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料理サロン:講座ご報告(2016年6月17日)

7月 15th, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年6月17日) はコメントを受け付けていません

P6172391 table

バカンス前の最後の料理レッスンです。今日のメニューにふさわしい暑い一日、日差しはすでに真夏のような強さです。まずはリビングでベランジェールと参加者の皆さまで記念写真をパチリ。今日のテーブルをご覧ください。深いブルーのランチョンマットにオレンジのナプキンが並んでいます。その奥のリビングのソファーの赤とオレンジ色の椅子やサイドテーブルも見事に調和しています。なかなか思いつかない色の組み合わせですが、オレンジ色の絶妙な配合がおしゃれです。フランス人のリビングのこうした色使いは本当に勉強になります。

chaise et coussin (2)

また、アンティクなデザインの椅子にこんなかわいいクッション。キチント感の中にこんな遊びをいれることでインテリアはぐっとポップな感じになります。上品さも失っていないところが素晴らしいですね。さて本日のメニューです。

P6172427 gaspacho yaourt concombre

Gaspacho Yaourt-Concombre à la Menthe, garniture croquante

(きゅうりとヨーグルトのガスパチョ、ミント風味、歯ごたえのあるガルニチュール添え)

P6172425 mixer les ingredients de gaspacho

きゅうりとアボカドをベースにニンニクとしょうがも加え、ミント、ヨーグルト、ミルクを混ぜ入れて一気にミキサーにかけます。塩こしょうで味を調えて、最後にレモン汁とオリーブオイルを加えてよく混ぜ合わせて冷たく冷やしておきます。

 

 

P6172426 garniture au fond du bol de soupe容器の底にりんごときゅうりの小さな角切り(5mmくらい)を敷き、ガスパチョを流しいれて、最後に同じくりんごときゅうりの角切りをトッピングしてオリーブオイルを一筋流して出来上がり。ミントの香りがさわやかな、さっぱりとした冷製スープです。きゅうりがたくさん手に入ったとき、是非お試しください。食欲がないときでもスルッといただけます。

 

 

P6172437 carre d'agneau et tian (2)

Carré d’Agneau, Crème d’ail

(子羊肉とガーリックソース)

 

P6172420 carre d'agneauラムの骨付き肉Côteletteの塊肉をフランス語でcarréと言います。確かに四角形ですね。この塊肉の骨の各部分の上部に少し切り目を入れてから(こうすると後でさばきやすくなります。)フライパンにオリーブオイルとバターを入れ、肉を加えて両面をこんがり焼きます。これをオーブンバッドにのせて、オイルとバターを混ぜたものを上からまわしかけ、180℃~200℃のオーブンで15分、次に温度を150℃に下げて更に20分焼きます。アルミホイルで全体を覆って、オーブンの中で10~20分ほどねかせておきます。

P6172421 creme d'ailいただくときに各骨の部分でカットし、ガーリックソースを添えます。このガーリックソースがまた仔羊肉にとてもよく合います。鍋に生クリームとにんにく10片、塩コショウをいれて沸騰させます。そのあと火を弱火にして10~15分ほど煮て、ミキサーにかければ出来上がりです。とても簡単で、美味!!

 

 

P6172433 tian cuit

Tian Provençal

(プロヴァンス風ティアン)

P6172402 monter tian肉料理の付け合わせというには余りに存在感のある一品です。玉ねぎとにんにく(2~3片)のみじん切りをオリーブオイルでよく炒めます。これを耐熱容器の底にしき、その上に5mm幅の輪切りにしたトマト、ズッキーニ、なすを並べていきます。コツはこれでもかというくらいギュウギュウに詰めること。焼くと水分が出て野菜が小さくなるからです。

 

P6172410 tian avant de mettre au fourその上からオリーブオイルを回しかけ、塩こしょうを振り、パルメザンチーズ、タイム、刻んだパセリも散らします。180℃のオーブンでゆっくり1時間半から2時間焼きます。仔羊に限らず、いろいろな肉料理の付け合わせに使えそうです。しかもこのティアンのお皿をドーンと食卓においてそこから各自のお皿に取り分けたら、なかなかのパフォーマンスになります。夏野菜がたっぷりいただけて花丸のお料理!!

 

P6172444 tarte au citron meringuee

Tarte au Citron méringuée

(メレンゲレモンタルト)

P6172394 pate de sableレモンのクリームに軽やかなメレンゲの初夏にぴったりのタルトです。ただし、生地はサブレ生地。材料はたっぷりの砂糖、バター、小麦粉、アーモンドパウダー、卵と超高カロリーです。でもサブレ生地のサクサク感は捨てがたい魅力。

 

 

 

L1190938 thermometreそして今回はイタリアンメレンゲを添えます。普通のメレンゲと違うのは、卵白を泡立てる際、シロップを加えるところ。砂糖と水を鍋に入れて118℃(ここがポイント!そのための温度計を使います。)になるまで加熱します。それを少しずつ卵白を泡立てながら加えていきます。確かに普通のメレンゲに比べて艶があります。

 

 

P6172422 pate sable demoule小さなセルクルで焼いたサブレ生地の台にレモンクリームを塗り付け、その上からメレンゲを絞り出します。バーナーで表面に焦げ色を付ければ完成です。ちょっと手間がかかりますが、それだけの価値のある素敵なデザートです。

 

 

 

P6172440 creme citron sur la pate sable

 

 

 

 

 

 

6月はフランス人を初め、東京に駐在している外国人家族には忙しい時期です。新学期が9月からの国では人事異動も多くは夏休み前になりますので、この月は離日する友人たちとの「さよならパーティー」が目白押しになります。特に金曜日の晩や週末に集中。ベランジェールもレッスンのあと、晩に呼ばれているパーテイー用にケーキを焼く準備を始めました。3時間近く立ちっぱなしでレッスンをこなした後、またもやケーキを作るとは…本当に料理が好きでなければとてもとても…。Chapeau bas (脱帽)!P6172404 dans le cours

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2016年5月19日)

5月 29th, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年5月19日) はコメントを受け付けていません

P5192298 participants dans le cours今回の料理レッスンのテーマは「初夏のごちそう」。日差しが強く、木陰の風が心地よい今日のような日にぴったりのメニューです。まずは、食堂のテーブルでコーヒーや紅茶をいただきながら、レシピーの説明を聞きます。そしてエプロンをつけてキッチンへ。アリスのキッチンはさながら「子供ミュージアム」。白い棚の扉のあちこちに子供たちの作品が飾ってあります。訪れた美術館で特に印象に残ったという縞々のネコの絵、銀色に輝く山と真っ赤な太陽の絵、淡いタッチで描かかれた緑の野原とピンクの花…どれも独創的で色のタッチが素敵です。さすが芸術の国フランスの子供たち。また子供たちの作品をいつも並べて飾ってくれるママも素敵です。こんな風にしてアートを身近に感じる教育がさりげなく日々行われているんですね。そして私たちは「味覚のアート」に取り組み開始です。

P5192323 soupe froide ourgette et menthe

Soupe froide Courgette et Menthe ( Gazpacho )

ズッキーニとミントの冷たいスープ(ガスパチョ)

前回のビーツのヴェリーヌ同様、とても簡単です。さっとゆでたズッキーニとヨーグルト、ミント、クミン、オリーブオイル、塩、コショウをミキサーにかけてまぜるだけ。冷たく冷やして、いただく直前にズッキーニの薄い輪切りとミントの葉を飾り、固く泡立てた生クリームを添えていただきます。ミントが爽やかなスープというよりムースをいただいているような舌触りです。

 

P5192336 paella sur la table

Paëlla verte aux Légumes

グリーン野菜のパエリャ

パエリャといえばスペイン料理ですが、このパエリャにはどっさり野菜がはいります。野菜とシーフードの間からお米が見える、という感じです。オーブンで焼かないところも簡単でいいかもしれません。つぶしたにんにくとみじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルと一緒に大きなパエリャ用フライパンで炒めます。そこへグリーンの野菜を投入。アスパラガズ、インゲン、グリーンピース、絹さやも一緒に焦がさないようにかき混ぜながら4~5分炒めます。次に米(タイライス)300gも加えて炒め、熱湯をひたひたに注いで、パプリカ、サフラン(今日はターメリックを使用。日本のサフランは高すぎるとアリスはこぼしていました…)、塩で調味してさらに5分煮ます。次に解凍しておいたシーフードを入れてまた5分加熱します。米がやわらかくなったら干しブドウも一掴み加えて火を止めます。その間に鶏肉にエルブプロヴァンスを振りかけてオーブンで焼いておきます。パエリャの上にチキンを並べます。冷めてしまったらオーブンで少し温めてからいただきましょう。

 

P5192339 crumble (2)

Crumble Pomme Rhubarbe ( sans gluten )

りんごとルバーブのクランブル (グルテンなし)

これは小麦アレルギーの人でも食べられるグルテンを使わないレシピーです。ルバーブは冷凍のものを使います。(フレッッシュなものがあればベストですが、なかなか手に入りにくいですね。)解凍したら鍋に砂糖と一緒に弱火にかけます。リンゴは皮をむいて種と芯をとり、薄切りにして、さらに小さくカットしてルバーブの鍋に加え3分ほど煮ます。耐熱容器に詰めて(半分の高さくらいまで)シナモンをふりかけておきます。次にクランブルを作ります。通常は小麦粉120gですが、今日はその代わりに米粉60gとアーモンドパウダー60gを合わせて使います。そこへ砂糖40g(ブラウンシュガー)、室温に戻したバター100g、ココナツパウダー80gを混ぜて、指の先を使って生地がパラパラの粒上になるようにします。これを耐熱容器のフルーツの上にかけます。レモン汁を数滴ずつ容器のクランブルの上からかけて、180℃に温めておいたオーブンにいれて25分ほど焼きます。クランブルがきつね色に焼けて、カリッとしたら出来上がりです。冷たく冷やしておいて、いただくときに固く泡立てた生クリームか、バニラアイスを添えていただきます。甘酸っぱいリンゴとルバーブのしっとり感と、クランブルのカリカリとした感触がおもしろく、ココナツの風味も楽しめます。簡単に作れて、おいしく、クランブルをスプーンですくって口にいれたときの新食感とその下から顔を出すフルーツの味をしっかりと確認する楽しみがあります。フルーツは季節のものならいろいろ応用がきくそうですから、是非他のフルーツでもお試しください。お薦めです!!

P5192307 rhubarbe coupe

カットしたルバーブ

P5192319 pate de crumble

クランブルの生地

P5192316 taille de pommes

リンゴは薄く切りカットする

 

今回も食卓では、お義父様のワイナリーの赤をいただきます。例のCôte de Brouillyです。ボージョレー地方のワインとしてはボージョレーヌーヴP5192325 cote de Brouillyォーが日本では有名ですが、フランス人にすれば、何であんな若いワインが人気なんだろうと不思議だそうです。それに対してこのコート・ブルイは同じGamay(ガメ/ガメイ)という品種のブドウで作られているのですが、タンニンが少なくライトボディながら、味に深みがあります。アリスはうっかりして、ワインの栓を抜いてchambré(シャンブレ:室温にしておく)するのを忘れていたと残念がっていましたが、確かに一杯目より二杯目の方が味に更に深みが増したように思います。カベルネ・ソビニョンやメルロ、ピノ・ノワールなどはよく耳にする品種ですが、ボージョレーワインがガメという品種で作られているとは今日初めて知りました。ちなみに正式な名称は、Gamay Noir à Jus Blanc (白い果汁を持った黒い果皮のガメ)というそうです。

 

また参加者のお一人のご家族の方が立ち上げたNPOの話になり、そのNPO団体ACE(エース)の活動についてうかがいました。世界の子供を児童労働から守るためにいろいろな取り組みをしているのですが、そのひとつに私たちが大好きなチョコレートがあります。チョコレートの原料となるカカオ豆は、日本に輸入されている7割がガーナ産だそうです。そのガーナでは子供たちが学校にも通えず、過酷な労働条件の中で生産に携わっているそうです。このように子供たちを搾取して安く調達したカカオがチョコレートとして店頭に並ぶのです。フェアートレードという言葉を耳にしたことがあると思いますが、(フランス語ではcommerce équitable というらしいですが)これをACEが日本の菓子メーカーと共同で取り組んでいるというのです。それが森永製菓の「ダース」チョコレート。私たちがこのダースを買うと、その価格の一部がこうした労働に苦しむ子供たちのための基金になるのだそうです。NPO活動もボランティアも興味はあるけれど飛び込む勇気がなかなかね…という方は多いと思います。でも誰でもできるのですね。ちょっとしたお手伝いなら。いつものチョコレートをやめて、今日はダースをスーパーのかごに入れてみてはどうでしょう?このNPOの活動にご興味がある方は以下にそのサイトのリンクを貼っておきますのでご覧になってみてください。まだまだほかにもいろいろな活動があります。…つまりたくさんの児童労働問題があるということですが。

http://acejapan.org/about/message

P5192324 porte couteau avec un petit elephant

象の飾りのナイフ置き

P5192326 serviette

パリ満載のナプキン

P5192305 dans la cuisine

キッチンで

 

 

 

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2016年3月12日)

3月 19th, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年3月12日) はコメントを受け付けていません

P3122178 dans la cuisine今回は初登場のアリスの料理レッスンです。土曜日ということで可愛いお子さんたちもお出迎えしてくれました。全員がきちんと一回は顔を出してご挨拶…と言っても小さな坊ややお嬢ちゃんは恥ずかしそうにモジモジしていましたが、そこがまた何とも可愛いのです。レッスンの途中でフランスから出張でちょうどお帰りになったご主人様とリビングで鉢合わせ。大きな袋を何とか冷蔵庫にスペースを作って詰め込んでいらっしゃいましたが、全部チーズだそうです。参加者のどなたかがご夫婦に向かって「なんだかごきょうだいみたいによく似ていらっしゃいますね。」とおっしゃっていましたが、確かにエレガントな雰囲気の漂う素敵なカップルです。アリスがそれに答えて「似P3122181 support pour des recettesてるとしたら、私たちの鼻かしらね??」とおどけて見せるところがまたすてき。
アリスのレッスンで素晴らしいと思ったことは他にもあります。参加者銘々のためにレシピーを挟むボードと、各自の名前を書いて胸にとめる名札も準備していました。自分の胸にも「Alice」と書いた名札をつけたのが好印象。レッスンの間は、参加者全員に役割を与えて、切る、こねる、焼くなど実際に体験させています。セルクルは合羽橋に買いに行く時間がないので、フランスのクリスマスシーズンにかろうじて店に残っていたものを一つ買って持っているだけだそうで、参加者全員が使えるように、透明の使い捨てコップを上手にカットして代用品を作ってありました。なんだか料理レッスンに対する情熱がビシビシと伝わってきます。よく料理サロンのマダムたちが、「これもそれも合羽橋で買った」とおっしゃるのですが、アリスは「これもそれもダイソーよ」と百円ショップの製品を上手に利用しています。レシピー用のボードも100円ショップで購入したそうですが、赤のボードの下に可愛い小花模様が入っていてとてもおしゃれ。コーヒーや紅茶をいただきながらレシピーの説明を受けて、いざ台所へ。子供さんたちの絵が貼ってあったりして、白を基調にした明るいキッチンがホンワカとても暖かい雰囲気です。冷蔵庫に子供さんの誰かの文字で「今日はパパが帰ってくる!」とメモがありました。こんなに待たれている父親って素敵ですね。さてさて、本日は4品も作ります。

P3122216 verrines betterave

Verrines Betterave, Pommes , Noix

ビーツとりんごとくるみのヴェリーヌ

これは嬉しくなるほど「超簡単」です。が、ビーツとクリームチーズに塩少々加えてミキサーにかけると美しい淡紫のクリームができあがります。これをベリーヌの底に敷き、その上から細かくカットしたリンゴ、小さく刻んだクルミの順に入れて、いただくときに上からコショウを挽いて散らし、いただきます。クリームチーズとビーツがこんなに合うとは知りませんでした。目にも美しく、しかもビーツは鉄分をたくさん含んでいるので、体にもとてもいいと思います。是非お試しを!!

P3122221 salade montee

Salade montée au Crabe et Endives

カニのサラダモンテ、チコリ添え

フランス語でpièce montée(ピエス・モンテ)といえば、何段にも盛り上げたデコレーションケーキのことですが、ここではいろいP3122225 sauce pour la saladeろな具材を何層にもしてケーキのように作り上げるところから、モンテという言葉を使っています。製菓用のセルクルを皿の中央に置いて、まず底に缶詰のカニの身をマヨネーズと塩コショウであえて敷き詰めます。次にきれいに袋をはずして細かくカットしたグレープフルーツを敷きます。(グレープフルーツの果汁をしっかり絞ることがコツです。それをしないと出来上がりが水っぽくなります。)次にやはり細かくカットしたアボカドを敷き詰めます。この状態で食卓へ出すまで冷蔵庫で冷やしておきます。食卓へ出す直前にセルクルをはずして、チコリの葉を数枚添えます。サラダの上から挽きこしょうを振ります。生クリームにチャイブのみじん切りを加えたソースを別の容器に入れて添えます。それぞれの具材の本来の味のハーモニーを楽しむ一品です。チコリの葉にサラダをのせていただくと、チコリのほろ苦さとグレープフルーツの爽やかさ、クリーミーなアボカドとカニのコラボが何とも美味。簡単に作れるのに、お洒落。おもてなしにぴったりです。具材をいろいろ変えて楽しむこともできそうです。こちらもお勧めです!!

P3122232 quenelles sauce tomate

Quenelles Sauce Champignons et Tomates

クネル、きのことトマトのソース

クネルは小麦粉とバター、ミルク、卵をこね合わせて作った生地を絞り袋に入れて棒状に絞り出し、熱湯でゆでて作ります。日本の「スイトン」の小麦粉のお団子とよく似ています。リヨンのスペシャリテだそうです。ゆであがったクネルを耐熱皿に並べ、その上からきのことトマトをオリーブオイルでソテーしたソースを注ぎ入れ、削ったチーズを表面に散らしてオーブンで10~15分ほど焼いて出来上がりです。パスタとも違ったモチモチとした食感のクネルにトマトソースがからみ、「マンマの料理」という美味しさです。クネル作りがちょっと大変ですが、雨に降りこめられた週末などにキッチンにこもって挑戦するのもいいですね。

P3122189 pate de quenelle P3122195 faire quenelle P3122200 quenelle cuite

 

 

 

 

 

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Blanc-Manger Coulis de Fraises

ブランマンジェ、いちごのクリソース

ミルクとコンスターチ、砂糖で作るこのブランマンンジェ、作り方は至極簡単。コンスターチをミルク少々でよく溶き混ぜ合わせ、さらに温めたミルクも注ぎ入れて、砂糖とバニラエッセンスを加えます。一部を取り置き、アーモンドエッセンスも試しましたが、こちらは「杏仁豆腐」風となりました。やはりバニラ風味がいいようです。ラムカンか小さなボールに注ぎ入れて、冷蔵庫で最低3時間冷やしておきます。イチゴのクリソースは、イチゴ200gとレモン汁半個分、20~30gの砂糖を合わせてミキサーにかけます。必要なら水を加えて調整します。最後にこしてイチゴのツブツブを取り除きます。ソースは別の容器に入れて、ブランマンジェに添えます。デコレーションは参加者各自にまかされましたので、個性的な仕上がりとなりました。メインの濃厚なトマトソースのクネルのあとのデザートとして、さっぱりとしていてのど越しのいいブランマンジェはピッタリ。イチゴのクリソースは、ヨーグルトやムースにも合いそうです。

P3122227 vin cote de Brouilly

また本日いただいたCôte de Brouillyはアリスのお義父様が作られているボージョレーワインです。ボージョレーといえば日本ではボージョレーヌーボーが有名ですが、ヌーボーはその名の通り「若い出来立ての」ワイン。同じボージョレーでもこのCôte de Brouillyは、ボルドーワインにも負けないパンチのある深い味わいのワインです。ボルドーほどにはタンニンを感じないところがいかにもボージョレーでしょうか。生産量が少ないために日本には輸出されていないとのこと。残念です。今日の料理はどれも簡単に作れて見栄えがいいので、「是非、家で試したいわ!」と参加者の皆さま。大満足の一日でした。

P3122239 serviette

フランス製の紙ナプキンもおしゃれ

P3122192 dans le cours

共同作業の息もピッタリ

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2016年2月20日)

3月 1st, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年2月20日) はコメントを受け付けていません

P2202110 salle a manger昼過ぎから雨が強く降り出し、風も強くなるという天気予報の土曜日。皆さまと駅で待ち合わせてソフィの家に着くまでは何とか天気がもちましたが、しばらくすると通りを歩く人が傘をさす姿がチラホラ。家の中で料理をするにはもってこいの雨の休日になりました。土曜日なので子供さんもご主人もチラチラ姿が見えます。いかにもフランス人の友人の家に遊びにきたようなオープンな雰囲気です。ソフィの快活な人柄に参加者の方たちは安堵された様子で、エプロンをつけてカウンターの回りに集まります。今日はフランスのアルザス地方の伝統料理です。アルザス地方の食卓では余りアントレ(前菜)を準備しないそうで、スープなどのあとすぐメインディッシュになるのだそうです。タルト(ヴァリエーションがすごいです。玉ねぎタルト、にんじんタルト、キッシュ等々)もよく作られるとか。またソーセージを使った料理も伝統的だそうですが、日本ではこのソーセージが手に入らないということで本日のメニューは日本でも材料が手に入りやすいものが選ばれました。

 

P2202117 veloute de chou-fleur

Velouté au chou-fleur et Roquefort

(カリフラワーのヴルーテ、ロックフォール添え)

 カリフラワーとジャガイモをブイヨンの中でゆでて、柔らかくなったらミキサーにかけます。バターと生クリーム、塩、こしょうで味を調えます。好みでにんにくやオレガノを加えてもOK。スープ皿によそい、ロックフォール(または他のブルーチーズ)を薄くスライスしたものを数片中央にのせ、みじん切りにしたパセリも飾って出来上がり。ソフィは本格的なフードプロセッサーのミキサーにかけていましたので、ヴルーテはその名の通り、まるで「ビロード」のような滑らかさです。塩分控えめのヴルーテにロックフォールを少し混ぜていただくと、野菜のやさしい味にピリッとしたチーズの塩味が絶妙にからみます。作り方は至極簡単ながら、美味かつお洒落な一品に仕上がりました。

 

P2202127 Fleischschnake

Fleischschnaka

(フレイシュシュネッカ)

アルザスの言葉でFleischは「肉」、Schnaka は「かたつむり」。肉をロールケーキのように生地でクルクルと巻いたものをスライスした形からこの名前がついたそうです。生地は、小麦粉、卵、水、塩、酢少々を混ぜ、こね合わせます。酢は卵黄を酸化させるので、生地が水っぽくなりません。これを1時間ほど寝かせておいてから、長方形にのばします。牛のひき肉は玉ねぎとニンニク、エシャロット(適宜)をバターで炒めます。これに生の豚挽肉、卵、ニンニク、パセリ、チャイブの刻んだものを加えて混ぜ、ナツメグ、塩コショウで味を調えます。これをのばした長方形の生地に塗り、ロールケーキと同じ要領で最後まで巻き上げます。次にこれを1.5㎝~2㎝の厚さの輪切りにします。フライパンにオリーブオイルとバター少々を入れて熱し、そこへ輪切りにした生地を並べ、両面をきれいなきつね色になるまで焼きます。最後に熱したブイヨンをひたひたに加え、弱火で15分~20分蒸し煮にします。ソフィは「餃子と同じね。」と言いますが、確かに餃子の輪切りです。
皿にこの輪切りを2つずつ並べ、上から熱々のブイヨンを回しかけ、グリーンサラダ添えて熱いうちにいただきます。想像を超えたお味です!!美味しい!!生地はほどよい固さのパンを思わせ、ブイヨンに浸されてもべしょべしょにならず、適度な歯ごたえを残しています。中のひき肉は本当に餃子のようなお味です。フランス料理は今までに数知れず習いましたが、この食感は初めての経験です。また、raifort(ホースラディッシュ)をつけながらいただくと更に美味。全体にとてもサッパリとした味のところへホースラディッシュのかすかな辛さがアクセントになり、あとをひきます。フランス料理と一口にいっても本当にいろいろな料理があって奥が深いとつくづく実感いたしました。

P2202104 vjiande etalee sur la pate FleischschnakaP2202105 Fleischschnaka roule P2202109 sauter morceaux de Fleischschnaka

 

 

 

 

 

 

 

P2202130 tarte aux pommes cuite

Tarte aux Pommes à l’alsacienne

(アルザス風りんごのタルト)

フランス人はいとも簡単に生地を作ってしまいます。そして本当に失敗しません。普通の練りこみパイ生地の材料(小麦粉、バター、塩、水少々)の他にお菓子には砂糖が加わります。ソフィのレシピでは、バニラシュガーも入ります。よくフランス人マダムの料理レッスンでみかけますが、皆さんお砂糖の中にバニラの鞘を数本いれて自家製のバニラシュガーを作っています。香りも確かにはなやかです。それからソフィのりんごタルトでおもしろいのはりんごの並べ方です。りんごタルト用のりんごは普通薄くスライスして放射線状に並べていくのをよく見ますが、今回のりんごは5㎜くらいの厚さにスライスしたものを端から垂直に立てて中心へ向けてぎっしり並べていきます。ボリューミーでインパクトがあります。これをオーブンで25分ほど焼いたところでフラン液を流しいれます。フランは卵と生クリーム、砂糖を混ぜて作ります。フランを流し込んでからはオーブンの温度を下げてさらに15分ほど焼きます。型から外しますが、焼く前に硫酸紙またはクッキングシートを敷きこんでおきますので、きれいに取り出せます。最後にシナモンを振りかけて、切り分けてサービスします。りんごの表面がカリッと焼けていて、中はしっとり、しかもフランをまとってりんご本来の甘さも残しています。なんとも美味しい!これは是非一度、この並べ方で作ってみたいと思います。

P2202089 pate de tarte aux pommes P2202092 mettre pommes dans la tarte P2202094 pommes dans la tarte

 

 

 

 

 

せっかくの休日にママを私たちにとられてしまった坊やは、何かとママの気をひこうとキッチンへ入ってきます。「ママ~ン!!」初めは「ウイ!」と笑顔で答えていたソフィも度重なるにつれ、「もう、いい加減にしなさい!」と厳しく叱ります。他人の前では余り怒らない日本人の母親とは違って、フランス人のママにはよそ行きの顔はありません。子供を怒っているときは、こちらが思わず身を縮めてしまうくらいコワイです。その顔を今度は私たちににこやかに向けて、ソフィは忙しい。出来上がった料理は大きなテーブルでソフィのご家族(二人の息子さんとご主人様)も加わって賑やかにいただきます。スープのときはワインをサービスしないのだそうで、メインディッシュのとき冷たく冷やしたアルザスのリースリングがグラス
P2202134 morceau de tarteに注がれます。やはりいついただいても美味しい!!話題は今夏ご一家で移り住むドバイの話に。残念ながらソフィのご主人様の転勤が決まったとのこと。東京では自転車で思う存分散歩を楽しんでいたソフィですが、ドバイでは自転車を乗り回すわけにはいかないようです。どこへ行くにも距離があり、車社会のようです。料理だけでなく、このようにソフィのご家族と一緒に食事をするといった体験は、まさにプチ留学、まるでフランスでホームステイをしているような錯覚にとP2202107 en cours らわれます。「今日はフランス語のシャワーを浴びて楽しかった!!」とは参加された方のご感想。4時間もの間、確かにずっとフランス語を聞くという機会は日本にいては余りないかもしれません。「Merci!」と玄関でソフィとお別れをして帰られた皆さまの姿、気のせいかちょっとパリジェンヌのようでした!!

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2016年2月5日)  

2月 10th, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年2月5日)   はコメントを受け付けていません
リビングの窓から冬空を見る

リビングの窓から冬空を見る

今年に入って初めての料理サロンのこの日は、真っ青な冬空から日差しが降り注ぎ、冷たい風にコートの襟を立ててそぞろ歩く人たちが、表参道のシックなブティックのショーウインドーに映っては消えていきます。いかにもお洒落な冬の街風景。スタイリッシュなベランジェールの玄関チャイムを鳴らすと、キリッとタブリエをまとったベランジェールがにこやかに出迎えてくれます。今日の料理のテーマは「冬のごちそう」。

 

 

P2052067 gougeres a tableGougères au comté et son mesclun

(コンテチーズのグジェール、グリーンサラダ)

グジェールの生地はシューと同じく、バターと卵、小麦粉で作ります。違いは生地にチーズ、塩こしょう、ナツメグがはいるところ。アペリティフや前菜としていただきます。本日使用したコンテチーズはフランス産。グルイエールでもOK。ベランジェールは「グルイエールはスイスのチーズだからちょっとね。」と言います。「コンテのほうが美味しい?」と聞けば、「う~ん、同じよ。でも私は愛国主義者だからね。」と。でも確かにコンテチーズは味わいが深く鼻腔に香りが広がります。コンテは大きなスーパーなら最近おいているところも出てきました。コストコでもみつけました。200gで958円(税込)で売っていました。是非コンテでお試しください。ワインにぴったりのアントレです。

P2052074 magret de canard,sauce bigarade, polenta

Magret de Canard, Sauce Bigarade, Polenta gratinée

(鴨肉のソテー、ビガラードソース、ポレンタのグラティネ)

鴨肉はPérigord(ペリゴール)産です。フォワグラでも有名なこの地方の鴨肉は肉質がしっかりしていて脂がのっています。日本にはハンガリー産の鴨肉が多く出回っているようですが、こちらもまたベランジェールに言わせると、「やっぱりペリゴール産がベスト」とか。「でも本当をいうとペリゴール産でも美味しくない肉もある」と白状。彼女、なかなかのchauvine(愛国主義者)なのです。さて、この料理で最も重要かつ時間のかかるのがビガラードソースです。鴨肉とオレンジは大変相性がよく、オレンジベースのソースが合わされます。防腐剤を使用していないオレンジの皮を細い千切りにして、熱湯にくぐらせ冷水にとってさっと水気を切ったら、同じ作業をもう一度繰り返します。砂糖と少量の水を火にかけてシロップをきつね色にします。そこへオレンジの果汁を加えてデグラセし、半量まで煮詰めたらオレンジの皮の千切りと胡椒を加え混ぜます。フォンドヴォーを注ぎ入れ、弱火でさらにコトコト煮詰めます。仕上げにバター少々を加えて温めておきます。鴨肉は余分な脂身を取り除き、皮に格子状に切り目を入れていきます。(quadriller)油をしかないでフライパンに皮の面を下にしてまず2~3分焼きます。次に裏返してやはり2~3分焼きます。焼きすぎると肉が固くなるので、肉の中央がきれいなピンク色になったら火をとめ、アルミホイルで覆って温かいオーブンの中で温めておきます。いただく直前に肉をスライスし、オレンジの櫛形に切ったものとグリルで焼き色を付けたポレンタ(トウモロコシ粉にバター、水、パルメザンチーズ、オリーブオイルを加えて火にかけ練り上げたもの)も添えて、鴨肉にはたっぷりとビガラードソースを回しかけます。やはり主役はソースだと感じます。このソースは豚肉にも合うそうです。お皿に残ったソースもパンですくって完食!

ビガラードソース作り

ビガラードソース作り

フォンドヴォー

フォンドヴォー

鴨肉余分な脂肪をとる

鴨肉余分な脂肪をとる

 

 

 

 

 

 

 

P2052058 charlotte demoulee

Charlotte aux Fraises

(いちごのシャルロット)

P2052079 morceau de la charlotteもうこれは絶品。鴨肉とポレンタでしっかり胃袋を満たした後のデザートの何と軽やかなこと!フィンガービスケットもしっかりイチゴ果汁のシロップに浸されてやわらかく、イチゴのムースの上品な甘さと一体になって、口の中は恍惚状態。今回は大きなシャルロット型で作り、切り分けていただきましたが、一人用の小さな型で作ってもお洒落です。ワインについては、初めは軽やかなものから食事が進むにつれてパンチのあるものへと変えるのがいいと言われますが、欧米でのデザートもその理屈からでしょうか、かなり甘い(日本人にはちょっと甘すぎるときもある)お菓子がよく出てきます。濃厚なソースの料理のあとに出てくるデザートもパンチが必要???ベランジェールの料理は、全体的に素材の味を生かし、軽やかに仕上げているので、デザートまでスルリといただいてしまいます。とはいえ、生クリームやバターを普段なるべく控えているというベランジェールのようにスリムでありたかったら「お代わり」のお皿はあきらめましょう…。

フィンガービスケット

フィンガービスケット

P2052045 garnir les bords et le fond de la c P2052046 remplir a moitie vec la mousse

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2015年12月11日)

12月 20th, 2015
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PC111997 salon et table

フランスの国旗を思わせるトリコロールのインテリア

PC111974  ingredients du cours

本日の食材がズラリ

今年最後のベランジェールの料理サロンは、クリスマス料理。11時に始まり、2時まで合計5品を作りあげました。それからシャンパンをあけて、Joyeux Noël (=MerryChristmas )! アミューズブーシュのあとの前菜、ホタテ貝とハーブのテリーヌはこちらも冷やした白ワイン, Côte du Rhôneといっしょにいただきました。Côte du Rhône の白は初めてでしたが、さわやかな飲み口でシーフードとよく合います。トリュフ風味のカヌレやフォワグラといったいかにもクリスマスに相応しい豪華な料理が並びました。そしてデザートのチョコレートヌガーが本日のテーブルのフィナーレを飾ります。これだけの料理を3時間で仕上げるベランジェールの手際のよさに脱帽です。一足早くクリスマスのごちそうをいただいて、至福の時間となりました。視覚を喜ばせる美術、聴覚に訴える音楽、そして味覚を刺激する料理、これらアートの持つ力は偉大。中でも料理は会話というツールを通してその魅力効果を何層にも増幅できる優れもの。そしてカロリーという後々まで体に残る恐ろしいお土産つきでもありますが。本日の料理でもバターと生クリームがたくさん使われていました。ベランジェールいわく、「これはレッスンだからね。家族の料理ではバターは使わないわ。」う~ん、やっぱりクリスマス本番までサラダの日々を過ごすしかない??

 Amuses bouche : アミューズブーシュ(おつまみ)

PC112000 veloute et canneles

Cannelés parfumés à la Truffe  / Velouté de Châtaignes

トリュフ風味のカヌレ / 栗のヴルーテ

PC111967  puree de chataignes カヌレはボルド―地方発祥の菓子。ワイン作りの過程でぶどうの葉や種などを取り除くのに卵白を使うと大量の卵黄が残ります。この卵黄のために考案されたのがこのカヌレ。本日はトリュフの香りをまとったおつまみに変身しました。まわりはサクサク、中はフワフワでとても軽い仕上がりです。栗のヴルーテはむき栗をどっさり使います。市販のピューレを使用してもOK。ただし、表示に気を付けてください。Crème de Marronsは砂糖入りの製菓用です。Purée de Marrons(英語PC111982  jus de truffe表記ではChestnuts Puree )を使ってください。細かく刻んだ栗をバターで煎り焼きしてパセリのみじん切りとあえたものを上から散らします。その名のとおりビロードのような滑らかな舌触りのヴルーテと散らした栗のプツプツとした食感がおもしろい。

 

 

 

PC112003  morceau de terrine

Terrine de Saint-Jacques aux herbes fraiches et son mesclun

ホタテ貝とハーブのテリーヌ、メスクランサラダ添え

 PC111980 preparation de terrine de coquilles St-Jacques築地で買ってきたというホタテ貝はそのままいただきたくなるような大粒でつやつやの新鮮なもの。これを細く千切りにしてライム汁をまわしかけ、卵と生クリーム、細かくカットしたパン(生パン粉でもOK)、細かく刻んだチャイブとイタリアンパセリとよく混ぜ合わせて180℃のオーブンで湯煎にして約1時間15分じっくり焼き上げます。これを冷蔵庫で一晩寝かせてからいただきます。つなぎになるのは卵と少々のパンだけ。ホタテ貝のうま味を存分に楽しめる一品です。キリッと冷えた白ワインがよく合います。

 

PC112015  risotto et foie grasRisotto aux Noisettes, Cèpes et Foie gras poêlé

ヘーゼルナッツとポルチーニのリゾット、フォワグラのポワレ

 PC111994  riz pour risottoオリーブオイルとバタ―少々で玉ねぎのみじん切りを炒め、米(イタリア産のリゾット用)を投入。白ワインとブイヨンを加えて煮ます。水でもどしたポルチーニは千切りにしてバターで炒めておきます。米の仕上げにポルチーニとバター、パルメザンチーズを加えます。食卓へ出す直前にフォワグラをフライパンでソテーします。冷凍のものなら片面3分ずつ、室温にもどしてあれば2分ずつ)焼きます。焼きあがったらフォワグラはキッチンペーパーの上で油分をとっておきます。フライパンの油分を拭き取ったら。粗く砕いたヘーゼルナッツを少し色がつくまで煎ります。お皿にリゾットを盛り付け、フォワグラも添え、上からローストしたヘーゼルナッツを散らし、パセリをのせて出来上がり。フォワグラの濃厚な味とリゾットの淡白なフワッとした味が、口の中で混ざり合い、パンに載せていただくのとはまた違ったおいしさです。そしてナッツの香ばしいカリカリとした食感がアクセントになって重層的な味わいになります。クリスマスのメインはダーキーかローストビーフとばかり思っていましたが、こんな取り合わせもお洒落ですね。

 PC112018  Nougat glace au chocolat (2)Nougat glace au Chocolat

チョコレートのヌガーグラス

 溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜて、卵白のメレンゲを加えるとチョコレートムースになりますが、ここにさらに固く泡立てた生PC111993  nougat dans les moulesクリームと砂糖、蜂蜜、ローストしたスライスアーモンドを加え混ぜます。ケーキ型に流し込んで冷凍庫で12時間以上冷やし固めます。これはヌガーのアイスクリーム。いただく少し前に冷凍庫から出しておき、切り分けやすい固さにしておきます。今回は金柑を四つ割にしたものを添えましたが、オレンジの果肉など甘酸っぱいフルーツがあいそうです。冷たいヌガーアイスが口の中で溶けだすと、パリパリとしたアーモンドの歯ごたえとチョコレートの豊かな香りが相まって、忘我の境PC112020  espresso et tasse de wedgwood地です。最後に素敵なウエッジウッドのカップでエスプレッソをいただいて、テーブルを囲んだ皆さまのお顔は幸せそのもの。次はご家族の皆さまを同じように「幸せ顔」にして差し上げてくださいね。Joyeux Noël !  Merry Christmas !!

 

PC111986  cours

 

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カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日)

12月 9th, 2015
カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日) はコメントを受け付けていません

PB281908 objet de pierreここは閑静な住宅街。代々木八幡神社の緑の木立が見えたらソフィの家はもうすぐです。「ボンジュール!」初冬というのに薄手のコットンの白いシャツ姿でソフィが扉を開けてくれます。広い玄関は2階までの吹き抜けになっていて、ふっと見上げると黒い岩がまさに頭上めがけて落ちてくる…かと思うような細いワイヤーで吊り下げられたオブジェを発見。リビングにはアンティックの仔馬の乗り物、どっしりとした戸棚やカップボードはすべてフランスの自宅から運ばれてきたもの。まさに東京にポッカリと現れたフレンチワールド。しかも今日は土曜日とあって、5歳の坊やもご主人も家の中をウロウロしていらっしゃる。フランス人の家庭に闖入したような感じです。 食堂の長いテーブルの上には見ただけで胸躍る色とりどりのリボンや、オーナメントがところ狭しと並んでいます。本日作るリースの材料です。アルザスのクリスマスマーケットはとみに有名ですが、この地方のリースの特徴は、小さな人形を飾ることだそう。それで松かさのかわいいLutins(リュタン:小妖精)も作ることに。Lutinsはサンタクロース(フランス語ではPère de No ël =ペールドノエル)の手伝いをすると言われているそうです。赤や緑、白、グレーのフェルト地をハートや星形PB281905  premieres matieres PB281902  rubans PB281916  lutinsにカットして、これも飾ります。アルザス地方のリースの起源は、Couronne d’Avent(待降節のリース)。クリスマスの4週間前から毎週日曜日に1本ずつろうそくを灯して、その日を待つのだとか。かつては20本の白くて細いろうそくと4本の太いろうそくが並べられ、毎日一本ずつ火を灯していったものだそうです。日曜日に太いろうそくに点火するところは現在も同じですが、人々のクリスマスを待ちわびる感じが伝わる伝統行事ですね。ろうそく用のリースはテーブルの上に置く形になりますが、近年では壁や扉に吊るすものも多いそうです。30㎝ほどの直径のリースを手に、参加者の皆さま、すっかりクリスマスの世界に浸りきって、2時間はアッという間に。10個の個性豊かなリースの完成です。

PB281917 couronne 1 PB281918  couronne 2 PB281919  couronne 3 PB281921 couronne 4

 

 

 

 

 

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最後にティータイム。アルザス地方といえばクグロフ(Kouglof)。どの家庭にもかならずひとつはあるクグロフの型で焼き上げたお菓子です。ブリオッシュ生地を発酵させて干しブドウやナッツなどを入れて焼き上げるこのお菓子、アルザスでは朝食に食べたりするのだそうです。軽くてほんのり甘い、ケーキというよりパンの食感に近い味わいです。マンネレ(Maenele)という人型のお菓子も出てきました。こちらは12月6日のサン・ニコラのお祭りに作られるケーキだそうですが、やはりパンに近い食感です。「ごめんなさ~い。このBonhomme(おじさん)の手がなくなっているのは、今朝、息子が触ってとれちゃったの!!」ソフィはそう言うと、「さ~て、どこから切るかが問題ね。どこからがいい??」と皆さまに聞いたものの、すぐさま頭をチョッキリとナイフでギロチンにかけました。さすが、フランス革命のお国柄!!一緒にいPB281912  gateaux alsaciensただいたお茶は中国産だそうですが、アラブ人が食後に飲むミントテイーほどには甘くはないですが、砂糖が入っているわけではないのに、そこはかとない甘みを感じる不思議なお味でした。さらにテーブルにどかんと大きな缶が登場し、中には無数の焼き菓子。台所にはそんな大きなクッキーの缶がいくつも並んでいます。アルザス地方の家庭ではクリスマスが近づくとこのようにどっさりクッキーを焼いて、お茶と一緒に、また訪問客にふるまったり、小さな袋に入れてご近所や友人にプレゼントしたりするそうです。ソフィのクッキーは次のクリスマスシーズンに是非習いたいものだと思うほどに美味しかったです。 気が付けば外はもう真っ暗になってしまいました。今日はソフィを私たちで独占してしまって、坊やとご主人様には申し訳ありませんでした。最後の客人が帰ると、ご主人様はさっと台所へやってきて、洗った皿などをササッと拭いて棚へしまっていきます。なんとも格好いい!!私たちがお茶をいただいていたテーブルにさっと現れて、風のごとくクグロフの一切れをつまんで去って行かれたように、自然体でソフィを手伝っている姿がとてもとても印象的でした。夫婦それぞれのやりたいことには余り干渉せず尊重し合うところは、さずが個人主義のお国柄、夫婦といえども例外ではないんですね。 PB281904  cours (2) PB281951  biscuits de Noel et cigogne

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料理サロン:講座ご報告(2015年10月29日)

11月 9th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年10月29日) はコメントを受け付けていません

P9171877  lampeベランジェールのリビングは来るたびにどこかがまたおしゃれに変わっていて、料理だけでなくインテリアにも彼女のセンスが光っています。今日は前回から気になっていたブック型のランプが話題になりました。木製の表紙の本かと思いきや、表紙を開くとあら不思議、ページが扇のように開き、同時にLEDの青白い光が放たれます。Lumio Book Lampという、充電式のポータブルランプです。ベランジェールは青山のショップで購入したそうですが、インターネットのオンラインショップでも扱っています。お値段は3万円少々。
PA291864  table de Helowenこういうお洒落な小物をよく見つけてくるものだとつくづく感心してしまいます。
さて本日の料理のテーマは「秋の色」。ほっくりと甘いかぼちゃのヴルーテ、フィレミニョンのパイ包み、付け合わせはカリフラワーのエクラゼときのこのガーリックソテー。デザートはさっぱりとしたオレンジとグレープフルーツサラダにトロンと濃厚なチョコレートクリーム。VeloutéのほかにPotageやSoupeというのがありますが、どう違うのでしょう?
ベランジェールの意見としては、「スープ」はどちらかというと子供が食べる消化のよいもの、「ポタージュ」は具だくさんのもの、「ヴルーテ」はより洗練されたごちそうというイメージだそうです。それではまずはヴルーテからとりかかりましょう。

 

PA291884 veloute de potiron

Velouté de Potiron au Lard
(かぼちゃのヴルーテ、ベーコン添え)

かぼちゃの皮はそぎ落とし、種もとりのぞいてざく切りにします。玉ねぎもスライスし、長ネギは薄皮をとってスライスします。オリーブオイルで炒めてから、バターも加えます。そこへかぼちゃを加え、ひたひたに水を注ぎ、固形ブイヨンも加えて30分ほど煮ます。ベーコンはスライスし、フライパンで炒め、キッチンタオルにのせて油をきっておきます。かぼちゃが柔らかくなったらスープごとミキサーにかけます。バター20gを加えて塩コショウで味を調えます。生クリームを固く泡立てて、クネルの形にしてヴルーテの上にのせ、ベーコンも添えて、フルールドセルとコショウを振っていただきます。甘くクリーミィーなかぼちゃとベーコンの塩気にフワフワの生クリームのクネルを崩しながらいただくこのブルーテ、確かに大人のためのごちそうです。

PA291895 morceaux de filet mignon en croute

Filet mignon de Porc en Croûte, écrasé de Choux fleur , Poêlée de Champignons
(フィレミニョンのパイ包み、カリフラワーのエクラゼ、きのこのポワレ)

豚フィレ肉をパイ生地で包んで蒸し焼きにしたこの料理、パサパサしやすい豚肉をパイ生地で包むことで、肉のうま味を残し、しっとりと仕上げることができます。また、粒マスタードを表面に塗った上から生ハムを巻くことで、肉汁がパイ生地にしみ込むのを防ぎます。パイ生地に数か所小さな穴をあけて蒸気を逃がし、パイの割れを防ぐのも素晴らしいテクニックです。付け合わせのカルフラワーのエクラゼがまた美味。少量のジャガイモとたっぷりのカリフラワーをゆでて、生クリームとバター少々を加えて粗くマッシュします。塩コショウで味付けます。ジャガイモだけのマッシュより軽やかな歯ごたえがあります。
PA291875  cheminees sur la pate PA291890  filet mignon en croute

 

 

 

 

きのこは今回はエリンギを使います。薄切りにしたら、フライパンにオリーブオイルを入れてキツネ色に焼きます。つぶしたにんにくも加え、最後に刻んだイタリアンパセリを散らします。これは頂く直前に準備して、温かいところをすすめます。以前にマデラー酒で作ったソースをかけていただくフィレミニョンを習ったことがありますが、こちらはマスタードの風味と生ハムの塩味でいただきます。これはこれで軽やかで素材の味が楽しめて美味しい!!

 

PA291896  salade d'agrumes petit pot au chocolat

Salade d’Agrumes, petits pots au Chocolat
(柑橘フルーツのサラダ、チョコレートクリーム)

オレンジとグレープフルーツを袋から外して、サラダ仕立てにします。シロップは、果汁とバニラエッセンス、砂糖そしてアニス(八角)で作ります。アニスのおかげでしょうか、シロップはさっぱりとした甘さで、果実のさわやかさを生かしています。一緒に出てくるのがチョコレートクリーム。チョコレートとミルクとバターを溶かし混ぜて、小さなカップに入れてよく冷やしておきます。さっぱりとしたフルーツサラダといっしょにいただくチョコレートクリーム。オレンジとチョコレートで作るオランジェットの組み合わせを思わせるコンビネーションです。おいしいけれど濃厚なチョコレートクリームは小さな器から少しずついただいて楽しみます。日本人の食卓でのように、コーヒーや紅茶と一緒にデザートを食べないのですね。デザートも料理と同じようにしっかり味わうのがフランス流儀。デザートが終わるとようやくコーヒーかお茶のサービスがあります。このコース、最後までいただくと本当に晩御飯準備の戦意喪失です。お腹一杯の幸せシンデレラたちの魔法の時間は終わりの時を迎えます。少々重くなった体にムチ打って、すっかりどうでもよくなった晩の献立のために家路を急ぎます。かぼちゃの馬車のお迎えがほしいこと!!PA291865  Legumes

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カルチャーサロン「フランス人マダムと行く合羽橋道具街ツアー」:講座ご報告(2015年9月29日)

10月 9th, 2015
カルチャーサロン「フランス人マダムと行く合羽橋道具街ツアー」:講座ご報告(2015年9月29日) はコメントを受け付けていません

P2201375  Kappabashi Land Mark第二回目の合羽橋道具街ツアー。今回のナビゲーターは料理サロンでお馴染みのベランジェール。なんと表参道から自転車でやってきました!!本当にフランス人の身体能力には脱帽です。合羽橋の交差点からスタート。巨大コックの看板で有名なニイミ店にまず入ります。入ったとたんに、数人の方の手にはすでに商品が。本当に安いので主婦の条件反射でついつい買ってしまう恐ろしいところなのです、合羽橋は。

ベランジェールがいつも買うという皿類は、白の陶器かトルコブルーの鉢など和食器です。フランスでは今や和食ブームに沸いていて、お土産に和皿など持っていくととても喜ばれるのだそうです。しかも合羽橋の食器は安い!!唯一重いのが難点ですが。料理レッスンでも、ベランジェールの料理には和食器が大活躍しています。和食器が和洋中なんでも使えるとは新発見です。日本人の食器棚には和食器から洋食器、中華用の食器まで並んでいますが、マダムたちのような使い方はスペース削減にも役立ちそうです。使い捨てのケーキカップやプラスティック製のヴェリーヌ容器など、前回訪れた店舗にベランジェールも入っていきます。人数の多いパーティーなどでは必須のアイテム。おしゃれな形のものもたくさんあり、紙皿、紙コップのイメージを変えさせます。また、「釜浅」にも立ち寄りました。様々な種類の包丁がきれいP2201405  magasin de Hocho  Kamaasaにディスプレイされていてここはまさに包丁の美術館。こちらでもおひとり、包丁をお買い上げ。5分も待てばその場で名前も彫ってくれます。英語やフランス語で包丁について説明してくれるスタッフもいるそうで、確かに外国人が次から次へと入店してきます。日本料理ばかりか、日本の職人技術が広く知られるようになったことは喜ばしいことですね。

 

いくつかこのように店舗を渡り歩いた挙句、前回同様、皆さまご持参の大きなバッグはパンパンに。フライパンの柄が収まりきらず飛び出しているカバンもあります。ここは料理愛好家にとっては偉大なるアミューズメントパーク。時の経つのも忘れて、気が付けば財布もすっかり軽くなっています。

昼食は前回と同じ「染太郎」を目指しましたが、なんと今日に限って休業の張り紙。なんという不運。そこで「喜久鮨」へ。ここはP9291912  magasin de couteaux  Kamaasa英語のメニューも外に出しているので外国人のお客さんも多い店。わざわざ夜の宴会用にセッティングしてあった2階の座敷に私たちのためにテーブルを作ってくださいました。感謝。寿司のほか、天ぷら重ね、刺身重ねなどの定食や穴子どんぶりなどもあり、値段も1000円前後と安い。お味のほうは値段に見合ったところかな、と思いますが、店の方の対応が親切で感じがよく、歩き疲れた私たちにはありがたい休憩場所となりました。

ベランジェールお勧めの喫茶店を最後にご紹介いたします。Sturdy StyleといP9291908  magasin des assiettesう一級建築事務所の建物の大通りに面した部分がその喫茶店「Bridge 」。しかしなんという不運。またもやこの日、このBridgeは休業日。2階部分には水牛かなにかのはく製が置かれています。(何しろ外のガラス扉越しにしか見えませんので、正確に何の動物なのか判然といたしませんが。)天井が高く、広々とした空間が印象的です。入口扉から入ると正面の奥深くにさらに大きなガラス張りの開口部があり、その向こうではこの建築事務所の方たちが立ち働いている姿がみえます。そのガラスの開口部がまるで薄暗い店内のムービースクリーンのように浮き立っているのが実に面白い。とてもスタイリッシュな喫茶店です。リンクを張っておきますので、ぜひ合羽橋へ行かれるときは、こちらにも立ち寄られることをお勧めします。町の雰囲気から異次元へ飛んで行ったような不思議な空間です。ただし、定休日(火・水)にはご注意くださいね。

Bridge  10 :00 ~ 19 :00    火水定休台東区松が谷3-1-12

http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13141452/dtlphotolst/3/smp2/

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カルチャーサロン「スウェーデンを知るⅡ」:講座ご報告(2015年6月25日)

6月 28th, 2015
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P6251754  salon

梅雨というのに素晴らしい晴天。しかも真夏のような暑さです。広尾駅から15分ほど歩くとグニラの家があります。すっかり夏姿のグニラがにこやかにBonjour (こんにちは!)と扉をあけてくれます。彼女はスウェーデン人ですが、フランス語も英語も母語並みに話せます。日本語もちょっと分かるのです。北欧の人たちの言語能力は本当に素晴らしいです。

さて本日は去年5月に開かれたスウェーデンカルチャーサロンの第二弾。前回同様にスウェーデンの地理、自然、社会などのプレゼンに加えて、歴史と文学、アート、音楽の紹介も加わります。皆様の到着はまさに12時、ランチタイム。グニラが準備してくれたスウェーデン料理をまずは味わうことにいたしましょう。

P6251756  salle a manger

白地に赤と青のストライプが入ったテーブルクロスにグリーンのナプキンと白い皿。シンプルですが、清潔感溢れるテーブルです。そこでいただくのはGratin de Saumon(鮭のグラタン)。

P6251758 gratin de saumon

スライスしたポテト、サーモン(スモークサーモンでもOK)、輪切りにした玉ねぎ、ディルの順に耐熱皿に重ね、卵とミルク、生クリーム、塩こしょうを合わせた液を流し込んで、中火のオーブンで45分ほど焼けば出来上がり。至極簡単ですが、とってもおいしいのでびっくりしました。いただくときに溶かしバターの熱々を上からかけるのがポイントかもしれません。「いい塩梅」とはこのことかというお味で、皆様、勧められるままにお代わりに手が出ます。白ワインも冷えていてグラタンによく合います。グリーンサラダもお変わりが続出。「まだたくさんあるからどんどん召し上がれ!!」と台所からサラダの追加が登場。

P6251760  gratin de saumon sur l'assiette

その後これでもか、とばかりにグニラお手製のデザートが。バニラアイスにルバーブをジャム状に煮込んだソースをかけ、pâte d’amande(マジパン)をすりおろし器でけずったものを軽くローストして上から散らします。ルバーブの赤が美しく、マジパンのカリカリとした食感も楽しい。太いサラミのような形状をしたマジパンは初めて見ました。フランスから持ってきたようです。アーモンドを砕いたものよりソフトで主張しすぎずいい脇役に徹しています。グニラのゆったりとしたサービスで、皆様もすっかりくつろぎ、お腹も満たされたところで、リビングへ移動して、今度はスウェーデン紹介です。

P6251761  glace au rhubarb

今回初めて紹介されたスウェーデン人画家Carl Larsson(カール・ラーション)。ご存知の方もいらっしゃいましたが、知らないという方も多くいらっしゃいました。私も初めて知りました。彼が描いた家族と家の水彩画がステキです。非常に貧しい家に生まれたものの、天賦の絵の才能を認められ、結婚して7人のこどもに恵まれ、仕事も順調だった時代の水彩画集「私の家」は、家族の風景だけでなく、彼の妻の手になるインテリアが今見ても魅力的。ウイキペディアのリンクを以下に貼りました。どうぞ覗いてみてください。子供たちも可愛くて、気持ちがホンワカしてきます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

次に文学。1909年のノーベル文学賞で女性の受章者第一号になったのがスウェーデン人だったってご存知でしたか?Selma Lagerlöf(セルマ・ラーゲルレーヴ1858-1940)。彼女の名前は知らなくても、彼女の作品「ニルスの不思議な旅」はテレビアニメでご覧になっていた方も多いかと思います。いたずらばかりしている腕白小僧ニルスが妖精に小人にされ、ガチョウと一緒にスウェーデンを旅する物語です。実はこれは子供たちに地理を学ばせるためにと依頼を受けて書かれた物語なんだそうです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B4

あの有名なABBAもスウェーデン人のグループだったんですね。このグループ名は4人の名前の頭文字をとってつけられたとか。しかも彼らが二組の夫婦だったとは知りませんでした。全盛期の後、彼らは2組とも離婚してしまったそうですが、仕事もプライベートも何もかも一緒では公私の切り替えも難しく、大変だったことでしょうね。

その他、前回と同様男女平等、社会福祉システム、王室等々面白い話満載で、アッという間に時間が過ぎてしまいました。

「さあ、それではフィーカに食堂へ戻りましょう!!」とグニラ。Fika(フィーカ)とは「甘いお菓子といっしょにコーヒーを飲む」という意味でいわゆるコーヒータイムのスウェーデン語。もとの意味は「コーヒー」だったそうですが、今は「フィーカ」と言えば「お菓子とコーヒーで一休み」、オフィスでも友達とでも家庭でも、時間に決まりはなく、朝からフィーカ、ランチのあとにフィーカ、夕方にフィーカとスウェーデン人はよくコーヒータイムをとるようです。

P6251767  gateau de chocolat au noix de coco

P6251771  rouleau de gateau chocolat

フィーカにつきものの甘いお菓子、本日は2品。「ココナッツチョコレートケーキ」と「チョコレートロールケーキ」。ロールケーキのほうは小麦粉の代わりにコーンスターチを使うのだそうで、生地にサクサク感があります。どちらもチョコレートたっぷり、バターたっぷり。体重計が目の前をチラチラしましたが、エスプレッソと一緒にいただく誘惑には勝てません。

P6251774  gateaus sur l'assiette

参加者の方から「スウェーデンの国旗にはどんな意味があるんでしょう?」という質問がでましたが、グニラは「あら、そう言えば何の意味かしらね?知らないわ。」と答えていました。確かに身近なものだけに余り意味など考えませんよね。ちなみに後で調べたところ、「青は澄んだ空、金色はキリスト教、自由、独立を表す」そうです。ところで日本の国旗についてはご存知ですか?ついでに調べてみました。聖徳太子の時代から「日出ずる国」と称したように「日DSC_0092の出の太陽を象徴」。それは日本人のほとんどがそのように説明できることでしょうね。しかし、「赤は博愛と活力、白は神聖と純潔」だそうです。知りませんでした。

それから嬉しいニュースです。グニラの日本滞在があと2年延びました。99%帰国と言っていたので今日はau revoir (オルボワール:さようなら)を言わなければならないと思っていましたので、本当によかったです。スウェーデンの大自然のようにおおらかで、温かいハートを持つグニラのファンが今日もまた増えたようです。盛りだくさんカルチャーサロン、皆様楽しんでいただけたようです。Merci ,Gunilla !

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