、「さ~て、どこから切るかが問題ね。どこからがいい??」と皆さまに聞いたものの、すぐさま頭をチョッキリとナイフでギロチンにかけました。さすが、フランス革命のお国柄!!一緒にいPB281912  gateaux alsaciensただいたお茶は中国産だそうですが、アラブ人が食後に飲むミントテイーほどには甘くはないですが、砂糖が入っているわけではないのに、そこはかとない甘みを感じる不思議なお味でした。さらにテーブルにどかんと大きな缶が登場し、中には無数の焼き菓子。台所にはそんな大きなクッキーの缶がいくつも並んでいます。アルザス地方の家庭ではクリスマスが近づくとこのようにどっさりクッキーを焼いて、お茶と一緒に、また訪問客にふるまったり、小さな袋に入れてご近所や友人にプレゼントしたりするそうです。ソフィのクッキーは次のクリスマスシーズンに是非習いたいものだと思うほどに美味しかったです。 気が付けば外はもう真っ暗になってしまいました。今日はソフィを私たちで独占してしまって、坊やとご主人様には申し訳ありませんでした。最後の客人が帰ると、ご主人様はさっと台所へやってきて、洗った皿などをササッと拭いて棚へしまっていきます。なんとも格好いい!!私たちがお茶をいただいていたテーブルにさっと現れて、風のごとくクグロフの一切れをつまんで去って行かれたように、自然体でソフィを手伝っている姿がとてもとても印象的でした。夫婦それぞれのやりたいことには余り干渉せず尊重し合うところは、さずが個人主義のお国柄、夫婦といえども例外ではないんですね。 PB281904  cours (2) PB281951  biscuits de Noel et cigogne

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