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Sortie amicale :交流会(5) 谷中散策 2014年6月10日

6月 15th, 2014
Sortie amicale :交流会(5) 谷中散策 2014年6月10日 はコメントを受け付けていません

連日の大雨で心配された本日の谷中散策、たくさんの「晴れ人間」が集まったらしく素晴らしい晴天に恵まれした!!10:30に日暮里駅に集合。フランス人3人、ベルギー人1人、スウェーデン人1人、日本人5人の総勢10人のグループでお散歩へGO!まずは朝倉彫塑館へ。

朝倉彫塑館(台東区谷中7-18-10)

http://www.taitocity.net/taito/asakura/

P6100429 Musee d'Asakura  l'Interieur

JR日暮里駅北口から徒歩約5分のところにあります。彫刻家朝倉文夫のアトリエと旧住居が美術館になっています。長い間改修工事が行われていましたが、昨年秋にやっと再び見学できるようになりました。ただ、2月の大雪で木造の住居部分に破損をこうむり、6月下旬からしばらく住居部分の見学が制限されるということでしたので、私達は天気といい、幸運の女神に守られたスタートです。天井の高い鉄筋コンクリート建築のアトリエと旧住居の数寄屋造りの建物が、風雅な中庭を囲んで建っています。アトリエの作品はほとんどが人物の彫像ですが、番犬よろしく横たわる犬の彫刻が目をひきます。大正昭和初P6100425  Musee d'asakura 2期の日本人の洋館に対する憧れが凝縮したような建物です。フランス人たちにお気に召したのは旧住居部分の日本建築。2階へ上がると、新しい畳の香りがして、開け放たれた窓からは中庭の木々と池が見渡せます。「ここで一日、寝そべって読書三昧できたらSuperbe(ステキ) !」更に急な鉄製の階段を上って屋上へ上がると、大きなオリーブの木と一面の花壇が目に飛び込んできます。朝倉氏の時代には菜園になっていたそうですが、日本で初めての空中庭園ではないでしょうか? 谷中はあまり高い建物がないので、四方ぐるりと東京の街が眺められます。谷中墓地のこんもりとした緑のむこうにスカイツリー、上野の美術館の建物もかすかに見えます。屋上から下へ降りると、蘭の栽培を趣味とした朝倉氏が作った温室があります。今は蘭はありませんが、猫の彫刻がずらりと並んでいます。朝倉氏は大の猫好きで14匹も飼っていたこともあるとか。首をつかまれて吊るされている猫の像もおもしろい。「おもわずなでたくなっちゃうわ!!」「どうして、谷中には猫が多いの?」というフランス人の質問。美術館のスタッフの方に聞いても「たまたまじゃありません?理由なんてないでしょう。」とのお答え。今日の参加者の一人の日本人がおっしゃった「古来、日本は木造建築なので、ネズミ退治のためにも猫を好んで飼っていた家が多いのでは…」というお答えに外国人参加者の皆様、ものすごく納得されていました。美術館を背景に皆さんで記念撮影。アトリエの屋根の上から男性の彫像が覗き込んでいるのを発見。朝倉氏の遊び心に触れた瞬間です。

P6100424  statut sur le toit du musee Asakura

次は彫塑館を出て、そのまま道を左にとり、通称初音通りを上野方向へ進みます。この道の両側には寺院も多く、車の通りも少ないので散歩には最適です。

長久院(台東区谷中6-2-16)

P6100430 temple Chokyu-in

谷中の紫陽花寺として有名なこのお寺を見学させていただきました。小さなお寺で紫陽花も数が多いわけではありませんが、手入れが行き届いているきれいな寺院です。炎天下の紫陽花は可哀そうなほど首をたれて元気がありません。このお寺は雨の日がベストかもしれません。境内に小さな墓地があり、その入り口には「閻魔大王」の像が据えられています。せっかくなので参加者の日本人の方に日本の墓について説明していただきました。やはり外国人が気になるのが、卒塔婆。また日本は土地が狭いので、欧米の墓碑のように水平ではなく、垂直に縦に長くて、まるで死んでも日本の家屋みたいにひしめきあったところに葬られるし、家族が代々同じ墓に入ると説明があると、欧米でも墓地には限りがあるので、今では家族用の墓というのが増えてきて、棺の上にまた棺と3段くらいは重ねて埋葬が行われることも多くなったとか。パリでは最近火葬して埋葬するケースもあるそう。場所が場所だけに、日仏お墓談義となりました。ランチは千駄木駅そばの「吉里(きり)」へ。

 

吉里(台東区谷中3-2-6)

P6100439  Kiri  entrance

この店は鰻の専門店ですが、懐石料理もあり、人数に合わせて個室、半個室も用意されています。ランチメニューはなく、本日は松花弁当を予約。パリでは日本食がブームで、「お弁当」という言葉もお弁当箱といっしょに認知され始めているようです。8月に帰国が決まったフランス人マダムは、息子さんがフランスへ帰ってもお弁当を持って学校へ行きたいということで、帰国前に「きれいなお弁当箱」を探すのだそうです。松花弁当にはスイP6100435  Chez Kiri  Shokabentoーツと飲み物もついていて、そのメニューを翻訳するのが一苦労。「くずもち」ってフランス語で何??「きなこ」はどう訳す??と日本人参加者の方々も悩みます。   10人それぞれデザートと飲み物はお好みで注文しましたが、運ばれてきたとき一人一人にきちんと注文通りの飲み物とデザートが配られました。これには外国人たちの口がアングリ。「フランスではありえない!!」「日本ではこういうサービスをしないとお客がリピートしないから。」「日本に住んでいて、休みにフランスへ帰ると、フランスのサービスの悪さを痛感する。スーパーで買い物したカゴをレジに置いて待っていると、『さっさとカゴから物をだしてください!!』って言われて初めて、アッ、ここはフランスだったって気づくのよね。」ここでは日本のサービスの良さが話題に。食事中のおしゃべりが一番の「ごちそう」の人たちですから、延々と続きます。どうにか切り上げていただき、最後の目的地「根津神社」へ。

P6100437 chez Kiri  dejeuner

P6100441  devant  KiriP6100442  promenade chemin serpente

 

 

 

 

 

「へび道」を通って根津神社へ向かいます。この道、かつては川が流れていたため、このようにくねくねしているのだとか。車も余り通らず、10人の賑やかなグループは、静かな午後の住宅地にはとんでもない闖入者だったかもしれません。日本語を勉強している外国人たちには、ミッッションを与えました。道をたずねてもらいます。ベルギー人の男性に、酒屋へ入って根津神社への道順をきいてもらいます。「ネヅジンジャは どうやって いきますか?」と店に入る前に一人でモゴモゴと練習。意を決して店内に入り、「ネヅジンジャ・・・・」と言ったとたん、酒屋のご主人、「あっ、それならそこの信号を右に曲がってね、まっすぐ行ってね…」と日本語の弾丸の雨。彼は肩を落として出てきました。

根津神社(文京区根津1-28-9)

http://www.nedujinja.or.jp/

大変由緒ある神社です。徳川5代将軍綱吉が世継ぎが定まった時に建立させた神社。庶民には「つつじまつり」で有名なところです。何でも100種3000株のつつじがあるそうですが、この時期は残念ながら花も終わってしまっていました。けれど稲荷神社の朱色の鳥居が並んでいるところが、京都の伏見稲荷によく似ています。背の高いベルギー人とスウェーデン人は、体を折り曲げて通っていました。

P6100448  Nezu sanctuaire Torii

帰り道、もう一人のフランス人に根津駅をたずねるミッションを。向こうからやってきた男子高校生の二人組にアタック。彼女が近づいて行ったときからすでに彼らの腰はひけていました。彼女が話し始めると、二人とも目をキョトキョト。戻ってきた彼女曰く、「日本人は外国人が怖いみたい!」いやいやそうじゃなく「英語で話しかけられたら困ると思う日本人が多いんですよ。」でもきっとこの高校生のお兄様たち、外国人が近づいてきて、変な日本語で道を聞いてくるし、その後ろの方には国籍不明の外国人たちと妙齢の日本人女性たちがニヤニヤしながら見ているのですから、怪しい新種の「詐欺集団」くらいに思ったかもしれません。

暑かった日差しも少し力を失い始めています。フランス人マダムたちはそろそろお子さんたちが学校から帰ってくる時間です。よく歩き、よくしゃべった一日でした。お疲れ様!!

交流会