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Sortie amicale 交流会(8)皇居参観 2016年3月11日

3月 15th, 2016
Sortie amicale 交流会(8)皇居参観 2016年3月11日 はコメントを受け付けていません

P3112165 kokyo iriguchi

皇居の東御苑を訪れた方はかなりいらっしゃると思いますが、インターネットから皇居の内側の敷地を参観申し込みできることをご存知の方はあまり多くないかもしれません。今回は宮内庁が行っている皇居参観に参加いたしました。総勢16人(外国人10人、日本人6人)が午後13:30開始の参観のために桔梗門前に集合。今日は2月初めに舞い戻ったような寒さで、冷たい小雨もパラつく天気。前の日には雪がふるかもしれないという天気予報でしたので、大雨でもない雪でもないこの天候に感謝しなければ…なのですが、本当に寒いのです。ブルッ!集合時間の1時10分になってもまだ5人くらいの参加者が到着していません。全員揃わないと中に入れないので、みんなフードを被っ たりして、寒さに青ざめた顔で待たされています。大手町駅の地下でかなりの人が道に迷ったようです。最後の一人の到着を待たずとにかく中へ入れてもらいました。最後の一人は、宮内庁の職員の方が名簿を預かり、身分証明書でチェックして入れてくれることになりました。門を入ってすぐ右手の建物の中で、外国人用のイヤホンガイドを受け取ったり、売店で菊のご紋のはいったお菓子やグッズのお土産を買っているうちに最後の一人も到着。ビデオでの参観コースなどの説明を館内でしているのですが、日本語がわからないこともあってフランス人たちは売店入口でおしゃべり。もちろん声を落としてはいましたが。

 

宮内庁正面玄関

ホッと息つく間もなく、いよいよ参観のため冷え冷えとした皇居の庭へ出ていきます。私たちの他にもたくさんの日本人や外国人が参加しています。100人ぐらいはいるのではないでしょうか。私たちのグループは最後尾につきました。そのあとから宮内庁の職員の方が二人ほどついてスタート。列の前のほうでスピーカーを持った職員の方が要所要所で説明しているのですが、遠くて聞き取れません。後尾についた職員の方にいちいちイヤホンガイドの番号を確認して、「今は3番と4番」などと知らせてまわります。

皇居内の橋の向こうにオフィス街の摩天楼

皇居内の橋の向こうにオフィス街の摩天楼

一般人が参観できるのは皇居敷地の一部だけで、2重橋の奥にはさらに天皇の居住敷地が広がっています。生憎の天候ではありますが、静かな皇居の森から皇居広場、その奥にそびえたつ丸の内街の摩天楼を望む景色は、一般人にはなかなか見られない光景です。天皇の視界とはこんなものかと思います。「民よ、朝から晩までご苦労である」と日々感慨をもってご覧になっているのでしょうか。

参賀に使われるバルコニーは意外と低い

参賀に使われるバルコニーは意外と低い

一般参賀のニュースでよく見る天皇ご一家が居並ぶバルコニーのある宮殿は、意外にも低層の造りで、すぐ目の高さにバルコニーがあるのです。この宮殿ができる前は、宮内庁の建物のバルコニーから挨拶されていたということですので、まさに現代の天皇は国民の目の前に降りていらしたといえます。帰路、庭園の植え込みに白い帽子をかぶった一団が整列して参観者たちに手を振っています。「あの人たちは誰??」とフランス人。「皇居の庭園をお掃除するボランテイアのグループ」と説明したら、「天皇のファンクラブ?」と返ってきました。フランスにも革命後も「王室のファンクラブ」というのがあるそうですが、こんなに組織的に大人数ではないので「すごい」と言って目を見張っていました。一人のフランス人マダムが大声で彼らに「ガンバッテクダサ~イ!!」と声をかけたら、あちらからもヤンヤの拍手と笑いがかえってきました。

関東大震災でも富士見櫓の石垣は崩れなかった。

富士見櫓の説明で「昔、将軍はここから富士山を眺めていたのでこの名前がついた」と聞いたあるフランス人は「あら、私は毎日自分のマンションの窓から富士山を見てるわ。」なんでも高層マンションの21階にお住まいだとか。日本人と外国人とでは興味の視点がちょっと違うところもあったかもしれませんが、とにかくも寒~い参観を終えてやれやれ。

 

P3112161 Wadakura mon funsui kouen restaurant

和田倉噴水公園レストラン

数人の方を除いてほとんどの参加者はこのあと暖を取りに喫茶店へ直行しました。桔梗門から徒歩5分ほどのところにある「和田倉噴水公園レストラン」、ここはパレスホテル直営のレストランで、大きな開口部のガラス窓は皇居と噴水公園に面していて、天井も高く、開放感があります。席数も多いので、10人くらいでも席を作ってもらえました。ランチタイムにはビュッフェでかなりの客が入っていたようですが。皇居散策のあとのティータイムにはお勧めです。温かいカップを両手で包んで皆さま、「温まるわ~」とやっとホッとした表情になりました。遅刻者続出とあまりの寒さに今回は集合写真を撮りそこないました。皆さま、風邪をひかないように気を付けてお帰りくださいね。

 

後記:

今回は参加者の方々の写真がない代わりに、皆さまの声を載せておきます。

寒がり、冷え性で霜焼け症の私には流石に寒かったですが、お蔭さまで風邪も引く事無く楽しむことが出来ました。こういう機会でも無いと皇居など行く事無いのでとても良い機会でした。又楽しい企画を楽しみにしております。(Madame T.)

生憎の寒空の中での皇居散策でしたが、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。鎌倉で一緒だったフランス人 の方もいらして、かなりデタラメなフランス語でのおしゃべりもできて楽しかったです!(Madame I.)

おかげさまで、楽しい散策となりました。皆さん楽しい方達で、あまり通じないながらも、十分楽しむことができました。( Madame W.)

Merci beaucoup à vous d’avoir organisé cette sortie qui nous a permis de prendre l’air même si le temps était maussade. Non pas de souci je n’ai pas pris froid, il est vrai que la boisson chaude que nous avons partagée après dans le café était la bienvenue ! ( Madame R. )

 Comme d ‘habitude j ai passé un très bon moment avec vos amis d IBS! L’ Empereur a beaucoup de chance avec ce bel espace au coeur de la capitale. (Madame H.)

 

 

交流会

料理サロン:講座ご報告(2016年2月20日)

3月 1st, 2016
料理サロン:講座ご報告(2016年2月20日) はコメントを受け付けていません

P2202110 salle a manger昼過ぎから雨が強く降り出し、風も強くなるという天気予報の土曜日。皆さまと駅で待ち合わせてソフィの家に着くまでは何とか天気がもちましたが、しばらくすると通りを歩く人が傘をさす姿がチラホラ。家の中で料理をするにはもってこいの雨の休日になりました。土曜日なので子供さんもご主人もチラチラ姿が見えます。いかにもフランス人の友人の家に遊びにきたようなオープンな雰囲気です。ソフィの快活な人柄に参加者の方たちは安堵された様子で、エプロンをつけてカウンターの回りに集まります。今日はフランスのアルザス地方の伝統料理です。アルザス地方の食卓では余りアントレ(前菜)を準備しないそうで、スープなどのあとすぐメインディッシュになるのだそうです。タルト(ヴァリエーションがすごいです。玉ねぎタルト、にんじんタルト、キッシュ等々)もよく作られるとか。またソーセージを使った料理も伝統的だそうですが、日本ではこのソーセージが手に入らないということで本日のメニューは日本でも材料が手に入りやすいものが選ばれました。

 

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Velouté au chou-fleur et Roquefort

(カリフラワーのヴルーテ、ロックフォール添え)

 カリフラワーとジャガイモをブイヨンの中でゆでて、柔らかくなったらミキサーにかけます。バターと生クリーム、塩、こしょうで味を調えます。好みでにんにくやオレガノを加えてもOK。スープ皿によそい、ロックフォール(または他のブルーチーズ)を薄くスライスしたものを数片中央にのせ、みじん切りにしたパセリも飾って出来上がり。ソフィは本格的なフードプロセッサーのミキサーにかけていましたので、ヴルーテはその名の通り、まるで「ビロード」のような滑らかさです。塩分控えめのヴルーテにロックフォールを少し混ぜていただくと、野菜のやさしい味にピリッとしたチーズの塩味が絶妙にからみます。作り方は至極簡単ながら、美味かつお洒落な一品に仕上がりました。

 

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Fleischschnaka

(フレイシュシュネッカ)

アルザスの言葉でFleischは「肉」、Schnaka は「かたつむり」。肉をロールケーキのように生地でクルクルと巻いたものをスライスした形からこの名前がついたそうです。生地は、小麦粉、卵、水、塩、酢少々を混ぜ、こね合わせます。酢は卵黄を酸化させるので、生地が水っぽくなりません。これを1時間ほど寝かせておいてから、長方形にのばします。牛のひき肉は玉ねぎとニンニク、エシャロット(適宜)をバターで炒めます。これに生の豚挽肉、卵、ニンニク、パセリ、チャイブの刻んだものを加えて混ぜ、ナツメグ、塩コショウで味を調えます。これをのばした長方形の生地に塗り、ロールケーキと同じ要領で最後まで巻き上げます。次にこれを1.5㎝~2㎝の厚さの輪切りにします。フライパンにオリーブオイルとバター少々を入れて熱し、そこへ輪切りにした生地を並べ、両面をきれいなきつね色になるまで焼きます。最後に熱したブイヨンをひたひたに加え、弱火で15分~20分蒸し煮にします。ソフィは「餃子と同じね。」と言いますが、確かに餃子の輪切りです。
皿にこの輪切りを2つずつ並べ、上から熱々のブイヨンを回しかけ、グリーンサラダ添えて熱いうちにいただきます。想像を超えたお味です!!美味しい!!生地はほどよい固さのパンを思わせ、ブイヨンに浸されてもべしょべしょにならず、適度な歯ごたえを残しています。中のひき肉は本当に餃子のようなお味です。フランス料理は今までに数知れず習いましたが、この食感は初めての経験です。また、raifort(ホースラディッシュ)をつけながらいただくと更に美味。全体にとてもサッパリとした味のところへホースラディッシュのかすかな辛さがアクセントになり、あとをひきます。フランス料理と一口にいっても本当にいろいろな料理があって奥が深いとつくづく実感いたしました。

P2202104 vjiande etalee sur la pate FleischschnakaP2202105 Fleischschnaka roule P2202109 sauter morceaux de Fleischschnaka

 

 

 

 

 

 

 

P2202130 tarte aux pommes cuite

Tarte aux Pommes à l’alsacienne

(アルザス風りんごのタルト)

フランス人はいとも簡単に生地を作ってしまいます。そして本当に失敗しません。普通の練りこみパイ生地の材料(小麦粉、バター、塩、水少々)の他にお菓子には砂糖が加わります。ソフィのレシピでは、バニラシュガーも入ります。よくフランス人マダムの料理レッスンでみかけますが、皆さんお砂糖の中にバニラの鞘を数本いれて自家製のバニラシュガーを作っています。香りも確かにはなやかです。それからソフィのりんごタルトでおもしろいのはりんごの並べ方です。りんごタルト用のりんごは普通薄くスライスして放射線状に並べていくのをよく見ますが、今回のりんごは5㎜くらいの厚さにスライスしたものを端から垂直に立てて中心へ向けてぎっしり並べていきます。ボリューミーでインパクトがあります。これをオーブンで25分ほど焼いたところでフラン液を流しいれます。フランは卵と生クリーム、砂糖を混ぜて作ります。フランを流し込んでからはオーブンの温度を下げてさらに15分ほど焼きます。型から外しますが、焼く前に硫酸紙またはクッキングシートを敷きこんでおきますので、きれいに取り出せます。最後にシナモンを振りかけて、切り分けてサービスします。りんごの表面がカリッと焼けていて、中はしっとり、しかもフランをまとってりんご本来の甘さも残しています。なんとも美味しい!これは是非一度、この並べ方で作ってみたいと思います。

P2202089 pate de tarte aux pommes P2202092 mettre pommes dans la tarte P2202094 pommes dans la tarte

 

 

 

 

 

せっかくの休日にママを私たちにとられてしまった坊やは、何かとママの気をひこうとキッチンへ入ってきます。「ママ~ン!!」初めは「ウイ!」と笑顔で答えていたソフィも度重なるにつれ、「もう、いい加減にしなさい!」と厳しく叱ります。他人の前では余り怒らない日本人の母親とは違って、フランス人のママにはよそ行きの顔はありません。子供を怒っているときは、こちらが思わず身を縮めてしまうくらいコワイです。その顔を今度は私たちににこやかに向けて、ソフィは忙しい。出来上がった料理は大きなテーブルでソフィのご家族(二人の息子さんとご主人様)も加わって賑やかにいただきます。スープのときはワインをサービスしないのだそうで、メインディッシュのとき冷たく冷やしたアルザスのリースリングがグラス
P2202134 morceau de tarteに注がれます。やはりいついただいても美味しい!!話題は今夏ご一家で移り住むドバイの話に。残念ながらソフィのご主人様の転勤が決まったとのこと。東京では自転車で思う存分散歩を楽しんでいたソフィですが、ドバイでは自転車を乗り回すわけにはいかないようです。どこへ行くにも距離があり、車社会のようです。料理だけでなく、このようにソフィのご家族と一緒に食事をするといった体験は、まさにプチ留学、まるでフランスでホームステイをしているような錯覚にとP2202107 en cours らわれます。「今日はフランス語のシャワーを浴びて楽しかった!!」とは参加された方のご感想。4時間もの間、確かにずっとフランス語を聞くという機会は日本にいては余りないかもしれません。「Merci!」と玄関でソフィとお別れをして帰られた皆さまの姿、気のせいかちょっとパリジェンヌのようでした!!

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

スリッパ

2月 15th, 2016
スリッパ はコメントを受け付けていません

日本語を教えていると、文化の違いを説明しなければならないことがよくあります。中でも玄関で靴を脱いで家の中に上がるという日本人の生活習慣は、ほとんどの欧米人が一番初めにぶち当たる異文化です。「家に上がる」という表現がすでに異文化です。玄関に段差のある日本家屋なchaussonらではの表現で、「お入りください」と同じくらい「お上がりください」と日本人は言います。英語やフランス語に訳せば、「come in」「entrez」と「入る」という動詞を使います。「お上がりください」は英語やフランス語に直訳できません。次に問題になるのが、靴を脱ぐこと。フランスでも外出先から戻ってきたらchaussonという室内履き、一種のスリッパに履き替えることも多いようですが、あくまでもプライベートな履物のようです。日本人は来客にスリッパを用意しますが、これは裸足で歩かせるのは失礼になるとか冬場なら足が冷えるからなどということで、来客用の特別なスリッパを用意している家庭も多いかと思います。日本文化を見せようと、玄関先でスリッパをそろえて出すと、たいていの外国人は黙ってはいていますが、あるとき元気なマダムに言われました。「オ・ラ・ラ!スリッパをはくなんて、フランスではありえないわ!」私的な履物をわざわざはかされることに抵抗を感じるのだそうです。確かに私も日本人の家で明らかに家族のだれかが常用している感じのくたびれたスリッパを出されるとちょっと引きますが。日本に住んだ経験のあるフランス人は母国へ帰っても家の中では靴を脱ぐ習慣を続ける人もいます。衛生面でも理に適っているというのが彼らの考え方です。そんな彼らでもお客様を自宅に招いたときは靴を履いたままで室内へ案内するそうです。あるマダムが言っていました。「ドレスアップして行って、靴を脱がされたら本当にがっかりだわ。ドレスと靴のコーディネートはとても大切。ステキな靴を履いていると気分も高揚するから、つい素敵なヒールの靴を見つけると買っちゃうの。」と、いつもスニーカー姿しか見かけないこのマダム、靴のコレクションはかなりのものらしいのです。
久しぶりにご主人様と日本を訪れたクレールと夕食を一緒にとることになったある夏の晩。
夫婦そろってラフなジーンズ姿ながら、クレールの足元はクロコ型押しの明るいグレーの華奢なハイヒール。「今回の旅行のために買ったのよォ!」と嬉talons hauts 002しそうに何度も足元をみてばかり。
私たちが着いたのは和食の小料理屋。店のおかみが「恐れ入ります。お履き物はこちらでお預かりいたします。」とあいさつにでてきました。クレール、本当にごめん!!

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料理サロン:講座ご報告(2016年2月5日)  

2月 10th, 2016
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リビングの窓から冬空を見る

リビングの窓から冬空を見る

今年に入って初めての料理サロンのこの日は、真っ青な冬空から日差しが降り注ぎ、冷たい風にコートの襟を立ててそぞろ歩く人たちが、表参道のシックなブティックのショーウインドーに映っては消えていきます。いかにもお洒落な冬の街風景。スタイリッシュなベランジェールの玄関チャイムを鳴らすと、キリッとタブリエをまとったベランジェールがにこやかに出迎えてくれます。今日の料理のテーマは「冬のごちそう」。

 

 

P2052067 gougeres a tableGougères au comté et son mesclun

(コンテチーズのグジェール、グリーンサラダ)

グジェールの生地はシューと同じく、バターと卵、小麦粉で作ります。違いは生地にチーズ、塩こしょう、ナツメグがはいるところ。アペリティフや前菜としていただきます。本日使用したコンテチーズはフランス産。グルイエールでもOK。ベランジェールは「グルイエールはスイスのチーズだからちょっとね。」と言います。「コンテのほうが美味しい?」と聞けば、「う~ん、同じよ。でも私は愛国主義者だからね。」と。でも確かにコンテチーズは味わいが深く鼻腔に香りが広がります。コンテは大きなスーパーなら最近おいているところも出てきました。コストコでもみつけました。200gで958円(税込)で売っていました。是非コンテでお試しください。ワインにぴったりのアントレです。

P2052074 magret de canard,sauce bigarade, polenta

Magret de Canard, Sauce Bigarade, Polenta gratinée

(鴨肉のソテー、ビガラードソース、ポレンタのグラティネ)

鴨肉はPérigord(ペリゴール)産です。フォワグラでも有名なこの地方の鴨肉は肉質がしっかりしていて脂がのっています。日本にはハンガリー産の鴨肉が多く出回っているようですが、こちらもまたベランジェールに言わせると、「やっぱりペリゴール産がベスト」とか。「でも本当をいうとペリゴール産でも美味しくない肉もある」と白状。彼女、なかなかのchauvine(愛国主義者)なのです。さて、この料理で最も重要かつ時間のかかるのがビガラードソースです。鴨肉とオレンジは大変相性がよく、オレンジベースのソースが合わされます。防腐剤を使用していないオレンジの皮を細い千切りにして、熱湯にくぐらせ冷水にとってさっと水気を切ったら、同じ作業をもう一度繰り返します。砂糖と少量の水を火にかけてシロップをきつね色にします。そこへオレンジの果汁を加えてデグラセし、半量まで煮詰めたらオレンジの皮の千切りと胡椒を加え混ぜます。フォンドヴォーを注ぎ入れ、弱火でさらにコトコト煮詰めます。仕上げにバター少々を加えて温めておきます。鴨肉は余分な脂身を取り除き、皮に格子状に切り目を入れていきます。(quadriller)油をしかないでフライパンに皮の面を下にしてまず2~3分焼きます。次に裏返してやはり2~3分焼きます。焼きすぎると肉が固くなるので、肉の中央がきれいなピンク色になったら火をとめ、アルミホイルで覆って温かいオーブンの中で温めておきます。いただく直前に肉をスライスし、オレンジの櫛形に切ったものとグリルで焼き色を付けたポレンタ(トウモロコシ粉にバター、水、パルメザンチーズ、オリーブオイルを加えて火にかけ練り上げたもの)も添えて、鴨肉にはたっぷりとビガラードソースを回しかけます。やはり主役はソースだと感じます。このソースは豚肉にも合うそうです。お皿に残ったソースもパンですくって完食!

ビガラードソース作り

ビガラードソース作り

フォンドヴォー

フォンドヴォー

鴨肉余分な脂肪をとる

鴨肉余分な脂肪をとる

 

 

 

 

 

 

 

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Charlotte aux Fraises

(いちごのシャルロット)

P2052079 morceau de la charlotteもうこれは絶品。鴨肉とポレンタでしっかり胃袋を満たした後のデザートの何と軽やかなこと!フィンガービスケットもしっかりイチゴ果汁のシロップに浸されてやわらかく、イチゴのムースの上品な甘さと一体になって、口の中は恍惚状態。今回は大きなシャルロット型で作り、切り分けていただきましたが、一人用の小さな型で作ってもお洒落です。ワインについては、初めは軽やかなものから食事が進むにつれてパンチのあるものへと変えるのがいいと言われますが、欧米でのデザートもその理屈からでしょうか、かなり甘い(日本人にはちょっと甘すぎるときもある)お菓子がよく出てきます。濃厚なソースの料理のあとに出てくるデザートもパンチが必要???ベランジェールの料理は、全体的に素材の味を生かし、軽やかに仕上げているので、デザートまでスルリといただいてしまいます。とはいえ、生クリームやバターを普段なるべく控えているというベランジェールのようにスリムでありたかったら「お代わり」のお皿はあきらめましょう…。

フィンガービスケット

フィンガービスケット

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カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

Le Japon en France  フランスでみつけた「ジャパン」

2月 7th, 2016
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マリから皆さんに写真が届きました。

何と何と…「寿司キット」「わさび」「スープみそ」棚の上から下まで日本食品がぎっしり並んでいます。醤油はもちろん、海苔、テリヤキソース、ごま塩らしき瓶もあります。東京に長く住んだマリはパリでこの光景に遭遇して「!!」と思ったに違いありません。日本食がブームになって久しいですが、今やフランス人の食生活にジワジワと浸透し始めている様子です。「カニかま」などは日IMG_1064本でおなじみのスティック状のものばかりでなく、薄くハムのようにのばしたもの、極太サラミ風のもの、中央に山羊チーズの入ったものまで、日本をしのぐバリエーションです。パッケージにはフランス語でbâtonnets Saveur Crabeと書かれています。Surimiという言葉を使っているメーカーもあります。

https://www.bing.com/images/searchq=batonnet+saveur+crabe&qpvt=batonnet+saveur+crabe&qpvt=batonnet+saveur+crabe&FORM=IGRE

かつて日本は欧米から新しいものを取り入れては独自に変化させてきましたが、その流れが今は逆になっているんですね。この先、日本人が見たらそれがもとは日本食品だったとはわからないほどの進化をとげた「新食材」が登場するかもしれません。

フランス情報

料理サロン:講座ご報告(2015年12月11日)

12月 20th, 2015
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フランスの国旗を思わせるトリコロールのインテリア

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本日の食材がズラリ

今年最後のベランジェールの料理サロンは、クリスマス料理。11時に始まり、2時まで合計5品を作りあげました。それからシャンパンをあけて、Joyeux Noël (=MerryChristmas )! アミューズブーシュのあとの前菜、ホタテ貝とハーブのテリーヌはこちらも冷やした白ワイン, Côte du Rhôneといっしょにいただきました。Côte du Rhône の白は初めてでしたが、さわやかな飲み口でシーフードとよく合います。トリュフ風味のカヌレやフォワグラといったいかにもクリスマスに相応しい豪華な料理が並びました。そしてデザートのチョコレートヌガーが本日のテーブルのフィナーレを飾ります。これだけの料理を3時間で仕上げるベランジェールの手際のよさに脱帽です。一足早くクリスマスのごちそうをいただいて、至福の時間となりました。視覚を喜ばせる美術、聴覚に訴える音楽、そして味覚を刺激する料理、これらアートの持つ力は偉大。中でも料理は会話というツールを通してその魅力効果を何層にも増幅できる優れもの。そしてカロリーという後々まで体に残る恐ろしいお土産つきでもありますが。本日の料理でもバターと生クリームがたくさん使われていました。ベランジェールいわく、「これはレッスンだからね。家族の料理ではバターは使わないわ。」う~ん、やっぱりクリスマス本番までサラダの日々を過ごすしかない??

 Amuses bouche : アミューズブーシュ(おつまみ)

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Cannelés parfumés à la Truffe  / Velouté de Châtaignes

トリュフ風味のカヌレ / 栗のヴルーテ

PC111967  puree de chataignes カヌレはボルド―地方発祥の菓子。ワイン作りの過程でぶどうの葉や種などを取り除くのに卵白を使うと大量の卵黄が残ります。この卵黄のために考案されたのがこのカヌレ。本日はトリュフの香りをまとったおつまみに変身しました。まわりはサクサク、中はフワフワでとても軽い仕上がりです。栗のヴルーテはむき栗をどっさり使います。市販のピューレを使用してもOK。ただし、表示に気を付けてください。Crème de Marronsは砂糖入りの製菓用です。Purée de Marrons(英語PC111982  jus de truffe表記ではChestnuts Puree )を使ってください。細かく刻んだ栗をバターで煎り焼きしてパセリのみじん切りとあえたものを上から散らします。その名のとおりビロードのような滑らかな舌触りのヴルーテと散らした栗のプツプツとした食感がおもしろい。

 

 

 

PC112003  morceau de terrine

Terrine de Saint-Jacques aux herbes fraiches et son mesclun

ホタテ貝とハーブのテリーヌ、メスクランサラダ添え

 PC111980 preparation de terrine de coquilles St-Jacques築地で買ってきたというホタテ貝はそのままいただきたくなるような大粒でつやつやの新鮮なもの。これを細く千切りにしてライム汁をまわしかけ、卵と生クリーム、細かくカットしたパン(生パン粉でもOK)、細かく刻んだチャイブとイタリアンパセリとよく混ぜ合わせて180℃のオーブンで湯煎にして約1時間15分じっくり焼き上げます。これを冷蔵庫で一晩寝かせてからいただきます。つなぎになるのは卵と少々のパンだけ。ホタテ貝のうま味を存分に楽しめる一品です。キリッと冷えた白ワインがよく合います。

 

PC112015  risotto et foie grasRisotto aux Noisettes, Cèpes et Foie gras poêlé

ヘーゼルナッツとポルチーニのリゾット、フォワグラのポワレ

 PC111994  riz pour risottoオリーブオイルとバタ―少々で玉ねぎのみじん切りを炒め、米(イタリア産のリゾット用)を投入。白ワインとブイヨンを加えて煮ます。水でもどしたポルチーニは千切りにしてバターで炒めておきます。米の仕上げにポルチーニとバター、パルメザンチーズを加えます。食卓へ出す直前にフォワグラをフライパンでソテーします。冷凍のものなら片面3分ずつ、室温にもどしてあれば2分ずつ)焼きます。焼きあがったらフォワグラはキッチンペーパーの上で油分をとっておきます。フライパンの油分を拭き取ったら。粗く砕いたヘーゼルナッツを少し色がつくまで煎ります。お皿にリゾットを盛り付け、フォワグラも添え、上からローストしたヘーゼルナッツを散らし、パセリをのせて出来上がり。フォワグラの濃厚な味とリゾットの淡白なフワッとした味が、口の中で混ざり合い、パンに載せていただくのとはまた違ったおいしさです。そしてナッツの香ばしいカリカリとした食感がアクセントになって重層的な味わいになります。クリスマスのメインはダーキーかローストビーフとばかり思っていましたが、こんな取り合わせもお洒落ですね。

 PC112018  Nougat glace au chocolat (2)Nougat glace au Chocolat

チョコレートのヌガーグラス

 溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜて、卵白のメレンゲを加えるとチョコレートムースになりますが、ここにさらに固く泡立てた生PC111993  nougat dans les moulesクリームと砂糖、蜂蜜、ローストしたスライスアーモンドを加え混ぜます。ケーキ型に流し込んで冷凍庫で12時間以上冷やし固めます。これはヌガーのアイスクリーム。いただく少し前に冷凍庫から出しておき、切り分けやすい固さにしておきます。今回は金柑を四つ割にしたものを添えましたが、オレンジの果肉など甘酸っぱいフルーツがあいそうです。冷たいヌガーアイスが口の中で溶けだすと、パリパリとしたアーモンドの歯ごたえとチョコレートの豊かな香りが相まって、忘我の境PC112020  espresso et tasse de wedgwood地です。最後に素敵なウエッジウッドのカップでエスプレッソをいただいて、テーブルを囲んだ皆さまのお顔は幸せそのもの。次はご家族の皆さまを同じように「幸せ顔」にして差し上げてくださいね。Joyeux Noël !  Merry Christmas !!

 

PC111986  cours

 

カルチャー講座, フランス語, 料理サロン

カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日)

12月 9th, 2015
カルチャーサロン「アルザス地方のクリスマスリース」:講座ご報告(2015年11月28日) はコメントを受け付けていません

PB281908 objet de pierreここは閑静な住宅街。代々木八幡神社の緑の木立が見えたらソフィの家はもうすぐです。「ボンジュール!」初冬というのに薄手のコットンの白いシャツ姿でソフィが扉を開けてくれます。広い玄関は2階までの吹き抜けになっていて、ふっと見上げると黒い岩がまさに頭上めがけて落ちてくる…かと思うような細いワイヤーで吊り下げられたオブジェを発見。リビングにはアンティックの仔馬の乗り物、どっしりとした戸棚やカップボードはすべてフランスの自宅から運ばれてきたもの。まさに東京にポッカリと現れたフレンチワールド。しかも今日は土曜日とあって、5歳の坊やもご主人も家の中をウロウロしていらっしゃる。フランス人の家庭に闖入したような感じです。 食堂の長いテーブルの上には見ただけで胸躍る色とりどりのリボンや、オーナメントがところ狭しと並んでいます。本日作るリースの材料です。アルザスのクリスマスマーケットはとみに有名ですが、この地方のリースの特徴は、小さな人形を飾ることだそう。それで松かさのかわいいLutins(リュタン:小妖精)も作ることに。Lutinsはサンタクロース(フランス語ではPère de No ël =ペールドノエル)の手伝いをすると言われているそうです。赤や緑、白、グレーのフェルト地をハートや星形PB281905  premieres matieres PB281902  rubans PB281916  lutinsにカットして、これも飾ります。アルザス地方のリースの起源は、Couronne d’Avent(待降節のリース)。クリスマスの4週間前から毎週日曜日に1本ずつろうそくを灯して、その日を待つのだとか。かつては20本の白くて細いろうそくと4本の太いろうそくが並べられ、毎日一本ずつ火を灯していったものだそうです。日曜日に太いろうそくに点火するところは現在も同じですが、人々のクリスマスを待ちわびる感じが伝わる伝統行事ですね。ろうそく用のリースはテーブルの上に置く形になりますが、近年では壁や扉に吊るすものも多いそうです。30㎝ほどの直径のリースを手に、参加者の皆さま、すっかりクリスマスの世界に浸りきって、2時間はアッという間に。10個の個性豊かなリースの完成です。

PB281917 couronne 1 PB281918  couronne 2 PB281919  couronne 3 PB281921 couronne 4

 

 

 

 

 

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最後にティータイム。アルザス地方といえばクグロフ(Kouglof)。どの家庭にもかならずひとつはあるクグロフの型で焼き上げたお菓子です。ブリオッシュ生地を発酵させて干しブドウやナッツなどを入れて焼き上げるこのお菓子、アルザスでは朝食に食べたりするのだそうです。軽くてほんのり甘い、ケーキというよりパンの食感に近い味わいです。マンネレ(Maenele)という人型のお菓子も出てきました。こちらは12月6日のサン・ニコラのお祭りに作られるケーキだそうですが、やはりパンに近い食感です。「ごめんなさ~い。このBonhomme(おじさん)の手がなくなっているのは、今朝、息子が触ってとれちゃったの!!」ソフィはそう言うと、「さ~て、どこから切るかが問題ね。どこからがいい??」と皆さまに聞いたものの、すぐさま頭をチョッキリとナイフでギロチンにかけました。さすが、フランス革命のお国柄!!一緒にいPB281912  gateaux alsaciensただいたお茶は中国産だそうですが、アラブ人が食後に飲むミントテイーほどには甘くはないですが、砂糖が入っているわけではないのに、そこはかとない甘みを感じる不思議なお味でした。さらにテーブルにどかんと大きな缶が登場し、中には無数の焼き菓子。台所にはそんな大きなクッキーの缶がいくつも並んでいます。アルザス地方の家庭ではクリスマスが近づくとこのようにどっさりクッキーを焼いて、お茶と一緒に、また訪問客にふるまったり、小さな袋に入れてご近所や友人にプレゼントしたりするそうです。ソフィのクッキーは次のクリスマスシーズンに是非習いたいものだと思うほどに美味しかったです。 気が付けば外はもう真っ暗になってしまいました。今日はソフィを私たちで独占してしまって、坊やとご主人様には申し訳ありませんでした。最後の客人が帰ると、ご主人様はさっと台所へやってきて、洗った皿などをササッと拭いて棚へしまっていきます。なんとも格好いい!!私たちがお茶をいただいていたテーブルにさっと現れて、風のごとくクグロフの一切れをつまんで去って行かれたように、自然体でソフィを手伝っている姿がとてもとても印象的でした。夫婦それぞれのやりたいことには余り干渉せず尊重し合うところは、さずが個人主義のお国柄、夫婦といえども例外ではないんですね。 PB281904  cours (2) PB281951  biscuits de Noel et cigogne

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料理サロン:講座ご報告(2015年10月29日)

11月 9th, 2015
料理サロン:講座ご報告(2015年10月29日) はコメントを受け付けていません

P9171877  lampeベランジェールのリビングは来るたびにどこかがまたおしゃれに変わっていて、料理だけでなくインテリアにも彼女のセンスが光っています。今日は前回から気になっていたブック型のランプが話題になりました。木製の表紙の本かと思いきや、表紙を開くとあら不思議、ページが扇のように開き、同時にLEDの青白い光が放たれます。Lumio Book Lampという、充電式のポータブルランプです。ベランジェールは青山のショップで購入したそうですが、インターネットのオンラインショップでも扱っています。お値段は3万円少々。
PA291864  table de Helowenこういうお洒落な小物をよく見つけてくるものだとつくづく感心してしまいます。
さて本日の料理のテーマは「秋の色」。ほっくりと甘いかぼちゃのヴルーテ、フィレミニョンのパイ包み、付け合わせはカリフラワーのエクラゼときのこのガーリックソテー。デザートはさっぱりとしたオレンジとグレープフルーツサラダにトロンと濃厚なチョコレートクリーム。VeloutéのほかにPotageやSoupeというのがありますが、どう違うのでしょう?
ベランジェールの意見としては、「スープ」はどちらかというと子供が食べる消化のよいもの、「ポタージュ」は具だくさんのもの、「ヴルーテ」はより洗練されたごちそうというイメージだそうです。それではまずはヴルーテからとりかかりましょう。

 

PA291884 veloute de potiron

Velouté de Potiron au Lard
(かぼちゃのヴルーテ、ベーコン添え)

かぼちゃの皮はそぎ落とし、種もとりのぞいてざく切りにします。玉ねぎもスライスし、長ネギは薄皮をとってスライスします。オリーブオイルで炒めてから、バターも加えます。そこへかぼちゃを加え、ひたひたに水を注ぎ、固形ブイヨンも加えて30分ほど煮ます。ベーコンはスライスし、フライパンで炒め、キッチンタオルにのせて油をきっておきます。かぼちゃが柔らかくなったらスープごとミキサーにかけます。バター20gを加えて塩コショウで味を調えます。生クリームを固く泡立てて、クネルの形にしてヴルーテの上にのせ、ベーコンも添えて、フルールドセルとコショウを振っていただきます。甘くクリーミィーなかぼちゃとベーコンの塩気にフワフワの生クリームのクネルを崩しながらいただくこのブルーテ、確かに大人のためのごちそうです。

PA291895 morceaux de filet mignon en croute

Filet mignon de Porc en Croûte, écrasé de Choux fleur , Poêlée de Champignons
(フィレミニョンのパイ包み、カリフラワーのエクラゼ、きのこのポワレ)

豚フィレ肉をパイ生地で包んで蒸し焼きにしたこの料理、パサパサしやすい豚肉をパイ生地で包むことで、肉のうま味を残し、しっとりと仕上げることができます。また、粒マスタードを表面に塗った上から生ハムを巻くことで、肉汁がパイ生地にしみ込むのを防ぎます。パイ生地に数か所小さな穴をあけて蒸気を逃がし、パイの割れを防ぐのも素晴らしいテクニックです。付け合わせのカルフラワーのエクラゼがまた美味。少量のジャガイモとたっぷりのカリフラワーをゆでて、生クリームとバター少々を加えて粗くマッシュします。塩コショウで味付けます。ジャガイモだけのマッシュより軽やかな歯ごたえがあります。
PA291875  cheminees sur la pate PA291890  filet mignon en croute

 

 

 

 

きのこは今回はエリンギを使います。薄切りにしたら、フライパンにオリーブオイルを入れてキツネ色に焼きます。つぶしたにんにくも加え、最後に刻んだイタリアンパセリを散らします。これは頂く直前に準備して、温かいところをすすめます。以前にマデラー酒で作ったソースをかけていただくフィレミニョンを習ったことがありますが、こちらはマスタードの風味と生ハムの塩味でいただきます。これはこれで軽やかで素材の味が楽しめて美味しい!!

 

PA291896  salade d'agrumes petit pot au chocolat

Salade d’Agrumes, petits pots au Chocolat
(柑橘フルーツのサラダ、チョコレートクリーム)

オレンジとグレープフルーツを袋から外して、サラダ仕立てにします。シロップは、果汁とバニラエッセンス、砂糖そしてアニス(八角)で作ります。アニスのおかげでしょうか、シロップはさっぱりとした甘さで、果実のさわやかさを生かしています。一緒に出てくるのがチョコレートクリーム。チョコレートとミルクとバターを溶かし混ぜて、小さなカップに入れてよく冷やしておきます。さっぱりとしたフルーツサラダといっしょにいただくチョコレートクリーム。オレンジとチョコレートで作るオランジェットの組み合わせを思わせるコンビネーションです。おいしいけれど濃厚なチョコレートクリームは小さな器から少しずついただいて楽しみます。日本人の食卓でのように、コーヒーや紅茶と一緒にデザートを食べないのですね。デザートも料理と同じようにしっかり味わうのがフランス流儀。デザートが終わるとようやくコーヒーかお茶のサービスがあります。このコース、最後までいただくと本当に晩御飯準備の戦意喪失です。お腹一杯の幸せシンデレラたちの魔法の時間は終わりの時を迎えます。少々重くなった体にムチ打って、すっかりどうでもよくなった晩の献立のために家路を急ぎます。かぼちゃの馬車のお迎えがほしいこと!!PA291865  Legumes

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フランスBIO マルシェ

10月 15th, 2015
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本日は9月末にフランス旅行から帰っていらしたアツコさんからの情報です。

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BIOマルシェとは、marché  biologique 有機農法の産物だけを扱うマーケット。農業大国フランスの農産物はどれもおいしいのですが、やはり健康安全志向はフランスでもジワジワと広がっているのでしょうね。パリにはBatignolles(バティニョル)とRaspail(ラスパイユ)の二つがあるそうです。野菜などの食品以外にも化粧品や石鹸なども売られているので、珍しいお土産をゲットできるかもしれませんね。

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今回は、BatignollesのBIOのマルシェで買ったゲランドの塩(Fenouil、Piment d’espeletteの2種類)です。夏の間、暑くてずっとお料理をさぼっていたのですが、涼しくなってきたので、これを使って頑張りたいと思います。
BIOのマルシェはRaspailが有名ですが、こちらもおすすめです。珍しい野菜が沢山並んでいました。蜂蜜のお店のボンボンはおいしいです。おすすめ!
でもお値段はそれなりにするので、住んでいた頃は私も若かったし、東京で貯めたお金を切り崩しての生活だったからなかなか買えませんでした。
今、大人になって?良さがわかるようになったのかもしれないです。
Batignolles BIO marché :  Métro 2番線、Romeが最寄駅で、土曜日の午前中開催です。  (文と写真by Atsuko san )

ゲランの塩2種

ゲランドの塩2種

 

 

フランス情報

カルチャーサロン「フランス人マダムと行く合羽橋道具街ツアー」:講座ご報告(2015年9月29日)

10月 9th, 2015
カルチャーサロン「フランス人マダムと行く合羽橋道具街ツアー」:講座ご報告(2015年9月29日) はコメントを受け付けていません

P2201375  Kappabashi Land Mark第二回目の合羽橋道具街ツアー。今回のナビゲーターは料理サロンでお馴染みのベランジェール。なんと表参道から自転車でやってきました!!本当にフランス人の身体能力には脱帽です。合羽橋の交差点からスタート。巨大コックの看板で有名なニイミ店にまず入ります。入ったとたんに、数人の方の手にはすでに商品が。本当に安いので主婦の条件反射でついつい買ってしまう恐ろしいところなのです、合羽橋は。

ベランジェールがいつも買うという皿類は、白の陶器かトルコブルーの鉢など和食器です。フランスでは今や和食ブームに沸いていて、お土産に和皿など持っていくととても喜ばれるのだそうです。しかも合羽橋の食器は安い!!唯一重いのが難点ですが。料理レッスンでも、ベランジェールの料理には和食器が大活躍しています。和食器が和洋中なんでも使えるとは新発見です。日本人の食器棚には和食器から洋食器、中華用の食器まで並んでいますが、マダムたちのような使い方はスペース削減にも役立ちそうです。使い捨てのケーキカップやプラスティック製のヴェリーヌ容器など、前回訪れた店舗にベランジェールも入っていきます。人数の多いパーティーなどでは必須のアイテム。おしゃれな形のものもたくさんあり、紙皿、紙コップのイメージを変えさせます。また、「釜浅」にも立ち寄りました。様々な種類の包丁がきれいP2201405  magasin de Hocho  Kamaasaにディスプレイされていてここはまさに包丁の美術館。こちらでもおひとり、包丁をお買い上げ。5分も待てばその場で名前も彫ってくれます。英語やフランス語で包丁について説明してくれるスタッフもいるそうで、確かに外国人が次から次へと入店してきます。日本料理ばかりか、日本の職人技術が広く知られるようになったことは喜ばしいことですね。

 

いくつかこのように店舗を渡り歩いた挙句、前回同様、皆さまご持参の大きなバッグはパンパンに。フライパンの柄が収まりきらず飛び出しているカバンもあります。ここは料理愛好家にとっては偉大なるアミューズメントパーク。時の経つのも忘れて、気が付けば財布もすっかり軽くなっています。

昼食は前回と同じ「染太郎」を目指しましたが、なんと今日に限って休業の張り紙。なんという不運。そこで「喜久鮨」へ。ここはP9291912  magasin de couteaux  Kamaasa英語のメニューも外に出しているので外国人のお客さんも多い店。わざわざ夜の宴会用にセッティングしてあった2階の座敷に私たちのためにテーブルを作ってくださいました。感謝。寿司のほか、天ぷら重ね、刺身重ねなどの定食や穴子どんぶりなどもあり、値段も1000円前後と安い。お味のほうは値段に見合ったところかな、と思いますが、店の方の対応が親切で感じがよく、歩き疲れた私たちにはありがたい休憩場所となりました。

ベランジェールお勧めの喫茶店を最後にご紹介いたします。Sturdy StyleといP9291908  magasin des assiettesう一級建築事務所の建物の大通りに面した部分がその喫茶店「Bridge 」。しかしなんという不運。またもやこの日、このBridgeは休業日。2階部分には水牛かなにかのはく製が置かれています。(何しろ外のガラス扉越しにしか見えませんので、正確に何の動物なのか判然といたしませんが。)天井が高く、広々とした空間が印象的です。入口扉から入ると正面の奥深くにさらに大きなガラス張りの開口部があり、その向こうではこの建築事務所の方たちが立ち働いている姿がみえます。そのガラスの開口部がまるで薄暗い店内のムービースクリーンのように浮き立っているのが実に面白い。とてもスタイリッシュな喫茶店です。リンクを張っておきますので、ぜひ合羽橋へ行かれるときは、こちらにも立ち寄られることをお勧めします。町の雰囲気から異次元へ飛んで行ったような不思議な空間です。ただし、定休日(火・水)にはご注意くださいね。

Bridge  10 :00 ~ 19 :00    火水定休台東区松が谷3-1-12

http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13141452/dtlphotolst/3/smp2/

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