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フランス料理サロン:講座のご報告(2013年2月16日)

2月 27th, 2013
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土曜日の市ヶ谷。天気はまずまずですが、暴風が吹き荒れています。体温が一気に奪われていく感じで、「痛冷たい」風に身をこごめてマンション最上階のお宅へ。玄関に入ると、半そでのTシャツにコットンのスカートという夏姿のヤスミナがお出迎えしてくれました。キッチンは床暖房が利いていて、窓からは暖かい日差しが差し込んでいます。
今日のテーブルは、赤のチェアに映えるモスグリーンのクロスに白いリボンがアクセント。藤製のランチョンマットに白の四角い皿。テーブル中央には前回と同じガラスの四角い花瓶が2本シンメトリーに置かれ、ランチョンマットと同系色の木の実と銀色のモミの葉が詰められています。キャンドルに火をともしてくださいましたが、夜の席なら花瓶のガラスに揺らめく灯が映って銀色のモミの葉もきらめいてさぞ美しいことでしょう。

本日のメニュー:

  • Entrée(前菜):Brique au fromage et épinards 山羊のチーズとほうれん草のブリック
  • Plat(メイン):Mini-cocotte de Saint-Jacques sur fondue de poireaux et marrons帆立貝とポワロ、マロンのフォンデュのミニココット
  • Déssert(デザート):Crème Brûlée (クレームブリュレ)
  • Vin(ワイン):Vin blanc sec et fruité ( Côtes du Rhône )(白ワイン フルーティーな辛口)


まずクレームブリュレから作り始めます。卵黄、砂糖、バニラビーンズ、生クリームを混ぜ合わせるだけの超簡単レシピ。液をラムカン(スフレなどでおなじみの円筒形の容器)に注いで、100℃のオーブンで湯煎にして1時間ほど蒸し焼きにします。オーブンから出したら、冷まして冷蔵庫でさらに2時間ほど冷やしておきます。いただく直前に、クリームにcassonade(サトウキビから作られた赤砂糖)をふりかけ、バーナーできれいな焦げ目をつけます。このバーナーは、インターネットで「クッキングトーチ」で検索するとみつけられるそうです。マダムKは早速楽天で6069円で購入なさったそうです。

クリームをオーブンで焼いている間にアントレとメインにとりかかります。

まず、アントレのブリック。春巻きの皮に似ていますが、もっと薄くて円形です。ヤスミナは麻布十番の「ニッシン」で購入していつも冷凍しているそうです。料理だけでなく、コンフィテュールなどを入れて焼けば、子供たちの大好きなおやつにもなるとか。もともとは北アフリカの食材ですが、クスクス同様、フランス人の食卓によく登場するようです。数年前にチュニジア人のマダムから聞いた話ですが、フィアンセがやってくると(男でも女でも)、このブリックに生卵を入れて扇型に包んで油で揚げたものをふるまうんだそうです。半生状態の卵は上手に扱わないと、ブリックから、口からボタボタと流れ出てくるので、上手に食べなければなりません。そこで「お育ち」がわかるのだとか。日本でもお見合いには会食がつきものですが、これも食べ方から家庭環境、育てられ方がわかるといいますね。いやはや怖い話ですが、今日のブリックはだいじょうぶです。生卵は入りませんし、折りたたんで三角形にしっかり包みこみます。中に入れる具は、さっとゆでたほうれん草のざく切りと砕いた松の実、輪切りにスライスしたチーズに塩、カイエンペッパー、オリーブオイルをくわえて混ぜたもの。オーブンで焼いてもフライパンで焼いてもOK。今日は焦げ目がきれいにつくので、フライパンで焼きました。ここで秘密兵器投入です。フライパンに薄く油をしくかわりに、ヤスミナが取り出したのは、オイルのスプレー。ひと吹きで霧状にオイルがフライパンの表面をコーティングします。いろいろな使い方ができそうです。

OLIVE OIL COOKING SPLAYと書いてあります。

お皿にブリックをのせ、再度カイエンペッパーをふりかけたらサラダ菜を添えます。このサラダ菜にかけるドレッシングがまたおいしいのですが、ワインビネガーではなく、「シェリービネガー」を使っています。ワインビネガーに比べて、酸味がマイルドに感じます。

次はメインディッシュです。ポワロは日本のねぎよりずっと柔らかいのですが、入手困難ということで日本のねぎを代用。それでもよく煮込むことでほぼ同じようなテクスチャーが得られます。まず、オリーブオイルの中にニンニクを1〜2片いれて香りを出したら取り出し、しょうがのすりおろしたものを入れて炒めます。(ヤスミナはよくしょうがを使います!)ねぎと玉ねぎ(ほんの少々)をスライスして炒めたものを加えて煮込み、さらに白ワインと栗を投入。しばらくして生クリームと塩こしょうを加えてさらに5分ほど煮込みます。帆立貝はバターでソテーしておきます。ここで参加者の方々からため息が…。ルクルーゼのミニココットが登場。フォンデュと帆立貝を入れてオーブンで10分ほど焼くのですが、とてもおしゃれです。そしてここでまた秘伝のモノが…。Confit de citron コンフィ・ドゥ・シトロン-レモンを半分か四つ切にして塩漬けにしたもの。これはタジーヌなどの蒸し料理にも使うそうですが、確かに帆立貝の今日の料理にも、薄切りにしたものが2切れほど入っていましたが、塩味のあとにレモンの爽やかな香りが口の中に広がります。和食の柚子と役割は似ているかもしれません。

今日のワインは白のCôtes du Rhône(コートデュローヌ)。さっぱりとした辛口タイプですが、フルーティーな余韻があります。フランスの家庭でもワインといえば赤が圧倒的に飲まれていますが、それでも近年は料理のタイプにかかわらず合わせやすいということもあって、白ワインも支持され始めているそうです。今日のために作っておいてくださったマカロンは、レモン風味とカプチーノキャラメル風味の2種。3時間もかけて作ってくださったのに、5分でペロリ(!)

今回はフランス事情や旅の情報を発信している人気ブロガーのco malicoさんが参加してくださり、ご自身のブログで美しい写真と的確なコメントで詳しく紹介してくださっています。こちらも合わせてご覧いただけると料理のプロセスやサロンの雰囲気などがよくおわかりいただけると思います。

今週はパリ・ウィーク♪5日目【日本で楽しむおフランスな習い事-フランス料理】part1
今週はパリ・ウィーク♪6日目【日本で楽しむおフランスな習い事-フランス料理】part2

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年1月28日)

2月 4th, 2013
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晴天ながら北風が冷たい昼下がり。今日はValérie(ヴァレリ)のお宅で午後からお菓子作りです。

Rochers à la noix de coco(ココナツのロシェ):
ココナツのロシェづくり
Rocherはフランス語で「岩」のこと。卵白を軽く泡立てて、たっぷりのココナツと砂糖を混ぜあわせて、あとはバッドの上に敷いたシートに「岩状」に固めて並べるだけ。でもとても柔らかい生地なので、成形が難しい。人が作っているのを「富士山」だとか「愛宕山」みたいだとかワイワイ言いながら完了。オーブンでゆっくり焼きます。焼いている間に少し広がって高さが落ちるので、間隔をあけて、エベレスト級の高さにしておくのがいいかもしれません。

フィナンシエづくり
Financiers(フィナンシエ)
Financierはフランス語で「財界人、資本家」。このお菓子の由来は諸説ありますが、パリの証券取引所を中心とした金融街で流行った菓子だからとか、長方形の形が「金塊・インゴット」に似ているからなどいろいろです。「金塊」が一番説得力あるかもしれません。金色に焼きあがった姿は確かにゴージャスです。アーモンドパウダーと砂糖をどっさり使っていますが、そんなに甘くないのはアーモンドパウダーのおかげ?でもカロリーは相当ですね。ヴァレリはアーモンドエッセンスも数滴加えます。私達がいつも食べているアーモンドはスイートアーモンドで、一方のアーモンドエッセンスは有毒性物質を含むビターアーモンドから毒性を除去し、精油加工したもの。手袋や手紙に毒を仕込んでいろいろな人を殺したという疑惑が絶えなかった16世紀のカトリーヌ・メディシスは、このアーモンドエッセンスを菓子に使うことを長く禁じていたとか。毒薬の恐ろしさを身を以て知っていたのでしょうね。今回、型は洗う手間なしの使い捨てタイプの紙製を使用。100円ショップで手に入ります。

Moelleux chocolat coeur fondant
(フワフワのショコラフォンダン)

フワフワのショコラフォンダンづくり
Fondantは「溶けた」という意味でchocolat fondant(ショコラフォンダン)は、中がしっとりしているチョコレートケーキです。卵、砂糖、アーモンドパウダー、小麦粉、バター、ブラックチョコレートを泡だて器で混ぜながら次々に投入。型に流し込んでオーブンで8〜10分焼くだけの超簡単レシピです。温かいうちにバニラアイスと一緒にいただくのがお勧めです。
キッチンだけでなくリビングにまでお菓子が焼ける甘い香りが漂っています。最近のフランス人のティータイムは、コーヒーや紅茶と一緒に今日作ったような小さなお菓子を何種類も並べて楽しむのだそうです。名付けて(Café Gourmand)―「食いしん坊のコーヒータイム」いろいろな形や色の皿にカップとお菓子を並べて、「いただきます!」。(こんなにたくさん、食べられるかな…??)という思いは杞憂でした。皆様、ペロリとたいらげていらっしゃいました。お菓子を食べて、コーヒーを飲んで、しかもおしゃべりも忙しい!!
フランスの若い人たちの就職状況から話はフランスの伝統工芸のタペストリーにまで発展します。仕事が見つからないので、若い人たちがこうした伝統工芸に戻ってきて、後継者が育ち始めているというのです。不況が生んだ幸運??タペストリーといえばゴブラン織り(Gobelins)が日本ではよく知られていますが、その他にもオビュッソン織り(Aubusson)やボベ織り(Beauvais)など歴史の古い織物があるそうです。ゴブラン織りは、パリ地区にしか工場がなかったのですが、王侯貴族の宮廷御用達だったため有名になったとか。「ヘェ〜!!」と何度思ったかしれない甘くて豊かな午後の一時でした。
参加の皆様と記念撮影

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フランス語は甘い?

1月 23rd, 2013
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以前フランス人は日本語のhの発音が苦手という話をしましたが、日本人もフランス語の発音にはかなり苦労しています。フランス人のh問題以上かもしれません。まず5つしか母音のない日本語と違ってフランス語には16も母音があります。5つしか母音ファイルのない日本人は、16の母音をこの5つのファイルに振り分けてしまいます。例えば、enfant(子供)とenfin(ついに)はカタカナ表記すればどちらも「アンファン」ですが、フランス語のfantとfinの音は違います。口の形、舌の位置などで微妙に音が変わります。フランス人に日本語を教えている現場ではこの類の失敗談が尽きません。

教師:これはタクシーの表現です。『あの信号を右に曲がってください』
生徒:『シンゴウ』は何ですか?
教師:『フー』です。
生徒:????
教師は信号(feu)のかわりに(fou:狂人)と発音してしまったのです。

生徒:先生、子供さんは何人いますか?
教師:二人です。ドゥザンファン。
生徒:Oh !! スゴイ!!
教師はdeux enfants(二人の子供)と言ったつもりでしたが、実はdouze enfants (12人の子供)と発音して、生徒は目を白黒!

母音だけでなく子音もなかなかの曲者です。フランス語のchiとsiは、カタカナ表記ではどちらも「シ」ですが、実際は違う音です。日本語にはsiという音がないので、ついshiになってしまいます。
以前に聞いた話ですが、ある若い日本人の女の子がフランスへ旅行に行き、カフェでギャルソンに(Merci, Monsieur.)と習いたてのフランス語でお礼を言ったところ、ギャルソンはすっかり有頂天に。彼女は、(Merci, mon chou.)『メルシー、モンシュー(ありがとう、ダーリン)』!と発音してしまったのだとか。フランス語でchouはキャベツですが、「私のキャベツちゃん→かわいい、愛しい人」という意味にもなります。最近ではこの表現、余り使われなくなってきているようですが、あるフランス人によれば、これはchou à la crème( シュークリーム)から来ているのではないか…とも。直訳すれば「クリーム入りのキャベツ」確かにキャベツみたいな形してますね。真偽のほどはわかりませんが、英語でもhoneyなんて使いますから、「甘い=愛しい」なんでしょうか。日本ではこのような愛称はありませんね。「あんこちゃん」だとか「私の最中ちゃん」と言われても…ですね。

vとbも要注意です。ある日本人のバイオリンの先生が、フランス人の女の子の生徒にレッスン中にフランス語でこう言いました。「そこはもっと速く、速く」(vite, vite !) ところが、彼女がvをbの音で言ったものですから、子供は一瞬顔をひきつらせました。bで始まるとそれは男性の性器になってしまうんだそうです。何事もなかったかのように練習を続けた女の子はご立派!!
こんなことを聞くとフランス語は難しいと恐れをなしてしまうかもしれませんが、文脈の中では違う発音をしても理解の妨げにはならないことがほとんどです。フランス人が、「私はお金をアライタイ」と言っても誰も洗面所に連れては行きませんね。タクシーに乗って「アネダまで」と言っても何とか羽田にたどり着いています。私たちもめげずに「ありがとう、ダーリン!」路線で頑張りましょう。これはおまけですが、それでもやっぱり美しいフランス語を話したいという方にはインターカルチャーの「発音矯正+会話」クラスがお勧めです!
是非一度お試しください。(最後は宣伝で失礼いたしました。)

フランス語

フランス料理教室:講座のご報告(2012年12月17日)

12月 23rd, 2012
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クリスマスや忘年会、正月など、友人や家族が集まる機会の多いこの時期、Yasminaにおつまみにもなる、ちょっとおしゃれな小皿料理をいくつか教えてもらいました。
まずクリスマスカラーの赤を使ったテーブルセッティングをご覧ください。赤のテーブルクロスの上に白いサテンの幅広のリボンが、まるでプレゼントのラッピングのように3本渡されています。中央には今日のデザートと同じテーマのガラスの細長い容器がオブジェとして二つ置かれています。中には金柑、胡桃、青りんご、銀色の樅の葉が詰め込まれています。それに赤いナプキンが敷かれた四角形の白いお皿が大中小。赤と白のコーディネイトが絶妙です。
食卓
今回はビュッフェなどでつまめるように、すべて1口サイズのロール状ですが、サイズを大きくすればアントレやメインディッシュにも応用がきくそうです。2時間ですべてのレシピを仕上げました。作り方は簡単ですが、それぞれにソースを工夫したり、ハーブを利かせるなど、味わいはバリエーションに富みどれも美味でした。ちなみにverrineはverre(グラス)が語源で、「小さいガラスの容器」の意味です。デザートなどにverrineを使うのが最近のフランス料理では流行のようです。

Cannelons de Courgettes au Bleu(ブルーチーズのズッキーニロール)
Cannelons de Courgettes à la crème de Crabe(かにクリームのズッキーニロール)
Fondant de Lotte au Jambon(白身魚とハムのフォンダン)
Roulés de Dinde farcis au gingembre(ジンジャー風味の七面鳥ファルシロール)
Bouchées de Thon au lard(まぐろとベーコンのブーシェ)
Verrines d’abricot au spéculos(アプリコットとスペキュロス)
Verrines à la Framboise(フランボワーズのマスカルポーネ)
料理
本日のワインはBourgogne Pinot Noir(ブルゴーニュ ピノノワール)2010年です。魚料理にも肉料理にも合う、タンニンの少ない軽やかな赤です。参考までに近年のフランスワインでは、2009年と2010年が当たり年だそうです。

記念撮影今回の料理は、伝統料理というよりは、ヌーベルキュイジーヌのジャンルになるかと思います。若いフランス人たちは、従来のソースに飽き足らず、しょうがやゴマ油など東洋の食材も取り入れて、「新味覚」に挑戦しています。ムースオショコラに「ゆず」の皮をすりおろして入れるとおいしいとYasminaは言います。「ゆず」はフランスでも人気の食材だとか。フランス人シェフの中には、日本の昆布やかつおのだしを使う人もでてきていると聞きますが、そのだしの「旨味」という日本語をフランス語で何と訳したらいいか名訳が見つからないとも。フランス人の日本文化に向ける眼差しはかなり熱いものがありますね。

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アートサロン[コラージュ]:講座のご報告(2012年12月13日)

12月 17th, 2012
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今日は広尾のソフィの家で「コラージュ」の教室がありました。ソフィのリビングのバルコニーは、紅や黄の葉をつけた大きな木々に囲まれて、静かな晩秋の日差しを浴びています。北欧風の家具とアジアンテイストのインテリアが調和した室内には絵画やオブジェが並んでいてまるで美術館。

コラージュ作り手順

コラージュ??]昔、美術の時間に聞いたかもしれないけれど、なんだったかしらん?という人も多いと思います。私自身、「貼り絵?」くらいのお粗末な知識でのぞみましたが、実際にソフィの説明を聞いて、自分で[コラージュ]を体験して、そのおもしろいことにびっくり!時の経つのも忘れてカード作りに没頭することに…。

まずソフィお手製のサブレとお茶を楽しんでいるときに、ソフィが紙を一枚出してきて言いました。「順番になんでもいいからここに言葉を一つ書いてください。書いたらその部分は折って次の人には見せないで。次の人も同じように書いて隣の人に紙を回して」6人がそれぞれ書いて、最後にソフィがその紙を開くと、「河、羽、縁結び、空、amour(愛)、夜の月」と字が並びました。これがソフィいわく、「言葉のコラージュ:コラージュの詩」だとか。字でもコラージュが出来るんですね!!
コラージュは、第一次世界大戦のころに生まれたアートで、物資も不足し、苦しい生活の中で「楽しみたい」という人々の思いから生まれたアートだそうです。材料も、写真、文字、絵、絵の具、インク、デッサン…なんでもOK。唯一のルールは、「偶然性」を楽しむこと。深く考えず、好きな色、好きな絵を合わせていくうちに、思いもかけない仕上がりになる「驚き」-これがコラージュの神髄だそうです。こんな意味をなさない音の響きだけを楽しむ詩もあります。(Zimzim urallada zimzim, urullala zimzim zanzibar, zimzalla zam)

ソフィは私たちの作品をひとつひとつ写真にとりながら、「すばらしい!」「美しい!」「おもしろい!」などと褒めちぎります。そして、各作品について「この色使いがきれい」とか「素材の使い方がおもしろい」など、どこかいいところを見つけ出してコメントしていきます。フランスの学校の美術の授業では、教師は生徒に絵の描き方を指導しないと聞いたことがあります。紙と絵の具を持たせて、自分の好きなように描かせるのです。そしてきっとソフィのようにいいところを見つけてほめて、子供たちを励ますのでしょうね。こうして個性豊かな、ちょっと自信過剰なフランス人気質が培われていくのですね。
作品完成記念撮影
作品とレッスンの模様は、ソフィのサイトにもアップされています。
次回の教室では、pochoir (型紙)を使ったもう少し大きな作品に挑戦します。
http://leszas.wordpress.com

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フランス現代映画教室:講座のご報告(2012年11月29日)

12月 16th, 2012
フランス現代映画教室:講座のご報告(2012年11月29日) はコメントを受け付けていません

ミシェル・プラノ・ガルニエ今回は映画の講座です。あまり馴染みのないフランス現代映画についてミシェルに紹介してもらいました。彼女のフランス映画に対する情熱がヒシヒシと伝わってくる内容で、紹介された作品は全部で14作品(!)集まった方々も「映画大好き人間」とあって熱心に耳を傾けていました。どれも是非見たいと思う作品ばかり。日本で入手できる日本語の字幕付きDVDをたくさん紹介していただきましたが、その中からいくつかご紹介します。

講座風景
INTOUCHABLES(最強の二人)
2千万人の観客を動員した今年のメガヒット作。身体障害者で超インテリの大富豪と貧民街育ちの無教養なアフリカ移民の青年が、ひょんなことから雇い主と雇われ者の関係になり、最後には強い友情の絆で結ばれるというとても「いい」お話。しかもこれは実話。映画の最後には実際の二人の映像も流されます。欧米の金持ちというのは半端ではない!ということを見せつけられる映画でもあります。(これはまだ日本語字幕のDVDが出ていませんが、近々発売になるだろうとのことです。)
LA GUERRE EST DECLAREE (私たちの宣戦布告)
愛し合った若いカップルが結婚し、子供が生まれる。そこまではごく普通の話ですが、この子供に脳腫瘍があることが判明。そこからこの若い両親の「闘い」が始まります。シリアスなテーマですが、決して暗くない、むしろ勇気をもらえる作品です。こちらも実話です。この映画の監督で主演でもあるヴァレリー・ドンゼッリと主演男優のジェレミー・エルカイムは、かつては夫婦で、その二人の間に生まれた息子の難病が題材になっています。こちらも映画の最後のシーンでは彼らの8歳になった実際の息子が登場するそうです。このパターン、今のトレンドでしょうか?
UN SECRET(ある秘密)
こちらはミステリアスなドラマ仕立てです。あるときから両親に何か秘密があると感じ始めた子供が、だんだんとその「秘密」にたどり着くまでのお話。第二次世界大戦をはさんで話は展開していきます。この映画の見所は、モノクロとカラー画像の使い分け。過去のシーンは鮮やかなカラーで、現実はモノクロで描かれています。そうすることで監督は何を意図したのでしょう?

フランスの映画事情について:
受講者の皆様と記念撮影
フランスではすべての映画のチケット1枚につき、その料金の15%がCNC(国立映画センター)に振り分けられ、フランス映画製作の資金源として蓄えられ、フランス映画振興に使われています。(日本の映画人が聞いたら羨ましくて涙が出る話ですね。)そのおかげで、毎年150余りの映画が製作されているそうです。1週間にに2〜3本新しい映画が登場している計算です。
たくさん映画のダイジェストを見て、いろいろなことを学び、にわかに賢くなったような錯覚に頭が酔いしびれ、そろそろフランス語が美しい音楽のように聞こえ始めたころ、ミシェルお手製のリンゴタルトがふるまわれて、口の中までフランスの味で満たされました。素敵な中国のタンスの前で、記念写真をとって楽しい午後はお開きとなりました。
最後のおまけは映画用語のいろいろです。
Film décomplexé:最近のアメリカ映画の影響を受けた新しいジャンルの映画
Film choral:主役のいない、登場人物それぞれが等しく重要な役割を演じている映画
Comédie dramatique:ハッピーエンドであれ、悲劇であれ、コミックな要素を含んだ映画
Comédie sentimentale:ラブストーリーが中心の映画
Un nègre:本来は「ニグロ、黒人」の意味ですが、映画用語では「黒子」英語の「Ghost writer」の意

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フランス料理教室:講座のご報告(2012年11月27日)

12月 3rd, 2012
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10月に引続き、ヴァレリ宅にて料理教室を開きました。定員5名という小さな教室はあっという間に満席になってしまい、1日遅れで申し込めず涙をのまれた方もいらっしゃいました。(すみません!)

今回は「秋のごちそう」がテーマです。
テーブルセッティング
まずは、テーブルセッティング。秋らしい辛子色のテーブルセンターの上に菊の花とかぼちゃ。そして柿をモチーフにした和紙製のランチョンマット。
欧米では墓に菊を供える習慣がありますが、(日本も同じですね。)最近では部屋の中でも菊を飾る人達が増えてきたそうです。<Tokyo>という名前の菊も売られているそうです。

●本日のアントレ:Rillettes aux deux Saumons(2種のサーモンのリエット)
ゆでた生鮭とスモークサーモンを合わせただけの超簡単レシピです。隠し味は、ディルやシブレットなどのハーブ。チコリにのせて一緒にいただきます。パーティーのワインのおつまみにお勧めです。白の冷たく冷やしたワインといっしょに。
※本日の白ワインは、Mouton Cadet Bordeaux 2011
●メインディッシュ:Boeuf-mode aux Carrottes(牛肉と人参の煮込み)
今回は牛のもも肉をどっさりのにんじんといっしょに煮込みました。にんじんのほのかな甘みとコトコト煮込んだ肉が柔らかく、さっぱりしていて美味。付け合せのクスクスをソースと一緒にいただきます。
※本日の赤ワインは、Château Paul Mas Coteaux du Languedoc 2010
●デザート:Flognarde(フロニャード)
Limousin(リムザン)地方でしか食べられないりんごのお菓子です。卵と小麦粉、砂糖、ミルクを混ぜて、スライスしたりんごに注ぎ込んでオーブンで焼くだけのシンプルなケーーキですが、りんごのかすかな酸味と甘みが後を引きます。この地方名産のりんごを使うケーキですが、日本のゴールデン、青森の王琳は、このリムザン地方のりんごの種を交配して作られたものだそうです。また、近年日本のりんご、ふじの種がフランスに渡り、栽培され始めたとか。フランスと日本のりんごのマリアージュですね。
本日の料理

追記:朗らかなヴァレリの人柄と、大きな窓から差し込む暖かい日差しのおかげで、(ちょっぴりワインの力も加わって)会話も弾み、すっかり長居をしてしまいました。皆様、「お腹がいっぱいで、晩ごはん作りのことは考えたくないわぁ!」とおっしゃりつつ帰路につかれました。ご参加の皆様
ヴァレリは、来年1月末ごろに「お菓子レッスン」を提案しています。昼過ぎから始めて、作った数種類のお菓子はティータイムにいただく、というレッスンです。
お呼ばれしたときや、お友だちをお茶の時間にお招きするとき、お手製のケーキが披露できたらステキですね。乞うご期待!!

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