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料理サロン:講座ご報告(2015年3月7日)

3月 17th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年3月7日) はコメントを受け付けていません

今日のフロランスの料理サロンのテーマは「電子レンジで作るおもてなしフレンチ」

スピーディーに作れて美味しい料理となれば、期待も増します。参加者の方々もキリリとエプロンをして、いざキッチンへ。

P3071475  saumon et mousse de courgette

Saumon à la mousse de Courgettes aux micro-ondes

(電子レンジで作るズッキーニのムースとサーモン)

P3071426  courgettesこの季節につやつやの立派なズッキーニがすでに洗って準備されています。こんなにたくさん使うなら旬の夏がピッタリ??冬でもたまに見かけますが、結構いいお値段です。そのズッキーニを電動スライサーにかけます。これだけの量を包丁でスライスしていくのは相当大変そう。またもやこの機械が欲しくなります!!ディルとミント、にんにくとともにオリーブオイルで炒めて塩こしょうをふり、冷ましておきます。次に全卵と生クリームP3071435 robotをよく混ぜわせたら、冷ましておいたズッキーニを加えます。ラムカン型の底には硫酸紙を円形に切ったものを敷きます。こうすることで型からきれいにはずすことができます。型の側面にスモークサーモンをはりつけて、そこへズッキーニの液を流し込みます。型の縁より少し下くらいまで注いでから、電子レンジで2~3分加熱します。レンジの強度により時間は加減します。また型の大きさや深さによっても加熱時間は変わります。

P3071456  courgettes avec des herbes sauteesサラダを敷いた皿に焼き上がったムースを型からはずしてのせます。温かいうちにいただきます。ズッキーニ自体はくせのない野菜ですが、ミントやディルを加えることで爽やかな風味が加わり、スモークサーモンの塩味がアクセントのおしゃれな一品に仕上がりました。

 

P3071457  fond du ramequin

P3071459  tapisser du saumon

P3071461  verser la preparation dans les ramequins

 

 

 

 

 

 

 

P3071479  galette de pommes de terre cuite

              Galette de Pommes de terre au micro-onde

(電子レンジで作るじゃがいものガレット)

P3071438 pommes de terre rapees皮をむいたじゃがいもと玉ねぎをまたもや電気スライサーで細かい拍子切りにします。これも手で切るのは結構大変そうです。切ったじゃがいもと玉ねぎをボールに入れ、ミルクとオイル、溶き卵、塩、こしょう、ナツメグを加えて味を調えます。次にオイルを塗り付けたグラタン用の耐熱皿(少し深さのあるもの)に流し込んで、表面を平らにします。レンジ強で20分ほど加熱します。ターンテーブルのないレンジの場合には途中で皿を半回P3071480 morceau de galette転させて均等に加熱するようにします。温かいものをいただくため、切り分けるまで、オーブンのグリルできれいな焼き色をつけながら温めておきます。家庭ではメインとしていただくこともあるようですが、付け合せとしてもよさそうです。オーブンで焼いたら焼き色もこんがりつくし、食卓にのせるまでそのまま保温しておくことも可能に思います。ただ電子レンジはオーブンのように熱を放出しないので、暑い夏の料理法としては最適です。

 

P3071481  gateau chocolatGâteau Chocolat Ultra rapide (micro-ondes )

(ガトーショコラ ウルトラクイック)

P3071431  moule de gateau chocolatフロランスはさすがチョコレート職人だけあって、チョコレートを扱う腕は天下一品です。これは本当に超簡単レシピです。しかも美味!!

チョコレートとバターを電子レンジで1分ほど加熱してやわらかく溶かします。卵と砂糖をボールの中に入れて、空気をいれるように泡立て器でよく混ぜ合わせます。そこへ先ほどのチョコレートと小麦粉、ベーキングパウダー、生クリームを加えて混ぜます。型の底に合わせて切った硫酸紙 P3071440  gateau chocolat demouleを敷きます。これがあることで、こちらも型からはずすときにきれいに取り出すことができます。レンジ強で5~6分加熱します。ナイフを途中で刺してみて、何もついてこなければ完成です。

グラサージュを作ります。チョコレートと砂糖を40秒ほどレンジ強にかけて溶かします。よく混ぜ合わせて、生クリーム大さじ2杯も加えます。ケーキの表面にこのグラサージュをぬりつけて完成です。仕上げにはカラフルなトッピングシP3071445  napageュガーを振りかけます。粉砂糖をふっても素敵。

以上3品の完成です。ズッキーニのムースとじゃがいものガレットは野菜を刻むのに一番時間がかかりましたが、あとは混ぜてレンジで焼くだけ。とても電子レンジで作ったとは思えない出来栄えです。失敗しらずのガトーショコラは是非また作ってみたいお菓子でP3071447  napage sur le gateauす。グラサージュを塗り付けることで風味と食感が重層的になりました。デコレーションもアイデア次第。後日ご自宅で作ったという方のガトーショコラはとても個性的。

 

 

 

 

P3071441  au bain-marie

湯煎用鍋

P3071453  eplucher des ails

にんにく皮向き用ラバー

P3071473  moufle

つかみやすいミトン

 

 

 

 

 

 

 

食卓では『夫婦愛』について議論が白熱。フロランスのご主人様は、今でも毎週日曜日にはお花をプレゼントしてくださるとか。先週の日曜日は出張でお留守だったのですが、ちゃんと息子さんにお花を買ってプレゼントするようにお達しがでていたそうです。な~んと素敵なことでしょう。日本人は結婚して子供が生まれると「お父さんとお母さP3071484  morceau de gateau chocolatん」になってしまいますが、フランス人の夫婦はいつまでも「amoureux」(恋人)だとフロランスは言います。日本人マダムで子どもさんのいらっしゃらない方が多かったので、『皆様はいかが?』と伺ってみると、結婚したばかりの方は「amoureux」で~す!というお返事。結婚数十年もたつと「う~ん、なんといったらいいでしょう?とても楽というか、amis(友達)みたいな感じ。」とのこと。フロランスは目を丸くして、「友達?!amoureuxでなくなったら一緒にいる必P3071434  cours de cuisine要はないでしょ。」と驚きに堪えない様子。「日本人の熟年夫婦は友達か、恋人か。」が日本人マダム達の間でしばらく論争になりました。そのやり取りを心配そうに見ていたフロランスに「日本人夫婦にもamour(愛)はありますから、ご安心を!!」と申し上げたところ、やっとフロランスも満面笑みの納得顔となりました。親愛のしるしに恋人でなくても両頬にP3071462  vin blanc Macon Villageチュッチュッとキスをするフランス人。ましてや妻や夫には「好きだよ」メッセージをキスやプレゼントでいつも表明していないといられないんでしょうか。愛情も憎しみも抑制することが「美しい」とされる日本人の価値観とはちょっとかけ離れています。でも皆様は本当のところベターハーフにamoureux/ amoureuse でいらっしゃいますか???

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アートサロン<19世紀の画家という職業>講座ご報告(2015年2月28日)

3月 2nd, 2015
アートサロン<19世紀の画家という職業>講座ご報告(2015年2月28日) はコメントを受け付けていません

今回の講座は2回に分けて行われます。今日は前編。印象派が現れるまで全盛を誇った「アカデミズム」について、いろいろな絵を見ながら説明してもらいます。後編ではその「アカデミズム」がフッツリと姿を消してしまったわけを解き明かしていきます。結末が気になるのはまるでミステリー小説を読むようです。

本日の内容についてザックリとではありますが、以下にまとめてみます。

・17世紀まで、各地方ごとにcorporationという同業組合(一種のギルド)が存在していました。どんな職業でもこのcorporationに加入しなければ、修行も商売もできない仕組みでした。例えば絵画についてもその売り買いはcorporationの権限で行われていて、画家たちの地位は職人並みのものでした。新参のアーティストたちにはなかなか門戸が開かれないという弊害も起こりました。

・ところが次第に王たちがイタリアから画家を招へいしたり、フランスの画家がイタリアへ移っていくようになると、(イタリアには当時修行の場が広く開かれていたようです。)画家たちの間に競争が始まりました。

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Nicolas Poussin  Le massacre des innocents (1625-1629) Musee Conde

ルイ14世の時代、1648年にAcadémie Royale(王立アカデミー)が創立されると画家たちの地位向上は決定的なものになりました。いかに絵画を美しく描くかを追求するアカデミーの指導のもと、コンクールも行われ、画家たちの権威は高まっていきます。

・フランス革命後、この王立アカデミーは姿を消し、その代りにナポレオンによってAcadémie des Beaux Arts(美術アカデミー)が創設されます。ここでの作品は主にナポレオンの政治プロパガンダの役割を担わされていたようです。彼の「お気に入り」だったDavid はナポレオンの作品を多く残しています。

 

napoleon[1] Jacques-Louis David  le sacre de Napoleon (1804)  Musee du Louvre

さてダニエルの話の中でおもしろかったことをいくつかピックアップいたします。

■ アカデミズムの画法では「醜いものは描かない」。風景の中に姿の悪い木があれば、絵画の中では抹殺する。Beauté absolue(絶対的美)を追求するのだから、人物は実物に似ていることよりギリシャローマ時代のような美しさを持たせることが重要。

■ 歴史画、宗教画を最高の絵画とした。

■ アカデミズム絵画では、浮世絵のように物を途中でカットして描かず、全体を描く。

■ デッサン重視のアカデミズム。裸体のモデルは男性のみ。従ってアカデミーに女性の学生は受け入れられなかった。女子学生専用にAcadémie Julianが1881年に創設された。しかしここでもデッサンモデルは少年。女性のモデルを使うようになるのは20世紀にはいってから。

■ Prix de Rome (ローマ賞1663~1968):芸術を専攻する学生に授与される政府奨学金制度。30歳未満の独身男性を対象に行われたコンクール。この賞に輝いた19世紀の画家のうち後世まで名を残したのはIngres(アングル)だけ。ドガやマネ、セザンヌたちはこのコンクールに入賞することができなかった。

■ ダニエルが在籍していたEcole des Beaux Arts(エコール・デ・ボ・ザール)の校舎の写真。建物全体が歴史的建造物。歴史的作品に囲まれた教室。重厚なドーム型天井。美しいアーチの連なる中庭…。見ているだけでため息が。でもダニエルには息の詰まる授業も多かったようですが…。是非こちらのリンクからその素晴らしさをご覧ください。

https://www.google.co.jp/search?q=ecole+des+beaux+arts&biw=1366&bih=641&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=0BzzVMraL4eMmwXy-YHgDw&ved=0CDwQsAQ&dpr=1

■ 19世紀の画家の収入:

パリに住む労働者階級の家庭(夫婦に子供が5人)の年間必要経費(食費、暖房、家賃)は平均で472,000円だったのに対して、画家の平均年収は2,520,000円。ナポレオン1世の統治時代に公費で注文作製された絵画には、ナポレオンを題材にした大作(5×3m)で4,030,000円、皇帝の馬の絵でも43,800円の値がつけられたそうです!
(1ユーロ=146円に換算)

このサロンに参加されたマダムMのブログにはもっとたくさんの画像つきでこのサロンの紹介が載っていますので是非そちらも訪問してみてください。

http://tuesgenial.exblog.jp/22849338/

 

P2281424 conference

 

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