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フランス人のあつ~いバカンス

2013年7月19日 金曜日

「7月はホントに危ないんです。」

と日本語クラスの生徒、フランス人のビジネスマンが声をひそめます。6月末からフランス人学校は学年末となり、7月の初めには子供たちと母親たちはこぞって故国フランスへ夏のバカンスを過ごすために帰っていきます。東京のフランス人の人口が一気に4分の1くらいに減ってしまう感じです。残った4分の1の人口とは、仕事を続ける父親たち。にわか独身となった父親たちは、夜な夜なスポーツパブなどに繰り出して、しばしの「第二の青春」を謳歌するのだとか。これ、何もフランス人に限りませんが。奥さんが出産準備で里帰りしたときのウキウキしている日本人男性もよくお見かけしますし。でも、久々に手にした「おひとり様」の日々を前に「さて、何して暮らそうか?」という日本人夫のワクワク感の中には一抹の所在なさが入り混じっているのと違って、フランス人夫の「短期単身赴任」状態の高揚感には陰りがありません。

フランスでは、夫婦共働きは当たり前。したがって、家計も家事も半分ずつ負担するのが普通だそうです。最近の日本の若い夫婦も共働きが増えて、同じような傾向にはなってきているようですが、古い世代の女性には「あり得ない夫婦関係」です。しかも、フランスの場合は男女対等というより「女性上位」なのではないかと思われるフシが多々あります。赤ん坊が生まれたあるカップル。奥さんは産休を利用して24時間家にいるわけですが、朝5時に赤ん坊が泣けば、夫が起き出してミルクを与え、そのまま眠い目をこすりながら出勤。「あら、どうしてご主人なの?」「だって、朝5時は彼の番だから。」また、ある企業の社長様は、接待ゴルフの帰り道が地獄のような渋滞になって、夜の9時半にやっとご帰還。ところが奥様はすっかりご機嫌斜めで、社長様が「僕の晩御飯は?」と尋ねると「自分で作って!!」とけんもホロロなお返事。かと思えば、ある奥様は女友達たちと九州方面へ数日間旅行に行くことに。「子供たちはどうするの?」「学校から帰ったら、近くの友達のうちで預かってもらって、晩は夫が帰ってきてから面倒をみるから大丈夫!!」なんと理解のある夫たち!なんと羨ましい妻たち!
本当にフランス人妻は強い。日本人夫婦のようにグレーゾーンが存在しません。「ここからここまでは私の権利。」「そこからここまでは僕の義務。」見事に白黒はっきりつけていらっしゃる。今、フランスでは日本人の若い女の子がモテモテだそうです。彼女たち、「やまとなでしこ」の「や」の字も持ち合わせていないと思うのですが(彼女たちの感性は相当欧米化しているのでは?)、フランス人に限らず、欧米の男性の目には「従順で甲斐甲斐しい」と映るらしいです。欧米女性のゆるぎない権利意識と日々対峙している彼らにはよほど日本人女性は「カワイイ」癒し系と感じられるのでしょうか…。
勿論、すべてのフランス人夫が妻の不在にルンルンではないことも、彼らの名誉のためにも言っておかなければなりません。「妻も子供もフランスで、僕は寂しいよ…。」と本当に悲しそうな顔をされる男性もいらっしゃいます。おっと、彼の奥様はアジア系フランス人でいらっしゃいました…。冒頭のビジネスマンは、胸をはっておっしゃいました。「私は大丈夫ですよ。私は火遊びなんてしません!!」そうそう、彼の奥様は日本人でしたっけ。

 

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