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料理サロン:講座ご報告(2016年2月5日)  

2016年2月10日 水曜日
リビングの窓から冬空を見る

リビングの窓から冬空を見る

今年に入って初めての料理サロンのこの日は、真っ青な冬空から日差しが降り注ぎ、冷たい風にコートの襟を立ててそぞろ歩く人たちが、表参道のシックなブティックのショーウインドーに映っては消えていきます。いかにもお洒落な冬の街風景。スタイリッシュなベランジェールの玄関チャイムを鳴らすと、キリッとタブリエをまとったベランジェールがにこやかに出迎えてくれます。今日の料理のテーマは「冬のごちそう」。

 

 

P2052067 gougeres a tableGougères au comté et son mesclun

(コンテチーズのグジェール、グリーンサラダ)

グジェールの生地はシューと同じく、バターと卵、小麦粉で作ります。違いは生地にチーズ、塩こしょう、ナツメグがはいるところ。アペリティフや前菜としていただきます。本日使用したコンテチーズはフランス産。グルイエールでもOK。ベランジェールは「グルイエールはスイスのチーズだからちょっとね。」と言います。「コンテのほうが美味しい?」と聞けば、「う~ん、同じよ。でも私は愛国主義者だからね。」と。でも確かにコンテチーズは味わいが深く鼻腔に香りが広がります。コンテは大きなスーパーなら最近おいているところも出てきました。コストコでもみつけました。200gで958円(税込)で売っていました。是非コンテでお試しください。ワインにぴったりのアントレです。

P2052074 magret de canard,sauce bigarade, polenta

Magret de Canard, Sauce Bigarade, Polenta gratinée

(鴨肉のソテー、ビガラードソース、ポレンタのグラティネ)

鴨肉はPérigord(ペリゴール)産です。フォワグラでも有名なこの地方の鴨肉は肉質がしっかりしていて脂がのっています。日本にはハンガリー産の鴨肉が多く出回っているようですが、こちらもまたベランジェールに言わせると、「やっぱりペリゴール産がベスト」とか。「でも本当をいうとペリゴール産でも美味しくない肉もある」と白状。彼女、なかなかのchauvine(愛国主義者)なのです。さて、この料理で最も重要かつ時間のかかるのがビガラードソースです。鴨肉とオレンジは大変相性がよく、オレンジベースのソースが合わされます。防腐剤を使用していないオレンジの皮を細い千切りにして、熱湯にくぐらせ冷水にとってさっと水気を切ったら、同じ作業をもう一度繰り返します。砂糖と少量の水を火にかけてシロップをきつね色にします。そこへオレンジの果汁を加えてデグラセし、半量まで煮詰めたらオレンジの皮の千切りと胡椒を加え混ぜます。フォンドヴォーを注ぎ入れ、弱火でさらにコトコト煮詰めます。仕上げにバター少々を加えて温めておきます。鴨肉は余分な脂身を取り除き、皮に格子状に切り目を入れていきます。(quadriller)油をしかないでフライパンに皮の面を下にしてまず2~3分焼きます。次に裏返してやはり2~3分焼きます。焼きすぎると肉が固くなるので、肉の中央がきれいなピンク色になったら火をとめ、アルミホイルで覆って温かいオーブンの中で温めておきます。いただく直前に肉をスライスし、オレンジの櫛形に切ったものとグリルで焼き色を付けたポレンタ(トウモロコシ粉にバター、水、パルメザンチーズ、オリーブオイルを加えて火にかけ練り上げたもの)も添えて、鴨肉にはたっぷりとビガラードソースを回しかけます。やはり主役はソースだと感じます。このソースは豚肉にも合うそうです。お皿に残ったソースもパンですくって完食!

ビガラードソース作り

ビガラードソース作り

フォンドヴォー

フォンドヴォー

鴨肉余分な脂肪をとる

鴨肉余分な脂肪をとる

 

 

 

 

 

 

 

P2052058 charlotte demoulee

Charlotte aux Fraises

(いちごのシャルロット)

P2052079 morceau de la charlotteもうこれは絶品。鴨肉とポレンタでしっかり胃袋を満たした後のデザートの何と軽やかなこと!フィンガービスケットもしっかりイチゴ果汁のシロップに浸されてやわらかく、イチゴのムースの上品な甘さと一体になって、口の中は恍惚状態。今回は大きなシャルロット型で作り、切り分けていただきましたが、一人用の小さな型で作ってもお洒落です。ワインについては、初めは軽やかなものから食事が進むにつれてパンチのあるものへと変えるのがいいと言われますが、欧米でのデザートもその理屈からでしょうか、かなり甘い(日本人にはちょっと甘すぎるときもある)お菓子がよく出てきます。濃厚なソースの料理のあとに出てくるデザートもパンチが必要???ベランジェールの料理は、全体的に素材の味を生かし、軽やかに仕上げているので、デザートまでスルリといただいてしまいます。とはいえ、生クリームやバターを普段なるべく控えているというベランジェールのようにスリムでありたかったら「お代わり」のお皿はあきらめましょう…。

フィンガービスケット

フィンガービスケット

P2052045 garnir les bords et le fond de la c P2052046 remplir a moitie vec la mousse

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