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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年3月19日)

2013年3月26日 火曜日

3月とは思えない初夏のような一日でした。関東では軒並み25度以上の気温になって、コートを脱いでも汗ばむ陽気。ヴァレリーのリビングの窓も大きく開け放たれています。「みなさん、暑いから喉が渇いたでしょう?」といってヴァレリーがお茶をいれてくれました。でも熱いお茶。フランス人は暑い夏でも氷など入れてキンキンに飲み物を冷やすということはあまりしないですね。あるとき日本に出張でやってきたフランス人男性が嘆いていました。「どこへ行っても、水を頼むと氷が入っていて、おかげで僕はお腹の調子が悪いよ!」と、何度目かのトイレダッシュ。

さてさて、本日はクレープとガレットのレッスンです。最大のポイントは「ダマをつくらないこと」です。ヴァレリー曰く、「ダマはダメ、ダメ!」こんなダジャレが言えるヴァレリーの日本語は相当なものです。まずは、ガレットの生地とクレープの生地を作りました。そば粉で作る生地を「ガレット」と言います。小麦粉で作る生地を「クレープ」といいます。クレープには、「クレープサレ crêpe salée」といって料理に使われるものと、「クレープシュクレ crêpe sucrée」というデザートに使う生地がありますが、ガレットの生地ではデザートは作りません。ガレットは日本のそば粉を使いました。ブルターニュのそば粉とはやはりちょっと違うようで、今回は小麦粉を少々入れて作りました。小麦粉のクレープとは違って、かなり粘りのある生地になりました。

Nos ennemis d’aujourd’hui, ce sont des grumeaux !「今日の敵はダマです。」
ヴァレリーがレッスンの初めに宣告したように、ガレットとクレープの生地、ベシャメルソースではダマとの戦いになりました。「まだちょっとダマがチョロチョロしているのよね。」と言いながら、ヴァレリーは必死に泡だて器で格闘。「今日は右腕のトレーニングだわ!」

ダマをつくらないためのコツは、「まずかたいものを混ぜること。それから液体を混ぜて最後に卵を混ぜること」だそうです。是非お試しください。

本日のメニューは、

  • Galette roulée aux rillettes de saumon(サーモンリエットのガレット)
  • Salade bretonne(サラダ ブルターニュ風)
  • Galette aux champignons(きのこのガレット ベシャメルソース)
  • Cidre(シードル)
  • Crêpes sucrées(デザートのクレープ)キャラメルブールサレ caramel au beurre salé )


以前に習ったサーモンのリエットをガレットでクルクルと巻いて、3cmほどの筒状に切り分けて、Amuse gueule(一口サイズのおつまみ)に。炒めたマッシュルームをベシャメルソースで和えたものを包んでグルイエールチーズを散らして、さっと5分ほどオーブンで焼いたガレット。サラダブルトンヌは、一見サラダニソワーズ風ですが、ブルターニュの代表的な野菜、カリフラワーとアーテイチョーク、そして漁業の盛んな地方だけに海の幸が入るのが特徴だとか。
デザートのクレープは、モチモチしていて、美味!ジャムのほか、ヴァレリーお手製のキャラメル・オ・ブールサレ(caramel au beurre salé )も用意されていました。キャラメルソースは、砂糖を焦がさないように気を付けてバターといっしょに飴色になるまで煮詰めて、生クリームを加えて作りますが、そのとき生クリームを少し温めてから加えるのがコツだそうです。ヴァレリーは色がちょっと薄かったと不満そうでしたが、お味は上々!
ブルターニュ地方はその大半が海に面していることから、古くから漁業が盛んで、海に乗り出たブルトン(Bretons)の子孫は世界各地に分散しているそうです。また彼らの結束は固く、独特のケルト文化に誇りをもっていて、フランス国内にあってもフランス人である前にブルターニュ人であると自負しているそうです。気候は穏やかで、南仏の海岸が今やリゾート地として観光化されつくしているのに対して、今だに自然を残し、鄙びた風情があることから、フランス人が別荘を持ちたいと思う最後の桃源郷の観があるようです。「でもね、ブルトンはtêtu(頑固)よ。」「料理にバターも使いすぎるしね!」とヴァレリー。でも誇り高いフランス人が「誇り高い民族」と呼ぶブルトンの住むブルターニュ、是非行ってみたいものです。

※本日の飲み物は、クレープには欠かせないシードル(cidre).    BOLÉE D’ARMORIQUE
よく冷やしていただくと爽やかなりんごの風味が際立ちます。

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