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フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年1月28日)

2013年2月4日 月曜日

晴天ながら北風が冷たい昼下がり。今日はValérie(ヴァレリ)のお宅で午後からお菓子作りです。

Rochers à la noix de coco(ココナツのロシェ):
ココナツのロシェづくり
Rocherはフランス語で「岩」のこと。卵白を軽く泡立てて、たっぷりのココナツと砂糖を混ぜあわせて、あとはバッドの上に敷いたシートに「岩状」に固めて並べるだけ。でもとても柔らかい生地なので、成形が難しい。人が作っているのを「富士山」だとか「愛宕山」みたいだとかワイワイ言いながら完了。オーブンでゆっくり焼きます。焼いている間に少し広がって高さが落ちるので、間隔をあけて、エベレスト級の高さにしておくのがいいかもしれません。

フィナンシエづくり
Financiers(フィナンシエ)
Financierはフランス語で「財界人、資本家」。このお菓子の由来は諸説ありますが、パリの証券取引所を中心とした金融街で流行った菓子だからとか、長方形の形が「金塊・インゴット」に似ているからなどいろいろです。「金塊」が一番説得力あるかもしれません。金色に焼きあがった姿は確かにゴージャスです。アーモンドパウダーと砂糖をどっさり使っていますが、そんなに甘くないのはアーモンドパウダーのおかげ?でもカロリーは相当ですね。ヴァレリはアーモンドエッセンスも数滴加えます。私達がいつも食べているアーモンドはスイートアーモンドで、一方のアーモンドエッセンスは有毒性物質を含むビターアーモンドから毒性を除去し、精油加工したもの。手袋や手紙に毒を仕込んでいろいろな人を殺したという疑惑が絶えなかった16世紀のカトリーヌ・メディシスは、このアーモンドエッセンスを菓子に使うことを長く禁じていたとか。毒薬の恐ろしさを身を以て知っていたのでしょうね。今回、型は洗う手間なしの使い捨てタイプの紙製を使用。100円ショップで手に入ります。

Moelleux chocolat coeur fondant
(フワフワのショコラフォンダン)

フワフワのショコラフォンダンづくり
Fondantは「溶けた」という意味でchocolat fondant(ショコラフォンダン)は、中がしっとりしているチョコレートケーキです。卵、砂糖、アーモンドパウダー、小麦粉、バター、ブラックチョコレートを泡だて器で混ぜながら次々に投入。型に流し込んでオーブンで8〜10分焼くだけの超簡単レシピです。温かいうちにバニラアイスと一緒にいただくのがお勧めです。
キッチンだけでなくリビングにまでお菓子が焼ける甘い香りが漂っています。最近のフランス人のティータイムは、コーヒーや紅茶と一緒に今日作ったような小さなお菓子を何種類も並べて楽しむのだそうです。名付けて(Café Gourmand)―「食いしん坊のコーヒータイム」いろいろな形や色の皿にカップとお菓子を並べて、「いただきます!」。(こんなにたくさん、食べられるかな…??)という思いは杞憂でした。皆様、ペロリとたいらげていらっしゃいました。お菓子を食べて、コーヒーを飲んで、しかもおしゃべりも忙しい!!
フランスの若い人たちの就職状況から話はフランスの伝統工芸のタペストリーにまで発展します。仕事が見つからないので、若い人たちがこうした伝統工芸に戻ってきて、後継者が育ち始めているというのです。不況が生んだ幸運??タペストリーといえばゴブラン織り(Gobelins)が日本ではよく知られていますが、その他にもオビュッソン織り(Aubusson)やボベ織り(Beauvais)など歴史の古い織物があるそうです。ゴブラン織りは、パリ地区にしか工場がなかったのですが、王侯貴族の宮廷御用達だったため有名になったとか。「ヘェ〜!!」と何度思ったかしれない甘くて豊かな午後の一時でした。
参加の皆様と記念撮影

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