料理サロン:講座ご報告(2014年11月7日)
久しぶり(約2か月ぶり)のマリオンの料理サロンです。時はすでに秋。山では紅葉が進み、都会の木々も少しずつ赤や黄色に色づき始めています。空気もひんやりとして朝晩は肌寒いくらいです。そんな季節にぴったりの「秋のご馳走」が今日はテーマです。マリオンにとって「秋」のイメージカラーはオレンジ色だそうです。テーブルに置かれた生け花もテーブルクロスもオレンジ色。朝ふと思いついたという柿のデコレーション。マリオンのエプロンもオレンジ。
10月末のToussaint(トゥッサン:諸聖人の大祝日)で子どもさんたちの学校が休みだったのを利用して、松本、高山、金沢を旅行したときに買った大きな石灯篭。かわいいお地蔵さんの像も2体。これはフランスの自宅の庭に飾るのだそうです。全部分解して車に乗せて帰って来たとか。石工のおじさん、自分の灯篭がはるばる海を渡ってフランスの庭に飾られると聞いていたく喜ばれていたそうです。
さて本日の料理は次の通りです。
Velouté Châtaignes, Champignons et Sait-Jacques poêlées
(栗ときのこのヴルテ、帆立貝のポワレ)
きのこをバターで炒めたら、皮をむいた栗をまるごと加えて、チキンストックで30分ほど煮込みます。栗が柔らかくなたらミルクを加え、ミキサーにかけます。塩こしょうで味を調えて、深鉢に注ぎ入れます。その上に両面にこんがりと焼き色を付けた帆立貝を浮かべて出来上がり。栗ときのこが奏でるやさしいハーモニー。とろんとした舌触りのヴルテ、フランス語でスープは「食べる」といいますが、まさにそんなしっかりとした濃厚さがあります。
本日はマリオンお手製のパンといっしょにいただきます。かぼちゃの種入りのしっとり、もっちりしたおいしいパンです。日本ではなかなか美味しいパンが見つからないので、仕方なくイーストからすべて手作りで家族のために焼き始めたパンですが、今ではバカンスでフランスへ帰っても、子供さんたちは「ママのパン」しか食べないほど。
Tarte aux Champignons (きのこのタルト)
タルトの生地がいいのか、マリオンの腕がすばらしいのか、恐らく両方でしょうが、生地をのばして型に敷きこむと、全体が均等な厚さでそのきれいなこと。空焼きにはクッキングシートを器用に折りたたんでカットして円形にし、その上からあずきを重しにのせて、180℃のオーブンで10分ほど焼きます。その間にきのこを炒めます。マリオンはマッシュルームより日本のシメジのほうが味がいいと言います。塩こしょうで味付けするときに、シブレット(日本ではワケギで代用)とタラゴンも加えます。タラゴンの爽やかな香り(ちょっとアニスを思わせます)がこのタルトの隠し味。小麦粉を振り入れ、生クリームも加えてとろみがついたらできあがり。空焼きしておいたタルトに敷き込み、グルイエールチーズを全体にたっぷり散らして200℃のオーブンで15~20分ほど焼けば完成です。パイ生地はパリパリ、サクサク、フィリングのきのこはチーズと生クリームをまとって口の中いっぱいに秋の香りが広がります。
Mousse au chocolat blanc, poêlée d’ananas au Malibu et citron vert
(ホワイトチョコレートムース、パイナップルのポワレ、マリブ酒とライム風味)
ホワイトチョコレートはブラックチョコレートより溶けにくいのですね。湯煎にかけてもなかなか溶けません。カカオバターとは別な油分が入っているので溶けにくいのだそうです。ゆっくり湯煎で溶かしている間に、ゼラチン板一枚(1.5g)を水につけてふやかしておきます。ミルクを温めて、そこに水を切ったゼラチンを加え、溶かしたチョコレートに加えます。さらに固く泡立てた生クリームも加えてよく混ぜ合わせたら、容器に流し込み、冷蔵庫で4時間以上冷やしておきます。飾りのパイナップルの皮をむきます。皮をむいた後に残る黒くて固いブツブツの部分をフランス語では「yeux(目)」というそうですが、日本語ではこの部分、何というでしょう??参加者の皆さんと考えましたが、いい答えがみつかりませんでした。その部分を取り除く道具が登場。中国で買ったそうですが、この黒い「目」を取り除くためだけのカッターです。スイスイと斜め縞にきれいに溝ができました。次にライム。ここでもまた皮を千切り状にスライスするカッターが登場。薄く皮の部分だけを均等な細さと長さに切っていきます。是非手に入れたい一品です。
フライパンにパイナップルを入れて、バターとバニラシュガーとライムの皮のみじん切りにしたもの、ライム汁少々を加えて、カラメリゼします。最後にココナッツリキュールのMalibu(マリブ)を加えてフランベします。冷ましておいて、ムースを食卓に出す直前にのせ、ライムの皮の千切りものせます。リキュールの香りを残したパイナップルの甘酸っぱさと、ホワイトチョコレートのやさしい甘さにライムの香りが全体を引き締めています。「ハワイの天国の味だわ~」と感動の声。軽やかながら、いろいろな香りと味覚が重層的に口いっぱいに広がる大人のデザートです。
本日のワインは、Pays d’Oc ( Monpellier-Carcassonne)の白。Viognier 2012 「domaine Saint-Roch」軽くて辛口ながらフルーティーな風味がしっかり残ります。
マリオンの台所は「宝島」
今日もいろいろなお宝がザクザクでてきました。
刃先がカーブしたはさみ。牛乳パックなど切りやすいそうです。しかも百円ショップでみつけたものとか。
超高級オリーブオイル。1瓶7000円ほど。料理の上から香りづけにかけたりします。
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