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フランス料理サロン:講座ご報告(2013年10月28日)

2013年10月29日 火曜日

 

久しぶりの秋らしい快晴の一日。今日は二面にバルコニーのあるアリスのリビングでレッスン開始。新宿の少し高台にあるからでしょうか、大きなリビングの窓からは青空と遠くにビル群が望めます。近くの防衛省のヘリコプターがたまにドッドッドッドッと旋回して上空を通り過ぎていく以外、都心とは思えない静かさです。ヤングミセスのアリスは、黒のノースリーブのTシャツに白地に色とりどりの小さな蝶々が飛ぶかわいいミニスカートでお出迎え。6月に来日したばかりで、家具やインテリア小物もちょっとずつ買い揃えているところ。リビングはブルーを基調にコーディネイトされています。若い人たちが集まって、いろいろな形の椅子に腰かけて、楽しくおしゃべりに興じるのでしょう。カジュアルで解放感にあふれる空間です。

本日のテーマは「冷凍保存できるおもてなし料理」です。
–       Cake à la moutarde(マスタードケーキ)
–       Tomates Farcies(トマトファルシー)
–       Terrine Glacée au Citron(レモン風味のアイスクリームテリーヌ)
どれも超簡単で、3品作るのに1時間少々。忙しい主婦には最高の料理ばかりです。

まず、Cake à la moutarde。
小麦粉、卵、ミルク、オイル、グルイエールチーズ、粒マスタード、ハーブ、ベーキングパウダー、塩、こしょう、これらをよく混ぜ合わせて型に流し込んで、オーブンで30分ほど焼けば完成。少し冷ましてから型から出して、適当な厚さにスライスします。冷凍にする場合は、型から出してすっかり冷めたらジップロックなどに入れて保存します。お客様に出すとき、ケーキの中央まで解凍できていない場合は少しオーブンで温めなおします。今回はマスタードを入れましたが、ベーコンやほうれん草などを入れてもおいしそうです。

次にメインのTomates farcies。

できるだけ大きくて赤く熟したトマトを選びます。トマトのヘタの部分を大きくスライスして、がくは取り除きます。トマトの中をくりぬき、中身は耐熱皿の中へいれておきます。オーブンで焼いている間においしいソースに変身します。詰める肉はソーセージ用の豚ひき肉ですが、今日は生ソーセージの皮をむいて、ソーセージの肉をボールに入れます。味がすでについているので今日は塩こしょうはふりません。ボールに豚ひき肉を入れ、ミルクでしとらせたパンを小さくちぎったものと、パセリを加えて、よく混ぜます。これをトマトの中に詰め、きりとったへたを上にのせます。同様にナスやじゃが芋も中をくりぬいて肉を詰め、取り置いたシャポー(帽子)を上にのせます。オリーブオイルをまわしかけて、オーブンで40分焼いたら出来上がりです。冷ましてからタッパーなどにソースごと移し替えて冷凍します。解凍したら、少しオーブンで温めなおしていただきます。

デザートはTerrine Glacée au Citronです。

これは超超簡単です。(*)quatre-quarts(カトルカール)を指で細かくします。レモン汁とすりおろした皮、砂糖をよく混ぜ合わせたら、細かくしたカトルカールに加えて混ぜます。型の底にこのカトルカールを敷き、その上からバニラアイスをのせます。この作業を交互に行ってアイスとカトルカールの層を作ります。型はアイスの入っていたプラスティックの容器でもOKです。今回使用したアイスはニュージーランド産。アリスによると、フランスのアイスよりずっとクリーミーなのだそうです。これを最低3時間冷凍庫で冷やし固めます。今回は洋梨のコンポートを添えました。赤ワインではなく白ワインと砂糖で煮たそうですが、白い梨の色がきれいです。さらに解凍したフランボワーズをミキサーにかけただけのクリソースをかけて、華やかな彩りに仕上げます。アイスとカトルカールが甘いので、ソースの酸味がよく合います。


こんなに簡単に調理ができてしまったら、確かにホームパーティーを開くのもそんなに苦ではなくなりますね。おしゃべり大好き人間のアリスは、本当にいろいろなことをよく知っていて、フランスの現代事情を教えてくれます。おいしい食事はもちろんですが、フランス人にとって時間をかけていろいろな人とおしゃべりすることは、情報源として、また人生をエンジョイするために欠かせないことなのですね。1時間少々で調理が終ったというのに、その3倍も長居をしてしまいました。若いアリスの料理サロンはカジュアルでとてもサンパ(sympa:いい感じ)でした。

 

(*) カトルカール(quatre-quarts):卵、小麦粉、バター、砂糖を同量で作るケーキ。フランスでは市販のカトルカールを使っていたそうですが、今回は市販のパウンドケーキで代用していました。

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