Home > 菓子サロン > フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年6月13日)

フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年6月13日)

2013年6月21日 金曜日

連日のカラ梅雨で夏の水が心配され始めていましたが、台風の接近で本日は待望(?)の雨。時折雨脚が強くなる中、白金台のフロランスの自宅にスイーツ大好き女子が集まりました。レッスンの始まる前から、リビングやキッチンの素敵なインテリアに皆さま興味津々。鳥のいない藤製の鳥かごの中には藍染のきれいな水用の陶器が3つほどかけられています。となりには朱色のとんがり帽子を思わせる収納箱。その上の壁には様々な筆が絵画のように並んだ巨大写真。シノワズリコーナーという感じです。反対側の出窓には大きな帆船。こちらはスエーデンのお友達からのプレゼントだとか。やっとリビングからキッチンへたどり着いたと思ったらまたもや気になるものがたくさん目にとまります。まず出窓の下に置かれたスパイスラック。下に回転盤を置いているので、くるくる回ってとても便利そう。キッチンの隣の部屋に通じるガラス戸に下げられた「Laundry 」と書かれた木製のボードには小さな靴下が吊るされています。お子さんが赤ちゃんだったときに使っていたものだそうです。思い出の品を捨てずに上手にインテリア小物に再利用しています。さてさて、今度こそレッスン開始です。

必要な材料は事前にすべて計量され、カウンターに並べられています。「誰から始める?」と、フロランス。とにかく自分でやってみる、というのが彼女の主義のようです。冷やす時間の都合上、まずはVerrine de crème au citron et son crumble au chocolat (レモンクリームのヴェリーヌ、チョコレートクランブル)のレモンクリームから始めます。レモンの皮をすりおろし、レモン汁、砂糖、コーンスターチを鍋に入れて火にかけてゆっくり混ぜていきます。途中で卵を混ぜいれてとろみがついたらガラスの容器(ヴェリーヌ)に均等に分けいれて冷蔵庫で冷やしておきます。次にチョコレートクランブルを作ります。アーモンドパウダー、砂糖、バター、小麦粉、カカオパウダーをミキサーにいれて撹拌します。それをバッドに広げ、オーブンで焼きます。途中何回か出してかき混ぜると、ボソボソとしたクランブルの出来上がりです。冷ましている間にマスカルポーネに砂糖をいれてよく混ぜ合わせます。これを冷やしておいたレモンクリームの上に少量のせて、その上からクランブルを散らせば完成です。

次はTartelettes frangipane aux fraises(イチゴとフランジパヌのタルトレット)に挑戦。タルトレットは小型のタルトのことです。フランジパヌはアーモンドクリームです。まず、小麦粉、アーモンドパウダー、卵、砂糖、バター、塩を混ぜてタルト生地をつくります。ボール状にまとめて冷蔵庫で1時間ほどねかせます。レッスンではすでにねかせておいた生地を使って銘々が麺棒でのばして、型に敷きこむ練習をしました。作業台は、打ち粉で真っ白になり、四方八方から麺棒で生地をのばす腕・腕・腕…

フロランスが一つ見本を作ってくれましたが、さすがプロです。厚さは均等でぴったりと型に敷きこまれています。アーモンドクリームは、アーモンドパウダー、砂糖、バター、卵、生クリームで作ります。お気づきのことと思いますが、すごいカロリーです。生地にもクリームにもバターとアーモンドパウダー、砂糖がどっさり使われます。タルトレットにこのクリームを注ぎいれたら、オーブンできつね色に焼き上げます。飾りにイチゴをのせて上から粉砂糖を振りかけて出来上がりです。今回はイチゴをつかいましたが、他にはフランボワーズ、パイナップル、キーウイなどでもいいそうです。また、大きなタルトにして、いろいろな種類のフルーツをのせてもきれいです。さらにイチゴのクリーを作ります。イチゴと砂糖、水を合わせて沸騰させてしばらく煮たら、冷ましてミキサーにかけます。イチゴのつぶつぶをふるいにかけて取り除き、滑らかなクリーにします。大きな四角形の白い皿に、各自がタルトを載せて、クリーでデコレーションに挑戦します。そしていよいよ食卓へ移動して試食タイムです。

レモンクリームはレモンの風味が際立っています。チョコレートクランブルの食感と滑らかなクリームを交互に楽しみます。タルトレットは、フランジパヌの甘くてリッチな味にイチゴの酸味がとてもよく合います。ヴェリーヌもタルトレットも日本人の感覚の1.5倍の量で、2つのお菓子をいただいたらすっかり満腹。夕飯はパスしなければ大変なことに…。当のフロランスは、どうしたことかお菓子を一切れも口にしません。「フランスへ帰るから…」とどこかで同じセリフを聞いたような。フランス人のマダムたちは、本当にフランスへ帰ったらおいしいものをたっぷりいただくつもりなんですね。たくさん食べた後にダイエットするより、おいしいものをたくさん食べる前にダイエットするほうが精神衛生上いいかもしれませんね。

◆マダムのアドバイス:
イチゴのヘタは、洗ってからとること。洗う時にヘタを取るとイチゴが水っぽくなってしまうのね。

菓子サロン