Home > アートサロン > アートサロン茶箱:講座ご報告(2014年1月30日)

アートサロン茶箱:講座ご報告(2014年1月30日)

2014年2月1日 土曜日

本日は茶箱サロン。講師のマリオンのリビングには大小さまざまな茶箱が並んでいます。まずは参加者の方々にそれぞれ持参された和紙を見せていただきました。まるで縮緬のような風合いの和紙もあれば、型押しした皮のような張りのある和紙もあり、古典的な柄からおしゃれな訪問着の柄のようなものまで、見ていて楽しくなります。全員が揃ったところで、作業開始。昨日からちょっと風邪気味だったため大事を取って学校を休んだ4歳のルイ君が、せっせと床やテーブルに落ちた和紙の切りくずを集めてはゴミ箱へ運んでくれます。仕事がなくなると、ソファに座って本日3回目だというビデオ「ショコラ」を見始めますが、マダムたちの話声が大きいものですから、「な~んにも聞こえないよ!」と訴えます。「ごめんね、ルイ君。病み上がりなのにね。」

工程は次のように進みます。

1)本体のフタ止めになる突起部分から和紙を貼ります。糊をたっぷり塗って貼りつけたら、かならず空気を抜くこと。
2)乾くのを待つ間にフタを貼ります。茶箱でもっとも重要かつ難しいのが角の処理です。実寸より5㎜くらいの糊しろをとって和紙をカットしていきます。
3)次に本体の突出部分の上のところ -フタがかぶさるので見えないところですが、フタを開けると最も目立つ部分でもあります。ここでも角の処理に細心の注意をはらいます。
4)それから本体の側面を貼っていきます。側面の中央に紙の合わせ目がこないように、和紙のカットはかならず端で行います。完成も間近です。
5)最期に底の部分を貼ります。基本的に隠れた部分ですので、同じ和紙でなくても構わないそうです。今回は皆様、持参の和紙で十分覆うことができました。

 本日の作業はここまでです。糊が十分に乾いたら、あとは自宅でニスを最低3回重ね塗りして乾燥させます。ニスを塗ると、和紙がさらに丈夫になり、汚れもつきにくくなります。
5人の生徒の「ちょっと教えて!!」コールが止まない3時間、茶箱から茶箱へと飛び回って手取り足取り教えてくれたマリオンは、さすがに終わりのころにはお疲れ気味。

「さあ、お茶でもいかが?」と完成した茶箱の間からマリオンの嬉しい声。ルイ君がマドレーヌののったお皿を持ってサービスしてくれます。朝、ルイ君がマリオンと一緒に焼いたとか。抹茶味とオレンジ風味の2種。料理が大好きで、いつも台所でママのそばから離れないルイ君、「将来は星つきのレストランのシェフになるんだ。」なるほど、それで映画も「ショコラ」が好きなんだ!!そういえば、他のフランス人マダムのお宅へ行った時も、「息子が昨晩焼いたのよ。」と言ってお菓子を出してくださったのを思い出しました。フランス人の家庭でご主人様が料理担当とか、料理が得意とか、極当たり前のように頻繁に耳にしますが、こんな小さいときから「台所ワラシ」の男の子がいっぱいいるのですから、大人になってフライパンをふったり、パイ生地をこねたりすることに何の抵抗もないわけですね。超多忙のビジネスマンでも休日はいそいそとキッチンで家族のために料理作りを楽しむという話もゴロゴロしています。日本の若きママたち、息子さんをスポーツと勉強漬けにせず、もっといっしょに料理を楽しんでください。ゆくゆくは、共働きの妻を助け、子育ても協力するよきパパとなり、家庭平和、そうなれば妻はもっと子供を産んでもいいかなと思うようになるでしょう。ひいては日本の人口減少の歯止めとなり、国力増強。GNPが押し上げられるばかりでなく、どこかの国の王様がおっしゃったGNH(国民総幸福量)だって計り知れません。「ひょうたんから駒」ではなく、「茶箱からGNH」のサロン顛末となりました。

 



アートサロン