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フランス現代映画教室:講座のご報告(2012年11月29日)

12月 16th, 2012
フランス現代映画教室:講座のご報告(2012年11月29日) はコメントを受け付けていません

ミシェル・プラノ・ガルニエ今回は映画の講座です。あまり馴染みのないフランス現代映画についてミシェルに紹介してもらいました。彼女のフランス映画に対する情熱がヒシヒシと伝わってくる内容で、紹介された作品は全部で14作品(!)集まった方々も「映画大好き人間」とあって熱心に耳を傾けていました。どれも是非見たいと思う作品ばかり。日本で入手できる日本語の字幕付きDVDをたくさん紹介していただきましたが、その中からいくつかご紹介します。

講座風景
INTOUCHABLES(最強の二人)
2千万人の観客を動員した今年のメガヒット作。身体障害者で超インテリの大富豪と貧民街育ちの無教養なアフリカ移民の青年が、ひょんなことから雇い主と雇われ者の関係になり、最後には強い友情の絆で結ばれるというとても「いい」お話。しかもこれは実話。映画の最後には実際の二人の映像も流されます。欧米の金持ちというのは半端ではない!ということを見せつけられる映画でもあります。(これはまだ日本語字幕のDVDが出ていませんが、近々発売になるだろうとのことです。)
LA GUERRE EST DECLAREE (私たちの宣戦布告)
愛し合った若いカップルが結婚し、子供が生まれる。そこまではごく普通の話ですが、この子供に脳腫瘍があることが判明。そこからこの若い両親の「闘い」が始まります。シリアスなテーマですが、決して暗くない、むしろ勇気をもらえる作品です。こちらも実話です。この映画の監督で主演でもあるヴァレリー・ドンゼッリと主演男優のジェレミー・エルカイムは、かつては夫婦で、その二人の間に生まれた息子の難病が題材になっています。こちらも映画の最後のシーンでは彼らの8歳になった実際の息子が登場するそうです。このパターン、今のトレンドでしょうか?
UN SECRET(ある秘密)
こちらはミステリアスなドラマ仕立てです。あるときから両親に何か秘密があると感じ始めた子供が、だんだんとその「秘密」にたどり着くまでのお話。第二次世界大戦をはさんで話は展開していきます。この映画の見所は、モノクロとカラー画像の使い分け。過去のシーンは鮮やかなカラーで、現実はモノクロで描かれています。そうすることで監督は何を意図したのでしょう?

フランスの映画事情について:
受講者の皆様と記念撮影
フランスではすべての映画のチケット1枚につき、その料金の15%がCNC(国立映画センター)に振り分けられ、フランス映画製作の資金源として蓄えられ、フランス映画振興に使われています。(日本の映画人が聞いたら羨ましくて涙が出る話ですね。)そのおかげで、毎年150余りの映画が製作されているそうです。1週間にに2〜3本新しい映画が登場している計算です。
たくさん映画のダイジェストを見て、いろいろなことを学び、にわかに賢くなったような錯覚に頭が酔いしびれ、そろそろフランス語が美しい音楽のように聞こえ始めたころ、ミシェルお手製のリンゴタルトがふるまわれて、口の中までフランスの味で満たされました。素敵な中国のタンスの前で、記念写真をとって楽しい午後はお開きとなりました。
最後のおまけは映画用語のいろいろです。
Film décomplexé:最近のアメリカ映画の影響を受けた新しいジャンルの映画
Film choral:主役のいない、登場人物それぞれが等しく重要な役割を演じている映画
Comédie dramatique:ハッピーエンドであれ、悲劇であれ、コミックな要素を含んだ映画
Comédie sentimentale:ラブストーリーが中心の映画
Un nègre:本来は「ニグロ、黒人」の意味ですが、映画用語では「黒子」英語の「Ghost writer」の意

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