料理サロン:講座ご報告(2015年4月17日)

2015年4月21日 火曜日

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2度目の日本滞在となったベランジェールの7年ぶりの料理サロン。その時の生徒だったマダムKもベランジェールと懐かしい再会を果たしました。表参道から少し中に入った閑静な住宅街の一角に瀟洒なマンションがあります。その最上階がベランジェールのアパルトマン。周辺の建物の多くが低層だからでしょう。窓からは遠くに高層ビルが望めますが、都心のマンションにありがちな建物の圧迫感はありません。広々としたリビングには赤とオレンジを基調にしたソP4171530  plats sur la table ファと透明ガラスのテーブルにメタリックシルバーの椅子が並んでいます。大きな壁にはポップな写真や絵、オブジェなどが飾られていて、さながら現代アートミュージアムといった感じです。まるで服を着てアクセサリーを身に着けるように、フランス人たちは部屋を飾り、個性を主張します。「インテリア」のことをフランス語では「architecture intérieure 」というのだそうです。いかにもコンセプトをもって室内を構成するという感じですね。

さて、本日のメニューはすべて「ケーキ」です。デザートばかりではありません。アペリティフやアントレに活躍できる立派な塩味系の一品です。混ぜて型に流して焼き上げる - 簡単明瞭な料理ながら、混ぜ方、型に流し込む分量、オーブンの火加減など気を付ける点もあります。ただ、これらをクリアーできれば、あとは混ぜいれる材料のバリエーションは無限です。まずは本日のメニューからご紹介します。

– Petits Cakes au Crabe(カニのミニケーキ)
–  Cake au Pesto et aux Pignons (ピストゥと松の実のケーキ)
– Cake à la Pomme, aux raisins secs et aux noix (レーズンとクルミ入りアップルケーキ)
– Salade verte (グリーンサラダ)
– Salade de Fruits (フルーツサラダ)
– Vin  Côtes du Rhône 2011  (ワイン: コートデュローヌ 2011年)
– café express  (エスプレッソ)

 

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Petits Cakes au Crabe(カニのミニケーキ)

とても簡単!!小麦粉、ベーキングパウダー、卵、ミルク、塩、こしょうを入れてよく混ぜ合わせて、すりおろしたエメンタールチーズとほぐしたカニの身を加えて混ぜるだけ。カニはフレッシュなものがお勧め。缶詰のカニならほぐしたものではないものを使うのがベスト。カニの弾力ある食感がポイントのケーキです。ミニカップサイズで焼きましたが、もっと小さく焼いてbouchée(ブシェ)にして、アペリティフに出してもおしゃれです。

 

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Cake au Pesto et aux Pignons (ピストゥと松の実のケーキ)

こちらはまずピストゥ作りから。勿論市販されている瓶詰のソースを使えばさらに簡単ですが、かなりの分量を必要としますので、ここは手作りで。
バジル(大量!!)、にんにく、松の実をミキサーにかけてピューレ状にします。そこへパルメザンチーズ(たっぷり!)、塩、オリーブオイル(たっぷり!)を加えてよく混ぜ合わせます。次にケーキの生地を作ります。小麦粉、ベーキングパウダーを混ぜておきます。別の容器に卵、塩、こしょう、オリーブオイル、ミルクを入れてよくかき混ぜます。小麦粉のボールにこの卵液を加え、静かに混ぜ合わせます。最後にピストゥと松の実も加えて、ケーキ型に流し込みます。180℃のオーブンで50分ほど焼きます。冷ましてから型からはずします。スライスしたときのバジルのグリーンが美しいケーキです。ワインのお供に最適!!

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P4171513  pesto  bien melange

P4171515  moule de cake de pisto et de pignon

 

 

 

 

 

 

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 Cake à la Pomme, aux raisins secs et aux noix(レーズンとクルミ入りアップルケーキ)

りんごの甘味とレーズンの酸味、苦みのあるクルミの食感を楽しむケーキです。これもとてもとても簡単です。ボールに卵と砂糖を入れて分量が倍くらいにふくらむまでよく混ぜ合わせます。ここが一番のポイントかつハードワークです。小麦粉、ベーキングパウダーを少しずつ加え、溶かしバターも加えます。スライスして小さめにカットしたりんご、シナモン、レーズン、砕いたクルミも加え混ぜたら、パウンド型に流し込みます。180℃のオーブンで50分ほど焼けば出来上がり。冷ましてから型からはずします。前日に作り置きしておけます。フルーツサラダといっしょにいただきます。甘いケーキにフルーツの酸味がとてもよく合います。

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フルーツサラダ

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カニのケーキにはサラダを添えて

 

 

 

 

 

 

 

 

今日習ったケーキはピクニックに持って行っても素敵。前日に作っておいて、おおきなタッパーにサラダを入れて、あとはワインを準備すればすぐ出発できます。
食卓では、2度目の来日となるベランジェールが前回からごひいきの神楽坂のケーキ屋さんを紹介してくれました。神楽坂からは少しはずれますが、大久保通りから少し脇にはいったところにある「K. Vincent」。ベランジェール曰く、今までに食べたケーキのなかでも一番おいしいお菓子が並んでいるとのこと。残念ながら現在は開店日が月に数日しかないので、事前に調べてから行くのがお勧めです。フランス人と結婚した日本人女性がオーナーパティシエを務めています。

http://www.k-vincent.com/

P4171510 livres de cuisineレッスンの合間にベランジェールが私たちに見せてくれた彼女のお宝!!料理本のいろいろ。
次は野菜が主役のコース料理になりそうです。楽しみです!!

 

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未分類

料理サロン:講座ご報告(2015年3月7日)

2015年3月17日 火曜日

今日のフロランスの料理サロンのテーマは「電子レンジで作るおもてなしフレンチ」

スピーディーに作れて美味しい料理となれば、期待も増します。参加者の方々もキリリとエプロンをして、いざキッチンへ。

P3071475  saumon et mousse de courgette

Saumon à la mousse de Courgettes aux micro-ondes

(電子レンジで作るズッキーニのムースとサーモン)

P3071426  courgettesこの季節につやつやの立派なズッキーニがすでに洗って準備されています。こんなにたくさん使うなら旬の夏がピッタリ??冬でもたまに見かけますが、結構いいお値段です。そのズッキーニを電動スライサーにかけます。これだけの量を包丁でスライスしていくのは相当大変そう。またもやこの機械が欲しくなります!!ディルとミント、にんにくとともにオリーブオイルで炒めて塩こしょうをふり、冷ましておきます。次に全卵と生クリームP3071435 robotをよく混ぜわせたら、冷ましておいたズッキーニを加えます。ラムカン型の底には硫酸紙を円形に切ったものを敷きます。こうすることで型からきれいにはずすことができます。型の側面にスモークサーモンをはりつけて、そこへズッキーニの液を流し込みます。型の縁より少し下くらいまで注いでから、電子レンジで2~3分加熱します。レンジの強度により時間は加減します。また型の大きさや深さによっても加熱時間は変わります。

P3071456  courgettes avec des herbes sauteesサラダを敷いた皿に焼き上がったムースを型からはずしてのせます。温かいうちにいただきます。ズッキーニ自体はくせのない野菜ですが、ミントやディルを加えることで爽やかな風味が加わり、スモークサーモンの塩味がアクセントのおしゃれな一品に仕上がりました。

 

P3071457  fond du ramequin

P3071459  tapisser du saumon

P3071461  verser la preparation dans les ramequins

 

 

 

 

 

 

 

P3071479  galette de pommes de terre cuite

              Galette de Pommes de terre au micro-onde

(電子レンジで作るじゃがいものガレット)

P3071438 pommes de terre rapees皮をむいたじゃがいもと玉ねぎをまたもや電気スライサーで細かい拍子切りにします。これも手で切るのは結構大変そうです。切ったじゃがいもと玉ねぎをボールに入れ、ミルクとオイル、溶き卵、塩、こしょう、ナツメグを加えて味を調えます。次にオイルを塗り付けたグラタン用の耐熱皿(少し深さのあるもの)に流し込んで、表面を平らにします。レンジ強で20分ほど加熱します。ターンテーブルのないレンジの場合には途中で皿を半回P3071480 morceau de galette転させて均等に加熱するようにします。温かいものをいただくため、切り分けるまで、オーブンのグリルできれいな焼き色をつけながら温めておきます。家庭ではメインとしていただくこともあるようですが、付け合せとしてもよさそうです。オーブンで焼いたら焼き色もこんがりつくし、食卓にのせるまでそのまま保温しておくことも可能に思います。ただ電子レンジはオーブンのように熱を放出しないので、暑い夏の料理法としては最適です。

 

P3071481  gateau chocolatGâteau Chocolat Ultra rapide (micro-ondes )

(ガトーショコラ ウルトラクイック)

P3071431  moule de gateau chocolatフロランスはさすがチョコレート職人だけあって、チョコレートを扱う腕は天下一品です。これは本当に超簡単レシピです。しかも美味!!

チョコレートとバターを電子レンジで1分ほど加熱してやわらかく溶かします。卵と砂糖をボールの中に入れて、空気をいれるように泡立て器でよく混ぜ合わせます。そこへ先ほどのチョコレートと小麦粉、ベーキングパウダー、生クリームを加えて混ぜます。型の底に合わせて切った硫酸紙 P3071440  gateau chocolat demouleを敷きます。これがあることで、こちらも型からはずすときにきれいに取り出すことができます。レンジ強で5~6分加熱します。ナイフを途中で刺してみて、何もついてこなければ完成です。

グラサージュを作ります。チョコレートと砂糖を40秒ほどレンジ強にかけて溶かします。よく混ぜ合わせて、生クリーム大さじ2杯も加えます。ケーキの表面にこのグラサージュをぬりつけて完成です。仕上げにはカラフルなトッピングシP3071445  napageュガーを振りかけます。粉砂糖をふっても素敵。

以上3品の完成です。ズッキーニのムースとじゃがいものガレットは野菜を刻むのに一番時間がかかりましたが、あとは混ぜてレンジで焼くだけ。とても電子レンジで作ったとは思えない出来栄えです。失敗しらずのガトーショコラは是非また作ってみたいお菓子でP3071447  napage sur le gateauす。グラサージュを塗り付けることで風味と食感が重層的になりました。デコレーションもアイデア次第。後日ご自宅で作ったという方のガトーショコラはとても個性的。

 

 

 

 

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湯煎用鍋

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にんにく皮向き用ラバー

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つかみやすいミトン

 

 

 

 

 

 

 

食卓では『夫婦愛』について議論が白熱。フロランスのご主人様は、今でも毎週日曜日にはお花をプレゼントしてくださるとか。先週の日曜日は出張でお留守だったのですが、ちゃんと息子さんにお花を買ってプレゼントするようにお達しがでていたそうです。な~んと素敵なことでしょう。日本人は結婚して子供が生まれると「お父さんとお母さP3071484  morceau de gateau chocolatん」になってしまいますが、フランス人の夫婦はいつまでも「amoureux」(恋人)だとフロランスは言います。日本人マダムで子どもさんのいらっしゃらない方が多かったので、『皆様はいかが?』と伺ってみると、結婚したばかりの方は「amoureux」で~す!というお返事。結婚数十年もたつと「う~ん、なんといったらいいでしょう?とても楽というか、amis(友達)みたいな感じ。」とのこと。フロランスは目を丸くして、「友達?!amoureuxでなくなったら一緒にいる必P3071434  cours de cuisine要はないでしょ。」と驚きに堪えない様子。「日本人の熟年夫婦は友達か、恋人か。」が日本人マダム達の間でしばらく論争になりました。そのやり取りを心配そうに見ていたフロランスに「日本人夫婦にもamour(愛)はありますから、ご安心を!!」と申し上げたところ、やっとフロランスも満面笑みの納得顔となりました。親愛のしるしに恋人でなくても両頬にP3071462  vin blanc Macon Villageチュッチュッとキスをするフランス人。ましてや妻や夫には「好きだよ」メッセージをキスやプレゼントでいつも表明していないといられないんでしょうか。愛情も憎しみも抑制することが「美しい」とされる日本人の価値観とはちょっとかけ離れています。でも皆様は本当のところベターハーフにamoureux/ amoureuse でいらっしゃいますか???

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

アートサロン<19世紀の画家という職業>講座ご報告(2015年2月28日)

2015年3月2日 月曜日

今回の講座は2回に分けて行われます。今日は前編。印象派が現れるまで全盛を誇った「アカデミズム」について、いろいろな絵を見ながら説明してもらいます。後編ではその「アカデミズム」がフッツリと姿を消してしまったわけを解き明かしていきます。結末が気になるのはまるでミステリー小説を読むようです。

本日の内容についてザックリとではありますが、以下にまとめてみます。

・17世紀まで、各地方ごとにcorporationという同業組合(一種のギルド)が存在していました。どんな職業でもこのcorporationに加入しなければ、修行も商売もできない仕組みでした。例えば絵画についてもその売り買いはcorporationの権限で行われていて、画家たちの地位は職人並みのものでした。新参のアーティストたちにはなかなか門戸が開かれないという弊害も起こりました。

・ところが次第に王たちがイタリアから画家を招へいしたり、フランスの画家がイタリアへ移っていくようになると、(イタリアには当時修行の場が広く開かれていたようです。)画家たちの間に競争が始まりました。

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Nicolas Poussin  Le massacre des innocents (1625-1629) Musee Conde

ルイ14世の時代、1648年にAcadémie Royale(王立アカデミー)が創立されると画家たちの地位向上は決定的なものになりました。いかに絵画を美しく描くかを追求するアカデミーの指導のもと、コンクールも行われ、画家たちの権威は高まっていきます。

・フランス革命後、この王立アカデミーは姿を消し、その代りにナポレオンによってAcadémie des Beaux Arts(美術アカデミー)が創設されます。ここでの作品は主にナポレオンの政治プロパガンダの役割を担わされていたようです。彼の「お気に入り」だったDavid はナポレオンの作品を多く残しています。

 

napoleon[1] Jacques-Louis David  le sacre de Napoleon (1804)  Musee du Louvre

さてダニエルの話の中でおもしろかったことをいくつかピックアップいたします。

■ アカデミズムの画法では「醜いものは描かない」。風景の中に姿の悪い木があれば、絵画の中では抹殺する。Beauté absolue(絶対的美)を追求するのだから、人物は実物に似ていることよりギリシャローマ時代のような美しさを持たせることが重要。

■ 歴史画、宗教画を最高の絵画とした。

■ アカデミズム絵画では、浮世絵のように物を途中でカットして描かず、全体を描く。

■ デッサン重視のアカデミズム。裸体のモデルは男性のみ。従ってアカデミーに女性の学生は受け入れられなかった。女子学生専用にAcadémie Julianが1881年に創設された。しかしここでもデッサンモデルは少年。女性のモデルを使うようになるのは20世紀にはいってから。

■ Prix de Rome (ローマ賞1663~1968):芸術を専攻する学生に授与される政府奨学金制度。30歳未満の独身男性を対象に行われたコンクール。この賞に輝いた19世紀の画家のうち後世まで名を残したのはIngres(アングル)だけ。ドガやマネ、セザンヌたちはこのコンクールに入賞することができなかった。

■ ダニエルが在籍していたEcole des Beaux Arts(エコール・デ・ボ・ザール)の校舎の写真。建物全体が歴史的建造物。歴史的作品に囲まれた教室。重厚なドーム型天井。美しいアーチの連なる中庭…。見ているだけでため息が。でもダニエルには息の詰まる授業も多かったようですが…。是非こちらのリンクからその素晴らしさをご覧ください。

https://www.google.co.jp/search?q=ecole+des+beaux+arts&biw=1366&bih=641&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=0BzzVMraL4eMmwXy-YHgDw&ved=0CDwQsAQ&dpr=1

■ 19世紀の画家の収入:

パリに住む労働者階級の家庭(夫婦に子供が5人)の年間必要経費(食費、暖房、家賃)は平均で472,000円だったのに対して、画家の平均年収は2,520,000円。ナポレオン1世の統治時代に公費で注文作製された絵画には、ナポレオンを題材にした大作(5×3m)で4,030,000円、皇帝の馬の絵でも43,800円の値がつけられたそうです!
(1ユーロ=146円に換算)

このサロンに参加されたマダムMのブログにはもっとたくさんの画像つきでこのサロンの紹介が載っていますので是非そちらも訪問してみてください。

http://tuesgenial.exblog.jp/22849338/

 

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アートサロン, カルチャー講座, フランス語

カルチャーサロン「フランス人マダムと行く合羽橋道具街ツアー」:講座ご報告(2015年2月20日)

2015年2月24日 火曜日

P2201375  Kappabashi Land Mark

合羽橋をフランス人マダムに案内してもらう…「何それ!」と思われる方もあるかもしれません。でも現実には、合羽橋に一度も行ったことがない日本人は案外多く、逆に日常的に食材や調理道具を買いにこの街に足しげく通う外国人も多いようです。料理サロンを開いているマダムたちの台所では珍しい道具や食材をよく目にします。「どこで?」と聞けば、かならずといっていいほど「合羽橋で」という答えが返ってきます。彼女たちの行きつけのお店を是非教えてほしいという参加者の方たちのご要望からこのツアーは生まれました。何しろ170もの店舗がある合羽橋です。今日の案内役のマリオンも最初に来た日は、店を見るのに3時間をかけてわずか50mしか進めなかったと言っています。それほどに一度店に入ったら「発見!発見!」の連続で、時を忘れる魅力があるということでしょう。フランス人のマダムの後から、ゾロゾロと日本人マダムたちが「ヘェー!ヘェー !」と歓声をあげながらついて回る世にも奇異な光景の始まり、始まり!!

P2201409  magasin Niimi銀座線「田原町」駅に集合して、いざ道具街へ。まずランドマークともいえる巨大コックがにょっきりと顔を出しているビル「ニイミ」とその向かいにこれまた巨大ティーカップが縦に並んだこちらも「ニイミ」のビルが建つ十字路からスタート。一件目の「ニイミ」は食器の他、調理器具が充実。プロの使う道具が並びますが、一般家庭の台所でも活躍しそうなもの - パイ生地の縁のひだを作るピンチなどなど手頃な値段のものがどっさりあります。1時間いても飽きそうにありません。

P2201406  magasin Kitchen World次に「キッチンワールドTDIナイフショップ」にて、レモンゼスターを。これはマリオンのレッスンで使われているのを見たときから買おうと決めていた方が何人もいらっしゃいました。同じようなタイプでしかも反対側の柄にパイナップルの皮も向けそうな上部な刃がついたものが、ずっと安い値になっていたので、お店の方にたずねると、「あっ、そっちは中国製」とのこと。すぐ元の場所へ戻し、マリオンのキッチンにあったのと同じドイツのWusthof(ヴォストフ)社製を数人の方がお買いあげになりました。インターネットでは2,300円くらいしていますが、1,620円ですからやはり安い!電車賃をかけてでも行く価値あり!!

P2201408  magasin pack「伊藤景パック産業株式会社」は、包材のほか、プラスティックのヴェリーヌや、カップなど大人数のパーティーなどで活躍しそうな使い捨て用の(でもまた洗って使いたくなるようなかなりしっかりした作りの)容器や、マフィン用の紙製型など豊富な品ぞろえです。マリオンのレッスンで使われていた透明なレンゲ型のスプーンもここにありました。

 

P2201386  cercles et emporte-piece「キッチンワールドTDI」は、食器から鍋、調理道具、製菓用道具など充実した品揃えです。次回、マリオンのレッスンでパテ・ド・カンパーニュをやるということでテリーヌ型を購入。手頃なサイズの白い蓋付き陶器製が1,000円。普通4~5,000円くらいするようですから、これも感激の安さです。セルクルなどもサイズ、型など迷うほどの種類です。このあたりから皆様のお買い物袋は相当なふくらみを帯びてきました。

P2201384  magasin 1「馬嶋屋菓子道具店」では、シリコン製ケーキ型を購入。他の店舗でも扱っていますが、ここの店の種類がダントツだそうです。ミニマドレーヌの型が1,728円也。インターネットでは同じシリコマート社のものが2,300円くらいはしていますから、本当にお得。型抜きが店舗入り口に鈴なりにぶら下がっているのは圧巻です。

 

P2201385  alveoles

 

P2201379  faire des courses

 

 

 

 

 

 

P2201403  kitchen Museum  Nabe「Kitchen Museum」(中尾アルミ)は、もともとアルミ鍋で有名な店舗だそうです。こちらもいろいろなお道具をそろえていますが、やはり何と言っても鍋の種類が豊富。使い勝手のよさそうなオリジナル商品が今なら30%オフという店員の方の説明に心そそられますが、すでに手荷物はかなりの重量に…。ここは涙をのんで「必ずや次回こそ!」。この店をご存知だった方は「やっとこ鍋」を予定通りにお買い上げ。

P2201405  magasin de Hocho  Kamaasa「釜浅」は包丁の店。ここではフランス語と英語で包丁の説明をしてもらえるそうです。基本的に説明できるスタッフは常駐しているそうですが、念のため電話で確認してから行くのがお勧めとのこと。そこから数軒先にあるもう一つの包丁店「かまた刃研社」は、店先で職人さんが包丁を研いでいるブースが目印。ここで買ったものでなくても研いでくれるそうです。また購入した包丁にはその場で名前を無料で彫ってくれるサービスもあります。マリオンはここで70歳のお祖父さんのために包丁を買って、「古希祖父」と彫ってもらったとか。和食ブームのせいでしょうか、どちらのお店にも外国人がチラホラ入ってきていました。

P2201391 Sometaro途中でランチタイムをとりました。お好み焼きの「染太郎」。ヨーロッパの食べログ系のサイトで紹介されてから、外国人客が増えたとはお店の人の話。私達が行ったときもすでに数人の外国人が来ていました。マリオンも界隈を歩いていて偶然見つけたそうですが、以来よく友達といっしょに来るのだとか。昭和レトロな店内(トイレも今や絶滅危惧種の純和式!)が外国人には「日本的」で魅力らしいです。次から次へと外国人が入ってきます。日本人との比率は半々くらいでしょうか。偶然、隣のテーブルに居た女性がマリオンのフランス語を聞いて声をかけてきました。フィリピン在住のフランス人。東京旅行中の彼女、東京からフィリピンへ転勤になった友人からこの店を聞いてやって来たとのこと。しかもその友人は偶然にもマリオンの友人でもあり、奇遇とはこのことです。マリオンは早速スマホでフィリピンの友達にメールを。「C’est fou !!」(有りえない!!)という返事がすぐ返ってきました。恐ろしや「染太郎」です。

P2201394 dans le restaurant

 

P2201389  Marion et participantes devant Sometaro

 

 

 

 

 

およそ5時間も居続けた合羽橋。気が付けば日は陰り始め、冷たい北風が吹きだしました。見学のつもりだけだった方たちもそのころには袋をいくつも下げて、中にはテーブルを購入された方まで!!マダムTはキャリーバックを持っていらして、「本気買い」を見せつけてくださいましたが、確かに合羽橋はキャリーバックが必要です。最後にマリオンからの合羽橋ショッピングのコツをお伝えしておきます。「時間は1時間と決めること。財布には1万円札を1枚だけ入れて行くこと。」

P2201414  choses que j'ai achete

本日の戦利品:シリコン製マドレーヌ型、蓋付きテリーヌ型、ピザカッター、レモンゼスター、オイル&ヴィネガーボトル しめて5,789円也!安!!

 

カルチャーサロン, カルチャー講座, フランス語

アートサロン「フランス地方アート散策(2)」ご報告 2015年1月22日

2015年1月24日 土曜日

P1220934 conference昨年11月に開かれるはずだったアートサロン「フランス地方アート散策・後編」は、ロランスの急病で延期となり、今年1月にやっと実現する運びとなりました。
前回の参加者の方の他新しい方も加わり、フランスの南半分の9つの地方から10点のアートを見ていきます。

日本のガイドブックにはあまり紹介されていないイベント、美術館など興味はつきません。フランス人でも知らないという人が結構いたくらい、「穴場」的なところばかりです。
詳細は前回(2014年2回開催)のスタッフブログでの報告と重複する箇所もあるかと思いますが、簡単にご紹介いたします。リンクも貼っておきますので、どうぞそちらもご覧になってみてください。ちなみに2014年11月にフランス議会で2016年を目処に現在の22地方を13に統合することが決まったそうです。これには特にアルザス地方の議員から猛反発があったそうですし、他の地方でも統合されることでその地方独自の文化が失われるのではないかと危惧している人たちもいるようです。とはいえ今後のフランスの地図が様変わりすることは必至のようです。

P1220936  galette des rois

プレゼンのあとはいつものようにテイータイム。今日はGalette des Rois(ガレット・デ・ロワ=王様のケーキ)をいただきます。パイ生地からすべてお手製。料理は好きじゃないというのに立派です。このお菓子、1月初めにいただく伝統的なもの。ケーキの中に陶器の小さな人形が仕込まれていて(昔はソラマメを使っていたそうですが)、この人形が入っているケーキを食べた人はその日の王様/女王様になれるということです。金の冠といっしょに菓子店でもこの時期店頭で売られています。ロランスの家では、子供の誰かがテーブルの下に入り、ママが切り分けたケーキを「それはパパに、それは弟に…」というように人形が入ったケーキが偶然誰かのお皿に配られるようにします。それで王様や女王様になった人にはどんないいことがあるのかと聞いたところ、「次の年はその人がガレットを作るのよ。」思ったより「イイこと」は起きないらしいです。ま、ケーキがおいしいからいいことにしましょうか。

 

P1220939  tasse de hermes(1)

P1220938  tasse de Hermes (2)

 

 

 

 

 

 

P1220940  tasse de Hermes(3)

 

 

テーブルの上のカップはすべてエルメス。いかにもエルメスらしい絵柄。

 

 

 

1)  Rhône-Alpes :ローヌアルプ地方
Palais idéal du Facteur Cheval : 郵便配達夫シュバル氏の「理想宮」

田舎の郵便配達夫だったシュバル氏が郵便配達中にたまたま躓いた石から、宮殿建設を思いつくという奇想天外な、しかし本当にあったお話。33年間、毎日郵便配達をしながら拾い集めた石でついには自宅の菜園に宮殿をたった一人で作り上げてしまいます。当時彼が配達していた異国の絵ハガキや雑誌からインスピレーションをえて建てられたこの国籍不明の宮殿、1969年には「素朴アート」の歴史的建造物と認定されることになりました。現在では毎年アーティストたちがここでシュバル氏のインスピレーションと粘り強い挑戦に敬意を表して作品発表を行っているそうです。

http://www.facteurcheval.com/

2)  Aubergne : オベルニュ地方
Horizons Arts Nature en Sancy : サンシーの自然ホライゾンアート

2007年から始まったプロジェクト。この地方の豊かな自然の中で現代アートを楽しめます。毎年世界中からアーティストの作品を公募して、彼らの作品を自然と融合させて設置しています。アートを見ながら自然の中を歩き回るという心にも体にもよさそうな場所です。

http://horizons-sancy.com/

3)  Limousin : リムザン地方
Centre d’art contemporain –Abbaye Saint André de Meynac :
現代アートセンター メナック サンタンドレ修道院

文化は田園にあっても日々の生活と密接にかかわっていなくてはいけない -というコンセプトから、僧院の一部を現代アートの展示場として開放しています。2014年には日本人の現代アート作家53人の作品展が開かれていました。

http://www.tourismelimousin.com/diffusio/en/what-to-see/museums-art-thematic-areas/meymac/abbaye-saint-andre-centre-d-art-contemporain_TFO155001830.php

4)  Poitou-Charentes :ポワトゥ・シャラント地方
Festival international de la bande dessinée d’Angoulême:アングレム漫画フェスティバル

毎年1月に開かれているフランスのみならず世界中の漫画が一同に集まる欧州最大規模の祭典。このフェスティバル、昨年は韓国の「慰安婦問題」に触れた漫画が展示され、日本がフランスに抗議するというニュースで、知名度がアップした感もありますが。
町の建物の壁面に漫画のキャラクターなどが描かれていて、町全体が常設漫画展のような趣きです。

http://www.bdangouleme.com/

5)  Aquitaine : アキテーヌ地方
Courrèges : クレージュ

この地方はブドウ栽培やエアバスなどの重工業でも有名ですが、デザイナーのクレージュもこの地方の出身者。もともとエンジニアの教育を受け、大戦中は空軍でパイロットの任務についていた彼はファッションとは全く無縁でした。しかし、戦後バレンシアガのアシスタントとなったことから彼の成功への道が始まりました。彼の発表した作品は何もかもが時代の最先端を走るものでした。幾何学的なデザインで有名ですが、ミニスカートも彼が最初に発表しました。パンタロンはイヴサンローランの作品というイメージがありますが、実はクレージュが最初に発表しています。彼のファッションへのこだわりは「女性の体を自由に解放すること」。体にフィットしたラインや真逆のゆったりとしたAラインなどは、「生活の動きに快適なライン」を追求した結果です。
彼の残した言葉です。「スタイルとモードは分けて考えなければならない。モードは変化する。しかしスタイルは時代の流れに影響されることがない。スタイルこそがそのパーソナリティーを表現しているからだ。」

http://www.vam.ac.uk/content/articles/a/andre-courreges/

6)  Midi-Pyrénées: ミディ・ピレネ地方
Viaduc de Millau : ミヨーの高架橋

深い谷に高速道路を作ろうという超人的な計画から建設された高架橋。美しい自然の中に鉄の大橋を建設するという計画に当初、地元の住民たちは大反対したそうですが、現在はこの高架橋のおかげでたくさんの観光客がやってくるようになったこともあり、この美しい橋の景観を誇りにしているようです。確かに雲海に浮かぶ橋は神秘的ですらあります。
http://www.bing.com/images/search?q=+viaduc+de+Millau&qpvt=+viaduc+de+Millau&FORM=IGRE

7)  Languedoc-Roussillon : ラングドック・ルシヨン地方
Art dans l’espace public : 1% artisitique : 公共スペースの1%アート

公共施設建設の場合、その費用の1%を現代アート作品に充て、その作品をその施設内に設置しなければならないという法律があるそうです。これは現代アートの振興をはかるとともに生活のなかにアートを取り入れるというのが目的です。さすが芸術の国、フランス。

http://www.laregion.fr/

8)  PACA-Corse : プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方コルシカ島
Château La Coste : シャトー・ラ・コスト

不動産で巨万の富を手にしたアイルランド人Patrick Mckillenがこのシャトーを買い取り、もともとあったブドウ園にアートと建築を結びつけたセンターを創設。建築にはPritzker賞(建築界のノーベル賞ともいわれる権威ある賞)に輝く5人の建築家、安藤忠雄、レンゾ・ピアノ、フランク・ゲリー、ジャン・ヌベル、ノーマン・フォスターに依頼。何とも豪華な顔ぶれですが、そこへアーティストも数多く招聘し、彼らに好きなように作品を作らせています。お大尽のやることはケタ違いです。緑の自然の中に現代建築とアートが散在する美しい場所。宣伝をほとんどしていないので観光客が押し寄せることもないというまさに「穴場」です。

http://www.via-selection.com/fr/galerie/galerie-photos/id-271-chateau-la-coste

9)  PACA: Fondation Maeght : マーグ財団美術館

マーグ夫妻が政府からの補助金を一切受けず、独立して自分たちだけで作り上げた美術館です。もともとコレクターであったマーグ氏ですが、最愛の息子の死に悲嘆にくれていた時に友人の画家ブラックに「その悲しみを乗り越えるために何か大きなことをやりましょう。あなたがやるなら、自分は絵筆をもってきて岩にだって絵を描きますよ。」と励まされたのが始まりだとか。収蔵作品は、1万点。ジャコメッティの彫刻が62点。ミロの彫刻が150点。シャガールの世界最大の作品も所蔵。何しろマーグ夫妻の友人というのがボナール、ブラック、シャガール、ジャコメッティ、レジェ、ミロ…と美術史の本をひっくり返したような豪華絢爛たる顔ぶれなのです。ヨーロッパ屈指の所蔵作品数というのも納得です。

http://www.bing.com/images/search?q=fondation+maeght&qpvt=fondation+maeght&FORM=IGRE

10)  Ile-de-France:イル・ド・フランス地方
Fondation de Louis-Vitton: ルイ・ヴィトン財団美術館

パリのブーローニュに2014年9月に開かれたばかりの新しい美術館。アメリカ人の建築家フランク・ゲリーの設計です。ちょっとルーブル美術館の中庭のピラミッドを思わせる全面ガラス張りの建物が、ブーローニュの森の中で異彩を放ちます。

http://www.lvmh.com/lvmh-patron-of-the-arts-and-social-solidarity/fondation-louis-vuitton

P1220946  gouter la galette des rois

アートサロン, フランス語

Bon Appétit  (ボンナペティ)! 

2015年1月13日 火曜日

P9290486  serviette

フランス語に「Bon appétit 」という表現があります。直訳すれは「良い食欲を」という意味で、食事を始める前に使われます。日本語の「いただきます」にあたるでしょうか。小学校で給食のときクラス全員で手を合わせて「いただきます」と唱和していた日本人は、大人になっても食事の前にはそんな呪文を唱えないと落ち着かない人も多いことでしょう。私もこの「Bon appétit 」を知るや、フォークとナイフをしっかと握り、皿の中に鎮座まします料理と格闘する前に、嬉々として同席者たちに言っておりました。「Bon appétit  !」と。

でもこれは日本語の「いただきます」とは微妙にニュアンスが異なり、むしろ「召し上がれ」に近いように思います。というのも「Bon appétit !」と言うと、相手のフランス人はかならず「Merci !」(ありがとう)とか、「Bon appétit !」と返してくるからです。日本人が食前に言う「いただきます」は、そのごはんを作ってくれた人に対して、または米を作ってくれる農家の人たちに対して、ひいては自然の恵みを与えてくれる神に表す感謝の言葉だと私は小学校で教わりました。会食者がそろって唱和することで、「同じ釜のめしを分け合う」仲間感情、ちょっぴり敬虔な連帯感のようなものが食卓に漂います。それに比べ、フランス語の「Bon appétit 」には、「よく味わってエンジョイしなさいよ」という、食卓の上の料理に対する強いエネルギーとパッションを感じます。

更に驚いたことに、フランス人はあまり食卓で「Bon appétit 」と言わないそうなのです。ましてフォーマルな席では決して言わないそうです。じゃあどうやって食事をスタートさせるのかと尋ねれば、「別に何も言わない。フオークとナイフを手にとってなんとなく始める。」「家の女主人が食べ始めたらそれがスタートの合図」等々。そう言われてみれば、日本でも天皇陛下の晩餐会でまさか「いただきます」とは言わないでしょう。ビジネスランチの席でもきっと言いませんね。結婚式の披露宴テーブルでも聞いたことがありません。ということは「いただきます」も「Bon appétit 」もかなり親密な内輪での表現ということでしょうか。

フォークとナイフを手に取るや毎回「Bon appétit !」と嬉しそうに叫んでいた自分の姿が走馬灯のように駆け巡ります。その相手にはとんでもない方のお顔まで浮かんできて……(汗)

未分類

料理サロン:講座ご報告(2014年12月5日)

2014年12月14日 日曜日

 

PC050879 sapin de Noel今年最後の料理サロンは、Buffet de Réveillon です。Réveillonはクリスマスイヴまたは大晦日の晩のパーティーを言います。親しい友達と集まって陽気に過ごします。そんなとき主婦が台所にこもり髪を振り乱して料理作りはちょっと悲しい。ですから事前に作っておける一口サイズの料理はとても嬉しいものですね。今日は何と5種類のおつまみと2種類のスイーツを習います。マリオンはオーブンで焼く順番に相当頭を悩ませたようですが、お見事!!気まぐれオーブンを上手に手なずけながら無駄のないローテーションで進めていきます。マリオンの手際の良さに皆様、感心することしきり。なにしろ7品目です!!さあさあご覧あれ!!

 

リビングには大きなクリスマスツリーが電飾を光らせて鎮座しています。「これはプラスティックでちょっと残念。フランスの家では毎年本物の樅の木を使うんだけど。」一番下のルイ君は、このツリーのすぐ横にあるソファーを自分専用と宣言したそうな。サンタさんが運んできたプレゼントをいち早くゲットできるポジションを確保してご機嫌のようです。

PC050875  table (2)

テーブルはクリスマスカラーのデコレーション。赤のクロスの上からシルバーの水玉を散りばめたオーガンジーの布を更にかけて華やかさを表現。クリスマスカラーのナプキンにはシルバーのリング。ステッキ型のキャンディー、シルバーのキャンドル、そして各自のお皿の横には小さな袋が…。これは前日マリオンが焼いたクリスマス用のクッキーの詰め合わせ。嬉しい本年初のクリスマスプレゼントです。前日の台所はそれは大変な騒ぎだったようです。なにしろ3kgのプティフールを焼いたとか。しかも何種類も焼いたのですから。大きな缶に詰めておいてクリスマスシーズン中、ティータイムや食後にいただくのだそうです。また、今回のように袋詰めにしてプレゼントにも。クリスマスムードが盛り上がったところでいよいよキッチンへ移動。料理開始です。

PC050916 Sable de tomates sechees et parmesan

Sablés de Tomates séchées et Parmesan (トマトとパルメザンチーズのサブレ)

おすすめの一品。サブレといってもパルメザンチーズとドライトマトのサブレです。小麦粉とバター、ドライトマト、パルメザンチーズ、卵、そして塩少々を混ぜ合わせたら、冷蔵庫で2時間ほどねかせてオーブンで焼くだけです。ドライトマトの代わりに黒オリーブやローズマリーを混ぜてもいいそうです。

 

PC050930 oeuf de caille

Oeuf de Caille en gelée aux oeufs de Saumon(ウズラ卵とイクラのジュレ)

シブレットとパセリを加えて香づけした熱湯をこして、ゼラチンとディルも加えてゼラチン液をつくります。ヴェリーヌにゼリー液を1㎝ほど注いで固めたら、そこへイクラを厚さ1㎝ほどのせ、うずらの卵2個も加え、ゼリー液を注ぎ入れて、また冷蔵庫で固めます。最後にイクラをのせて、いただくまで冷蔵庫で冷やしておきます。ゼリー液を冷蔵庫で固めながら層をつくっていくのがちょっと大変ではありますが、とてもおしゃれな一品に仕上がりました。

PC050919  Blinis de saumon fume

Blinis de Saumon fumé sur sa Chantilly au Wasabi

(スモークサーモンのブリニ、わさびのクレームシャンティー)

PC050909  cuire des blinisまずブリニを焼きます。これはロシア料理で一種のクレープ、みためも食感もパンケーキそのものです。小麦粉と同量のヨーグルト、ベーキングパウダー、卵、塩少々を加え混ぜて生地を作ります。フライパンにスプーンで生地を落として小さな円形に焼いていきます。ヨーグルトのせいでしょうか、とても優しく軽やかな食感です。生クリームにわさびを加えて弱火で加熱してよく溶かします。これを冷まして冷蔵庫で冷やしておいて、固く泡立てます。ブリニの上にこのクリームをのせ、その上にスモークサーモン、飾PC050917  Chantilly au Wasabi sur blinisりにディルやピンクこしょう、シブレットなどをのせて出来上がり。

 

 

 

 

PC050913 pain d'epices et foie gras (2)

Bouchées de Pain d’épices maison et Foie gras (パン・デピスとフォワグラのブシェ)

パン・デピスは、4種(シナモン、丁子、ナツメグ、カルダモン)もしくは9種のスパイス(先の4種の他に、アニス、フェンネル、しょうが、コリアンダー、こしょう)を加えて焼くパンケーキです。小麦粉と全粒粉、卵、べーキングパウダー、たっぷりのはちみつ、砂糖、ミルクを混ぜ合わせて焼きます。複雑な香りのする甘いケーキですが、フォワグラとの相性は抜群です。イチジクのジャムやフルール・ド・セルなどを好みでつけていただきます。これをいただくとクリスマス気分はマックスに。

PC050880   pain d'epices (farines, levure, epices )PC050894  pain d'epicesPC050912  pain d'epices en forme d'etoile

 

 

 

 

 

 

PC050930   assiette de buffet

Cuillerée s de St Jacques et Daikon en mille feuilles

(帆立貝とダイコンのミルフイユ、スプーン仕立)

 帆立貝は薄切りにして、ヘーゼルナッツオイルとライムの絞り汁を合わせたものにマリネしておきます。大根は皮をむいて薄い輪切りにします。スプーンにダイコンの薄切り一枚をのせた上に帆立貝のスライス2,3枚をのせ、またダイコン1枚をのせ、帆立貝のスライスをのせます。帆立貝の上にライムの皮をおろしたもの、フルール・ド・セルとこしょうをふって出来上がり。とてもシンプルですが、ダイコンのパリパリとした食感とライムの爽やかな香りをまとった帆立貝の柔らかな身が、口の中でハーモニーを奏でます。近年は、ヴェリーヌからスプーン仕立に流行が移ってきている印象です。他のサロンでもスプーン仕立のお料理が出ていました。

 PC050939  Brochettes de fraises au chocolat

Brochettes de Fraises au Chocolat (イチゴとチョコレートのブロシェット)

イチゴはヘタをとって、菜箸などで芯のところに軽く穴をあけておきます。チョコレートポッキーを芯に差し込みます。チョコレートを溶かして、そこへイチゴの先端をつけます。トッピングをふりかけて出来上がり。超簡単な作り方ですが、子供たちといっしょに楽しく作れそうです。イチゴの酸味とチョコレートの甘味がとても美味。華やかなイチゴの赤とカラフルなトッピングはパーテイーのテンションを高めます。

 

PC050936  petits gateaux au chocolat

Petits  gâteaux au Chocolat parsemés de Noisettes

(チョコレートとヘーゼルナッツのプチ・ガトー)

とてもリッチなお菓子です。見た目も味もカロリーも!!チョコレートとバターを湯煎でとかしておきます。砂糖と卵を全体が白っぽくもったりするまで混ぜ合わせて、とかしたチョコレートバターと、小麦粉、ベーキングパウダーを混ぜいれます。型に流し込んで、オーブンで10分ほど焼きます。その間にマスカルポーネと生クリームを固く泡立てます。そこへ溶かしたチョコレートも流し入れて手早く混ぜて、冷蔵庫で冷やしておきます。ケーキの上からクリームを絞り出し、飾りにヘーゼルナッツを砕いたものを散らします。

PC050891  alveolesAlvéoles :レシピーの中で、ケーキの型として出てくる言葉です。本来は蜂の巣の育房とか岩石の孔のことですが、確かにシリコンのこの型、蜂の巣のようでもありますね。

 

どの料理も本当に洗練されていておしゃれで美味しくいただきました。料理のスパイスはマリオンのおしゃべり。いつものことながら、「立て板に水」そのもの。次から次へと話題がわき出てきます。(通訳泣かせです…)

今回はマリオンのクリスマスについて:

フランスにいたときは、マリオンの実家とご主人の実家を一年おきに訪問してクリスマスを祝っていたそうです。マリオンの実家は南フランス。クリスマスには何とベトナム料理をいただくのだそうです。一方のご主人の実家では伝統的なターキー、フォワグラなどの料理で祝うので、毎年マリオンとご主人のどちらか一人が「ちょっと残念な」クリスマスになるのだとか。東京で過ごす今年のクリスマスはしっかり伝統的な料理が並ぶようです。エスカルゴ、フォワグラ、タルトetc、4人の子供とご主人のそれぞれのリクエストを叶えるためにはまたまたマリオンの台所はテンヤワンヤになりそうですね。とにもかくもJoyeux Noël !!

クリスマス用のビスケット缶

クリスマスビスケット缶

お勧めのアルザスワイン

アルザスワイン お勧めです!

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

Sortie amicale :交流会(6) 北鎌倉散策 2014年11月28日

2014年12月4日 木曜日

PB280798  gare de Kita-Kamakura

紅葉のシーズンです!総勢10人の日仏混成グループは北鎌倉の散策へ出かけました。
小さな北鎌倉駅もこの時期、乗降客の数は半端ではありません。駅から外に出るのに結構時間がかかります。

PB280805  Musee de livres pour enfants

葉祥明美術館

円覚寺の紅葉も見事ですが、観光客の数も相当です。今日はここはスルーして、明月院へ向います。途中、葉祥明美術館に立ち寄りました。レンガ造りのイギリス洋館を思わせるこじんまりとした建物の前庭には美しい黄葉が広がっています。サトウカエデでしょうか。葉がモミジに比べて大きく、すくっと空へ向って伸びている樹木は洋館にぴったりの立ち姿です。

 

梅雨の時期には両側に紫陽花が満開に

梅雨の時期には両側に紫陽花が満開に

 

明月院は紫陽花寺として有名ですが、実は1年を通じていろいろな花木を楽しめるように作られているのですね。春は桜やボケ。夏は紫陽花、花菖蒲、秋はモミジ、冬はロウバイ、椿など。また日本人にとって月といえば「ウサギの餅つき」。(国によっては月の影は「カニ」や「女性の横顔」など様々ですが…)それでこのお寺の中を流れる川に渡された橋にはウサギの彫刻が置かれています。

PB280809  lapin du temple Meigetsu-in

 

本堂では薄暗い部屋の丸窓に縁どられた絵のように美しい紅葉が楽しめます。

PB280817  fenetre ronde de Meigetsu-in (3)

 

本堂裏の広大な庭園は、花菖蒲と紅葉の見頃のときだけ公開されます。モミジの赤、黄、緑のグラデーションはまさに「錦絵」です。みんなそろって「ワォーッ!」としか言いようがありません。

PB280818  erable de Meigetsu-in

竹林もあります。孟宗竹でしょうか。天を突く勢いの竹の太い幹をみて、「何年くらいたっているの?」と尋ねるフランス人。竹の寿命は案外短くて20~30年くらいなのだそうです。華やかな赤や黄色のモミジのあとでは、竹の青さがなにやらとても神秘的に感じられます。

PB280826 bambou de Meigetsu-in (2)

この寺のもうひとつの見所は「やぐら」。切り立った崖をうがった墓所です。鎌倉のあちこちにこのようなやぐらを見ることができますが、明月院のやぐらは鎌倉最大規模のものだそうです。壁面にはいくつもの仏像が彫られていて、相当な位の武将のものだったことをうかがわせます。

 

次に訪れたのは長寿禅寺。

PB280831  Kannon-do de Choju-ji

長寿禅寺の観音堂

通常は非公開だそうですが、春と秋、金・土・日のみ参拝できるということで、とても貴重な経験となりました。幾何学模様に組まれた石の道が、建物へといざないます。庭は一面の苔。

PB280828  jardin de  Chojuzen-ji

紅葉と白い砂利のコントラストが美しい

 

特筆すべきは、本堂のお座敷から眺める庭の紅葉です。敷き詰められた砂利の白と庭の植え込みの鮮やかな赤や黄色がまるで絵画のように美しいコントラストを見せています。

PB280838  erables de Chojuzen-ji

 

このお寺、何と足利尊氏のお墓があるのですね。法名を京都では等持院殿、関東では長寿寺殿というのだそうです。鎌倉の邸跡に足利尊氏が創建したお寺だとか。京都のお墓とは違ってこちらの墓には遺髪がおさめられているそうです。歴史の教科書に出てくる「セレブ」のお墓と遭遇してちょっと感激。鎌倉はやはり「おそるべし」です。

PB280843  Restaurant KOETSU

昼食は「口悦」へ。2階のお座敷を貸切にしてくださいました。しかも和室ながら椅子席です。掛け軸は百種の「寿」の字が書かれた大変おめでたいものです。懐石料理を、「これは何?」「それはコンニャク。」「KON・NYA・KU ??」「これはomelette (オムレツ)?」「う~ん、おいしい。あなたも家でこれ作れる??」などなど日本人マダムたちは料理の説明に四苦八苦しながらもにぎやかに楽しくいただきました。

 

PB280853  plats traditionnels chez Koetsu

 

 

その後フランス人マダムたちはお子さんたちのスクールバスのお迎え時間を気にしながら一路東京へと帰って行きました。

PB280856   Jochi-ji

残った日本人マダムたちは、別名「鎌倉夫人」ともいえる鎌倉通のMさんのご案内で浄智寺へ。いかにも山寺という風情の静かなお寺です。ここは余りモミジの木がないので、人混みから免れて別世界のような静けさです。山門に掲げられた額には「近在所寶」とあります。何でも「お宝はあなたのすぐ近くにある」という意味だそうです。有り難いお言葉。Mさんによるとハリウッドの向こうをはって、「カマウッド」という鎌倉をベースにした映画製作の組織があるのだそうですね。この浄智寺も最近製作された映画の舞台になり、この山門がでてくるのだとか。

 

PB280864  enetree de Jochi-ji

 

またこのお寺の近くには映画監督の小津安二郎や日本画家の小倉遊亀の住居などもあります。暗いトンネルを抜けた先に、本当に人目を避けるようにしてひっそりと、落ち葉に埋もれるようにしてそれらの家はありました。「千と千尋の神隠し」で千尋と両親が迷い込んだトンネルの向こう側のように、魔法にかけられて時間が止まったかのような別世界です。実に「鎌倉、おそるべし!」

晩秋の日はつるべ落とし。急に底冷えのする空気がたちこめてきました。私達も家路を急ぐことにします。

PB280820  feuilles jaunes d'erablePB280834  partiicipantesPB280827 feuilles d'erable (3)

交流会

料理サロン:講座ご報告(2014年11月18日& 26日)

2014年11月29日 土曜日

PB180776  Entrance今回は2回とも英語によるサロンです。少し早目のクリスマス料理を習います。ハローインが終わったばかりのフロランスの玄関にはその名残が…。
相変わらず整理整頓されたピカピカのフロランスのリビングの暖炉には、早くも薪が並べられ、クリスマスシーズンの準備が始まっています。「次のレッスンはお掃除レッスンを!!」と参加者の方に言わしめる、いつも清潔そのものの、しかもスタイルッシュなお住まいに、毎度のことながら参加者の方たちからため息が…。

 

 

 

 

PB180732  fireplace

暖炉には薪が用意されています。

 

卵型の陶器のオーナメント

卵型の陶器のオーナメント

 

PB180725 table setting

本日の料理は4品。でもあっという間に作り上げていきます。所要時間2時間半。

 

PB180756  mousse of Red bell peppers

Red bell peppers mousse, goat cheese with cumin

赤パプリカのムース、山羊チーズのクミン風味

 パプリカの皮をむくのはちょっと大変ですね。グリルで真っ黒になるまで焼いてむく、というのもありますが、ここではもっと簡単にオーブン200℃で30分焼きます。それをジップロックのようなビニール袋に入れて冷ましてからむくと、スルスルと本当にきれいにむけます。ぜひお試しください。卵やクリーム、塩、こしょう、クミン、お好みでタバスコといっしょにミキサーにかけます。これを型に入れて90℃のオーブンで30分ゆっくり焼いて、冷ましたらそのまま冷凍します。こうすることで型からはずしやすくなります。スプーン(陶器のれんげ)に山羊チーズをのせ、その上に型からはずしたムースをのせ、フルール・ド・セルとクミンシードをふりかけて出来上がり。タバスコの刺激とクミンのエキゾティックな香りがスターターとしての役割を果たしています。

PB260796  St-Jacques & Saumon

Scallops with smoked salmon

帆立貝のスモークサーモン包み

 PB180743  croissant (2)簡単ながらソースが最高に美味な一品です。どんな魚の料理にも合いそうなソースです。帆立貝は小麦粉をまぶして、半量をスモークサーモンで包んでおきます。エシャロットを鍋の中でバターと一緒に炒め、白ワインを500㏄加えて煮立てます。そこにスモークサーモンで包んだ帆立貝とそのままの帆立貝を加えて両面に軽く火を通します。生クリームを加えて塩こしょうで味を調えます。それから冷凍のパイシートから三角形(底辺約10㎝)を一人2個ずつ切り出して、底辺からクルクルと巻いてクロワッサンを作ります。卵PB180742  croissant黄を塗ったらこれを200℃のオーブンで焼いて、帆立貝といっしょに皿に並べます。ワインソースで煮たスモークサーモンと帆立貝はほどよい弾力を残して柔らかく、クロワッサンにワインソースを絡めながらいただく至福の時間です。クロワッサンは市販のミニクロワッサンを使っても。ただカリカリの焼き立てが身上なので、その場合はオーブンで少し温めて使うことをお勧めします。

 

PB260801  Turkey (2)

Turkey with dry fruits and chestnuts

ドライフルーツと栗のターキー

ターキーはまるごと使うのかと思いきや、ぶつ切りのものを使います。(これなら簡単に作れそう!!)玉ねぎ、スモークベーコンを炒めたら、ターキーも加えます。バルサミコ酢、スープストック、シナモン、蜂蜜を加えたら弱火にして1時間ほど煮込みます。途中でドライフルーツ(デーツ、アプリコット、いちじくを細かく切ったもの)、レーズン、ローリエ、タイムも加え、塩とこしょうで味を調えます。

バターで炒めた栗を添えて出来上がり。このターキーのソースは未経験の味です。甘酸っぱくて、軽やかで食欲をそそられます。ターキーの胸肉が手に入らなかったら鶏肉や豚のフィレ肉でも代用可能です。豚肉は酸味のあるフルーツと相性がいいので合いそうです。こんな簡単でエキゾティックなターキー料理もたまにはクリスマスのメインディッシュによろしいのでは?

 

PB260792  Orange cake

Orange Cake   オレンジケーキ

 

PB180734  baked cakeクリスマスのご馳走のあとで、チョコレートとクリームたっぷりのビュッシュ・ド・ノエルをいただくのがフランスのクリスマス料理のシメですが、日本人のお上品な胃袋にはちょっとヘビー??そこでこのケーキです。バター、砂糖、卵に小麦粉、ベーキングパウダー、オレンジ1個分の果汁とすりおりした皮を順番に混ぜ合わて型に流し込んで、200℃のオーブンで20分ほど焼けば出来上がりです。オレンジ果汁(2個分)とその半量の砂糖を煮立ててシロップを作ります。これをケーキが温かいうちに上から回PB180740  sirop on the cakeしかけしっかりとしみ込ませます。ケーキの上部にシロップで煮たオレンジ輪切りを半月に切ったものを並べ、好みでトッピングシュガーなどをふりかけ、粉砂糖で雪の演出をしたら出来上がりです。とにかく混ぜて焼くだけというのがステキです。オレンジの香りを楽しむケーキです。お勧めです。大人向けにはオレンジリキュールをシロップに混ぜても美味しそう。

 

食卓では楽しい会話が弾みます。気さくで優しいフロランスの人柄がまず第一のご馳走。しかも次から次へと手作りの美味な料理の登場です。やはりパーティーの主役はマダムですね。料理が出てくるたびに、テーブルの四方八方から歓声が上がり、会食者の視線はマダムに集中します。彼らの目にはシルクハットから鳩やウサギを取り出すマジシャンのように映ることでしょう。お取り寄せの料理やデリバリーのピザで世話なしパーティーもたまには悪くないけれど、やはりここぞという時に、集まった人たちを喜ばせるものは、前日からいろいろと準備した家庭の温かい料理なのでは…。メリークリスマス !!

PB180744  making croissants

PB180726 table ornament

カルチャー講座, 料理サロン, 英語

料理サロン:講座ご報告(2014年11月7日)

2014年11月10日 月曜日

PB070644  table (1)

久しぶり(約2か月ぶり)のマリオンの料理サロンです。時はすでに秋。山では紅葉が進み、都会の木々も少しずつ赤や黄色に色づき始めています。空気もひんやりとして朝晩は肌寒いくらいです。そんな季節にぴったりの「秋のご馳走」が今日はテーマです。マリオンにとって「秋」のイメージカラーはオレンジ色だそうです。テーブルに置かれた生け花もテーブルクロスもオレンジ色。朝ふと思いついたという柿のデコレーション。マリオンのエプロンもオレンジ。

10月末のToussaint(トゥッサン:諸聖人の大祝日)で子どもさんたちの学校が休みだったのを利用して、松本、高山、金沢を旅行したときに買った大きな石PB070648  Toro Lanterne en pierre灯篭。かわいいお地蔵さんの像も2体。これはフランスの自宅の庭に飾るのだそうです。全部分解して車に乗せて帰って来たとか。石工のおじさん、自分の灯篭がはるばる海を渡ってフランスの庭に飾られると聞いていたく喜ばれていたそうです。

 

 

さて本日の料理は次の通りです。

PB070703  veloute a la table

Velouté Châtaignes, Champignons et Sait-Jacques poêlées

(栗ときのこのヴルテ、帆立貝のポワレ)

きのこをバターで炒めたら、皮をむいた栗をまるごと加えて、チキンストックで30分ほど煮込みます。栗が柔らかくなたらミルクを加え、ミキサーにかけます。塩こしょうで味を調えて、深鉢に注ぎ入れます。その上に両面にこんがりと焼き色を付けた帆立貝を浮かべて出来上がり。栗ときのこが奏でるやさしいハーモニー。とろんとした舌触りのヴルテ、フランス語でスープは「食べる」といいますが、まさにそんなしっかりとした濃厚さがあります。

PB070691  pain de maison

本日はマリオンお手製のパンといっしょにいただきます。かぼちゃの種入りのしっとり、もっちりしたおいしいパンです。日本ではなかなか美味しいパンが見つからないので、仕方なくイーストからすべて手作りで家族のために焼き始めたパンですが、今ではバカンスでフランスへ帰っても、子供さんたちは「ママのパン」しか食べないほど。

 

PB070690  tarte demoulee

Tarte aux Champignons (きのこのタルト)

PB070665  origami pour la tarteタルトの生地がいいのか、マリオンの腕がすばらしいのか、恐らく両方でしょうが、生地をのばして型に敷きこむと、全体が均等な厚さでそのきれいなこと。空焼きにはクッキングシートを器用に折りたたんでカットして円形にし、その上からあずきを重しにのせて、180℃のオーブンで10分ほど焼きます。その間にきのこを炒めます。マリオンはマッシュルームより日本のシメジのほうが味がいいと言います。塩こしょうで味付けするときに、シブレット(日本ではワケギで代用)とタラゴンも加えます。タラゴンの爽やかな香PB070653  cuire blancり(ちょっとアニスを思わせます)がこのタルトの隠し味。小麦粉を振り入れ、生クリームも加えてとろみがついたらできあがり。空焼きしておいたタルトに敷き込み、グルイエールチーズを全体にたっぷり散らして200℃のオーブンで15~20分ほど焼けば完成です。パイ生地はパリパリ、サクサク、フィリングのきのこはチーズと生クリームをまとって口の中いっぱいに秋の香りが広がります。

 

 

PB070712 mousse au chocolat blanc

Mousse au chocolat blanc, poêlée d’ananas au Malibu et citron vert

(ホワイトチョコレートムース、パイナップルのポワレ、マリブ酒とライム風味)

 ホワイトチョコレートはブラックチョコレートより溶けにくいのですね。湯煎にかけてもなかなか溶けません。カカオバターとは別な油分が入っているので溶けにくいのだそうです。ゆっくり湯煎で溶かしている間に、ゼラチン板一枚(1.5g)を水につけてふやかしておきます。ミルクを温めて、そこに水を切ったゼラチンを加え、溶かしたチョコレートに加えます。さらに固く泡立てた生クリームも加えてよく混ぜ合わせたら、容器に流し込み、冷蔵庫で4時間以上冷やしておきます。飾りのパイナップルの皮をむきます。皮をむいた後に残る黒くて固いブツブツの部分をフランス語では「yeux(目)」というそうですが、日本語ではこの部分、何というでしょう??参加者の皆さんと考えましたが、いい答えがみつかりませんでした。その部分を取り除く道具が登場。中国で買ったそうですが、この黒い「目」を取り除くためだけのカッターです。スイスイと斜め縞にきれいに溝ができました。次にライム。ここでもまた皮を千切り状にスライスするカッターが登場。薄く皮の部分だけを均等な細さと長さに切っていきます。是非手に入れたい一品です。

PB070671  chocolat blanc

PB070669  ananas enleve ses yeuxPB070674  zetes du citron vert

 

 

 

 

 

フライパンにパイナップルを入れて、バターとバニラシュガーとライムの皮のみじん切りにしたもの、ライム汁少々を加えて、カラメリゼします。最後にココナッツリキュールのMalibu(マリブ)を加えてフランベします。冷ましておいて、ムースを食卓に出す直前にのせ、ライムの皮の千切りものせます。リキュールの香りをPB070676  ma残したパイナップルの甘酸っぱさと、ホワイトチョコレートのやさしい甘さにライムの香りが全体を引き締めています。「ハワイの天国の味だわ~」と感動の声。軽やかながら、いろいろな香りと味覚が重層的に口いっぱいに広がる大人のデザートです。

PB070697  vin blanc

 

 

 

 

 

本日のワインは、Pays d’Oc ( Monpellier-Carcassonne)の白。Viognier 2012 「domaine Saint-Roch」軽くて辛口ながらフルーティーな風味がしっかり残ります。

 

 

 

 

 マリオンの台所は「宝島」
今日もいろいろなお宝がザクザクでてきました。

PB070661 ciseaux刃先がカーブしたはさみ。牛乳パックなど切りやすいそうです。しかも百円ショップでみつけたものとか。

 

 

PB070668  couteau pour l'ananasパイナップルの「目」をカットするためのカッター。中国製。

 

 

 

 

 

 

 

PB070673   raper la zeste果実の皮を千切り状にそぐカッター。

 

 

 

 

 

 

PB070659 huile d'olive超高級オリーブオイル。1瓶7000円ほど。料理の上から香りづけにかけたりします。

 

 

素手で小豆をとっちゃうの? まだ熱いでしょう?! ー大丈夫。慣れてるもの。

素手で小豆をとっちゃうの?
まだ熱いでしょう?!
ー大丈夫。慣れてるもの。

 

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