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タフなフランス人

2013年9月9日 月曜日

フランス人はどうしてあんなにタフなんでしょう!?子供のころは何故か男の子も女の子も、蚊のように細い体と手足をしていて、すぐ熱を出したり、お腹が痛くなったり、疲れたりするのに、大人になると縦横にビヨ~ンと伸びて、しかも半端でないエネルギーを発散させる怪物と化します。
― 海外出張から戻ったその日の晩から、友人たちと富士山登頂を目指すビジネスマン。
― 平均気温35度の猛暑の夏に一日6時間の日本語特訓を4週間やり遂げるビジネスマン。しかも昼食にはコンビニのカップラーメンを炎天下の路上ですすり食べる豪快さ。
― 学校の送り迎えに、自転車の前と後ろに子供をのせて、後続する上の子供を叱咤しながらすでに赤信号に変わっている横断歩道を、車の流れを止めて渡りきる母親。
― 早朝に日本語レッスンを受け、その足で会社へ向かい、夕方まで仕事をこなす。さらに平日の晩だというのに夫の仕事関係のお客様を自宅にお迎えするために帰宅後、料理にとりかかる奥様。しかもアントレ、メイン、デザートのフルコース。

日本人も毎日ワインを飲んでチーズを食べればこんな「元気印」の国民になれるのでしょうか。さらに彼らは精神面でも強さを発揮します。フランス人自身も認めるところですが、彼らは自己評価がとても高い国民です。良くも悪くも自分の評価は他人様の物差しではなく、自分の尺度で決める人々です。日本人のように「私、本当に無知なものですから」とか「うちの子はバカで困ったもので…」とは絶対に言いません。自分をおとしめた言い方は、彼らにとっては美徳ではないようです。(娘はとってもbrillante- 優秀なのよ。)(妻はきれいでとても優しいんだ。)(自分の日本語は中級程度のレベルだと思う。)等々、ときどきわが耳を疑いたくなることもありますが…。
あるマダムのお宅へ伺ったとき、「庭に咲いているあの花は何でしょう?」と聞くと、「さあ、植物学は私の専門じゃないから。」というお答え。日本人はわからないとすぐ「さあ、何でしょう?」と答えてしまいがちですが、「私は○○の専門家じゃないもので…」とでも言えば、確かにちょっと賢そうですね。ついでにちょっと「嫌味」な感じもしますけれど。
心身ともにタフなフランス人は、「やりたい」「やろう」と決めたら、鉄人のように強靭な体力と鋼のように堅牢な意志で、何が何でも実現させようとします。日本人がねじり鉢巻きで「欲しがりません。勝つまでは!」と何やら悲壮感さえ漂わせるのとは違って、皮肉っぽいユーモアをまとった斜のポーズをつけて、なんだかちょっとスマートにさえ感じます。かつて日本語レッスンに仲良く通っていた美男美女の若いカップル。すでに7歳と4歳の子供もいましたが、奥様はとてもコケティッシュでしかも知的。ご主人様はハンサムで物静かで、いつもにこにこしている。若いのにすでに頭のてっぺんの毛が寂しいのを除けば素敵な紳士でした。二人が見詰め合うところは、とても結婚10年のカップルとは思えないみずみずしい青春の輝きを思わせるものがありました。奥様のモットーは「道に迷ったらより難しそうな方を選びましょう!」でした。教科書は語彙も漢字も文法も盛りだくさんのものを選び、見事日本語検定にも合格。

迷ったときは困難な道を選んで…

フランスへ帰ってからは、再び仕事を始め、部下を従えてバリバリ働いていたようです。ご主人様からのある年のクリスマスカードには「妻は気違い女のように働いている」というメッセージをいただいたくらいです。それから数年後、再びご主人様からのクリスマスカードには、「今年は二人の子供とクリスマスを過ごしています。」と書いてありました。今度はまた、より困難な道を選んで、彼女はいったい何をつかんだのでしょう?

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