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料理サロン:講座ご報告(2015年6月9日)

6月 15th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年6月9日) はコメントを受け付けていません

PB180776  Entrance遂に昨日から梅雨に突入。暑さに湿気が加わるようになり、肌のベタベタ感が嫌な季節の始まりです。今日はフロランスの最後のサロンです。この道も、この扉も今日が見納め…とちょっと感傷的になります。次の赴任地のシンガポールに下見に行ってきたフロランスは、日曜日に日本にもどってきたばかり。それなのに私達のために料理の準備をして待っていてくれました。今回が最後とあって、今までに参加された方々が名残を惜しんで集まりました。

 

 

 

 

P6091629  verrines avocats crevettes et fromage

Verrines  avocats  crevettes  et  Fromage frais

(アボカドとえびとクリームチーズのヴェリーヌ)

涼しげなガラスの容器にアボカドのピューレ、えび、クリームチーズを順番に入れて層を作っていきます。グリーン、ビンク、白の層が美しい。最後にアボカドのピューレを絞り袋に入れてデコレーション。カクテルシュリンプも飾り、ライムのいちょう切りを飾れば出来上がり。初夏のおもてなしにピッタリです。

P6091623  finition de couches de verrines P6091619  creme en pommadeP6091617  couches de verines

 

 

 

 

 

 

P6091640  morceau de quiche

Quiche  lorraine

(キッシュ・ロレーヌ)

フランス人家庭の定番料理です。キッシュにはいろいろな種類がありますが、キッシュ・ロレーヌといったら、パイ生地に基本のタマゴ、生クリーム、ミルク、そしてLardons(ラルドン・豚胸肉の塩漬け)ですが、日本ではこのラルドンが手に入らないので、本日はハム三種で代用しています。ベーコンでもOKです。これに塩こしょう、忘れてならないのはナツメッグ。このほかチーズを入れる家庭も多いですが、フロランスのはチーズなし。スレンダーな彼女の秘訣はこのあたりにあるのかも…。出来上がりはフワフワのやさしい味。きっとフランス人の「おふくろの味」ってこういうのなんでしょうね。キッシュには、その他サーモンやエビ、きのこ、ほうれん草などアイデア次第でバリエーション豊富です。

P6091608  ingredients pour Quiche LorraineP6091611  mettre du jambon sur la tarteP6091637  Quiche Lorraine

 

 

 

 

 

 

P6091641  assiette de dessert

Cake au chocolat

(チョコレートケーキ)

チョコレート職人のフロランスが作るチョコレートケーキは興味深々です。特徴は勿論カカオ70%以上のチョコレートを使うほか、砂糖とその半量ぐらいの蜂蜜を使うこと。その他、卵、生クリーム、小麦粉、ベーキングパウダー、アーモンドパウダー、カカオパウダー、バターとリッチな材料が入ります。オーブンで焼く時は、まず200℃で5分表面をしっかり焼き、次に155℃に温度を下げてゆっくり35分ほど焼きます。温度を下げる前にケーキの上部表面に縦に切り込みを入れます。こうすればあちこちに裂け目ができずきれいな仕上がりに。焼き上がったらすぐ型からはずします。
食感はかなりズッシリしています。あれだけの材料が入っているのですから当然ですね。一切れいただけば「チョコレートを食べた!」という満足感がこみ上げてきます。

Soupe  de  fraises au basilic

(いちごのスープ、バジル風味)

これは本日のレシピーの中でも一番斬新なものでした。イチゴとバジル???と想像のつかない組み合わせですが、調理は超簡単、そして超美味。是非お試しください。
イチゴ500g(フロランスの冷凍のものを使用)と砂糖80g、レモン汁1/2個分、バジル4茎(この量はお好みで増減してください。)をすべてミキサーに入れて撹拌するだけ。バジルの代わりにミントを使ってもいいそうです。また夏以外でもイチゴとバジルを冷凍保存しておけば、いつでもこのスープは作れるとも。これを読まれた方にはちょっと未知のお味かと思いますが、是非上記分量にてお試しください。本当においしゅうございました!
このほかにフルーツのブロシェットにチョコレートソース(チョコレート250gを温めた生クリーム100㏄、ミルク100㏄の中に加えて混ぜるだけ)を添えた一品を加えてassiette de dessert(デザートの盛り合わせ)の完成です。

 

P6091614  cours (2)2年に渡り、キッチンとリビングを開放してフランスの家庭料理を教えてくれたフロランスですが、参加者の方のなかには、「おそうじとインテリアのことをもっと習いたかった」という声もありました。本当に美しい住まい方のお手本のようなフロランスの家でした。きちんと選んだオブジェをスペースを大事にしながらディスプレイすること、日本のリビングにありがちな思い出の品が所狭しと並べられているのとは大違い。そういえばフロランスのリビングには日本のものが見当たらなかった気がします。シンガポールのリビングには何か日本のオブジェが登場するのでしょうか…?シンガポールから届くフロランスの便りを楽しみに待つことにしましょう。

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2015年5月22日)

5月 31st, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年5月22日) はコメントを受け付けていません

 

P5221548  table

今日はマリオンの最後の料理サロン。ついに帰国が決まりました。参加者の皆さんも声をそろえて「残念!!」 仕方ありませんね。C’est la vie. 今日は存分に楽しみましょう。
本日のテーブルクロスはアルザスのものだそうです。縁にチェックの柄の別布が縫い合わされていて、中央にはブルーの幾何学模様の花が刺繍されています。テーブルに置かれた深いピンクの芍薬が引き立ちます。ナプキンはタイの女性支援団体がチャリティーで販売しているもの。手刺繍でアジア風の寺院や人物、アクセサリーなどが施されています。「さくら」のデザインもあるのよ~、とマリオンが奥の部屋から持ってきたのは、未使用の糊のパシッときいた同様のナプキンの山。どれだけチャリティーで買ったのやら!

さて最後のレッスンは何人かの方からリクエストのあったリエットを含めて4品。いつもの手際の良さでマリオンの料理は進んでいきます。

P5221585  salade tiede de lentilles

Salade tiède de Lentilles (レンズ豆のサラダ)

 1時間ほどぬるま湯につけておいたレンズ豆を、玉ねぎのみじん切りとにんにく、にんじんを賽の目にカットしたもの、タイム、ローリエといっしょにバターで炒め、そのあと何と白ワイン「1本」分を注いで煮込みます。ほとんど水分がなくなるまで煮たら、温かいうちにドレッシングをかけてなじませます。スモークハムの輪切りやスモークハム、スモークサーモンと一緒にあえてもいいそうです。今回はスモークサーモンと合わせました。レンズ豆の食感は思いのほかしっかりとしていて、日本の柔らかい煮豆とはまた違ったおいしさです。「健康にもとてもいいのよ!」とマリオン。少量でも結構の満腹感。砂糖を使わずカロリ―控えめ。ダイエットにいいかもしれません!!

P5221558 lentilles

P5221560  cuire lentilles avec du vin blanc

P5221576 lentilles cuites

 

 

 

 

 

 

 

P5221588  rillettes de porc maison Rillettes de Porc maison (ポークのリエット)

 再登場のリエット。これは本当に簡単で、たくさん作って冷凍保存がきくのでとても便利。といっても次から次へと解凍していただいてしまうので、すぐなくなってしまいますが。自家製のリエットを食べると、市販の瓶詰のリエットは脂ぽくってちょっと手が出ません。豚バラ肉を使っているのですが、脂肪が気にならずさっぱりしているのです。参加者の方一同「これはオイシ~イ!!」。(作り方はスタッフブログ:2014年2月13日の料理サロン報告を参照してください。)

 

P5221592  pate de campagne

Pâté de Campagne maison (パテ・ド・カンパーニュ)

これが自家製で食卓に並んだらちょっと鼻高々になれそうです。しかも作り方は超簡単。

P5221556  viande et foie豚肉500gと豚レバー150gをミンチにかけます。今日は豚バラ肉の塊を使いましたが、フランスでは豚の首のところの肉を使うのだとか。ミンサーがない場合は豚挽肉を使ってもOKですが、出来るだけ脂の多い部位を挽いたものを選んでください。脂身が少ないと、焼き上がったときパテがパサパサしてしまうようです。また、この肉を挽いたところに加える調味料の分量が重要だそうです。肉500gに対して塩13g、こしょう5g、砂糖9gが黄金比率らしいです。エシャロットとにんにくのみじん切り、コニャックかポルトー、卵一個も肉に加えてよ~く混ぜ合わせます。沢山つくってしP5221557 pate de campagneまったら、冷凍できます。火にかけない状態のものをそのままテリーヌ型に入れて冷凍し、必要なときに冷蔵庫で解凍、オーブンで焼けば出来上がり。

 

 

 

 

P5221596 Flan Patissier

Flan Pâtissier (フラン・パティシエ)

「お菓子屋さんのフラン」という名のこのお菓子、実際フランスでは菓子店でよくみかけるものだそうです。卵、ミルク、砂糖、コンスターチ(または小麦粉)、ヴァニラでクリームを作り、タルト生地の中に注ぎ入れて焼き上げます。カスタードクリームの焼菓子というのが近いでしょうか。ブルターニュにもfarというよく似たお菓子があります。今回はクリームだけをタルト生地に流し込んで焼きましたが、プラムなどのお菓子をいれてもいいそうです。ほんのりと甘くて、フワフワかと思いきや、案外しっかりと焼き上がっていて、日本の羊羹やういろうのような食感です。エスプレッソと一緒にいただく幸せのひととき!!

P5221563  preparation du flan

P5221570 verser la creme dans le moule      P5221568  cuire la creme de flan

 

 

 

 

 

「キティーはエロイ??!」

食卓ではしばし「プリクラ」が話題に。一度もプリクラに挑戦したことがないという参加者の方も多かったのですが、マリオンの話では今や日本在住のフランス人の間ではこのプリクラは大人気とか。そういえば、どこかでフランスへ帰国が決まった友人夫婦のためにその友人たちがプリクラで撮った自分たちの写真をアルバムにしてプレゼントしていP5221604  morceau du flan patissierるのを見たことがありました。ひげを垂らした男性や、まつ毛がビヨ~ンと上下に伸びてビックリ眼の女性とか…思わず笑ってしまいます。今は高機能になって、目の大きさや形まで好きなタイプにできる機種もあるとか。もはや誰の顔??というより○○さん似のプリクラ美人というべきでしょうか。更にマリオンが見せてくれたのがインスタントカメラ。プリクラのようにいろいろな細工ができるカメラだそうです。「エロキティーのデザインのもあるのよ。」とマリオン。「エロ???」「エロいキティーちゃん??」一同耳を疑いました。いや待てよ…ローマ字で書くと「Hello Kitty 」…そうだそうだ、フランス人のまたもや「問題のH」の発音!フランス語のアルファベットにも勿論「h」はあるのですが、これが日本語、英語、ドイツ語のようには発音しないのです。厄介なことに「ha」は「ハ」ではなく「ア」、「hi」は「イ」、「he」は「エ」、「ho」は「オ」というようにことごとく「h」が落ちてしまいます。それでフランス人のマリオンは「ハロー」の部分をフランス語風に発音して「エロー」と言ったのでした。ヨーロッパにはキティーちゃんのアダルト向けバージョンがあるのかと一瞬びっくりさせられましたが。

そんなこんなで毎回楽しい会話とおいしい料理で幸せな時間を提供してくれたマリオンのサロンもこれで終わりです。昨年の秋にお母様が亡くなられて一時帰国したものP5221552  coursの、帰ってきてすぐに予定の料理サロンを開いてくれました。「大丈夫?」と心配したのですが、「il faut avancer.」(前に進まなくちゃ。)という答えが返ってきました。日本の生活もその言葉通り、好奇心をもっていろいろなことにチャレンジし、日本人の私達より日本のことを知っている「頼りになる」フランス人マダムでした。

 

ありがとう、マリオン!!またどこかでいつか再会できることを願ってさようならは言いません。À bientôt ! じゃまたいつかそのうちにね!

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2015年3月7日)

3月 17th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年3月7日) はコメントを受け付けていません

今日のフロランスの料理サロンのテーマは「電子レンジで作るおもてなしフレンチ」

スピーディーに作れて美味しい料理となれば、期待も増します。参加者の方々もキリリとエプロンをして、いざキッチンへ。

P3071475  saumon et mousse de courgette

Saumon à la mousse de Courgettes aux micro-ondes

(電子レンジで作るズッキーニのムースとサーモン)

P3071426  courgettesこの季節につやつやの立派なズッキーニがすでに洗って準備されています。こんなにたくさん使うなら旬の夏がピッタリ??冬でもたまに見かけますが、結構いいお値段です。そのズッキーニを電動スライサーにかけます。これだけの量を包丁でスライスしていくのは相当大変そう。またもやこの機械が欲しくなります!!ディルとミント、にんにくとともにオリーブオイルで炒めて塩こしょうをふり、冷ましておきます。次に全卵と生クリームP3071435 robotをよく混ぜわせたら、冷ましておいたズッキーニを加えます。ラムカン型の底には硫酸紙を円形に切ったものを敷きます。こうすることで型からきれいにはずすことができます。型の側面にスモークサーモンをはりつけて、そこへズッキーニの液を流し込みます。型の縁より少し下くらいまで注いでから、電子レンジで2~3分加熱します。レンジの強度により時間は加減します。また型の大きさや深さによっても加熱時間は変わります。

P3071456  courgettes avec des herbes sauteesサラダを敷いた皿に焼き上がったムースを型からはずしてのせます。温かいうちにいただきます。ズッキーニ自体はくせのない野菜ですが、ミントやディルを加えることで爽やかな風味が加わり、スモークサーモンの塩味がアクセントのおしゃれな一品に仕上がりました。

 

P3071457  fond du ramequin

P3071459  tapisser du saumon

P3071461  verser la preparation dans les ramequins

 

 

 

 

 

 

 

P3071479  galette de pommes de terre cuite

              Galette de Pommes de terre au micro-onde

(電子レンジで作るじゃがいものガレット)

P3071438 pommes de terre rapees皮をむいたじゃがいもと玉ねぎをまたもや電気スライサーで細かい拍子切りにします。これも手で切るのは結構大変そうです。切ったじゃがいもと玉ねぎをボールに入れ、ミルクとオイル、溶き卵、塩、こしょう、ナツメグを加えて味を調えます。次にオイルを塗り付けたグラタン用の耐熱皿(少し深さのあるもの)に流し込んで、表面を平らにします。レンジ強で20分ほど加熱します。ターンテーブルのないレンジの場合には途中で皿を半回P3071480 morceau de galette転させて均等に加熱するようにします。温かいものをいただくため、切り分けるまで、オーブンのグリルできれいな焼き色をつけながら温めておきます。家庭ではメインとしていただくこともあるようですが、付け合せとしてもよさそうです。オーブンで焼いたら焼き色もこんがりつくし、食卓にのせるまでそのまま保温しておくことも可能に思います。ただ電子レンジはオーブンのように熱を放出しないので、暑い夏の料理法としては最適です。

 

P3071481  gateau chocolatGâteau Chocolat Ultra rapide (micro-ondes )

(ガトーショコラ ウルトラクイック)

P3071431  moule de gateau chocolatフロランスはさすがチョコレート職人だけあって、チョコレートを扱う腕は天下一品です。これは本当に超簡単レシピです。しかも美味!!

チョコレートとバターを電子レンジで1分ほど加熱してやわらかく溶かします。卵と砂糖をボールの中に入れて、空気をいれるように泡立て器でよく混ぜ合わせます。そこへ先ほどのチョコレートと小麦粉、ベーキングパウダー、生クリームを加えて混ぜます。型の底に合わせて切った硫酸紙 P3071440  gateau chocolat demouleを敷きます。これがあることで、こちらも型からはずすときにきれいに取り出すことができます。レンジ強で5~6分加熱します。ナイフを途中で刺してみて、何もついてこなければ完成です。

グラサージュを作ります。チョコレートと砂糖を40秒ほどレンジ強にかけて溶かします。よく混ぜ合わせて、生クリーム大さじ2杯も加えます。ケーキの表面にこのグラサージュをぬりつけて完成です。仕上げにはカラフルなトッピングシP3071445  napageュガーを振りかけます。粉砂糖をふっても素敵。

以上3品の完成です。ズッキーニのムースとじゃがいものガレットは野菜を刻むのに一番時間がかかりましたが、あとは混ぜてレンジで焼くだけ。とても電子レンジで作ったとは思えない出来栄えです。失敗しらずのガトーショコラは是非また作ってみたいお菓子でP3071447  napage sur le gateauす。グラサージュを塗り付けることで風味と食感が重層的になりました。デコレーションもアイデア次第。後日ご自宅で作ったという方のガトーショコラはとても個性的。

 

 

 

 

P3071441  au bain-marie

湯煎用鍋

P3071453  eplucher des ails

にんにく皮向き用ラバー

P3071473  moufle

つかみやすいミトン

 

 

 

 

 

 

 

食卓では『夫婦愛』について議論が白熱。フロランスのご主人様は、今でも毎週日曜日にはお花をプレゼントしてくださるとか。先週の日曜日は出張でお留守だったのですが、ちゃんと息子さんにお花を買ってプレゼントするようにお達しがでていたそうです。な~んと素敵なことでしょう。日本人は結婚して子供が生まれると「お父さんとお母さP3071484  morceau de gateau chocolatん」になってしまいますが、フランス人の夫婦はいつまでも「amoureux」(恋人)だとフロランスは言います。日本人マダムで子どもさんのいらっしゃらない方が多かったので、『皆様はいかが?』と伺ってみると、結婚したばかりの方は「amoureux」で~す!というお返事。結婚数十年もたつと「う~ん、なんといったらいいでしょう?とても楽というか、amis(友達)みたいな感じ。」とのこと。フロランスは目を丸くして、「友達?!amoureuxでなくなったら一緒にいる必P3071434  cours de cuisine要はないでしょ。」と驚きに堪えない様子。「日本人の熟年夫婦は友達か、恋人か。」が日本人マダム達の間でしばらく論争になりました。そのやり取りを心配そうに見ていたフロランスに「日本人夫婦にもamour(愛)はありますから、ご安心を!!」と申し上げたところ、やっとフロランスも満面笑みの納得顔となりました。親愛のしるしに恋人でなくても両頬にP3071462  vin blanc Macon Villageチュッチュッとキスをするフランス人。ましてや妻や夫には「好きだよ」メッセージをキスやプレゼントでいつも表明していないといられないんでしょうか。愛情も憎しみも抑制することが「美しい」とされる日本人の価値観とはちょっとかけ離れています。でも皆様は本当のところベターハーフにamoureux/ amoureuse でいらっしゃいますか???

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2014年12月5日)

12月 14th, 2014
料理サロン:講座ご報告(2014年12月5日) はコメントを受け付けていません

 

PC050879 sapin de Noel今年最後の料理サロンは、Buffet de Réveillon です。Réveillonはクリスマスイヴまたは大晦日の晩のパーティーを言います。親しい友達と集まって陽気に過ごします。そんなとき主婦が台所にこもり髪を振り乱して料理作りはちょっと悲しい。ですから事前に作っておける一口サイズの料理はとても嬉しいものですね。今日は何と5種類のおつまみと2種類のスイーツを習います。マリオンはオーブンで焼く順番に相当頭を悩ませたようですが、お見事!!気まぐれオーブンを上手に手なずけながら無駄のないローテーションで進めていきます。マリオンの手際の良さに皆様、感心することしきり。なにしろ7品目です!!さあさあご覧あれ!!

 

リビングには大きなクリスマスツリーが電飾を光らせて鎮座しています。「これはプラスティックでちょっと残念。フランスの家では毎年本物の樅の木を使うんだけど。」一番下のルイ君は、このツリーのすぐ横にあるソファーを自分専用と宣言したそうな。サンタさんが運んできたプレゼントをいち早くゲットできるポジションを確保してご機嫌のようです。

PC050875  table (2)

テーブルはクリスマスカラーのデコレーション。赤のクロスの上からシルバーの水玉を散りばめたオーガンジーの布を更にかけて華やかさを表現。クリスマスカラーのナプキンにはシルバーのリング。ステッキ型のキャンディー、シルバーのキャンドル、そして各自のお皿の横には小さな袋が…。これは前日マリオンが焼いたクリスマス用のクッキーの詰め合わせ。嬉しい本年初のクリスマスプレゼントです。前日の台所はそれは大変な騒ぎだったようです。なにしろ3kgのプティフールを焼いたとか。しかも何種類も焼いたのですから。大きな缶に詰めておいてクリスマスシーズン中、ティータイムや食後にいただくのだそうです。また、今回のように袋詰めにしてプレゼントにも。クリスマスムードが盛り上がったところでいよいよキッチンへ移動。料理開始です。

PC050916 Sable de tomates sechees et parmesan

Sablés de Tomates séchées et Parmesan (トマトとパルメザンチーズのサブレ)

おすすめの一品。サブレといってもパルメザンチーズとドライトマトのサブレです。小麦粉とバター、ドライトマト、パルメザンチーズ、卵、そして塩少々を混ぜ合わせたら、冷蔵庫で2時間ほどねかせてオーブンで焼くだけです。ドライトマトの代わりに黒オリーブやローズマリーを混ぜてもいいそうです。

 

PC050930 oeuf de caille

Oeuf de Caille en gelée aux oeufs de Saumon(ウズラ卵とイクラのジュレ)

シブレットとパセリを加えて香づけした熱湯をこして、ゼラチンとディルも加えてゼラチン液をつくります。ヴェリーヌにゼリー液を1㎝ほど注いで固めたら、そこへイクラを厚さ1㎝ほどのせ、うずらの卵2個も加え、ゼリー液を注ぎ入れて、また冷蔵庫で固めます。最後にイクラをのせて、いただくまで冷蔵庫で冷やしておきます。ゼリー液を冷蔵庫で固めながら層をつくっていくのがちょっと大変ではありますが、とてもおしゃれな一品に仕上がりました。

PC050919  Blinis de saumon fume

Blinis de Saumon fumé sur sa Chantilly au Wasabi

(スモークサーモンのブリニ、わさびのクレームシャンティー)

PC050909  cuire des blinisまずブリニを焼きます。これはロシア料理で一種のクレープ、みためも食感もパンケーキそのものです。小麦粉と同量のヨーグルト、ベーキングパウダー、卵、塩少々を加え混ぜて生地を作ります。フライパンにスプーンで生地を落として小さな円形に焼いていきます。ヨーグルトのせいでしょうか、とても優しく軽やかな食感です。生クリームにわさびを加えて弱火で加熱してよく溶かします。これを冷まして冷蔵庫で冷やしておいて、固く泡立てます。ブリニの上にこのクリームをのせ、その上にスモークサーモン、飾PC050917  Chantilly au Wasabi sur blinisりにディルやピンクこしょう、シブレットなどをのせて出来上がり。

 

 

 

 

PC050913 pain d'epices et foie gras (2)

Bouchées de Pain d’épices maison et Foie gras (パン・デピスとフォワグラのブシェ)

パン・デピスは、4種(シナモン、丁子、ナツメグ、カルダモン)もしくは9種のスパイス(先の4種の他に、アニス、フェンネル、しょうが、コリアンダー、こしょう)を加えて焼くパンケーキです。小麦粉と全粒粉、卵、べーキングパウダー、たっぷりのはちみつ、砂糖、ミルクを混ぜ合わせて焼きます。複雑な香りのする甘いケーキですが、フォワグラとの相性は抜群です。イチジクのジャムやフルール・ド・セルなどを好みでつけていただきます。これをいただくとクリスマス気分はマックスに。

PC050880   pain d'epices (farines, levure, epices )PC050894  pain d'epicesPC050912  pain d'epices en forme d'etoile

 

 

 

 

 

 

PC050930   assiette de buffet

Cuillerée s de St Jacques et Daikon en mille feuilles

(帆立貝とダイコンのミルフイユ、スプーン仕立)

 帆立貝は薄切りにして、ヘーゼルナッツオイルとライムの絞り汁を合わせたものにマリネしておきます。大根は皮をむいて薄い輪切りにします。スプーンにダイコンの薄切り一枚をのせた上に帆立貝のスライス2,3枚をのせ、またダイコン1枚をのせ、帆立貝のスライスをのせます。帆立貝の上にライムの皮をおろしたもの、フルール・ド・セルとこしょうをふって出来上がり。とてもシンプルですが、ダイコンのパリパリとした食感とライムの爽やかな香りをまとった帆立貝の柔らかな身が、口の中でハーモニーを奏でます。近年は、ヴェリーヌからスプーン仕立に流行が移ってきている印象です。他のサロンでもスプーン仕立のお料理が出ていました。

 PC050939  Brochettes de fraises au chocolat

Brochettes de Fraises au Chocolat (イチゴとチョコレートのブロシェット)

イチゴはヘタをとって、菜箸などで芯のところに軽く穴をあけておきます。チョコレートポッキーを芯に差し込みます。チョコレートを溶かして、そこへイチゴの先端をつけます。トッピングをふりかけて出来上がり。超簡単な作り方ですが、子供たちといっしょに楽しく作れそうです。イチゴの酸味とチョコレートの甘味がとても美味。華やかなイチゴの赤とカラフルなトッピングはパーテイーのテンションを高めます。

 

PC050936  petits gateaux au chocolat

Petits  gâteaux au Chocolat parsemés de Noisettes

(チョコレートとヘーゼルナッツのプチ・ガトー)

とてもリッチなお菓子です。見た目も味もカロリーも!!チョコレートとバターを湯煎でとかしておきます。砂糖と卵を全体が白っぽくもったりするまで混ぜ合わせて、とかしたチョコレートバターと、小麦粉、ベーキングパウダーを混ぜいれます。型に流し込んで、オーブンで10分ほど焼きます。その間にマスカルポーネと生クリームを固く泡立てます。そこへ溶かしたチョコレートも流し入れて手早く混ぜて、冷蔵庫で冷やしておきます。ケーキの上からクリームを絞り出し、飾りにヘーゼルナッツを砕いたものを散らします。

PC050891  alveolesAlvéoles :レシピーの中で、ケーキの型として出てくる言葉です。本来は蜂の巣の育房とか岩石の孔のことですが、確かにシリコンのこの型、蜂の巣のようでもありますね。

 

どの料理も本当に洗練されていておしゃれで美味しくいただきました。料理のスパイスはマリオンのおしゃべり。いつものことながら、「立て板に水」そのもの。次から次へと話題がわき出てきます。(通訳泣かせです…)

今回はマリオンのクリスマスについて:

フランスにいたときは、マリオンの実家とご主人の実家を一年おきに訪問してクリスマスを祝っていたそうです。マリオンの実家は南フランス。クリスマスには何とベトナム料理をいただくのだそうです。一方のご主人の実家では伝統的なターキー、フォワグラなどの料理で祝うので、毎年マリオンとご主人のどちらか一人が「ちょっと残念な」クリスマスになるのだとか。東京で過ごす今年のクリスマスはしっかり伝統的な料理が並ぶようです。エスカルゴ、フォワグラ、タルトetc、4人の子供とご主人のそれぞれのリクエストを叶えるためにはまたまたマリオンの台所はテンヤワンヤになりそうですね。とにもかくもJoyeux Noël !!

クリスマス用のビスケット缶

クリスマスビスケット缶

お勧めのアルザスワイン

アルザスワイン お勧めです!

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2014年11月18日& 26日)

11月 29th, 2014
料理サロン:講座ご報告(2014年11月18日& 26日) はコメントを受け付けていません

PB180776  Entrance今回は2回とも英語によるサロンです。少し早目のクリスマス料理を習います。ハローインが終わったばかりのフロランスの玄関にはその名残が…。
相変わらず整理整頓されたピカピカのフロランスのリビングの暖炉には、早くも薪が並べられ、クリスマスシーズンの準備が始まっています。「次のレッスンはお掃除レッスンを!!」と参加者の方に言わしめる、いつも清潔そのものの、しかもスタイルッシュなお住まいに、毎度のことながら参加者の方たちからため息が…。

 

 

 

 

PB180732  fireplace

暖炉には薪が用意されています。

 

卵型の陶器のオーナメント

卵型の陶器のオーナメント

 

PB180725 table setting

本日の料理は4品。でもあっという間に作り上げていきます。所要時間2時間半。

 

PB180756  mousse of Red bell peppers

Red bell peppers mousse, goat cheese with cumin

赤パプリカのムース、山羊チーズのクミン風味

 パプリカの皮をむくのはちょっと大変ですね。グリルで真っ黒になるまで焼いてむく、というのもありますが、ここではもっと簡単にオーブン200℃で30分焼きます。それをジップロックのようなビニール袋に入れて冷ましてからむくと、スルスルと本当にきれいにむけます。ぜひお試しください。卵やクリーム、塩、こしょう、クミン、お好みでタバスコといっしょにミキサーにかけます。これを型に入れて90℃のオーブンで30分ゆっくり焼いて、冷ましたらそのまま冷凍します。こうすることで型からはずしやすくなります。スプーン(陶器のれんげ)に山羊チーズをのせ、その上に型からはずしたムースをのせ、フルール・ド・セルとクミンシードをふりかけて出来上がり。タバスコの刺激とクミンのエキゾティックな香りがスターターとしての役割を果たしています。

PB260796  St-Jacques & Saumon

Scallops with smoked salmon

帆立貝のスモークサーモン包み

 PB180743  croissant (2)簡単ながらソースが最高に美味な一品です。どんな魚の料理にも合いそうなソースです。帆立貝は小麦粉をまぶして、半量をスモークサーモンで包んでおきます。エシャロットを鍋の中でバターと一緒に炒め、白ワインを500㏄加えて煮立てます。そこにスモークサーモンで包んだ帆立貝とそのままの帆立貝を加えて両面に軽く火を通します。生クリームを加えて塩こしょうで味を調えます。それから冷凍のパイシートから三角形(底辺約10㎝)を一人2個ずつ切り出して、底辺からクルクルと巻いてクロワッサンを作ります。卵PB180742  croissant黄を塗ったらこれを200℃のオーブンで焼いて、帆立貝といっしょに皿に並べます。ワインソースで煮たスモークサーモンと帆立貝はほどよい弾力を残して柔らかく、クロワッサンにワインソースを絡めながらいただく至福の時間です。クロワッサンは市販のミニクロワッサンを使っても。ただカリカリの焼き立てが身上なので、その場合はオーブンで少し温めて使うことをお勧めします。

 

PB260801  Turkey (2)

Turkey with dry fruits and chestnuts

ドライフルーツと栗のターキー

ターキーはまるごと使うのかと思いきや、ぶつ切りのものを使います。(これなら簡単に作れそう!!)玉ねぎ、スモークベーコンを炒めたら、ターキーも加えます。バルサミコ酢、スープストック、シナモン、蜂蜜を加えたら弱火にして1時間ほど煮込みます。途中でドライフルーツ(デーツ、アプリコット、いちじくを細かく切ったもの)、レーズン、ローリエ、タイムも加え、塩とこしょうで味を調えます。

バターで炒めた栗を添えて出来上がり。このターキーのソースは未経験の味です。甘酸っぱくて、軽やかで食欲をそそられます。ターキーの胸肉が手に入らなかったら鶏肉や豚のフィレ肉でも代用可能です。豚肉は酸味のあるフルーツと相性がいいので合いそうです。こんな簡単でエキゾティックなターキー料理もたまにはクリスマスのメインディッシュによろしいのでは?

 

PB260792  Orange cake

Orange Cake   オレンジケーキ

 

PB180734  baked cakeクリスマスのご馳走のあとで、チョコレートとクリームたっぷりのビュッシュ・ド・ノエルをいただくのがフランスのクリスマス料理のシメですが、日本人のお上品な胃袋にはちょっとヘビー??そこでこのケーキです。バター、砂糖、卵に小麦粉、ベーキングパウダー、オレンジ1個分の果汁とすりおりした皮を順番に混ぜ合わて型に流し込んで、200℃のオーブンで20分ほど焼けば出来上がりです。オレンジ果汁(2個分)とその半量の砂糖を煮立ててシロップを作ります。これをケーキが温かいうちに上から回PB180740  sirop on the cakeしかけしっかりとしみ込ませます。ケーキの上部にシロップで煮たオレンジ輪切りを半月に切ったものを並べ、好みでトッピングシュガーなどをふりかけ、粉砂糖で雪の演出をしたら出来上がりです。とにかく混ぜて焼くだけというのがステキです。オレンジの香りを楽しむケーキです。お勧めです。大人向けにはオレンジリキュールをシロップに混ぜても美味しそう。

 

食卓では楽しい会話が弾みます。気さくで優しいフロランスの人柄がまず第一のご馳走。しかも次から次へと手作りの美味な料理の登場です。やはりパーティーの主役はマダムですね。料理が出てくるたびに、テーブルの四方八方から歓声が上がり、会食者の視線はマダムに集中します。彼らの目にはシルクハットから鳩やウサギを取り出すマジシャンのように映ることでしょう。お取り寄せの料理やデリバリーのピザで世話なしパーティーもたまには悪くないけれど、やはりここぞという時に、集まった人たちを喜ばせるものは、前日からいろいろと準備した家庭の温かい料理なのでは…。メリークリスマス !!

PB180744  making croissants

PB180726 table ornament

カルチャー講座, 料理サロン, 英語

料理サロン:講座ご報告(2014年11月7日)

11月 10th, 2014
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PB070644  table (1)

久しぶり(約2か月ぶり)のマリオンの料理サロンです。時はすでに秋。山では紅葉が進み、都会の木々も少しずつ赤や黄色に色づき始めています。空気もひんやりとして朝晩は肌寒いくらいです。そんな季節にぴったりの「秋のご馳走」が今日はテーマです。マリオンにとって「秋」のイメージカラーはオレンジ色だそうです。テーブルに置かれた生け花もテーブルクロスもオレンジ色。朝ふと思いついたという柿のデコレーション。マリオンのエプロンもオレンジ。

10月末のToussaint(トゥッサン:諸聖人の大祝日)で子どもさんたちの学校が休みだったのを利用して、松本、高山、金沢を旅行したときに買った大きな石PB070648  Toro Lanterne en pierre灯篭。かわいいお地蔵さんの像も2体。これはフランスの自宅の庭に飾るのだそうです。全部分解して車に乗せて帰って来たとか。石工のおじさん、自分の灯篭がはるばる海を渡ってフランスの庭に飾られると聞いていたく喜ばれていたそうです。

 

 

さて本日の料理は次の通りです。

PB070703  veloute a la table

Velouté Châtaignes, Champignons et Sait-Jacques poêlées

(栗ときのこのヴルテ、帆立貝のポワレ)

きのこをバターで炒めたら、皮をむいた栗をまるごと加えて、チキンストックで30分ほど煮込みます。栗が柔らかくなたらミルクを加え、ミキサーにかけます。塩こしょうで味を調えて、深鉢に注ぎ入れます。その上に両面にこんがりと焼き色を付けた帆立貝を浮かべて出来上がり。栗ときのこが奏でるやさしいハーモニー。とろんとした舌触りのヴルテ、フランス語でスープは「食べる」といいますが、まさにそんなしっかりとした濃厚さがあります。

PB070691  pain de maison

本日はマリオンお手製のパンといっしょにいただきます。かぼちゃの種入りのしっとり、もっちりしたおいしいパンです。日本ではなかなか美味しいパンが見つからないので、仕方なくイーストからすべて手作りで家族のために焼き始めたパンですが、今ではバカンスでフランスへ帰っても、子供さんたちは「ママのパン」しか食べないほど。

 

PB070690  tarte demoulee

Tarte aux Champignons (きのこのタルト)

PB070665  origami pour la tarteタルトの生地がいいのか、マリオンの腕がすばらしいのか、恐らく両方でしょうが、生地をのばして型に敷きこむと、全体が均等な厚さでそのきれいなこと。空焼きにはクッキングシートを器用に折りたたんでカットして円形にし、その上からあずきを重しにのせて、180℃のオーブンで10分ほど焼きます。その間にきのこを炒めます。マリオンはマッシュルームより日本のシメジのほうが味がいいと言います。塩こしょうで味付けするときに、シブレット(日本ではワケギで代用)とタラゴンも加えます。タラゴンの爽やかな香PB070653  cuire blancり(ちょっとアニスを思わせます)がこのタルトの隠し味。小麦粉を振り入れ、生クリームも加えてとろみがついたらできあがり。空焼きしておいたタルトに敷き込み、グルイエールチーズを全体にたっぷり散らして200℃のオーブンで15~20分ほど焼けば完成です。パイ生地はパリパリ、サクサク、フィリングのきのこはチーズと生クリームをまとって口の中いっぱいに秋の香りが広がります。

 

 

PB070712 mousse au chocolat blanc

Mousse au chocolat blanc, poêlée d’ananas au Malibu et citron vert

(ホワイトチョコレートムース、パイナップルのポワレ、マリブ酒とライム風味)

 ホワイトチョコレートはブラックチョコレートより溶けにくいのですね。湯煎にかけてもなかなか溶けません。カカオバターとは別な油分が入っているので溶けにくいのだそうです。ゆっくり湯煎で溶かしている間に、ゼラチン板一枚(1.5g)を水につけてふやかしておきます。ミルクを温めて、そこに水を切ったゼラチンを加え、溶かしたチョコレートに加えます。さらに固く泡立てた生クリームも加えてよく混ぜ合わせたら、容器に流し込み、冷蔵庫で4時間以上冷やしておきます。飾りのパイナップルの皮をむきます。皮をむいた後に残る黒くて固いブツブツの部分をフランス語では「yeux(目)」というそうですが、日本語ではこの部分、何というでしょう??参加者の皆さんと考えましたが、いい答えがみつかりませんでした。その部分を取り除く道具が登場。中国で買ったそうですが、この黒い「目」を取り除くためだけのカッターです。スイスイと斜め縞にきれいに溝ができました。次にライム。ここでもまた皮を千切り状にスライスするカッターが登場。薄く皮の部分だけを均等な細さと長さに切っていきます。是非手に入れたい一品です。

PB070671  chocolat blanc

PB070669  ananas enleve ses yeuxPB070674  zetes du citron vert

 

 

 

 

 

フライパンにパイナップルを入れて、バターとバニラシュガーとライムの皮のみじん切りにしたもの、ライム汁少々を加えて、カラメリゼします。最後にココナッツリキュールのMalibu(マリブ)を加えてフランベします。冷ましておいて、ムースを食卓に出す直前にのせ、ライムの皮の千切りものせます。リキュールの香りをPB070676  ma残したパイナップルの甘酸っぱさと、ホワイトチョコレートのやさしい甘さにライムの香りが全体を引き締めています。「ハワイの天国の味だわ~」と感動の声。軽やかながら、いろいろな香りと味覚が重層的に口いっぱいに広がる大人のデザートです。

PB070697  vin blanc

 

 

 

 

 

本日のワインは、Pays d’Oc ( Monpellier-Carcassonne)の白。Viognier 2012 「domaine Saint-Roch」軽くて辛口ながらフルーティーな風味がしっかり残ります。

 

 

 

 

 マリオンの台所は「宝島」
今日もいろいろなお宝がザクザクでてきました。

PB070661 ciseaux刃先がカーブしたはさみ。牛乳パックなど切りやすいそうです。しかも百円ショップでみつけたものとか。

 

 

PB070668  couteau pour l'ananasパイナップルの「目」をカットするためのカッター。中国製。

 

 

 

 

 

 

 

PB070673   raper la zeste果実の皮を千切り状にそぐカッター。

 

 

 

 

 

 

PB070659 huile d'olive超高級オリーブオイル。1瓶7000円ほど。料理の上から香りづけにかけたりします。

 

 

素手で小豆をとっちゃうの? まだ熱いでしょう?! ー大丈夫。慣れてるもの。

素手で小豆をとっちゃうの?
まだ熱いでしょう?!
ー大丈夫。慣れてるもの。

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2014年9月19日)

9月 21st, 2014
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夏休み明けの久々のマリオンのレッスンです。一気に秋が近づいてきたという感じの爽やかな一日。でもマリオンのマンションのロビーにはやたらと蚊がいて、デング熱騒ぎのただ中ですから、皆さん大騒ぎ。何とマリオンもたくさん蚊よけスプレーとか、虫刺されの薬など用意していました。情報をいち早くキャッチして、それに対応していく順応力はさすがです。

「蚊の大騒動」が静まったところでリビングに入ると、カラフルな、そこだけパッと花が咲いたようなテーブルが目に飛び込んできました。

P9190438  table

最近購入したというライヨールのナイフに合わせて、カラフルなドットのテーブルクロスがかけられています。このライヨールナイフ、フランス語ではLaguioleと書き、ラギオールと読みます。ラギオール村で造られる高級ナイフをラギオール、ライオール(この地方のオック語でラヨール)などと呼びますが、商標登録がないため、いろいろなところで同じ名前で生産されたナイフが出回っています。ブランド名として認められていないので、本物、ニセ物という区別にはならないそうですが、安物から高価なものまであり、品質もそれなりのようです。マリオンの新しいライヨールの柄は美しい色合いのアクリルガラス製で、しかも軽いです。切れ味も抜群。1本、15000円くらいはする代物です。赤、青、緑、紫、黄色、ピンクの6色が揃っています。テーブルの中央両サイドには、ナイフと同じ6色の羽がお皿に飾られています。今日のテーブルの主役はやはりライヨールのナイフのようですね。

さて今日のお料理は、魚と野菜のマリアージュ。アルザスワインの白、リースリングのCuvé Anne-Laure 2012がお供です。

P9190460  brochette (2) -

Brochettes de Thon et Concombre(マグロときゅうりのブロシェット)

ごま油、しょうゆ、しょうがのマリネ液に15分ほど漬けたまぐろを、ピーラーで薄切りにしたきゅうりで巻きます。まぐろの切り口に黒ゴマをまぶして出来上がbrochettes de Thon et de concombreり。とても簡単。フランス料理でも最近はごま油、しょうゆ、しょうがなどのアジアティックな調味料が使われるようになってきたのですね。まぐろのソフトな食感ときゅうりのパリパリとした食感がおもしろい。お酒のおつまみにも合いそうです。もっと刺激的な風味をお好みの方にはきゅうりで巻く時わさびを少々つけても、巻いた上から唐辛子を振りかけてもよさそうです。

 

Mousse de Saumon

Croustillant de Sésame, Mousse de Saumon et Carpaccio d’Aubergines Grillées

(サーモンのムース、焼きナスのカルパッチョ、ゴマ風味のカリカリパイサンド)

折り込みパイ生地にゴマをのせてこんがり焼きあげた台の上に焼きナスのマリネをのせ、その上にサーモンのムースをのせ、もう一枚のパイをのせます。最後にミニアスパラの穂先を飾ります。グリーンサラダとバルサミコクリームを添えていただきます。こちらも様々な食感が楽しめます。パイはサクサクパリパリ、ナスはほどよい歯ごたえを残し、サーモンのムースはなめらか。小さなサイズに仕立てればアントレやアペリティフにもOKだそうです。見た目もおしゃれですが、結構ボリュームがあります。本日はメインの大役を果たしていました。

aubergines coupees

mousse de saumoncroustillant de sesameP9190473  creme balsamique                                                                                

 

panna-cota

Panna-cota coulis de Pêche blanche et Vin mousseux Café de Paris Pêche

(パンナコッタ、白桃のクリソース、カフェ・ド・パリ・ ピーチ)

Cafe de Paris Pecheこのパンナコッタの特徴は、クリームにもクリソースにもピーチのスパークリングワインが風味づけに入っていること。ピーチの香り高い、しかし思いのほか甘味を抑えた大人のワインです。缶詰の白桃をフードプロセッサーにかけてピューレ仕立てにしたクリソースのあとから、パンナコッタのツルッとしたクリームが追いかけてきます。どんなに濃厚な料理のあとでもこれならペロリといただけてしまいます。

今年の夏にバカンスでフランスへ帰ったマリオンは、友人たちに桜モチを作ってふるまったとか。すごくおいしいと言って食べた人とC’est  bizarre (妙な味ね!)と言った人と半分半分だったとか。道明寺粉やあんこ、桜の葉、桜の塩漬けまで買い込んで帰ったマリオンは、さながら日本食の伝道師!!南フランスの人口わずか100人の村でもついに日本の桜モチがデビューを果たしました。

 

cours de cuisine

 

 

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

料理サロン:講座ご報告(2014年5月15日)

5月 17th, 2014
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何故かマリオンの料理サロンの日は雨のことが多いです。今日も小ぬか雨が降っています。「料理日和」には違いないですが。今日はDînatoireです。Dîner(夕食)から派生した言葉かと思いますが、夕飯前の早い時間に集まってアペリティフだけを楽しむパーティーです。ワイン用のおしゃれなおつまみが並びます。前日や朝のうちに準備しておける料理ばかりで、パーティーでは主婦も台所には立たず、大きなテーブルに料理を並べ、ビュッフェ式に各自が好きなものを好きなだけ皿に取り分けて、リビングのソファやテーブルを囲んで床に座り込んで飲んだり食べたり…そしてフランス人のパーティーのメインディッシュはもちろん「おしゃべり」です。そんなわけで今日は昼過ぎからかなり早目のアペリティフパーティーを楽しみました。
ずらっと料理が並んだテーブル。

P5150427 tous les plats

一番奥から
Velouté de Poivron jaune(黄パプリカのヴルテ)、Mini-Tartes à l’Oignon (オニオンのミニタルト)、Taboulé au Boulgour (ブルグールのタブレ)、Muffin Jambon Olives (ハムとオリーブのマフィン)、Rillettes de Porc(ポークのリエット)飲み物はSangria(サングリア)とコーヒー。デザートはEntremet au Chocolat (アントルメ・オ・ショコラ)

P5150424 veloute Poivron

Velouté de Poivron jaune(黄パプリカのヴルテ)

冷たくしていただくのがお勧めの濃厚美味のヴルテ。

 

P5150418 tartelette oignon

Mini-Tartes à l’Oignon (オニオンのミニタルト)

P5150398 cercle pour tarteletteP5150410 taretelette oignon cremeパイ生地をセルクルの中に敷きこんで、キャラメリゼした玉ねぎに卵と生クリームを混ぜたソースを流し込んで焼き上げて、温かいうちにいただきます。玉ねぎのほのかな甘みが絶品です。

 

 

 

P5150423 taboule1

Taboulé au Boulgour(ブルグールのタブレ)

Boulgourは、小麦をもみ殻ごと砕いたもので、みためはクスクスのスムールに似ていますが、粒はもっと大きく少し茶色がかった色をしていまP5150393 Boulgourす。殻ごと砕いて使うので、ミネラルなども豊富。レバノンの代表的な料理だそうです。トマトやきうり、ミント、オリーブなどを細かくカットして、ツナと混ぜたものをヴェリーヌ(小さなガラス容器)仕立てにします。彩りが美しい!!ブルグールと混ぜる野菜はお好み次第。そのバリエーションは100種類にもなるとか。

 

 

P5150419 muffin 1Muffin Jambon Olives(ハムとオリーブのマフィン)

こちらはハムやオリーブ、グルイエールチーズを入れて焼きあげたマフィン。小さく焼けばつまみやすいし、とにかくかわいい。大きなパウンドケーキ型で焼いて切り分けていただいてもインパクトがありそうです。山羊チーズとゴマのマフィンもマリオンのお勧めです。

 

P5150429 rillettesRillettes de Port(ポークのリエット)

前々回のサロンで習ったリエットが再登場。ばら肉で作っているのにさっぱりしていて、フランスパンにつけていただくともう止まらない!これを食べると市販のリエットは脂っこく感じて食べる気になれません。

 

P5150436 entremet au chocolat

Entremet au Chocolat(アントルメ・オ・ショコラ)

サクサクのサブレ生地を焼いて、前日に作ってしっかり冷やしておいたチョコレートクリームを2枚のサブレではさみます。てっぺんには小さなチョコレートクリームの帽子をのせて、プラリネをかけます。このプラリネもマリオンお手製。水と砂糖でシロップを作り、そこへ砕いたアーモンドを加えてよくからめたら出来上がり。
「ワインを飲まないフランス人はいるけれど、デザートを食べないフランス人はいない」と言われるくらい食後の甘味は大事なのですね。家でパーティーをするときはデザート担当というご主人様もけっこういらっしゃいます。日本語学校の生徒さんだったビジネスマンは、退職したらフランスでケーキ屋を開きたいとかなり本気で話していました。かくもスイーツを愛するフランス人からは日本食にはデザートがないのが残念だとよく言われます。確かに果物、時としてアイスクリームがちょっぴり出るくらいですね。フランス人の食事はアントレ、メインディッシュ、チーズと続き、最後にチョコレートケーキやタルトなどが「ジャジャーン」という感じで登場すると、待ってましたとばかりに会食者一同から「オォッー!」という称賛の声があがります。甘~いチョコレートやクリームが食事のシメというわけです。コースの最後にごはんと味噌汁、おしんこという和食とはずいぶん違っていますね。

P5150427 sangria

Sangria(サングリア)
夏などに冷たくしていただくサングリア。作り方はいたって簡単。赤ワインにオレンジジュースなどを加えて、レモンやオレンジの輪切りの他、好みでシナモンスティックなどを入れて冷やします。炭酸で割る場合もあります。甘い飲み物ですので、女性向きかもしれません。

テーブルの料理をお皿にいっぱいのせて、片手にサングリア。おしゃれなアペリティフパーティです。しかも話好きのマリオンは、身振り手振りも交えてフランス語と日本語のチャンポンでみんなを笑わせて大サービス。おいしい料理とおいしいワインに楽しい語らいの時間、これこそが人生のエンジョイの達人、フランス人の「おもてなし」です。嬉しいことにマリオンの滞在があと1年延びました!まだまだいろいろ教えてもらえそうです。次回は夏休み明けの9月の予定。このおフランス的時空間、まだ未体験の方にも是非一度は味わっていただきたいものです。

料理サロン

フランス料理サロン:講座ご報告(2014年3月20日)

3月 24th, 2014
フランス料理サロン:講座ご報告(2014年3月20日) はコメントを受け付けていません

P3200285  table  3

今回のマリオンの料理は「シーフード」。料理に合わせてテーブルコーディネートも「海」がテーマです。ブルーのサテンクロスは海。皿の上にはエンゼルフィッシュに折られたナプキン。テーブル中央には大小様々な貝が並んでいます。お子さんたちと一緒に知恵を出し合って出来上がった素敵なテーブル。ただひとつ、「テーブルの真ん中に砂を敷いたら浜辺になるよ!」というアイデアは即却下されたそうですが…。

外は雨ですが、きちんと整頓されたキッチンは明るいオレンジ色の電灯が灯されて、On va commencer !(始めましょう!)の掛け声とともに料理開始です。マリオンいわく、「今日の料理はちょっと上級コースよ。」
まずはメインのNage de crustacés et coquillages en croûte からスタートです。アサリを白ワインで蒸したり、野菜を炒めたり、アサリの蒸し汁に生クリームを加えてソースを作るなど、加熱、冷却という過程があるので、一番時間がかかります。

P3200296 cuire des coquillages 「サフラン事件」
ソースを作る段階で、ふっとマリオンに料理の神様が降臨しました。「そうそう、このソースにサフランを入れたら絶対いいわ。色もほんのりクリーム色になるし、香りもずっといいはず!!」キッチンのカウンターの下にはありとあらゆるスパイスが並べられています。回転式の棚を何回もくるくる回して、サフランを探しますが、見当たりません。色付けなら「ターメリックは?」という声も上がりましたが、ちょっと風味が違います。「ない!仕方がない。あれがあったら絶対もっとおいしいのに…」残念そうにマリオンはあきらめてあさりのだし汁と生クリームを合わせてミキサーにかけます。しかし、途中で再び「絶対にあるはずなのよ。サフラン。前に見たもの!!」とマリオンはスパイスの棚を物色します。ありません。「おかしいわねェ…残念だわ。絶対サフランを入れたら違うのに!」そしてまたミキサーのスイッチを入れて撹拌しますが…。「おかしい!!絶対あるはずなのに!!」あきらめきれないマリオンは、またもやスパイス棚の捜索開始。「あった!あった!」目を輝かせて立ち上がったマリオンの手にはサフランの瓶が!サフランのパウダーを数回振り入れたマリオンの勝ち誇った顔といったら!!彼女の料理に対する情熱に参加された皆様もおもわず「オーッ!!」と雄叫びを挙げたのでした。

「魚は築地で!」P3200306 Nage  mettre des ingredients dans les bols
メインのNageに使用するあさり、エビ、帆立貝、鮭、そしてアントレ用のマグロもすべてマリオンは前日に築地へ仕入に行っていました。種類が豊富だし、新鮮、そして安いのだから、築地がベストよ!確かにエビは美しいオレンジの縞模様も鮮やか。帆立貝もぷっくりと肉厚でつやつやしています。まぐろの切り身は真紅でうっすら表面に脂がのって光っています。

「食器は料理に合わせて調達せよ!」Nage  ingredients et sauce
このNageのためにマリオンはアマゾンですてきな容器を購入しました。白地に藍色の線が幾筋か描かれた涼しげな器です。ところが届いたらなんとプラスティックで、オーブン使用不可。あわてて彼女御用達の合羽橋まで駆けつけ、白い耐熱の容器を8こ購入。これを聞いた参加者の皆様、申し訳なさにフッとため息。

「折り込みパイはホームメイドで!」
折り込みパイは大変!というのが世間一般の認識です。マリオンもそう思っていました。ところが、フランスの料理嫌いの隣人が新年のパーティーで折り込みパイを作ったと聞き、マリオンは俄然発奮しました。その隣人が参考にしたというYou Tubeの作り方をみたところ、とても簡単に作れることを発見。今回もその作り方を教えてくれました。長い長方形に延ばして三つ折りにするのP3200310 Nage  couverte de pateをフランス語でun tour(アン トゥール)というそうですが、マリオンはこれを2回ずつやっては寝かして、合計6回six tours (シ トゥール)してから、Nageの容器にかぶせました。このトゥールを数多くやればやるほど生地はサクサクになるそうです…。確かにすごく難しいわけではありませんが…こっそり皆様で「市販のものを使いましょうかね?」と言いあうことに。でも小麦粉とバターが同量入るこの折り込みパイ生地、目の前でバター一箱分が小麦粉の中に飲み込まれていくのを目の当たりにし、食べるときにはカロリーのことは絶対考えるな、というマリオンの教えを胸に畳み込んだのでした。

「イタリアンメレンゲ」
デザートのスフレグラセは、イタリアンメレンゲを使います。普通のメレンゲと違うのは、卵白を固く泡立てたところへ熱々のシロップを混ぜいれるところです。今ちょっとしたブームのマカロンはこのイタリアンメレンゲで作るそうです。イタリアンメレンゲは、普通のメレンゲに比べてつぶれにくく、しっかりしています。フランボワーズと混ぜるときも、泡がつぶれにくく扱いやすいです。

「料理上手のママを持つ息子たち」P3200327 pain de Marion
マリオンは4人の子供がいます。そのうち、5歳と11歳が男の子。5歳のルイは将来「星つきのレストランのシェフになる」のが夢で、いつも台所でママにぴったりくっついて料理を手伝っています。彼は将来結婚したら、「奥さんに料理を教えてあげる」そうです。一方、11歳のマキシムは、家族の中で父親と同じくらい食べる大食漢。将来は「料理の上手な奥さんを選ぶ」そうです。フランスでは、マリオンも仕事を持っていたので、もちろんパンは買っていましたが、日本では美味しいパンが簡単には手に入らないので仕方なく自分で作ることに。ところが日々この自家製パンに慣れてしまった息子たちは、フランスの近所の人たちがパンを買っている光景をみて、「どうしてあの人たちは自分でパンを作らないの?」と聞く始末。「何でも当たり前になってしまうのはいいことじゃない。」とマリオンはちょっぴり心配顔。君たち、ママのように毎日胃袋を美味しいもので満たしてくれる女性はそんなに簡単にはみつかりませんよ!

 

P3200332 Tartine de thon 2

Tartine de Thon mariné aux Tomates , Basilic et Parmesan

(マグロのマリネ、トマトのバジル風味、パルメザンチーズ)

 アントレにもアペリティフにも出せる日本人ごのみのテイスト。バジルの風味が食欲を増します。マグロのマリネとパルメザンチーズがこんなによく合うとは!カリカリのパンとマグロのしっとりとした食感がおもしろい。

 

Nage a table

Nage de Crustacés et Coquillages en Croûte(シーフードのナージュ、パイ皮包み)

 こんがり黄金色に焼き上がったパイをフォークで穴をあけたところから、シーフードの旨味を含んだ香りが一気に噴き出してきます。サクサクのパイを崩しながら、えびや帆立、鮭のいろいろな食感が楽しめるおもてなし料理です。

 

souffle glace framboises 1

 Soufflés glacés aux Framboises (フランボワーズのスフレグラセ)

 アイスクリーム?スフレ?美しいピンクのフランボワーズの軽やかなデザートです。カシス、ストロベリー、ブルーベリーでもおいしくできるそうです。フランボワーズの酸味がさわやかです。

flan patissier

 Flan Pâtissier (フラン パティシエ:菓子職人のフラン)

 メニューにはなかったお菓子をマリオンが特別に準備してくれていました。材料はミルク、卵、砂糖、コーンスターチにバニラ。プリンをちょっと固くしたような滑らかで懐かしい味。

P3200330 vin de jour Alsace Riesling 2010本日のワインは、vin d’Alsace  Riesling 2010 (アルザスのリースリング 2010年)です。フルーティーながらキレのいい白は、シーフードの繊細な旨味にマッチしています。

料理サロン

フランス料理サロン:講座ご報告(2014年2月13日)

2月 16th, 2014
フランス料理サロン:講座ご報告(2014年2月13日) はコメントを受け付けていません

マリオンのリビングの大きな窓の向こうには鉛色の空が寒々と広がっています。室内の暖かさと外の冷気が窓ガラスを境にせめぎ合い、水滴が幾筋もガラスの上を流れて行きます。こんな日は、台所で火にかけた鍋の中で肉がクツクツと煮える音や、チョコレートがオーブンの中で焼ける甘い匂いに包まれてホッコリしていたい、まさに「料理日和」です。「今日はどれも超カンタンよ。ただ煮る時間が長いだけ!!」とマリオンの元気な声でレッスンが始まります。

本日のメニューは次の通りです。

Entrée(前菜) :Rillettes de porc (豚肉のリエット)

こんなに簡単に本格的な味のリエットが作れるとは!!感動のレシピです。とにかく豚のバラ肉をスパイスとにんにく、月桂樹の葉、そして塩こしょうを入れてコトコトと3~4時間煮込むだけ。市販のリエットのように脂っぽくなくて、舌触りも滑らか。バゲットにたっぷり塗っていただくと、ワインが進みます。そのままでも十二分に美味しいですが、粗塩やエスペレットを少々ふっても味に変化がつきます。一人ずつに小さな容器に入れてサービスされました。心憎い演出です。

Plat(メイン)    :Navarin d’Agneau (子羊肉のシチュー)

アニョー(子羊肉)の独特の臭いが苦手な人は、日本人だけではなく、フランス人にもいるそうです。でも、復活祭のときにはやはり欠かせないのがこの料理なのだそうです。調理はいたってシンプル。玉ねぎ、にんじん、かぶと肉をコトコト煮込みます。にんにくとたっぷりの白ワイン、トマトペーストが味の決め手。肉は柔らかく、かぶとにんじんの甘味が絶妙です。寒い日にフーフー言いながらいただくには最適の料理です。付け合せにポテトを添える場合もあるそうですが、マリオンのおすすめはクスクスの付け合せ。

 

 

Dessert(デザート):Fondant au chocolat avec sa crème anglaise

(フォンダン・オ・ショコラ, クレームアングレーズ添え)

バレンタインの前日にぴったりのチョコレート菓子です。チョコレートとバター、卵、小麦粉少々を混ぜたフィリングの中にチョコレートの塊をひそませてオーブンで焼き上げます。熱々のケーキにクレーム・アングレーズを添えます。ケーキを割ると、中からチョコレートがトロリと流れ出てくるところを、クレーム・アングレーズと混ぜていただきます。温かいチョコレートと冷たく冷やしたクリームのマリアージュです。クレーム・アングレーズを作る時間がちょっと…という方には代わりにバニラアイスをお勧めいたします。焼き立てが身上のお菓子ですから、サービスする直前に焼き上げます。作った人の心のように熱々のとろけるチョコレートケーキは、きっと相手の心と胃袋を「わしづかみ」にすることでしょう。

本日のワインは、初めCôte de Castillon (コート・ド・カスティヨン)を用意していましたが、マリオンがサービスする前にカラフに移したものを試飲したところ、「おいしくない!」ということで、別のボトルになりました。「これはブッフ・ブルギニョンにでも使うわ。」そしてサービスされたワインがこちら。Tour St. Bonnet Médoc 2008。アニョーに負けないパンチのあるワインです。今日のようにホストは客にふるまう前に、自ら試飲して、そのワインの味に責任を持つのですね。かつて本国帰国が決まった生徒がワインをプレゼントしてくれたことがありましたが、その銘柄を聞いた彼女のご主人様は「とんでもない!」と翌日わざわざ違うワインを届けてくださったことがあります。今日のワインといい、そのときのワインといい、こちらには余り違いがわからなかったかもしれませんのに…。

高級なレストランでワインを注文すると、まずはソムリエが恭しくワインの栓を抜き、注文した人物に「いかが?」とグラスに少し注いで試飲させますね。もし美味しくなかったら、そのように言えば別のワインと取り換えてくれるそうですが、ちょっと勇気がいります。そのような状況を作らないのがまたソムリエの仕事でもありましょうが、出されたワインがどれも美味しいと感じられる「味覚の幅」(言い換えれば「味音痴?」)に甘んじているのが身の程と思っております。

リエットをここまでの完成度に高めるまでには何回も試行錯誤を重ねたというマリオンの味覚に対する妥協のない真摯さ、こういったマダムたちの繰り出す家庭料理がフランス食文化を下支えしているのだと痛感します。完成したレシピーをいただいて、その通り作りさえすれば感動の料理が再現できるこのサロンは本当にお勧めです!研鑽して得た秘訣まで惜しみなく教えてくれるマダムたちとの友好の絆を大切にしたいものです。感謝!!

 

料理サロン