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Sortie amicale:交流会(2)月島・佃島散策 2013年6月4日

2013年6月12日 水曜日

早々と梅雨入り宣言がでたものの、さっぱり雨が降らない関東地方。本日もカラリと晴れて散策日和となりました。フランス人マダム3人と日本人5人が月島佃島界隈をbalade(バラード:散歩)します。まずは月島を背にして時計の針とは反対回りに佃島の川沿いを一周。

佃島:
佃島は、小さな砂州だったところを江戸時代に埋め立てて、漁師たちが住むようになった島ですが、この漁師たちが只者ではなかったらしいです。本能寺の変が起きたとき、堺にいた徳川家康は、素早く逃げ帰りましたが、この時船を出して家康の脱出を助けたのがこの漁師たちで、家康は彼らのことを忘れず、江戸幕府を開いたとき、呼び寄せてこの島に住まわせたのだそうです。彼らが以前住んでいた佃という地名がこの佃島の名の由来だとか。そして将軍様に東京湾でとれた魚を献上し、残った魚を塩や醤油で煮て保存食として売り出したのが「佃煮」の始まりとも。

石川島公園:
細い路地に小さな家がひしめいているエリアを抜けると、川辺の「石川島公園」に出ました。この公園は上段と下段の二層構造になっていて、下段は隅田川の水辺近くを川の流れに沿って、広々とした散策路が続きます。木々が涼しげな影を作っている上段の散策路からは、隅田川と対岸が一望できます。遠くにはスカイツリーがビル群の上から顔を出しています。この公園の北端に「パリ広場」があるのをご存知ですか?今回の散策メンバー、フランス人も日本人もだれもこの広場のことを知りませんでした。
1997年に「フランスにおける日本年」を記念してパリ16区にPlace de Tokyo「東京広場」が作られたそうですが、(16区にそんな広場があるとは初耳!!)その返礼ということでしょうか、1999年に「日本におけるフランス年」を記念してこの公園に「パリ広場」を作ったそうです。なぜ佃島の石川島公園に? ‥ 理由は二つ。ひとつはセーヌ川を思わせる隅田川が流れているから。二つ目は、1991年に当時パリ市長だったシラク元大統領が、この公園にマロニエの木3本を贈ったからだそうです。
更にこの広場の奥に銀色に光るアーチ形のモニュメントを発見。子供たちが手をつないだ形がモチーフになっていて、アーチの上には《友情から未来へ》という銘が記されています。これは、東京フランス人学校Lycée franco-japonaisと、明正、城東、佃島小学校の子供たちが共同制作したものだとレリーフに書かれています。これを作った子供たちは今では20代の若者に成長しているはずですね。みんなどんな大人になったんでしょう?こんなにひっそりと忘れられかけている「パリ広場」、ちょっと残念な気もしますが…。
フランス人マダムたちはおしゃべりに余念がありません。「とっても気持ちがいい所ねェ!人が全然いないし、何て静かで素敵なんでしょう!」「あんな大きな桜の木が、ほら枝が川の水につきそう。春にここでお花見をしたらきっと素敵ね。」太陽が大好きなフランス人はご機嫌です。サングラスをかけて、太陽をシャワーのように浴びながら闊歩しています。かたや日本人マダムたちは日傘をさしたり、島の地図をすっぽり頭からかぶって日よけにしている方も…。
パリ広場・モニュメント

 

佃公園:
佃公園に入ると、江戸時代に使われていた船着き場などが残っていて趣が少し変わります。海上安全の守り神をまつっている佃島の住吉神社は小さな神社ですが、手入れも行き届いていて、歴史を感じさせます。ここで、メンバーのひとりのムッシュウがこの神社に奉納する「かっぽれ」という踊りをご披露くださり、フランス人も日本人も大喜び。住吉神社のカッポレは、漁師が漁をしている様子を表す踊りだそうです。
次に佃天台地蔵尊へ。ここは間口1メートルあるかないかの細い路地のなかにある地蔵堂。見所は地蔵尊ももちろんのことながら、このお堂の半分くらいを占めて天井を突き抜けて天高くそびえる銀杏の大木です。外から見ると、屋根の上に忽然と大木が現れる、という感じです。1時間少々で佃島一周の散策は終わり。お次は月島の「もんじゃ焼き」です。
佃天台地蔵尊と住吉神社

月島:
月島は佃島より歴史は新しく、明治になってから東京湾の土砂を使って埋め立てて築かれた島です。明治政府の富国強兵策により鉄工所が建設され、人口の流入もそのころから起こったようです。島の子供たちがおやつに小麦粉を水で溶いたものを鉄板で焼いて食べたものが、文字が書けるような濃度のものだったところから「もんじ(文字)焼き」→「もんじゃ焼き」となったとか。
約70店舗もある中で、本日は「蔵」へ。12時に予約を入れて行きましたが、すでにほとんど満席状態。天井には巨大空調機が4台ほど取り付けられていますが、そこから霧のような冷気がすごい勢いで流れ出ています。でも入り口は全開放、すべてのテーブルの鉄板はカッカと火が入ってモウモウと湯気と煙を出しているので、寒いとは感じません。最初にオーダーしたのは、クリームもんじゃ。お店の方が実演して作り方を教えてくれました。向島出身のムッシュウは、邪道だとおっしゃっていましたが、フランス人マダムたちはおいしそうに食べています。次にムッシュウお勧めのオーソドックスなもんじゃを注文。マリオンが挑戦します。なかなかの「ヘラさばき」です。カンカンカンと二つの金属ヘラをリズミカルに動かして、もんじゃをまとめていきます。それをお店の人がみて、「あ~ら、上手ねェ!」とびっくり。「お料理の先生なんです、この人。」と説明されて、「あ~、だからね!うまいわけだわ!」最後にやきそばを注文。粉ものですっかりお腹がふくれてしまったマダムたちは全部は食べきれません。ムッシュウは慣れたもので、お持ち帰り用の容器を店の人に頼んでいます。これはとてもいいシステムですね。今度また月島にきたら是非活用したいものです。
食後の散策は、月島の細い路地を歩きます。「見て!洗濯機が家の外にある!」「私達の声、ちょっとうるさいかしら?」「あの蜘蛛の巣みたいな電線、こわい!!」etc…フランス人ばかりでなく、日本人にも発見と驚きの一日でした。皆様、お疲れ様でした!!

もんじゃ焼き
路地散策

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