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アートサロン: フランスを巡る – フランス地方のアート散策(1):講座ご報告(2014年10月16日)

2014年10月18日 土曜日

 

前回好評だったフランス地方アート散策、今回は通訳付きで開催しました。当初は、前回2回に渡って紹介されたものを1回のダイジェスト版にまとめる予定でしたが、やはりどの地方アートも魅力的で割愛が忍びなく、今回も2回に分けてご紹介することになりました。

ガイドブックなどでは紹介されていない美術館、イベント、建築物など、2度目3度目のフランス旅行を考えている方なら必見です。大画面のディスプレイに流れるビデオなどを見ていると、まるでその地を旅しているような気分になります。フランスのアート文化の深さを思い知らされます。
今回紹介された地方とそのアートは最後にご報告をのせておきます。近々フランスへ旅行を計画されている方は是非参考になさってください。

プレゼンのあとはもちろんティータイム。プレゼンの前にロランスは言いました。「ちゃーんと聞いていた人にはご褒美に私の焼いたチョコレートケーキをあげるわよ。」

ティータイムのガトー・オ・ショコラ

ティータイムのガトー・オ・ショコラ

 

ティータイムのテーブルでは全員にケーキがふるまわれました。(よかった、よかった!!)お茶は前回もいただいた「マリー・アントワネット」の紅茶。パッケージがとてもかわいい。「貴婦人の城を見たあとだから、やっぱりマリー・アントワネットだわね。」とロランス。

マリー・アントワネットの紅茶

マリー・アントワネットの紅茶

 

テーブルの中央にはクリスタルのオーナメントが。星形のものは紹介のあったバカラ。ハート型はラリック。こっそりちゃんとテーブルの上にまで地方アートが並べられていました。お見事!!

バカラとラリックのオブジェ

バカラとラリックのオブジェ

 

– Alsace :  cité de l’Automobile ( collection Schlumpf )

アルザス地方:自動車都市 (シュランフ・コレクション)

*車に興味のない女性にもお勧め。古い繊維工場そのままのクラシックな内部と前衛的な建物正面のコントラストもおもしろい。

– Lorraine : Baccarat

ロレーヌ地方:バカラ

*さすが歴史あるクリスタルメーカー。MOF(Meilleur Ouvrier de France :優れた技術を持つ職人に与えられる称号)を持つ職人の数はフランス国内でもピカイチ。デザイナーとのコラボでは日本人、高田賢三や堀木エリ子なども起用された。伝統を守りながら、常に新しいものにチャレンジしている。近年はアクセサリーもてがけている。ただし、リングは壊れやすいのでお勧めではないとはロランスの体験談。

– Champagne-Ardenne : Maisons Champagne : Collaboration avec des artistes

シャンパーニュ・アルデンヌ地方:シャンパン:アーティストとのコラボ

*ドン・ペリニョン(Dom Perignon)は、なんとベネディクト会修道士の名前。彼がシャンパン技術をこの地方に伝え、修道院で金色に美しく泡立つ飲み物を作り出したのが始まり。秘訣は数種類のブドウを組み合わせて圧搾することだとか。

– Picardie : Cathédrale d’Amiens

ピカルディ地方アミアン大聖堂

*フランス最大規模のゴシック建築のカテドラル。ユネスコの世界遺産にも認定されている。必見は夏の夜、イリュミネーションに映し出される正面入り口のレリーフ。修復時にかつて多色装飾が施されていたことが判明。13世紀のカラフルだった彫刻群をデジタル映像を駆使して再現している。

– Nord-Pas de Calais: Musée de la piscine de Roubaix         

ノール・パドカレ地方ルベのプール美術館

*この地方に建てられた新ルーブル美術館よりお勧めとロランスが言うのは、かつてのプールの建物を改装したルベ美術館。プールを囲んで美術品が美しく並べられているだけでなく、シャワールームなどにも絵などが展示されているほか、陶器や家具、織物のコレクションなどが豊富。

– Normandie: Tapisserie de Bayeux

ノルマンディー地方バイユーのタペストリー

*全長70mのタペストリー。麻地に染色した毛糸で刺繍されている。テーマはノルマンディー公のイギリス征服の戦い。当時の人々の服装、道具、建物なども描かれており、中世を知る数少ない貴重な資料でもある。

– Bretagne: L’école de Pont-Aven

ブルターニュ地方ポンタヴァン派

*ポンタヴァンはブルターニュ地方の村。ベーコンをはじめアメリカ人の画家たちが夏を過ごしにやってきて、やがてゴーギャンもこの地で絵画の実験を始め、新境地を開く。原色を使い、遠近法を無視した幾何学的な構図に、輪郭の縁取り、ディテールの省略といった総合主義の始まり。この運動は20世紀のフォービズムに大きな影響を与えた。

– Pays de la Loire: Le voyage à Nantes

ペイ・ドゥ・ラ・ロワール地方:ナントの旅

*ナント市は1989年から「文化」を全面に押し出した。一年中、町のいたるところ10kmに渡って、常設・仮設のアートオブジェやパフォーマンスが楽しめる。町を歩いている間いつ、どこで何に出くわすかわからない。アートとの出会いがそこかしこに仕掛けられている。夏が最も賑わうらしい。

– Centre : Le Château des Dames

サントル地方:貴婦人たちの城

*小さな川の上に建つシュノンソー城。15世紀終わりから20世紀まで女性がいつも城主だったという、美しい城。しかし、その女性たち(アンリ2世の妻、カトリーヌ・ド・メディチや愛人のディアヌ・ド・ポワティエなど)の人生の悲喜こもごもを見続けてきた城。女主人たちの歴史と一緒に訪れてみたい。

Bourgogne: Tour de France de Mérimée- Abbaye de Cluny

ブルゴーニュ地方:メリメのフランス巡り - クリュニー修道院

*「カルメン」で有名なメリメは、歴史的建造物保護に乗り出した政府の命を受け、カメラを手にしてフランス中の調査に回った。彼のおかげでどれだけ多くの建物が救われたかしれない。この地方のクリュニー修道院もそのひとつ。909-910年に建てられたロマネスク様式の建物。

– Franche-Comté : Chapelle Notre Dame du Haut

フランシュ・コンテ地方:ノートルダム・デュオー礼拝堂

*1950-1955年にル・コルビュジエによって建てられた礼拝堂。当時としては余りに前衛的過ぎた景観は人々から「醜悪」という酷評を浴びた。しかし、自然と礼拝堂の佇まいの調和の美しさは徐々に認められていった。

 

サロンの中で使われた画像などは、当日参加された方のおひとりのブログにたくさん載っています。そちらも是非ご参照ください。P4240381

http://tuesgenial.exblog.jp/22482196/

 

 

 

 

 

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