料理サロン:講座ご報告(2014年12月5日)
今年最後の料理サロンは、Buffet de Réveillon です。Réveillonはクリスマスイヴまたは大晦日の晩のパーティーを言います。親しい友達と集まって陽気に過ごします。そんなとき主婦が台所にこもり髪を振り乱して料理作りはちょっと悲しい。ですから事前に作っておける一口サイズの料理はとても嬉しいものですね。今日は何と5種類のおつまみと2種類のスイーツを習います。マリオンはオーブンで焼く順番に相当頭を悩ませたようですが、お見事!!気まぐれオーブンを上手に手なずけながら無駄のないローテーションで進めていきます。マリオンの手際の良さに皆様、感心することしきり。なにしろ7品目です!!さあさあご覧あれ!!
リビングには大きなクリスマスツリーが電飾を光らせて鎮座しています。「これはプラスティックでちょっと残念。フランスの家では毎年本物の樅の木を使うんだけど。」一番下のルイ君は、このツリーのすぐ横にあるソファーを自分専用と宣言したそうな。サンタさんが運んできたプレゼントをいち早くゲットできるポジションを確保してご機嫌のようです。
テーブルはクリスマスカラーのデコレーション。赤のクロスの上からシルバーの水玉を散りばめたオーガンジーの布を更にかけて華やかさを表現。クリスマスカラーのナプキンにはシルバーのリング。ステッキ型のキャンディー、シルバーのキャンドル、そして各自のお皿の横には小さな袋が…。これは前日マリオンが焼いたクリスマス用のクッキーの詰め合わせ。嬉しい本年初のクリスマスプレゼントです。前日の台所はそれは大変な騒ぎだったようです。なにしろ3kgのプティフールを焼いたとか。しかも何種類も焼いたのですから。大きな缶に詰めておいてクリスマスシーズン中、ティータイムや食後にいただくのだそうです。また、今回のように袋詰めにしてプレゼントにも。クリスマスムードが盛り上がったところでいよいよキッチンへ移動。料理開始です。
Sablés de Tomates séchées et Parmesan (トマトとパルメザンチーズのサブレ)
おすすめの一品。サブレといってもパルメザンチーズとドライトマトのサブレです。小麦粉とバター、ドライトマト、パルメザンチーズ、卵、そして塩少々を混ぜ合わせたら、冷蔵庫で2時間ほどねかせてオーブンで焼くだけです。ドライトマトの代わりに黒オリーブやローズマリーを混ぜてもいいそうです。
Oeuf de Caille en gelée aux oeufs de Saumon(ウズラ卵とイクラのジュレ)
シブレットとパセリを加えて香づけした熱湯をこして、ゼラチンとディルも加えてゼラチン液をつくります。ヴェリーヌにゼリー液を1㎝ほど注いで固めたら、そこへイクラを厚さ1㎝ほどのせ、うずらの卵2個も加え、ゼリー液を注ぎ入れて、また冷蔵庫で固めます。最後にイクラをのせて、いただくまで冷蔵庫で冷やしておきます。ゼリー液を冷蔵庫で固めながら層をつくっていくのがちょっと大変ではありますが、とてもおしゃれな一品に仕上がりました。
Blinis de Saumon fumé sur sa Chantilly au Wasabi
(スモークサーモンのブリニ、わさびのクレームシャンティー)
まずブリニを焼きます。これはロシア料理で一種のクレープ、みためも食感もパンケーキそのものです。小麦粉と同量のヨーグルト、ベーキングパウダー、卵、塩少々を加え混ぜて生地を作ります。フライパンにスプーンで生地を落として小さな円形に焼いていきます。ヨーグルトのせいでしょうか、とても優しく軽やかな食感です。生クリームにわさびを加えて弱火で加熱してよく溶かします。これを冷まして冷蔵庫で冷やしておいて、固く泡立てます。ブリニの上にこのクリームをのせ、その上にスモークサーモン、飾りにディルやピンクこしょう、シブレットなどをのせて出来上がり。
Bouchées de Pain d’épices maison et Foie gras (パン・デピスとフォワグラのブシェ)
パン・デピスは、4種(シナモン、丁子、ナツメグ、カルダモン)もしくは9種のスパイス(先の4種の他に、アニス、フェンネル、しょうが、コリアンダー、こしょう)を加えて焼くパンケーキです。小麦粉と全粒粉、卵、べーキングパウダー、たっぷりのはちみつ、砂糖、ミルクを混ぜ合わせて焼きます。複雑な香りのする甘いケーキですが、フォワグラとの相性は抜群です。イチジクのジャムやフルール・ド・セルなどを好みでつけていただきます。これをいただくとクリスマス気分はマックスに。
Cuillerée s de St Jacques et Daikon en mille feuilles
(帆立貝とダイコンのミルフイユ、スプーン仕立)
帆立貝は薄切りにして、ヘーゼルナッツオイルとライムの絞り汁を合わせたものにマリネしておきます。大根は皮をむいて薄い輪切りにします。スプーンにダイコンの薄切り一枚をのせた上に帆立貝のスライス2,3枚をのせ、またダイコン1枚をのせ、帆立貝のスライスをのせます。帆立貝の上にライムの皮をおろしたもの、フルール・ド・セルとこしょうをふって出来上がり。とてもシンプルですが、ダイコンのパリパリとした食感とライムの爽やかな香りをまとった帆立貝の柔らかな身が、口の中でハーモニーを奏でます。近年は、ヴェリーヌからスプーン仕立に流行が移ってきている印象です。他のサロンでもスプーン仕立のお料理が出ていました。
Brochettes de Fraises au Chocolat (イチゴとチョコレートのブロシェット)
イチゴはヘタをとって、菜箸などで芯のところに軽く穴をあけておきます。チョコレートポッキーを芯に差し込みます。チョコレートを溶かして、そこへイチゴの先端をつけます。トッピングをふりかけて出来上がり。超簡単な作り方ですが、子供たちといっしょに楽しく作れそうです。イチゴの酸味とチョコレートの甘味がとても美味。華やかなイチゴの赤とカラフルなトッピングはパーテイーのテンションを高めます。
Petits gâteaux au Chocolat parsemés de Noisettes
(チョコレートとヘーゼルナッツのプチ・ガトー)
とてもリッチなお菓子です。見た目も味もカロリーも!!チョコレートとバターを湯煎でとかしておきます。砂糖と卵を全体が白っぽくもったりするまで混ぜ合わせて、とかしたチョコレートバターと、小麦粉、ベーキングパウダーを混ぜいれます。型に流し込んで、オーブンで10分ほど焼きます。その間にマスカルポーネと生クリームを固く泡立てます。そこへ溶かしたチョコレートも流し入れて手早く混ぜて、冷蔵庫で冷やしておきます。ケーキの上からクリームを絞り出し、飾りにヘーゼルナッツを砕いたものを散らします。
Alvéoles :レシピーの中で、ケーキの型として出てくる言葉です。本来は蜂の巣の育房とか岩石の孔のことですが、確かにシリコンのこの型、蜂の巣のようでもありますね。
どの料理も本当に洗練されていておしゃれで美味しくいただきました。料理のスパイスはマリオンのおしゃべり。いつものことながら、「立て板に水」そのもの。次から次へと話題がわき出てきます。(通訳泣かせです…)
今回はマリオンのクリスマスについて:
フランスにいたときは、マリオンの実家とご主人の実家を一年おきに訪問してクリスマスを祝っていたそうです。マリオンの実家は南フランス。クリスマスには何とベトナム料理をいただくのだそうです。一方のご主人の実家では伝統的なターキー、フォワグラなどの料理で祝うので、毎年マリオンとご主人のどちらか一人が「ちょっと残念な」クリスマスになるのだとか。東京で過ごす今年のクリスマスはしっかり伝統的な料理が並ぶようです。エスカルゴ、フォワグラ、タルトetc、4人の子供とご主人のそれぞれのリクエストを叶えるためにはまたまたマリオンの台所はテンヤワンヤになりそうですね。とにもかくもJoyeux Noël !!
最近のコメント