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料理サロン:講座ご報告(2015年5月22日)

2015年5月31日 日曜日

 

P5221548  table

今日はマリオンの最後の料理サロン。ついに帰国が決まりました。参加者の皆さんも声をそろえて「残念!!」 仕方ありませんね。C’est la vie. 今日は存分に楽しみましょう。
本日のテーブルクロスはアルザスのものだそうです。縁にチェックの柄の別布が縫い合わされていて、中央にはブルーの幾何学模様の花が刺繍されています。テーブルに置かれた深いピンクの芍薬が引き立ちます。ナプキンはタイの女性支援団体がチャリティーで販売しているもの。手刺繍でアジア風の寺院や人物、アクセサリーなどが施されています。「さくら」のデザインもあるのよ~、とマリオンが奥の部屋から持ってきたのは、未使用の糊のパシッときいた同様のナプキンの山。どれだけチャリティーで買ったのやら!

さて最後のレッスンは何人かの方からリクエストのあったリエットを含めて4品。いつもの手際の良さでマリオンの料理は進んでいきます。

P5221585  salade tiede de lentilles

Salade tiède de Lentilles (レンズ豆のサラダ)

 1時間ほどぬるま湯につけておいたレンズ豆を、玉ねぎのみじん切りとにんにく、にんじんを賽の目にカットしたもの、タイム、ローリエといっしょにバターで炒め、そのあと何と白ワイン「1本」分を注いで煮込みます。ほとんど水分がなくなるまで煮たら、温かいうちにドレッシングをかけてなじませます。スモークハムの輪切りやスモークハム、スモークサーモンと一緒にあえてもいいそうです。今回はスモークサーモンと合わせました。レンズ豆の食感は思いのほかしっかりとしていて、日本の柔らかい煮豆とはまた違ったおいしさです。「健康にもとてもいいのよ!」とマリオン。少量でも結構の満腹感。砂糖を使わずカロリ―控えめ。ダイエットにいいかもしれません!!

P5221558 lentilles

P5221560  cuire lentilles avec du vin blanc

P5221576 lentilles cuites

 

 

 

 

 

 

 

P5221588  rillettes de porc maison Rillettes de Porc maison (ポークのリエット)

 再登場のリエット。これは本当に簡単で、たくさん作って冷凍保存がきくのでとても便利。といっても次から次へと解凍していただいてしまうので、すぐなくなってしまいますが。自家製のリエットを食べると、市販の瓶詰のリエットは脂ぽくってちょっと手が出ません。豚バラ肉を使っているのですが、脂肪が気にならずさっぱりしているのです。参加者の方一同「これはオイシ~イ!!」。(作り方はスタッフブログ:2014年2月13日の料理サロン報告を参照してください。)

 

P5221592  pate de campagne

Pâté de Campagne maison (パテ・ド・カンパーニュ)

これが自家製で食卓に並んだらちょっと鼻高々になれそうです。しかも作り方は超簡単。

P5221556  viande et foie豚肉500gと豚レバー150gをミンチにかけます。今日は豚バラ肉の塊を使いましたが、フランスでは豚の首のところの肉を使うのだとか。ミンサーがない場合は豚挽肉を使ってもOKですが、出来るだけ脂の多い部位を挽いたものを選んでください。脂身が少ないと、焼き上がったときパテがパサパサしてしまうようです。また、この肉を挽いたところに加える調味料の分量が重要だそうです。肉500gに対して塩13g、こしょう5g、砂糖9gが黄金比率らしいです。エシャロットとにんにくのみじん切り、コニャックかポルトー、卵一個も肉に加えてよ~く混ぜ合わせます。沢山つくってしP5221557 pate de campagneまったら、冷凍できます。火にかけない状態のものをそのままテリーヌ型に入れて冷凍し、必要なときに冷蔵庫で解凍、オーブンで焼けば出来上がり。

 

 

 

 

P5221596 Flan Patissier

Flan Pâtissier (フラン・パティシエ)

「お菓子屋さんのフラン」という名のこのお菓子、実際フランスでは菓子店でよくみかけるものだそうです。卵、ミルク、砂糖、コンスターチ(または小麦粉)、ヴァニラでクリームを作り、タルト生地の中に注ぎ入れて焼き上げます。カスタードクリームの焼菓子というのが近いでしょうか。ブルターニュにもfarというよく似たお菓子があります。今回はクリームだけをタルト生地に流し込んで焼きましたが、プラムなどのお菓子をいれてもいいそうです。ほんのりと甘くて、フワフワかと思いきや、案外しっかりと焼き上がっていて、日本の羊羹やういろうのような食感です。エスプレッソと一緒にいただく幸せのひととき!!

P5221563  preparation du flan

P5221570 verser la creme dans le moule      P5221568  cuire la creme de flan

 

 

 

 

 

「キティーはエロイ??!」

食卓ではしばし「プリクラ」が話題に。一度もプリクラに挑戦したことがないという参加者の方も多かったのですが、マリオンの話では今や日本在住のフランス人の間ではこのプリクラは大人気とか。そういえば、どこかでフランスへ帰国が決まった友人夫婦のためにその友人たちがプリクラで撮った自分たちの写真をアルバムにしてプレゼントしていP5221604  morceau du flan patissierるのを見たことがありました。ひげを垂らした男性や、まつ毛がビヨ~ンと上下に伸びてビックリ眼の女性とか…思わず笑ってしまいます。今は高機能になって、目の大きさや形まで好きなタイプにできる機種もあるとか。もはや誰の顔??というより○○さん似のプリクラ美人というべきでしょうか。更にマリオンが見せてくれたのがインスタントカメラ。プリクラのようにいろいろな細工ができるカメラだそうです。「エロキティーのデザインのもあるのよ。」とマリオン。「エロ???」「エロいキティーちゃん??」一同耳を疑いました。いや待てよ…ローマ字で書くと「Hello Kitty 」…そうだそうだ、フランス人のまたもや「問題のH」の発音!フランス語のアルファベットにも勿論「h」はあるのですが、これが日本語、英語、ドイツ語のようには発音しないのです。厄介なことに「ha」は「ハ」ではなく「ア」、「hi」は「イ」、「he」は「エ」、「ho」は「オ」というようにことごとく「h」が落ちてしまいます。それでフランス人のマリオンは「ハロー」の部分をフランス語風に発音して「エロー」と言ったのでした。ヨーロッパにはキティーちゃんのアダルト向けバージョンがあるのかと一瞬びっくりさせられましたが。

そんなこんなで毎回楽しい会話とおいしい料理で幸せな時間を提供してくれたマリオンのサロンもこれで終わりです。昨年の秋にお母様が亡くなられて一時帰国したものP5221552  coursの、帰ってきてすぐに予定の料理サロンを開いてくれました。「大丈夫?」と心配したのですが、「il faut avancer.」(前に進まなくちゃ。)という答えが返ってきました。日本の生活もその言葉通り、好奇心をもっていろいろなことにチャレンジし、日本人の私達より日本のことを知っている「頼りになる」フランス人マダムでした。

 

ありがとう、マリオン!!またどこかでいつか再会できることを願ってさようならは言いません。À bientôt ! じゃまたいつかそのうちにね!

 

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