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Sortie amicale :交流会(6) 北鎌倉散策 2014年11月28日

2014年12月4日 木曜日

PB280798  gare de Kita-Kamakura

紅葉のシーズンです!総勢10人の日仏混成グループは北鎌倉の散策へ出かけました。
小さな北鎌倉駅もこの時期、乗降客の数は半端ではありません。駅から外に出るのに結構時間がかかります。

PB280805  Musee de livres pour enfants

葉祥明美術館

円覚寺の紅葉も見事ですが、観光客の数も相当です。今日はここはスルーして、明月院へ向います。途中、葉祥明美術館に立ち寄りました。レンガ造りのイギリス洋館を思わせるこじんまりとした建物の前庭には美しい黄葉が広がっています。サトウカエデでしょうか。葉がモミジに比べて大きく、すくっと空へ向って伸びている樹木は洋館にぴったりの立ち姿です。

 

梅雨の時期には両側に紫陽花が満開に

梅雨の時期には両側に紫陽花が満開に

 

明月院は紫陽花寺として有名ですが、実は1年を通じていろいろな花木を楽しめるように作られているのですね。春は桜やボケ。夏は紫陽花、花菖蒲、秋はモミジ、冬はロウバイ、椿など。また日本人にとって月といえば「ウサギの餅つき」。(国によっては月の影は「カニ」や「女性の横顔」など様々ですが…)それでこのお寺の中を流れる川に渡された橋にはウサギの彫刻が置かれています。

PB280809  lapin du temple Meigetsu-in

 

本堂では薄暗い部屋の丸窓に縁どられた絵のように美しい紅葉が楽しめます。

PB280817  fenetre ronde de Meigetsu-in (3)

 

本堂裏の広大な庭園は、花菖蒲と紅葉の見頃のときだけ公開されます。モミジの赤、黄、緑のグラデーションはまさに「錦絵」です。みんなそろって「ワォーッ!」としか言いようがありません。

PB280818  erable de Meigetsu-in

竹林もあります。孟宗竹でしょうか。天を突く勢いの竹の太い幹をみて、「何年くらいたっているの?」と尋ねるフランス人。竹の寿命は案外短くて20~30年くらいなのだそうです。華やかな赤や黄色のモミジのあとでは、竹の青さがなにやらとても神秘的に感じられます。

PB280826 bambou de Meigetsu-in (2)

この寺のもうひとつの見所は「やぐら」。切り立った崖をうがった墓所です。鎌倉のあちこちにこのようなやぐらを見ることができますが、明月院のやぐらは鎌倉最大規模のものだそうです。壁面にはいくつもの仏像が彫られていて、相当な位の武将のものだったことをうかがわせます。

 

次に訪れたのは長寿禅寺。

PB280831  Kannon-do de Choju-ji

長寿禅寺の観音堂

通常は非公開だそうですが、春と秋、金・土・日のみ参拝できるということで、とても貴重な経験となりました。幾何学模様に組まれた石の道が、建物へといざないます。庭は一面の苔。

PB280828  jardin de  Chojuzen-ji

紅葉と白い砂利のコントラストが美しい

 

特筆すべきは、本堂のお座敷から眺める庭の紅葉です。敷き詰められた砂利の白と庭の植え込みの鮮やかな赤や黄色がまるで絵画のように美しいコントラストを見せています。

PB280838  erables de Chojuzen-ji

 

このお寺、何と足利尊氏のお墓があるのですね。法名を京都では等持院殿、関東では長寿寺殿というのだそうです。鎌倉の邸跡に足利尊氏が創建したお寺だとか。京都のお墓とは違ってこちらの墓には遺髪がおさめられているそうです。歴史の教科書に出てくる「セレブ」のお墓と遭遇してちょっと感激。鎌倉はやはり「おそるべし」です。

PB280843  Restaurant KOETSU

昼食は「口悦」へ。2階のお座敷を貸切にしてくださいました。しかも和室ながら椅子席です。掛け軸は百種の「寿」の字が書かれた大変おめでたいものです。懐石料理を、「これは何?」「それはコンニャク。」「KON・NYA・KU ??」「これはomelette (オムレツ)?」「う~ん、おいしい。あなたも家でこれ作れる??」などなど日本人マダムたちは料理の説明に四苦八苦しながらもにぎやかに楽しくいただきました。

 

PB280853  plats traditionnels chez Koetsu

 

 

その後フランス人マダムたちはお子さんたちのスクールバスのお迎え時間を気にしながら一路東京へと帰って行きました。

PB280856   Jochi-ji

残った日本人マダムたちは、別名「鎌倉夫人」ともいえる鎌倉通のMさんのご案内で浄智寺へ。いかにも山寺という風情の静かなお寺です。ここは余りモミジの木がないので、人混みから免れて別世界のような静けさです。山門に掲げられた額には「近在所寶」とあります。何でも「お宝はあなたのすぐ近くにある」という意味だそうです。有り難いお言葉。Mさんによるとハリウッドの向こうをはって、「カマウッド」という鎌倉をベースにした映画製作の組織があるのだそうですね。この浄智寺も最近製作された映画の舞台になり、この山門がでてくるのだとか。

 

PB280864  enetree de Jochi-ji

 

またこのお寺の近くには映画監督の小津安二郎や日本画家の小倉遊亀の住居などもあります。暗いトンネルを抜けた先に、本当に人目を避けるようにしてひっそりと、落ち葉に埋もれるようにしてそれらの家はありました。「千と千尋の神隠し」で千尋と両親が迷い込んだトンネルの向こう側のように、魔法にかけられて時間が止まったかのような別世界です。実に「鎌倉、おそるべし!」

晩秋の日はつるべ落とし。急に底冷えのする空気がたちこめてきました。私達も家路を急ぐことにします。

PB280820  feuilles jaunes d'erablePB280834  partiicipantesPB280827 feuilles d'erable (3)

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