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フランス菓子サロン:講座ご報告(2013年11月8日)

2013年11月9日 土曜日

猛暑、台風に翻弄された日本列島にもやっと豊穣の秋が、木々の葉をゴールド、ルビー色に染め上げながらやってきました。フロランスの自宅の玄関前には、ハローウインの名残らしきかぼちゃが置かれています。にこやかに扉を開けてフロランスが参加者の皆さんとあいさつをして、中へと招き入れます。玄関に入るとすぐに、古代中国の甲冑を着た兵士がお出迎え。暗闇ではちょっとギョッとしますが、西安の遺跡から発掘されたものと同じレプリカだそうです。いつも感心するフロランスの家のインテリア、ヨーロッパとシノワズリのテイストの絶妙なマリアージュ、そして落ち着いたモノトーンを基調に上手にアクセントの赤やグリーンを入れて、しかも整然と片づけられています。二人の男の子がいる家庭とは思えません。
本日のメニュー:
– Clafoutis aux raisins blancs (ホワイトグレープのクラフティ)
– Tartare de Pommes et sa génoise de Marron(りんごのタルタル、マロンのジェノワーズ)

まずジェノワーズからスタート。バター、砂糖、卵、小麦粉、ベーキングパウダー、塩を加え混ぜてスポンジの生地を作ります。フードプロセッサーを使わずに手作業となると、混ぜるのはかなりの力仕事。ボールを誰かが抑えて二人がかりでヨイショヨイショ。練り上げた生地を流す型がステキです。長さと幅が伸縮自在の箱型で、仕切りを入れると同時に二種類のものがオーブンで焼いたり、蒸したりできてしまいます。残念ながらドイツ製。インターネットからなら買えるかもしれませんが。これをオーブンで10分ほど焼きます。少し冷ましてから、セルクルで丸く型ぬきします。厚さが均等に焼けなくても大丈夫。型抜きした残りから切り出して、足りない部分にはめ込んで高さを揃えます。ぬりつけるマロンクリームは、市販のものでもOKですが、甘味を抑えたい場合には生のむき栗を水と砂糖とバニラエッセンスを加えたシロップで煮て、ミキサーにかけてピューレ状にしたものを使います。このときシロップは少し取り置き、ラム酒も加えて、焼き上がったジェノワーズの表面にたっぷりと塗り付けます。マロンクリームを塗った上に、やはりシロップをくぐらせたりんごのスライスを並べ、その上にマロンクリームをクネルの形にしてのせます。そこへ薄焼きのビスケットなどをさして飾れば出来上がり。今回はイチゴのクリーソースとチョコレートソースで銘々がデコレーション。前回習ったラングドシャの丸型のものにカカオパウダーをかけて添えます。マロンクリームのほっこりとした甘さとかすかな酸味のあるりんごのシャキシャキとした歯ごたえ。ジェノワーズのふわふわとしたやさしさ。カリカリのビスケット。何層にも楽しめる実り豊かな味わいの一品です。

次にクラフティ。これはとても簡単でおしゃれなデザートです。卵、砂糖、コーンスターチをよく混ぜ合わせ、そのあと小麦粉、アーモンドパウダー、溶かしバター、塩、バニラエッセンスを順次加えてよく混ぜ合わせ、最後にミルクを加えてなめらかな生地にします。今回は銘々用の小さなラムカン型を使いましたが、大きな角皿で焼いて銘々用に切り分けてもいいそうです。型の底に小さくカットしたマスカットを並べ、その上から生地を流し込み、最後にアーモンドスライスを散らして、オーブンで25~30分ほどやけば出来上がり。かなり膨らむので、型の縁ギリギリまで生地を注がないのがコツです。せっかくフロランスが「このくらいの量を入れてね。」と見本をみせてくれたのに、悲しいかな、主婦の性(さが)。ボールに残った生地を「もったいないから入れましょっ!」と皆ですべての型になみなみと…結果、焼き上がったクラフティのいくつかは噴火して溶岩が流れ出した火山状態に…。残念!!そんな一部惨状にも穏やかなフロランスは平然としたものです。公平に平等にとこっちの型が少ない、あっちの型にももう少し、とヤンヤンやっている生徒たちを見て、「これは日本人だわね!きっちりとね!」と失笑。このクラフティは温かくても冷たくてもおいしくいただけるそうです。アーモンドパウダーがはいっているからでしょうか、こっくりとしたやさしい甘さが引き立ちます。スプーンが底にあたるとレーズンのシャキシャキとした爽やかな食感が加わります。簡単ながら、美味!!
次回はクリスマスの伝統菓子、Bûche de Noël(ビュッシュ・ド・ノエル)とFruits déguisés(フルイ・デギゼ)を習います。Fruits Déguisésは、ドライフルーツや砂糖漬けのフルーツを、いろいろな色に染めたマジパンで包んだお菓子です。形も丸いものから、野菜やフルーツ、魚などいろいろな形があります。クリスマスシーズンのコーヒータイムにつまむ楽しいお菓子です。詳細はサイトの講座案内からご覧ください。初めての方もどうぞ素敵なフロランスと彼女のリビング、そして匂いだけでもハッピーになれる菓子レッスンにどうぞお越しください。

また、今回フロランスのチョコレートを購入いたしました。5種類のチョコが200g入ったボックスが1800円。チリ入りのトリュフなども後味がピリッとしておもしろいです。個人的にはラムレーズンのトリュフが気に入りました。

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