Home > 菓子サロン > フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年9月28日)

フランス菓子サロン:講座のご報告(2013年9月28日)

2013年10月1日 火曜日

中国で集めた思い出の品々のコーナー

お勤めの方にとって平日のサロンはなかなか参加が難しいものです。そこで今回はフロランスにお願いして土曜日の午後にレッスンを組んでもらいました。「今日はご家族は?」とたずねたら、「主人と母は友達と外で食事をしている」「下の息子はでかけているし、上の息子ももうじき出かける」そうです。何とフランスからお母様がいらしていたのですね。恐縮!!このご家庭でもやはり居残っていた息子さんがちゃんとキッチンへ現れて日本人マダムの生徒さんたちにご挨拶。「一緒にママのおいしいお菓子が食べられなくて残念!!」と言うと、「いえいえ、だいじょうぶ。Bonne chance ! ( うまくいくといいですね!頑張って!)」と言いながら、出かけて行きました。それはプロの腕を持つママのレッスンですから、失敗するはずがないですよ!!レッスンもたけなわの頃、にわかに賑やかな男性たちの声がして、ご主人様たちがご帰還。二人の男性がキッチンに入ってきて、「これはすごい!みんなフランス語が話せるの!?」「どこでフランス語を習ったのか?」などなどレッスンそっちのけで質問攻めに。フロランスにビズをした男性がてっきりご主人かと思ったら、離れて立っていた男性が「僕が夫、あれは彼女のamant(愛人)だよ。」と答えます。しばらくレッスンをかきまわしてから、リビングへ移動する彼らに「ごいっしょにお菓子をいかが?」と声をかけると、ご主人のお友達のほうが「いやいや、遠慮しておくよ。歯医者に行かなきゃならなくなるからね!」と言ってカラカラ笑いながら去って行きました。本当に賑やか!このような珍客に日本人マダムたちはただ呆然としていたわけではありません。粛々と作業は続行いたしました。

さてさて、本日習ったお菓子は次の3品です。

Moelleux aux Marrons:(モエル・オ・マロン)これはとても簡単でおいしいお菓子です。栗のクリーム、卵、溶かしバターを混ぜ合わせて小さいタルト型に流し込んでオーブンで10分ほど焼けば出来上がり。冷蔵庫で少し冷ましておいて、いただくときに湯煎で溶かしたチョコレートソースでデコレーションし、バニラアイスとラングドゥシャのビスケットも添え、最後にカカオパウダーを芸術的に振りかけて完成です。ほどよい甘さの栗のクリームで作られたスポンジはふわふわでしかもしっとりしています。今回はバニラアイスを添えましたが、フランスではマロン入りのバニラアイスを使うこともあるそうです。

Langues de chat(ラングドゥシャ:「猫の舌」という意味)バターと砂糖を混ぜ合わせてから、軽く泡立てた卵白も加え、バターと小麦粉も入れてよく混ぜ、絞り袋に入れて、何回も洗って使えるという特殊なシートに適当な大きさに絞り出していきます。参加者それぞれが少しずつ作った形は長さ、太さが若干まちまちになりましたが、オーブンで焼くと広がって、確かに縁がうっすら焦げ目のついたラングドゥシャになりました。

Petits babas cacaotés et oranges fraîches:(カカオ風味のプチババとフレッシュオレンジ)ババとは蛇の目型で焼いたケーキのこと。小麦粉、カカオパウダー、砂糖、ベーキングパウダーを混ぜて、そこへ卵とミルクを溶き混ぜた液を流し込んで混ぜ合わせます。ババの型の内側にしっかりバターを塗り付けるのがポイントです。そうでないと、オーブンで焼いて冷ましたあと、型からはずすときケーキが型の側面にくっついてしまって、「あばた面」のババになってしまいます。焼き上がったババにはたっぷりとシロップをかけます。

Sirop : (シロップ)オレンジのしぼり汁と、水、砂糖、シナモンスティックを鍋に入れて弱火で10分ほど煮て、3/4程度まで煮詰めます。最後にブラウンラムも加えます。深めの皿にババをのせ、冷やしておいたシロップをたっぷりかけます。スライスしたオレンジで飾り、最後に粉砂糖を皿全体にふりかけて完成。ラムのシロップをたっぷり吸いこんだババのカカオ風味がオレンジと絶妙な取り合わせです。

★ フランス菓子作りの豆知識:

moelleux:(モエル)ふんわりしっとりしたスポンジ生地の呼び名だそうです。
tapoter: (タポテ)とんとんと軽く叩く。ババの生地を型に入れてから、このタポテをきちんとすると空気がぬけて表面がきれいに焼けるそうです。菓子以外でも「おしりをtapoter」などと言うそうです。
peler à vif:(プレ アヴィフ)オレンジなどのスライスをするとき、皮をきれいに取り除いて果肉だけにすること。

 

菓子サロン