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フランス菓子サロン:講座ご報告(2013年12月9日)

2013年12月11日 水曜日

フロランスの玄関外にはサンタクロースが置かれ、交流会で作った正月飾りが扉にかけられています。リビングの暖炉の前に置かれていたソファは窓と対面する位置に変わっています。クリスマスシーズンには、暖炉がメインになるのだそうです。そのわきにはツリーと大小さまざまなキャンドルに火がともされて私たちを歓迎してくれます。テーブルもクリスマスらしい演出がほどこされています。ナプキンまでかわいいサンタクロースの絵柄です。日本のクリスマスは本来のクリスマスの意味とはかけ離れたところで楽しまれていますが、クリスマスグッズや料理、菓子、そしてプレゼントなどワクワクする要素が満載のイベントですから、経済的な効果も考えれば大いに楽しんでいいのではないかと思います。

本日のメニューは以下の通りです。
–       Bûche de Noël au chocolat (チョコレートのビュッシュ・ド・ノエル)
–       Fruits déguisés (フルイ・デギゼ)

ブッシュ・ド・ノエルは、スポンジ生地をロール状に巻いて木の丸太形に作る菓子ですが、もっと失敗が少なくて簡単に作れるものをということで、今回は長方形の型でスポンジ生地を焼きました。スポンジ生地は器械ではなく手で根気よく混ぜましたが、そうすることでたくさん空気がはいるのでずっと柔らかく仕上がるのだそうです。皆さんで協力してしっかり泡立てたので、本当にフワフワの生地に焼き上がりました。糸鋸のような道具でスポンジを3枚に薄くスライスします。たよりなくフワフワしている生地がスーッときれいに切られていきます。次にラム酒入りのシロップを生地に吸わせて、チョコレートガナッシュを3層に塗り付け、外側の全体もガナッシュで覆って、冷たく冷やしていただきます。デコレーションは砂糖菓子のモミの木や、きのこ、サンタクロースなどを載せて、最後に粉砂糖を上からふって雪化粧。テーブルでは、フロランスが予め作っておいてくれたビュッシュ・ド・ノエルをいただきました。チョコレートガナッシュも上品な甘さです。チョコレート職人のフロランスですから、チョコレートの品質にはかなりうるさいようで、フランス製のものを使っているそうです。

次にフルイ・デギゼ。アーモンドパウダーと粉砂糖を同量(かならずこの二つは同じ分量で)混ぜ合わせます。アーモンドエッセンスを数滴たらして、水を少しずつ加えて粘土状にします。マジパンの出来上がりです。これに好みの着色料を入れて、さらによく練って色づけします。まずバラの花に挑戦。テーブルに砂糖を振ってマジパンを薄く伸ばして花弁を丸くくりぬきます。円錐形の芯を作って、そのまわりに花びらをぐるりとはりつけていきます。「バラじゃなくて椿の花だわ!」などと言いあいながら、楽しい工作の時間となりました。次にマジパンを棒状にのばし、適当な大きさにカットして、丸くのばしてドライフルーツやナッツをのせます。デーツやプラムのような大きなものは縦に切れ目をいれて、その中にマジパンを詰めます。クリスマスの食後、コーヒーなどといっしょにつまむお菓子だそうです。これは、自分たちで作ったビュッシュ・ド・ノエルといっしょに小さな箱に入れて持ち帰ります。フロランスが箱の上に「Merry Christmas」とかかれたかわいいシールをポンポンと貼ってくれて、本年第一号のクリスマスプレゼントになりました。

食卓でコーヒーとケーキをいただきながらの会話の中で、なぜか結婚式の話題になりました。「日本の結婚式のパーテイーは短いんでしょ?」というフロランスに、「でも、二次会、三次会となることも多いから、それも入れると結構長くなるかも。」「フランスの結婚式はどうですか?」「長~い!!まず招待客全員にアペリティフが配られて、そのあとは家族や友人が残って会食。午後2時くらいから始まって真夜中までダンスをしたりして盛り上がる」そうです。食事が済んだら、新郎新婦は退席するけれど、朝になると皆して「オニオンスープ」をもって新郎新婦を叩き起こしにいくのが習わしだそうです。有難迷惑な感じもしますが、なぜオニオンスープ?フロランスもその理由はよくわからないけれど、夜遅くにとる食事Souper (スぺ)からきているのではないかとのことです。

日本人のクリスマスの過ごし方もフロランスの気になるところのようです。フランス人にとってクリスマスイブはミサへ行って(普段教会にご無沙汰の人もこの日は行くそうで)それからごくごく内輪の家族で食事をし、25日は親戚が集まってもう少し大きな食事会をするという「家族のイベント」。それに対してréveillon(レベイヨン:大晦日の食事)や新年のパーテイーは友人などと賑やかに過ごすのだそうです。「日本のクリスマスは?」というフロランスの質問に日本人マダムたちのお答えは「レストランへ行って食事」「コンサートへ行く」など。若い人たちなら友人たちと盛り上がるところでしょうか。逆に新年は日本人にとって重要な「家族のイベント」。お国柄の違いにフロランスも日本人マダムたちもいろいろな発見があって楽しいティータイムとなりました。

 

 

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