料理サロン:講座ご報告(2014年5月15日)
何故かマリオンの料理サロンの日は雨のことが多いです。今日も小ぬか雨が降っています。「料理日和」には違いないですが。今日はDînatoireです。Dîner(夕食)から派生した言葉かと思いますが、夕飯前の早い時間に集まってアペリティフだけを楽しむパーティーです。ワイン用のおしゃれなおつまみが並びます。前日や朝のうちに準備しておける料理ばかりで、パーティーでは主婦も台所には立たず、大きなテーブルに料理を並べ、ビュッフェ式に各自が好きなものを好きなだけ皿に取り分けて、リビングのソファやテーブルを囲んで床に座り込んで飲んだり食べたり…そしてフランス人のパーティーのメインディッシュはもちろん「おしゃべり」です。そんなわけで今日は昼過ぎからかなり早目のアペリティフパーティーを楽しみました。
ずらっと料理が並んだテーブル。
一番奥から
Velouté de Poivron jaune(黄パプリカのヴルテ)、Mini-Tartes à l’Oignon (オニオンのミニタルト)、Taboulé au Boulgour (ブルグールのタブレ)、Muffin Jambon Olives (ハムとオリーブのマフィン)、Rillettes de Porc(ポークのリエット)飲み物はSangria(サングリア)とコーヒー。デザートはEntremet au Chocolat (アントルメ・オ・ショコラ)
Velouté de Poivron jaune(黄パプリカのヴルテ)
冷たくしていただくのがお勧めの濃厚美味のヴルテ。
Mini-Tartes à l’Oignon (オニオンのミニタルト)
パイ生地をセルクルの中に敷きこんで、キャラメリゼした玉ねぎに卵と生クリームを混ぜたソースを流し込んで焼き上げて、温かいうちにいただきます。玉ねぎのほのかな甘みが絶品です。
Taboulé au Boulgour(ブルグールのタブレ)
Boulgourは、小麦をもみ殻ごと砕いたもので、みためはクスクスのスムールに似ていますが、粒はもっと大きく少し茶色がかった色をしています。殻ごと砕いて使うので、ミネラルなども豊富。レバノンの代表的な料理だそうです。トマトやきうり、ミント、オリーブなどを細かくカットして、ツナと混ぜたものをヴェリーヌ(小さなガラス容器)仕立てにします。彩りが美しい!!ブルグールと混ぜる野菜はお好み次第。そのバリエーションは100種類にもなるとか。
Muffin Jambon Olives(ハムとオリーブのマフィン)
こちらはハムやオリーブ、グルイエールチーズを入れて焼きあげたマフィン。小さく焼けばつまみやすいし、とにかくかわいい。大きなパウンドケーキ型で焼いて切り分けていただいてもインパクトがありそうです。山羊チーズとゴマのマフィンもマリオンのお勧めです。
前々回のサロンで習ったリエットが再登場。ばら肉で作っているのにさっぱりしていて、フランスパンにつけていただくともう止まらない!これを食べると市販のリエットは脂っこく感じて食べる気になれません。
Entremet au Chocolat(アントルメ・オ・ショコラ)
サクサクのサブレ生地を焼いて、前日に作ってしっかり冷やしておいたチョコレートクリームを2枚のサブレではさみます。てっぺんには小さなチョコレートクリームの帽子をのせて、プラリネをかけます。このプラリネもマリオンお手製。水と砂糖でシロップを作り、そこへ砕いたアーモンドを加えてよくからめたら出来上がり。
「ワインを飲まないフランス人はいるけれど、デザートを食べないフランス人はいない」と言われるくらい食後の甘味は大事なのですね。家でパーティーをするときはデザート担当というご主人様もけっこういらっしゃいます。日本語学校の生徒さんだったビジネスマンは、退職したらフランスでケーキ屋を開きたいとかなり本気で話していました。かくもスイーツを愛するフランス人からは日本食にはデザートがないのが残念だとよく言われます。確かに果物、時としてアイスクリームがちょっぴり出るくらいですね。フランス人の食事はアントレ、メインディッシュ、チーズと続き、最後にチョコレートケーキやタルトなどが「ジャジャーン」という感じで登場すると、待ってましたとばかりに会食者一同から「オォッー!」という称賛の声があがります。甘~いチョコレートやクリームが食事のシメというわけです。コースの最後にごはんと味噌汁、おしんこという和食とはずいぶん違っていますね。
Sangria(サングリア)
夏などに冷たくしていただくサングリア。作り方はいたって簡単。赤ワインにオレンジジュースなどを加えて、レモンやオレンジの輪切りの他、好みでシナモンスティックなどを入れて冷やします。炭酸で割る場合もあります。甘い飲み物ですので、女性向きかもしれません。
テーブルの料理をお皿にいっぱいのせて、片手にサングリア。おしゃれなアペリティフパーティです。しかも話好きのマリオンは、身振り手振りも交えてフランス語と日本語のチャンポンでみんなを笑わせて大サービス。おいしい料理とおいしいワインに楽しい語らいの時間、これこそが人生のエンジョイの達人、フランス人の「おもてなし」です。嬉しいことにマリオンの滞在があと1年延びました!まだまだいろいろ教えてもらえそうです。次回は夏休み明けの9月の予定。このおフランス的時空間、まだ未体験の方にも是非一度は味わっていただきたいものです。
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