Home > 菓子サロン > フランス菓子サロン:講座ご報告(2014年2月3日)

フランス菓子サロン:講座ご報告(2014年2月3日)

2014年2月4日 火曜日

昨年のクリスマスに引き続き、今回はバレンタインデーにちなんでチョコレート菓子を習います。何かというとチョコレートが登場するフランスの食文化。製菓会社が考え出したバレンタインのチョコレートに踊らされている日本とは比べ物にならない文化力を感じます。チョコレート職人のフロランスが繰り出す本日のアントルメ、いやがうえにも期待が増します。

まずテーブルセッテイングを見てみましょう。ワインレッド(フランス語ではボルドーと言うそうですが)の太いストライプのクロスがかけられています。食器やグラスの周りには真紅の大きなハートがいくつも散らしてあります。しかもそのハートの周りにもごく小さなハートがまるで満天の星のように散りばめられています。招待客にその日のテーマを知らせる役目もあるでしょうし、このように時間をかけてテーブルを設える主人側の「おもてなし」の心が伝わる憎い演出です。おいしい料理を出すだけでなく、このように食卓をキャンバスに見立てて客人を目でも楽しませる工夫をこらせば、食事の前から会食者のテンションが高まること間違いありません。

本日のメニューは次の通りです。

Chèvre frais en Feuilleté (山羊チーズのパイ)

ものすごく簡単で見栄えがよく、そして美味!お勧めの一品です。作り方も材料もいたってシンプル。市販のパイシートを少しのばして、好みの型に切り、(今回は円形にしました。)中央にハーブを混ぜ込んだ山羊チーズを適量置きます。ハーブはフレッシュタイムでも乾燥のものでもOK。今日はHerbes de Provence(エルブ・ド・プロヴァンス)を使いました。チーズの上にもハーブをふって、もう一枚の同じサイズのパイ生地でおおい、少量の水でのばした卵黄を表面に塗り付けて、180℃のオーブンで20分ほど焼けば出来上がり。サラダと一緒にお皿にのせてテーブルへ。熱々のパイはサクサクしていて、山羊チーズのピリッとした風味とよく合います。ブルーチーズ系がお勧めだそうですが、にんにく風味のBoursin(ブルサン)のようなチーズでもおいしいそうです。是非お試し下さい。

 

Entremet chocolat(アントルメ・ショコラ)

まずDacquoise(ダコワーズ)から始めます。これはあらゆるお菓子のベースに使えるとても便利なレシピです。材料は小麦粉、アーモンドパウダー、粉砂糖、卵白、グラニュー糖。卵白を固いメレンゲにして粉とまぜるのがポイントです。さくさくしていて、しかもしっとり感のある生地に焼き上げます。セルクルで型抜きしてアントルメの土台にします。
Crémeux au chocolat(チョコレートクリーム)は前日に作ってよく冷やしておきます。材料はチョコレート(カカオ70%のもの)、ミルク、生クリーム、卵黄、グラニュー糖。チョコレートは湯煎で溶かしておきます。卵黄と砂糖を混ぜ、次に鍋にミルク、生クリームといっしょに入れて弱火で煮てクレームアングレーズを作ります。これを溶かしたチョコレートに混ぜいれてよくなじませたら、クリーム表面にぴったりラップをはって一晩冷蔵庫で冷やしておきます。これをダコワーズの土台に厚めに塗り付けたら食卓へ出すまで冷蔵庫で冷やしておきます。いただく直前に固く泡立てた生クリームをチョコレートクリームの上に絞り出し、干しブドウを散らして出来上がり。チョコレートクリームは思ったより甘すぎず、ダコワーズのしっとりサクサク食感と絶妙なマリアージュ。とてもとても上品なアントルメです。こんなお菓子を出されたら、彼のハートは間違いなく貴女のもの。

Truffes au Chocolat (チョコレートトリュフ)

カカオ50%以上のブラックチョコレートに沸騰させた生クリームを加えてよく混ぜます。次にバターを加えて完全に混ぜ合わせたら、冷蔵庫にしばらく入れて少し固めにします。これを手、または2本のスプーンでクネル形にして、カカオやココナツ、粉砂糖などでコーテイングします。チョコレートにはリキュールを混ぜたり、シナモンやジンジャーパウダーなどを入れてもいいそうです。

Philtre guatémaltèque au chocolat(ガテマラのチョコレート 愛の媚薬)

おもしろい名前の飲み物です。作り方はとても簡単。鍋にミルクをいれて温めます。熱湯でのばしたカカオにこのミルクを注ぎ入れ、よくかき混ぜます。つぎに蜂蜜、砂糖を混ぜいれ、バニラエッセンス、ラム酒、タバスコ、塩、ジンジャーパウダーも入れてよく混ぜたら出来上がり。ホットココアにリキュールとタバスコとジンジャーを入れるのが特徴です。確かに甘味がギュッと引き締まるように感じます。この3つを入れれば、確かに体がポカポカしてきて、気持ちが高まるかもしれません。ちなみにフロランスはご主人と結婚する前にこの「媚薬」を試したかと聞いたところ、「彼は私に首ったけだったから飲ませる必要はなかったの。」だそうです。
日を改めて、他のフランス人マダムに聞いたところ、彼女は高校生のとき、友達の家のパーティーに来た男の子たちにこのジンジャー入りの飲み物を飲ませて、彼らがどうなるか観察したことがあるそうです。確かにすごく興奮してやたら元気いっぱいになったけれど、「結局、何も起こらなかったわ。」とのことです。効果があるのかどうかちょっとよくわかりませんが、体が温まることは確かです。血流もよくなりそうですから、美容効果があるかもしれません。その結果、ボーイフレンドのハートを射止めるとしたら確かに「媚薬」には違いないですね。

チョコレート缶
女の子がかわいい

クラシックなココア缶

菓子サロン