Home > 神楽坂・飯田橋周辺 > 春爛漫…色は匂へど散りぬるを…

春爛漫…色は匂へど散りぬるを…

2013年3月29日 金曜日

今年の桜は人騒がせな猛ダッシュで開花…桜の名所も出店のテキヤのお兄さんたちも、桜を口実に寄り集まって飲んだくれようとしていた花見客も、みんな大慌て。こんなせわしない気分の花見は珍しい。それでも飯田橋JR駅の橋には人が鈴なりになってお堀の水面まで枝垂れる春霞のような桜をパチリ・パチリ。例年のことながらお堀の桜の下で食事やお茶を楽しめるCanal Caféの門の前には長蛇の列。文字通り老若男女がズラリ。本当に日本人は桜が大好きですね。この日本人の「桜狂騒」-テレビやラジオでいつ開花するか、満開はいつか、と大騒ぎ。人と会っても、手紙やメールを書いても、まずは「桜が…」が枕詞になってしまう日本人の尋常ではない桜への思い入れ -これは外国人には今ひとつ理解できないらしいです。「きれいですよ。もちろんね。」アメリカに長く住んでいたフランス人によると「あちらにも桜はあったし、花も咲いたけど、日本のようには誰も騒いだりしなかった」そう。「日本はどうして?」と聞かれれば、「ウ~ン…」。卒業、入学、入社といった人生の大きな節目の季節を代表する花だから…「バッと咲いて、サッと散る」ところが武士道の美学に通じるから…などよく耳にする説明ですし、外国人には一応そのように言ってはおりますが、「花よりだんご」という言葉もあるように、桜の木の下の宴会を見る限り、やはり日本人は「お祭り好き」国民なんではないでしょうか??
ゴージャスな千鳥ヶ淵の桜も美しいですが、郊外の町の小さな公園にひっそりと咲く桜の木も素敵です。誰もいない公園の桜はなぜかちょっとほの白い光を放って、静まり返っています。そんな花見をひとりでやっている日本人もたくさんいるとは思いますが…。
でもやっぱり行列をつくって延々と桜詣でする善男善女が、日本のお花見No1でしょうか。
桜の花の下では、赤の他人様とも気持ちがひとつになれて、「絆」を感じるんでしょうか?
最後にちょっと変わったお花見をひとつ。
日本語学校に通っていた小学生のフランス人の女の子。ある日、大遅刻。雷を落としてやろうと待ち構えていると、ニコニコしながらやってきて、「ハイ、先生!」と手を広げました。小さな手の中には風で落ちたらしい桜の花が一輪。こちらも怒る気をそがれ、あわてて湯飲み茶わんに水をはって、桜の花を浮かべました。すると、彼女はそばにあった黒塗りの漆の小さな板を持ち出して、「センセエ、この黒いのを下に敷くともっとステキよ。」まさに「画竜点晴」の極意をフランス人の子供から教えられた次第です。

神楽坂・飯田橋周辺